Rheinmetallは2023年「来年中にウクライナで装甲車輌(Panther、Lynx、Fuchs)を製造したい」と述べ、12日「最初のLynxを2026年初頭にウクライナへ納入する」と発表したが、PantherやFuchsの供給や現地生産については資金供給の目処が立っていない
参考:Rheinmetall supplies Lynx to Ukraine
参考:Rheinmetall’s Lynx fighting vehicles could soon see combat in Ukraine
参考:„Jetzt werden auch Satelliten kommen“
善意や義務感ではなくビジネスとして成立するかどうかが重要なのだろう
Rheinmetallのパッパーガー最高経営責任者は2023年3月「ウクライナと2億ユーロの投資を必要とする戦車工場の建設計画を話し合っている」「この工場ではPantherを年間400輌も生産することが可能だ」と、7月に「12週間以内に装甲車輌の生産や修理を行う工場をウクライナ西部に開設する予定だ」と、10月にRheinmetallとUkroboronprom(ウクライナ国営の軍産複合体)は提供された西側製装備の整備を行なう合併会社を設立したと発表。

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さらにパッパーガー氏は「FuchsとLynxの契約が来年早々にウクライナとの間で成立する見込みだ」「Fuchsは契約締結後6ヶ月~7ヶ月以内に、Lynxは契約締結後12ヶ月~13ヶ月以内に最初の車輌を完成させたい」と述べていたが、ウクライナ国内でPanther、Lynx、Fuchsを製造する計画は殆ど前進を見せず、2024年末に評価目的でハンガリーで生産されたLynxが1輛引き渡されただけだった。
それでもRheinmetallは12日「我々はウクライナの国防能力を強化するため追加システムを供給している」「ウクライナは早ければ2026年初頭にも最初のLynxを受領する予定だ」「これに関する契約は2025年12月に締結された」「初回分5輛の発注額は数千万ユーロ台半ばでドイツ政府が費用を負担する」「Lynxの採用決定は次世代歩兵戦闘車としての広範な評価試験を経て下された」「供給されるLynxにはLance砲塔が搭載され、ウクライナ軍の運用要求に基づいた固有の仕様に構成される」「次のステップとしてウクライナ国内での現地生産を含む追加ロットの調達が計画されている」と発表。
#Rheinmetall to supply #Lynx to #Ukraine 🇺🇦 – Order value for the first batch in the mid double-digit million euro range https://t.co/6bMIyr4Fki pic.twitter.com/a1bOJPIvmr
— Rheinmetall (@RheinmetallAG) January 12, 2026
パッパーガー最高経営責任者も「ウクライナが我々に寄せた信頼に感謝しドイツ政府の支援にも謝意を表する」「今回の受注はウクライナ支援に向けた我々の継続的な取り組みを裏付ける重要な成果である」と述べ、要するに「ウクライナ軍の要件を満たすLynxの生産準備が整った」「初回分5輛はハンガリーの生産拠点で製造される」「ウクライナ国内での現地生産も計画中」「この費用はドイツ政府が負担する」という意味だ。
因みにパッパーガー最高経営責任者は昨年末、ドイツ軍予備役協会の取材の中で「ウクライナに弾薬工場を建設する計画は残念ながら遅延している。本来の計画なら工場は既に稼働していたはずだが、ウクライナ側が工場の建設先を変更したと言ってきた。新しい工場の建設先は速やかに決定される見込みだ。建設先が決まれば12ヶ月以内に工場を稼働させる予定だ。戦闘車輛についてPanther、Lynx、Fuchsを供給する予定だ。アルジェリアでFuchsを生産しているのと同じようにPanther、Lynx、Fuchsをウクライナで生産したい」と述べたことがある。

出典:Rheinmetall
2025年12月に締結された契約でLynx供給は動き出したものの、PantherやFuchsの供給、Panther、Lynx、Fuchsの現地生産に動きがないのは「これらの契約を締結するのに莫大な資金が必要で、これを誰が負担するのか決まっていない」というお馴染みの問題に原因があり、パッパーガー最高経営責任者も「ウクライナでの現地生産は最低でも200輛~300輛の生産が見込める場合にのみ意味がある」と述べているため、善意や義務感ではなくビジネスとして成立するかどうかが重要なのだろう。
どちらにしてもLynx供給は動きだしたため、Defense Newsは13日「ハンガリーに続きウクライナはLynx運用国に加わることになる」「まもなくLynxはウクライナで実戦投入される可能性がある」と報じている。
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※アイキャッチ画像の出典:Lukas1325/CC BY-SA 4.0





















