ウクライナ戦況

ウクライナ軍、イワニフスキーとスタロマイオルケのロシア軍占領を否定

DEEP STATEは「ロシア軍がバフムート方面でイワニフスキーを占領した」と、ロシア国防省とRYBARは「ロシア軍が南ドネツク方面でスタロマイオルケを解放した」と報告したが、ウクライナ軍は両拠点に関する情報を否定した。

参考:Ukraine controls Ivanivske near Chasiv Yar, battles ongoing in Staromaiorske, military says

イワニフスキーについてはDEEP STATEとRYBARの報告が一致しているため期待薄だ

ロシア国防省は10日「スタロマイオルケを解放した」と発表、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも「ロシア軍がスタロマイオルケを解放した」と、ウクライナ人が運営するDEEP STATEも10日夜に更新した戦況マップの中で「ロシア軍がスタロマイオルケの大部分を支配している」と報告。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

さらにDEEP STATEはバフムート方面のイワニフスキー方向についても「ロシア軍がイワニフスキー(運河に続く森林地帯を含む)を占領した」と報告し、随分前から「ロシア軍がイワニフスキーを占領した」と報告していたRYBARの評価と一致したが、ウクライナ軍はスタロマイオルケとイワニフスキーに関する情報を否定した。

Kyiv Independentの取材に応じたホルティツィア作戦軍のヴォロシン報道官は「スタロマイオルケの状況は非常に流動的だ。敵は数的優位を利用して攻勢を仕掛けているが、我々は陣地を維持するだけでなく大砲や迫撃砲で反撃し、敵を撃退し続けている」と言及。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

さらにヴォロシン報道官は「イワニフスキーがウクライナに属し、この地域をウクライナ軍が支配している」と述べ、ロシア軍がスタロマイオルケとイワニフスキーを占領したという情報を否定した。

経験則から言えば「DEEP STATEとRYBARの報告が一致した拠点の占領は事実である場合が多い(100%ではない)」と言え、DEEP STATEはスタロマイオルケ占領を認めていないため「まだ集落の一部をウクライナ軍が保持しているかもしれない」とも考えられられるが、イワニフスキーについてはDEEP STATEとRYBARの報告が一致しているため期待薄だ。

出典:Воин DV スタロマイオルケ集落内に掲げられたロシア大統領旗

タブリア作戦軍のシュトゥプン報道官はマリンカを失った際も「まだ戦いは続いている」「我々の兵士はマリンカの行政区域内にいる」「マリンカの完全占領を語るのは時期尚早」と主張し続けたが、DEEP STATEは「マリンカの喪失が視覚的証拠によって確認されているのに『失っていない』と言い張るのは奇妙だ」と批判したことがある。一方のロシア国防省が発表する「拠点の占領」も当てにならず、RYBARなどのロシア人ミルブロガーが「解放を宣言するのは時期尚早だ」と発表を否定することも少なくない。

恐らく報道官には拠点喪失を自身の判断で認める権限も、迅速に拠点の喪失を発表するメリットもないため、否定以外の回答を持ち合わせていないのだろう。

関連記事:ロシア軍がイワニフスキーを占領、露国防省はスタロマイオルケ占領を主張
関連記事:ザルジニー総司令官、マリンカからのウクライナ軍撤退を認める

 

※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

新型攻撃ヘリがまもなく登場、LeonardoがAW249をEurosatoryで披露前のページ

最も状況が厳しいアウディーイウカ方面、ロシア軍がノヴォポクロフケをほぼ占領次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    クルスク方面の戦い、ウクライナ軍がプセル川を渡河してマクニフカに侵入

    RYBARはロシア領クルスク方面について10日夜「ウクライナ軍がリュビ…

  2. ウクライナ戦況

    DEEP STATE、ロシア軍がポクロウシク市内の駅、裁判所、市場を占領

    DEEP STATEはポクロウシク方面について2日「ロシア軍が市内中心…

  3. ウクライナ戦況

    ポパスナを手中に収めたロシア軍、イジュームで反撃に出たウクライナ軍

    約2ヶ月の攻防の末にロシア軍はポパスナをほぼ手中に収めたと発表、公開さ…

  4. ウクライナ戦況

    侵攻949日目、ロシア軍がポクロウシク・クラホヴェ方面で前進を続ける

    DEEP STATEはポクロウシク・クラホヴェ方面について29日「ロシ…

  5. ウクライナ戦況

    バフムート方面でもロシア軍が反撃を開始、戦場の主導権交代が濃厚

    RYBARは「バフムート方面のロシア軍がクリシェイフカ郊外に取り付いた…

コメント

    • FAB
    • 2024年 6月 11日

    ウクライナ軍は拠点の喪失を認めない。
    有利な位置に移動したと言う。

    51
      • 名無し
      • 2024年 6月 12日

      転進、転進~!!!!

      9
    • たむごん
    • 2024年 6月 11日

    情報戦も理解できるのですが、あまりにも外しすぎると、公式情報の信頼性が失われるんですよね。

    ハリコフの事例のように、戦況が不利な事を発表しても、支援国から支援が増した事例(ロシア領内の攻撃を認めるなど)もあります。

    SNS普及により、公式発表も機微のある対応が求められるため、報道官にも一定の権限が必要なのでしょうね。

    34
    • ななしびと
    • 2024年 6月 11日

    親ウOSINTでさえ認めてることを認めないっていうのは……
    取られていないことにするためにまた無駄に戦力突っ込むつもりなんじゃあないだろうねぇ…

    26
      • どねつくぼうし
      • 2024年 6月 12日

      さほど象徴的な価値を持つ地点ではないので無駄な奪還を試みる可能性は低いかと
      数日経ってから「やっぱり敵に占領されてました」と言及するいつものウクライナしぐさでしょう

      10
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  2. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  3. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  4. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  5. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
PAGE TOP