ウクライナ政府は中国への軍事技術流出が懸念されていたモトール・シーチ買収を阻止するため国有化することを発表したが、どうやら同社をトルコと共同保有するため協議を行っているらしい。
参考:Україна може продати турецькому підприємству половину пакету акцій «Мотор Січі»
中国からの投資が不可能になったため新たしい投資主として浮上したトルコ
ウクライナ政府は航空機用エンジンの技術が中国へ流出ことを懸念した米国の意向に応えるための買収されたモトール・シーチの国有化を進めているのだが、今月11日にトルコを訪問したウクライナのゼレンスキー大統領はモトール・シーチの株式50%をトルコ企業に売却する案をトルコのエルドアン大統領と協議したらしい。
モトール・シーチは旧ソ連時代から大型輸送機や攻撃ヘリ向けにエンジンを製造してきた実績をもつウクライナの民間企業で、同社の高バイパス比エンジン「D-18T(最大推力229.8kN)」に関連した技術を狙い北京天驕航空産業投資有限公司(中国航空発動機集団傘下)が同社の株式を取得して子会社化することを発表したのだが、モトール・シーチの技術が中国企業に移転されるのを懸念した米国がウクライナ政府を動かして同社の株式売買を一時的に凍結させたため中国企業によるモトール・シーチ支配は完了していない。
これに対して中国側はウクライナ国内で株式凍結解除に向けたロビー活動を展開、これが失敗に終わったため中国はウクライナと締結している通商協定に基づき第三者による裁定=つまり仲裁(株式凍結を解除しないのなら約35億ドルを支払えと言う内容)を正式に申し立て仲裁の成り行きに注目が集まっていたが、ゼレンスキー大統領が率いるウクライナの与党「国民の公僕(単独過半数を超える議席を確保中)」はモトール・シーチ国有化に必要な関連法案を議会に提出すると今年の3月に発表していた。
ただモトール・シーチ側は約2万人の雇用を維持するのに必要な国際市場で競争力を確保するため大規模投資を必要としており、中国からの投資が不可能になったため新たしい投資主を探さなければならない。
そこで浮上したのが2ヶ国間の軍事協定を締結したトルコだ。
トルコはモトール・シーチから開発を進めている国産重攻撃ヘリ「ATAK2」のエンジンとしてVK-2500(2,400馬力)を、新型巡航ミサイルのエンジンとしてイーウチェンコAI-25を供給してもらう予定なので、同社の株式を引き受けることはトルコにとってもメリットのある投資になるので今回の話が真実ならまとまる可能性は高い。
中国にとっては正に鳶に油揚げをさらわれた形だが、モトール・シーチにとってはウクライナ政府の国有化企業になるよりもトルコから資金を獲得できるので「渡りに船」と言ったところだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Dmitry A. Mottl / CC BY-SA 3.0
中国は昔から突厥(所謂トルコ系遊牧民)と対立してきた歴史的があるので中国からするととても腹の立つ対応なのでしょうかね?
(突厥と今のトルコはほぼ無関係だけど・・・)
中共がトルコ系のウイグル人を消そうとしているのはそのせいか?