停戦後のウクライナ軍は、
空軍がラファールとグリペン、F-16
陸軍がドイツ系装甲車両
と結構豪勢な編成になるということでしょうか。
西欧諸国と比べても大増強を目指しているポーランド・ドイツはともかく、フランスやイギリスを超える通常戦力の保持し、フラミンゴ巡航ミサイルや各種長距離ドローンも大量保有となるので、核こそないもののの、第一級の軍事大国となれそうです。
ここまで揃えば核の恫喝はともかく、ロシアが通常戦力で再度侵攻するのは不可能で、ウクライナが戦後の安全保障は万全な気がします。
武器種・数、発表通りならば、かなり豪華ですよね。
米欧グリーンランド問題で関係ひっ迫する中で、グリーンランドに欧州軍を派遣する話しがでていまして、欧州にとって新たな負担になりそうだなあと。
英国政権支持率10%台(首相が歩くだけで怒鳴られたり)・フランス政権支持率10%台・ドイツ政権支持率20%台などを見ると、どこまで実効性があるのかなあと感じていたりもしています…。
あの借金の量でどこから金が?
戦後はEUは金貸しじゃなくて取り立て屋になるんだよ
仰る通りで、国有企業売却やってましたよね。
西側国境地帯でも、どこまで妥協を強いられるのかにも注目しています。
ポーランドは西ウクライナ
ハンガリーはザカルパッチャ
ルーマニアはベッサラビア
外交問題=少数民族問題・歴史問題を抱えているわけで、ゼロ回答は不可能だろうなあと。
マッコイじいさんでもいない限り多機種運用は金食い虫ですから整理するのでは。
てかそもそもラファール導入って成立するんですかね…
性能で相手より優位に立つか、性能が低くても数で圧倒するか、ハイエンドな戦争ではどちらがいいのか分からなくなってきた。皆さんはどう思いますか?
非線形会戦下では戦力の集中が阻害され効果の集中によって代替される
数で圧倒するのは不可能だし少数精鋭で達成出来る効果の集中は限定的すぎる
一定の水準で均質に持っていなければならない
それを従来の兵器で揃えるには高価すぎるから、高性能と低価格を両立した上で切り捨てられたのが兵器としての寿命なんじゃなかろうか、概論で言うと
分野によるでしょう。ドローンなどの消耗品の分野では、露骨に数は力ですよね。一方、例えば第5世代戦闘機相手に第4世代以下の戦闘機で航空優勢が取れるかというと、それは不可。同じ世代同士なら支援と数が物を言うということで、数や運用を活かそうにも性能面である程度拮抗していることが求められますよね。
資金の問題が殆どでしょうが、ウクライナ国内の防衛産業が生産能力を余らせている(少なくとも当人たちはそう主張している)現状では業界からの反発も大きそうですね。
多くの企業は戦後の需要縮小を見越して海外でのシェア拡大を目指していますが、輸出は事実上禁止されており国や銀行,国内市場も渋いので中央と太いパイプがある企業以外は資金調達から生産能力拡大(そして納税)まで全てを海外でやらなければならないという。
ラインメタルの株価は(RHM)は、5年で20倍(ユーロ建)になっているようです。
信用力の高い顧客から、ものすごい大量に注文が積み上がってるわけですから、お金を払えない・払わない相手に時間かけなくても困らないんですよね。
パンターを採用する国がもっと出てくればと思ったが、金を出したのに自国じゃなくてウクライナ優先されそうなら二の足を踏むか。130mm砲を採用するなら砲弾も作らなきゃだし。ハンガリーやイタリア同様に既存の120mm砲を採用するかもだが。
停戦の進捗はどうですか?
なぜわざわざ四六時中ミサイルが降ってきて危ない上に、輪番停電が常態化するくらい電気が足りていない国に軍需工場を……?
ロシアのミサイルがそのうち枯渇するという23年当時の楽観的な構想だったんだろうな