欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は19日、ウクライナ東部の国境沿いに集結したロシア軍が15万人を突破したと明かして注目を集めている。
参考:Russian military build-up near Ukraine numbers more than 150,000 troops, EU’s Borrell says
果たしてNATOやEUは本気でロシア軍の脅威に対抗する気があるのだろうか?
ウクライナのクレバ外相は19日、EU加盟国の外相に対してロシア軍の状況を説明「これ以上問題がエスカレートするのを防ぐためロシアに対する新たな制裁を実施して欲しい」と強く要求したが、EUのボレル外相は「ウクライナ東部やクリミア半島に15万人以上のロシア軍兵士が集結しており両国の軍事的緊張がエスカレートするのは明白だ」と明かして欧米諸国により積極的なウクライナ支持を求めたものの「EUとして新たな経済制裁や外交官の追放などをロシアに課す予定はない」と述べたため失望感が広がっている。
EUはロシアによるクリミア半島併合を理由に限定的な経済制裁を継続しているが、今回の軍事的緊張の高まりに対しては「ロシアに軍の撤収を求める」と呼びかける程度で具体的な対応策は何も行っていない。
唯一、米国のバイデン政権がウクライナの状況に対応した措置を含む新たなロシア制裁を今月15日に発表したが、この制裁はロシアの諜報機関による米政府機関や企業への高度なハッキング行為を非難するためのもので、どちらかと言えばウクライナの状況に対応した措置はおまけ的な扱いだ。
NATOもロシア軍の兵力集結を批判してウクライナ支持を打ち出しているものの直接的な支援=つまり地上軍の派遣や装備・物資等の援助には踏み切っておらず、米欧州軍の最高司令官トッド・ウォルターズ空軍大将に至ってはロシアがウクライナに侵攻するリスクは低~中程度で「今後ウクライナ侵攻に繋がるリスクは低下していく」と議会に報告(15日)していたが、集結するロシア軍は増える一方で侵攻に繋がるリスクは逆に高まっている。
最も期待外れなのは黒海で予定されていた米海軍とウクライナ海軍との共同演習で、米国は空母セオドア・ルーズベルトと駆逐艦ドナルドクックを黒海に向けて出港させたものの派遣を突然中止してしまった。今のところ派遣中止の理由は明かされていないがロシア側は米空母が到着する前に黒海艦隊を動員して海上演習を済ませていたので、この地域における軍事的プレゼンスは一方的にロシア側へ傾いているのが現状だ。
一応、英国がウクライナとNATOの連帯を示すため黒海に45型駆逐艦と23型フリゲートを派遣するらしいのだが、これは5月下旬(23日出港が有力視されている)に日本へ向けて出港予定の英空母打撃群が地中海を通過する際、所属する45型駆逐艦と23型フリゲートを2隻分離して黒海に向かわせるというもので切迫した状況に悲鳴をあげるウクライナにとっては遅すぎる援軍だろう。
ウクライナの駐ドイツ大使は現地ラジオ番組に出演して「NATOに加盟できない場合に備えて核武装を検討しており他に祖国を防衛する手段がない、ウクライナに対する戦争準備は現実に着々と進んでいてベルリンでも真剣に事態の深刻さを受け止めるべきだ」と主張して注目を集めていたが、これは核兵器の再取得をチラつかせないといけないほどウクライナが追い詰められているという意味で米国の強力な支援に支えられている台湾と状況が真逆だ。
つい最近までウクライナ東部の国境沿いに集結したロシア軍の数は10万人だったのに、これが数日の間で15万人以上に膨れあがり今後も増加する可能性も否定できないので、いい加減NATOやEUが具体的な支援に乗り出さなければウクライナ東部は再びロシアに飲み込まれてしまうかもしれない。
果たしてNATOやEUは本気でロシア軍の脅威に対抗する気があるのだろうか?
それとも米国を除くNATO加盟国の中で最大の地上軍(諸説あるが徴兵や予備役を含め30万人~50万人ほど動員可能らしい)をもつトルコがウクライナと軍事協定を順守して積極的な支援に乗り出すのだろうか?