突厥の南下が激しいので元々短かった万里の長城がとんでもなく長くなったのですね。
欧米との関係険悪化で中国に接近()してる。去年のナゴルノ紛争では同じトルコ民族だからとアゼルバイジャンを全面支援したが、今は同じトルコ民族のウイグルをジェノサイドしてる中国にすり寄ってる。
腹は立つんじゃない?とはいえ、今の中国と中国共産党はネチネチとした方法も取るだろうしなぁ
そういえば、先月末ぐらいにエルドアンが「お前はクビだ!」(中銀総裁解任)してからずーっとトルコリラが回復してないよな。
トルコとロシアって結局仲悪いの?いずれ黒海の天然ガス田を巡って衝突したりするんだろうか。
歴史遡れば16世紀ぐらいからずーっと黒海・カフカスを巡るライバル同士。アメリカなんて目じゃない因縁の長さ。
表立って対立はしていないけど状況によっては競争相手になるといった感じかな
ある意味正しいドライな国家間の関係ではある
他国の国家元帥が親自国だからと言って受け入れようとする我が国と比べれば真っ当かと…
話題のトルコリラ()に全財産つぎ込んでいて後が無い奴も多そう
「不倶戴天の敵」という言葉がこれほど似合う二国関係もないと思う
中共ざまあwwwwww
中国への情報流出を懸念したウクライナの判断は的確
しかし対ロシアになると割と暴走する節があるので冷静に動いて欲しいな
トルコの暴走も問題ではあるけど、欧米もちょいとイジメすぎな感じはする
歴史的に部外者が理解しにくい蟠りがあるのは分からなくもないのだが…
そもそも冷戦時代に黒海及び中東方面への橋頭堡として米英の意向でNATOに迎えただけだから、西洋キリスト教文明圏の欧米とはハナから外様扱いで反りが合わない。
当の欧米はポリコレ文化大革命でキリスト教文明をぶっ壊してるという
アメリカ「中国に技術流すな」
ウクライナ「じゃあトルコに売るわ」
アメリカ・EU「あ”?(怒)」
どっちも嫌だってならいっそドイツが買収すれば。
FCAS計画に口出す時に「RR抜きのEJ200」よりはマシな手札が手に入るだろう。
ウクライナはNATOを見限ってる感がある
核捨ててやったのにアメリカからもロシアからもこの仕打ちだから当然と言えるが
ウクライナトルコの関係では戦車技術のやり取りもあるだろうから、韓国も入ってきそう
そして欧米とロシア双方からコウモリ扱いで纏めてフルボッコ&干される瀬戸際に見える
核戦力放棄と大幅な軍縮と軍事同盟(NATO)加盟に及び腰だった結果がウクライナの現状。日本の非現実的平和主義者は現地に行って現実を体感してきてほしい。
つーても現時点ではウクライナはNATOに加盟申請しててボールはNATOにあるんだよね?
ウクライナがNATOに頼らなくなったらロシアは遠慮なくウクライナを蹂躙しに来るぞ
むしろ逆にNATOというかEUがウクライナを見限って見捨てる可能性はある
そうなったらロシアに敵意剥き出しのウクライナという国がどうなるか考えただけで恐ろしいな
ウクライナも金もないのに、よく冷戦終わって30年以上も産業基盤維持出来たよな
当時の技術者とか殆ど引退してるだろ
つか、ロシアへの兵器輸出及び軍需下請けで食い繋いでいたから
旧ソビエト兵器のアップデートビジネスを見ると自術力はあるんだよね
商売的には旨くは行っていないけど
造船や航空機なんかは新規発注が無いので衰退しましたし・・・
日本はそうならないようにしっかりお金を落とさないと。
安い外国製を、なんて言ってるとみじめなことになる。
これでTF-Xがまた完成に一歩近づいたか
KF-Xより先に飛ぶんじゃね?
TFXは試作機生産にも入ってないのにそれは無い
TFXの目指すところは第5世代であり、KFXは4.5世代型を目指しているだけあって技術的難易度が違う
ロシアはともかく、ウクライナにはステルス戦闘機の技術なんてないしな
かまってちゃんにマジレスしてやんな
原形初飛行なら分からんよ。
エンジンがボトルネックになってからずいぶん時間経ってるからエンジン周り以外の開発はそれなりに進んでるだろうし
エンジンを調達できる可能性のあるルートとして考慮はしてた訳だから、
調達できる想定で、エンジン周りもある程度は設計してある可能性もある。
エンジン手に入ったらとりあえずちゃっちゃと組み上げて、
適当なUAVのシステム突っ込んで飛ばすだけ飛ばしてみるなら1年も掛からないだろうし、
国内外へのアピールとして有り得ない選択肢じゃない。
F110積んで試作機作る、と言ってたのが2年前だから、もう出来てるかもよ?
