英宇宙軍(RAF Space Command)は敵対勢力の衛星を破壊するため戦闘機タイフーンを高度60,000フィート(約1万8,000m)まで打ち上げると英国軍の関係者が明かした。
参考:Britain’s Space Command training to send fighter jets to space to destroy enemy satellites
SM-3を搭載したタイフーンを高度60,000フィートまで飛ばして敵対勢力の衛星を破壊する?
ジョンソン首相は昨年11月、宇宙空間の監視や偵察衛星等の情報収集手段を用いたインテリジェンス活動等を担当する宇宙軍(RAF Space Command)創設を発表、2022年までに独自の小型衛星打ち上げ能力(ロッキード・マーティンの協力を得てシェトランド諸島から打ち上げる計画が進められている)を確保することを目指しており、今月1日に空軍のポール・ゴッドフリー准将が宇宙軍の初代司令官に就任したばかりだが現地メディアは軍関係者の発言を引用する形で「英宇宙軍がタイフーンを使用して敵対勢力の衛星破壊を計画している」と報じている。
複数の現地メディアが報じた内容を総合すると英宇宙軍は最終的に敵対勢力の衛星を破壊するため実用上昇限度に近い60,000フィート(約1万8,000m)までタイフーンを飛ばすことを検討しており、ひとまず対衛星攻撃任務に従事する専門のパイロットを養成するため空軍から選抜したパイロットに対して模擬訓練(高度20,000フィートから高度40,000フィートまで垂直上昇を行い空中発射型対衛星ミサイルを発射するという内容)を計画しているらしい。
ただ英宇宙軍も英空軍も空中発射型の対衛星ミサイル(ASAT)を開発も保有もしていないため何処から調達するのかが問題だ。
この点については軍関係者も触れていないが、現地メディアは「米国には衛星攻撃に転用可能な対弾道弾迎撃ミサイルSM-3があり、このミサイルはタイフーンの主翼下に搭載可能だ」と主張している。
SM-3は海上や陸上の発射基から打ち上げることを前提に開発され大気圏外迎撃体としてキネティック弾頭を採用した対弾道弾迎撃ミサイルなので、弾道ミサイルだけでなく低軌道上の衛星を破壊(推定)することも出来ると言われているが空中発射には対応していないためSM-3をそのままタイフーンに搭載して運用することは到底不可能だろう。
一応、SM-3ブロック1Aは制御を失って落下してくる偵察衛星を高度247kmで破壊することに成功しているが、これは本来の使用方法ではないのでSM-3を対衛星ミサイルに転用するなら衛星を本当に破壊できるのか実証するところから始める必要があり、さらにタイフーンによる空中発射に対応できるようSM-3を改造しなければならない。
そのため現地メディアが主張するSM-3を転用する案は実現性に乏しい=仮にSM-3で衛星を破壊すること可能ならタイフーンに搭載するのではなく英国本土(もしくは英海軍の艦艇に搭載して運用)にSM-3を配備すれば済む話なので現地メディアの主張は無理があるように映る。
しかし英宇宙軍は「今後の戦いで勝敗を左右するのは宇宙領域で運用される各種衛星がもたらす情報で、敵対勢力の衛星を拒否する能力を探求しないのは愚かだ」といっているため、何らかの形で敵衛星を破壊する方法を実用化してくる可能性は十分ありえる。
果たして英宇宙軍はどの様な方法で敵対勢力の衛星を拒否する能力を実現してくるのだろうか?
※アイキャッチ画像の出典:Peter Gronemann / CC BY 2.0
デブリの話が出てこなかった。
一回や二回の衛星破壊実験で軌道上の全スペースデブリの数割に当たる量のデブリを生じるほどなのに、敵が通信・偵察に支障をきたす数の衛星を破壊したら一体どれだけのデブリが出るんでしょうかね…
リアルでエスコンの世界みたいになってしまう
デブリを生じさせずに無力化する手段が必要では?
物理で殴るのは乱暴すぎる
VF-1で蹴落とすというのは、どうかな?
今度の新作(アーヤと魔女)はパヤオじゃなくて息子の吾郎のだから期待薄
節子、それデブリやない
あぁ、漸く何をボケてたのかわかった。
ありがとう。
キネティック弾頭は爆薬を持たず正面衝突で破壊するから、衛星やミサイルの破片の大部分は速度が落ちて遠心力が減り暫くすれば地球に落下するような気がする。
キネティック弾頭との衝突は
デブリ同士の衝突と原理的には同じ
そしてデブリ同士の衝突は、デブリの増大に作用する
この話そのまま鵜呑みにするとまずSM-3の購入交渉から始めないといけないのか
そもそも日米以外でSM-3持ってる国というか導入した国って現時点であるのかな?
