ロシア軍は14日に計38発の巡航ミサイル(Kalibr、Kh-22、Kh-101/Kh-555、Kh-59)で攻撃、ウクライナ軍の防空シールドをすり抜けた「推定13発」が電力施設や民間人に大きな被害が出ているものの、最も注目すべきは巡航ミサイルの攻撃前に実行された首都攻撃だ。
参考:Воздушные силы рассказали, откуда ударила Россия по Киеву 14 января
参考:Росія застосувала по Києву ракети ЗРК С-400 – Залужний
参考:В ВСУ нет огневых средств, способных сбивать ракеты Х-22 – командующий Воздушных сил
5月~6月頃にパトリオットシステムが配備されるまでウクライナのお手上げ状態は続くのだろう
ウクライナのレズニコフ国防相は昨年末「対地攻撃モードで使用されるS-300は200km~220km先の目標に到達する」と明かしていたが、空襲警報が発令される前にキーウでは最低でも4回の爆発が確認され、ウクライナ空軍の報道官は「ロシアが北の方角からS-300の迎撃弾を弾道コースで飛ばし首都を攻撃した。我々には弾道コースで飛んでくるミサイルを検出して迎撃する有効な手段がない」と発表して注目を集めている。
昨年11月にもウクライナ空軍の報道官はロシアがイランから入手しようしていた弾道ミサイルについて「これを効果的に阻止する手段を我々は持っていない。手持ちの防空システムでも迎撃は論理的に可能だが、我々にミサイル防衛の能力はない」と述べていたが、S-300の対地モードで使用される迎撃弾に対してもお手上げ状態なのだろう。
ウクライナ空軍もザルジュニー総司令官も首都を攻撃したS-300の迎撃弾(総司令官だけはS-400もしくはS-300から発射されたと主張している)について「ベラルーシ領から発射された」とではなく「北の方角から発射された」と述べており、レズニコフ国防相が言及した「200km~220km」という数値が正しいのなら「北の方角」とはロシア領ブリャンスク州を指している可能性が高い。
レズニコフ国防相は「S-300の迎撃弾をロシア軍が6,000発以上保有している」と推測しており、5月~6月頃にパトリオットシステムが配備されるまで「ウクライナは耐えるしかない」というのが現実で、仮に配備されても守れる範囲は限定的だ。
因みにKh-22が命中(推定)したドニプロの高層アパートでは12名以上の市民が死亡しており、まだ建物の瓦礫の下には多くの犠牲者が埋まっていると推定されている。
追記:ウクライナ国防省が公開した動画に登場した兵士は新たに「ソレダル郊外の岩塩坑施設=Ⓐに国旗を掲げた動画を公開」したため、ウクライナ軍が主張するソレダル中心部とは「西郊外の岩塩坑施設」である可能性が高く、やはりソレダル中心部はロシア軍が支配しているというのが大半の見方だ。
あとクリシェイフカの南からバフムートの東に回り込もうとする動きをロシア軍が見せており、今のところウクライナ軍に前進を阻止されているが非常に気なる報告と言える。
追記:ウクライナ空軍は「マッハ3.5以上で飛行するKh-22を迎撃手段を持っていない。これまでロシア軍はウクライナに向けてKh-22を210発以上も発射したが、我々の防空手段で迎撃されたものは1つもない」と明かした。
関連記事:ウクライナ軍はお手上げ、ロシアがベラルーシ領にイラン製弾道ミサイルを配備か
関連記事:ウクライナ国防相、対地攻撃モードのS-300は最大220km先の目標に到達する
関連記事:ロシア軍はソレダル占領を宣言、ウクライナ軍は市内中心部で戦闘中と反論
※アイキャッチ画像の出典:Командування Повітряних Сил ЗСУ S-300
ここはぜひアメリカにATACMを供与してもらいたい
最近のトピックである「反撃能力」の1つの試金石になるでしょう
対地モードとはいえS300は対空ミサイル、パトリオットで迎え撃つとなると東西を代表する対空ミサイルの直接対決という展開に