当然F110は仮のエンジンなんだから換装は当然考慮してあるだろうし。
適切なサイズ・推力のエンジンが手に入れば、来年のKF-21の飛行試験より先に飛ぶ可能性は十分あるんじゃないかな?
それを言うのであればKFXがF414-GE-400搭載を決めたのは2016年、納入されたのは2020年であるし、TFXがF-100を搭載することをアメリカが許可したという話は聞かないな(当然エンジンの国産化も)
試作機が完成したのであれば、一号機の公開お披露目は必ずやるはず(特に輸出を前提とするならば尚の事)なのに、それが無いという事は試作機はどんなに進んでいても組み立て段階にしかない
韓国はすでに地上試験機である試作1号機を納入し、2号機、3号機もライン上にあるので、韓国が致命的なチョンボをやらかさない限りは、2023年には試作機が初飛行する予定だからな
どうあがいても、KFXの方が初飛行は早いだろう。(そこから先の苦労は考慮しないが)
いやトルコが試作機に積む(と言ってた)F110ってF-16用の流用でしょ。
ラファールAとかと同じで量産を前提としてないパターン。
だからF414の納入なんかより早く、というか最初っからトルコの手元にある。
>試作機が完成したのであれば、一号機の公開お披露目は必ずやるはず(特に輸出を前提とするならば尚の事)
必ずやる、とは思わんけどね。
特にTFX-F110の場合はその後アメリカとの関係が更に悪化してる事もあるし、コソコソやってても不思議じゃない。
あとトルコなら無人で飛行試験する手もあるし、
堂々と使えるエンジンが手に入ればとにかく最速で
初飛行まで持ってく可能性はある。
可能性の高低はさておき「どうあがいても〜」という事はないよ。
それこそ「韓国が致命的なチョンボをやらかす」可能性だって低くはない訳で。
去年の8月にTFX組み立てを行う工場が出来たばかりでは、さすがに難しいのでは。
リンク
2023年3月18日ロールアウト、その後2年間の地上試験だそうだし。
Twitterを検索する限り、トルコ語で呟いている人達が”順調にいけば今年から来年の2022年に組み立てが開始される”と言っておられる方々がいるのでまだ組み立てには入っていないでしょう。(なお、TFXの初飛行が2023年3月18日に予定されているそうです)
KF-21の初飛行は2022年の第2四半期に予定されている(四月~六月の間)
ぶっちゃけ開発実績を内外に示さないと切られそうなので、多少アレでもたぶん飛ばす
そうか、KF-21の方もそこまて切羽詰まってるか…
日本にとっては朗報だが中東の国にとってはクソみたいなニュースだな
トルコなんかに力つけさせるくらいなら中国が持っていってくれればと思ってる国は多そう
それはそうですね。日本人にとっては中国に要らぬ情報が渡らないのは直接的な利益ですが
中東諸国にとっての問題児はトルコで、力をつけて領土欲を出されると困る
かと言って欧州にとっても一線引いた付き合いになる国ですし
トルコと中国の軍事的関係の密接さを考えると、トルコ経由で中国に漏れるのは時間の問題だと思う。
トルコと中国がつながらないのかな?
欧米からハブられてる同士で急接近してる。一帯一路()の端っこ同士でもあるから。
エンジン製作は難しいから、この話は双方にメリットのある大きなビジネスになるだろう。
まだモトール・シーチの運命は未定だけど、露・中による買収だけはなさそう。
無人機開発を見据えて、日本(防衛省・企業)がこの話に1枚噛むメリットはないだろうか?
技術を売ってでも今お金が欲しいウクライナと将来の戦闘機エンジン国産のために土台になる技術が何でも欲しいトルコ。ウィンウィンな関係ですな。
アメリカ「はいストップ!」