購入するより先にタイフーンから発射できる改造が可能なのか、衛星狙えるのか、そういう運用にどのくらい費用対効果のあるのか、検証すべきがいっぱいでは。
どうも英国人は信用ならん
イランが、F-14用にホークミサイルを転用したと聞いた時も無茶するなと思ったけど、
それに近い印象を持ちました。
中国の衛星運用数に対するデブリ量はいつ見ても呆れしか感じない。
リンク
まぁBMDより確実に軌道が解る人工衛星破壊する方が楽だろうし、SM3 IIAなら高度1000km前後までのは十分に狙えるだろう。
システム的にもEoR出来るから航空機側は何とかなるとして、
ミサイル側は懸架するのにかなり強度的な改修しないと無理だろうな。
いっそ日本で廃案になったアショア派生のイージス・リグとかなら・・・いやどうだろうか。
宇宙条約だと部分軌道爆撃はok(常時衛星軌道に乗っけてる兵器からの対地攻撃はダメ)だったから旧ソ連が地上配備レーダーの射程外の高高度から弾道ミサイルを敵国領空に侵入させる戦略視野に入れてた記憶
結局早期警戒衛星の赤外線レーダーにひっかかるってんでお釈迦になったけど、戦闘機から発射した対衛星軌道(?)ミサイルで早期警戒衛星潰せるようになったら、また各国が部分軌道爆撃可能な高高度軌道大陸間弾道ミサイル配備するのかね
我が国も衛星軌道から飛来する弾道ミサイルの対策と早期警戒衛星防護の手段模索する必要性が将来的には出てくる予感、実は今もこっそり科学研究名目で研究してる気もするけれども
よほどタイフーンの使い途がないのか、SM-3を持て余してるのか。後者なら日本に売って欲しい。
そもそも英国さん、SM3運用してたっけ?
米軍も空中発射型のASATを開発していたけど、地上/海上発射じゃダメなんですか?
>地上/海上発射じゃダメなんですか?
地上/海上発射だと、横方向に移動しづらいからダメです。
弾道ミサイルと違って衛星は高度が格段に高いから、出来る限り垂直方向にミサイル打ち上げたい。
そのためには出来る限り衛星の軌道の真下から撃ちたい。
なんで横方向の移動に優れる航空機発射となる。
宇宙戦がもう冗談では済まない時代に突入している
スターウォーズ計画の時代からすると隔世の感(当時まだ生まれてないが…
しかし、衛星軌道で物理での殴り合うと、デブリが激増する難点が。
臨界値を超過してケスラーシンドロームが起きると、衛星軌道の利用が困難になる、
第三者にとっては、はた迷惑な行為。
人間が想像できることは、人間が必ず実現できる。つーのを痛感する出来事ですね。
あとは時間とコストの問題。
空自のF15にも導入してほしいな
中国が衛星を増やして居るからメリットがあるし
夜行雲のサリッサかよw
英国面極まってるなあ…
いい意味の変態も極まると何か生み出すよたぶんw
タイフーンのエンジンってこのミッションに応えることが出来る程の出力あるのかな。
しかも搭載は一発でしょう。
相当数の用意が必要になると思われるけど予算があるのかな。
タイフーンの数少ない利点がエンジンだし、大丈夫じゃないかな。
本気で衛星を破壊すると敵対国も同じ事をして急増するデブリが自国の衛星にも被害を及ぼすから現実的でないと思う。
寧ろ可能かは分からんが電気仕掛けの投網の様な物で絡めてバランスを崩させアンテナや太陽光パネルを曲げる等制御不能にするとやがて落下して・・・何て事には出来ないか?知らんけど。
衛星にレーザー兵器積んだほうがはやくないか?
条約違反だの戦争始まるまではわかんないし、いざ戦争始まったら条約とか関係ないから
返信 有り難う。
衛星自体光を反射する様な表皮で覆われていなかったか?
レーザー光を反射する事は無いのか?分からんけど
ハイパワーな電磁波攻撃は大電力が要るし
電気仕掛けの投網=通信妨害や誤作動を起こさせる 的なイメージでした
多分本体はアルミなどの導電体だろうし
或いは、敢えて片方のソーラーパネルに物理的な運動を加えて回転させる嫌がらせとか?
ハッキングして落下コースに軌道修正するのが手軽かも。
ストラトスフォーかな?
F-15のプラモデルで対衛星ミサイル付きのテスト部隊仕様のあったなあ
日本も巡航ミサイルを迎撃できるようAAM4を開発したようだが
発射予告もないものを2時間程度しか対空できない戦闘機で対応可能なのかと