こういう戦闘になるとか誰が想像しただろうか
しかしS-300の迎撃にパトリオットじゃ割に合いませんね。
トーチカやイスカンデルならまだ迎撃する価値もあるのですが…
改めてミサイル防衛の難しさを感じます。
やはり、ドニプロ河に沿ってBMDが欲しいですね。
BNDだけでなく、Shahed-136や巡航ミサイルを迎撃する施設も。
ハルキウなどを除けば、そうした兵器は必ずドニプロ河を越えるでしょうから。
イージス駆逐艦に、ワープ(?)移動をしてもらいたいくらいでしょうか(笑)。
前にも書いたけれど、S300で扱える西側SAMはないのでしょうか。
素人はPAC2を改造するのかと想像するのですが。
>ドニプロ河に沿ってBMDが欲しいですね。
破局的で少数の核ミサイルから絶対防衛するマン装備で、バカスカ撃てるS300迎撃するのは、数的にもコスト的にも割が合わンゴねえ。。。
なんならまずS300撃って弾切れさせてから、すぐその次に重要なミサイル撃とうか、と裏をかかれるレベル。
ロシアにはS300迎撃弾が6,000発あるそうですが。
今、ウクライナ近辺に集積されているのは最大限で500発
と見込まれているようですね。
一度に飛んでくるのは発射機の数です。
14日にウクライナは40発中の30発を撃墜したそうです。
あと10発ですね。
今はロシアの一度の発射数に対し、対抗手段の数が足りないだけかなと。
被害の報道されたドニプロ市は、言うまでもなくドニプロ河の河岸にあります。
ドニプロ河沿いに防空施設が密にあれば対処できたと思います。。
両軍ともに大本営発表する傾向のある戦争において、ウクライナ空軍は比較的、正直に「出来ない事は出来ない」と明言する組織なのですが、今回のように「これを効果的に阻止する手段を我々は持っていない。」とお手上げだと主張するのは珍しいですね。
ロシアによる反復攻撃を招く可能性が高い発言ですが、ウクライナ空軍としては迎撃可能なシステムの提供か、ロシア本土への攻撃を認めてほしいという事でしょうかね。
パトリオットがロシアの弾道ミサイル相手にウクライナで活躍する日が来るとは
ある意味貴重な実戦テストにもなりそう…活躍を期待したい
ソレダルはまさに最後の砦のみというところ、ここが突破され幹線道路沿いがロシアの手に落ちたらっ北方やM03方面まで危ない
ウクライナ軍が必死に守るのも分かる気はするが、岩塩坑を砦としている場合撤退などがうまく行われているか心配になる…
ソレダルバハムト周辺のロシアの攻勢の要因だけど、ポパスナが
鉄道の結接点として復旧しているのかもしれない。
もともとリシチャンシク周辺のロシアの攻勢もルハンシク周辺の鉄道網
りy
もともとここは高地で管理人さんも書いているように、砲撃の拠点として
有用だった訳だけど、実は鉄道の結接点としても非常に重要な場所。
昨年の夏頃だったか、ポパスナは徹底的に破壊されたと聞いたけど、
半年かけてロシアは鉄道の機能を回復させたのかもしれない。
前にレジスタンスに破壊された鉄道を修理するロシアの人達の記事は見たな。
ウクライナって1520mmでロシアと同じだから修理は手慣れたものでしょう。時々攻撃がされるという一点を除いて。
管理人さんすみません、校正途中の文章を送ってしまいました、、、
削除依頼はどうやればいいのか分からないので申し訳ありませんが
削除よろしくお願いします。
パトリオットが導入されても、すぐに迎撃弾が無くなるでしょうから、反撃能力を与えるしかないですね。
そろそろ考えないと。
専守防衛だけでは、拉致が開かない例として有用な事例ですね。
日本の中道左派議員の方も不毛な空理空論で審議の邪魔をする事が減ってくれれば良いな。
世の中には問答無用な強盗、殺人鬼の類がいて話し合いだけでは解決できない事があるんだと。
これでも全然本気じゃないんだよね。
本気は対NATOにほぼ全量温存している。
S-300の迎撃弾の対地モードは精度が高くないのは判明してるけど、
都市部への無差別攻撃では効果的なんですよね
精度低くても10倍打ち込めば効果見込めるだろうし
撃墜率を考慮するとやはり超音速ミサイルの方が有用なのか