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※アイキャッチ画像の出典:Mil.ru / CC BY 4.0 ロシア軍のT-72B
どうやら西欧側はウクライナをロシア圏として譲る内諾をしてますね、戦争を防ぎ国の分裂を防ぐには親ロシア派に政権をまかせるしか選択肢が無さそう。
アメリカはいま中国で手一杯だからごめんなさいと。
自分で自分の立ち位置を選べない国は悲しい
2014年に発生したマイダン・オレンジ革命で合法的に選ばれた大統領がロシアに逃亡。新政権は公用語をウクライナ語に統一すると決定したが、これに激怒したロシア語話者によるデモ行為が各地で頻発。弾圧への抗議と抵抗勢力が集合し東部で親ロシア派が分離独立、そのままドンバス戦争に発展した。
ドンバス戦争では初期は分離独立勢力が優勢だったがウクライナ側が対テロ作戦を実施した事で兵力均衡が国軍に傾き、8月にロシア軍がウクライナ領に大規模侵入した事で形勢が逆転し現在の境界線へ押し返された。
ミンスク合意の1・2を内容を考慮すると、ウクライナ側が分離勢力のノヴォロシア連邦の独立或いは好待遇でのウクライナ帰属を承認しないと紛争は終結しない。ロシア及び国際法とやらでは、現ウクライナ政権は不法行為で誕生した前政権を継承する純ウクライナ政権。ゼレンスキー政権がクリミア含め東部領の奪還を目指しても非ウクライナ施政地域への軍事侵攻は侵略と認識される。これがロシア軍を現地に残留させる最大の理由。
追伸。
15万と言う数字が正しい前提で考えれば、現在ウクライナ国境近辺に展開しているロシア軍は総軍の16%に相当。四つの管区と一つの統合戦略司令部(特区)を持つロシア連邦総軍の内、ウクライナ国境は南部管区に属す。この為理論上は後3万前後の兵員を追加できる。
ロシア軍の下士官以下編成は契約要員が多く、多くの人員を配置すると必然的に契約軍人の数が増える。この為長期間の動員態勢を維持するとコスト(人件費)が増大するが、ウクライナとロシアの国力を考慮するとウクライナ側の出費の方が相対的に高い。欧州や欧米から軍事支援や資金援助が無ければ睨み合いを継続出来なくなるので、核の再配備を匂わせてでも援助要請を繰り返す。
手薄になるのは極東かな?
中国は台湾を狙うふりしてロシア極東を取りに行ったりして。
そりゃあ、北部満州と沿海州は当然として、シベリアも係争地だったからね。
ウクライナはNATOというより、まずはトルコの支援を期待してそうなんだよな。
トルコは難民化してるシリア人で格安で超ブラック労働者な傭兵部隊を量産して、幾らでも消費と補充できるから、
それと最近アゼルバイジャンで活躍したトルコ製UAVとがウクライナの本命だろう。
NATOはクリミア半島でも何もしなかったし、正直、必ずしも引き出せるとは期待してないんじゃないか?
ウクライナとしては苦しすぎて藁にもすがる思いで支援要請してるんだろうけど。
で、ロシア側からしたらこの動きは先日のアゼルアルメニア紛争の意趣返しに思えるんだよね。
直接干渉するには地理的政治的に難しいから、アゼルを支援してロシアの面子を潰したトルコと近しいウクライナを改めて叩くことで、国内外にロシアの威を示したいんだなって。
それで、香港台湾絡みで西欧が動けないこの時期を狙ってウクライナを追いつめるのに成功してる。これでエルドアンも面子を失うのか
トルコが本格参戦したら面白いけどクーデター未遂のあとアメリカとの仲もうまく行ってないのにロシア敵に回す気はないだろうなあ
アメリカとしてはトルコとロシアがやりあってくれたら漁夫の利、むしろけしかけるだろう。
エルドアンはそれにのせられるほどバカではないけどね、まあこの機会を逃さずウクライナに兵器は売りつけるでしょう
今後ウクライナ侵攻に繋がるリスクは低下していく
この発言のせいでロシアの兵力増えちゃったんじゃないの?
双方が兵力増強を続けるかたちで軍事的緊張が高まっていったのならロシアも手の出しようが無かったし、
最初はそこまでするつもりも無かったかもしれないけど、NATOが動かないとなったは話は別だね
このままだと間違いなく親ロシア派領に進駐して、併合を宣言するだろうな
ウクライナ進攻その隙に中国が台湾進攻か
台湾侵攻を未然に阻止、その隙にウクライナかも。
アジアでEU諸国の手が回らない内にウクライナと国境沿いでドンパチか……はたまた……?
これ、コインの裏表だよね。ただ現状鑑みるにロシアは志那の台湾進攻を確信してんだろうな。密約あるかも?。
個人的には中国に空母や艦載機の元ネタが渡る前だったら良かったのに・・・とは思う。
ロシアのGO TOキャンペーンは派手だねぇ
ロシア軍の集結地点に変異種クラスター発生したらいいのに
大軍を討ち破るのは、細菌兵器、兵站破壊、昔なら火攻めや水攻め、あと何だろう?
個人的にはオススメできないけど、細菌兵器はコロナが隠れ蓑になるから使用するタイミングとしてはうってつけではある。上手くいけばロシアを撤退まで追い込める。その後細菌が世界に広がるだろうからオススメできないけど。
ロシア外相は緊張緩和を訴えながら、プーチンは怒涛の勢いでウクライナ国境へ軍備増強を
続けている。プロパガンダ戦が激しい。
ロシアは平和を騙っているのではなく、軍で脅すことで外交的成果をあげたいんですよ、つまり本音で和平を求めてはいるが、ウクライナには政治的に屈服してもらわないと終わらないよのサインね。
トルコの支援程度じゃウクライナは一方的に押されるしかないから、今回はロシアの要求を飲むしかないでしょう
学習しねえなEUは…
ナチスに譲歩してどうなったか忘れたのか
戦中世代がほぼ交代してるからね、あの戦争からもう約90年くらい経つしさ。
イギリスのエリザベス女王の配偶者のフィリップ殿下の死去とかも衝撃的なニュースだし。
というか、楽観的に考えるからまた欧州が戦火に巻き込まれるのではと思う。
まあ、本邦も戦火に包まれる可能性が高いけど…
EUはトルコの動きを見てる?加えて、露の動きを楽観視してるのかな
もともとヨーロッパは、SDGs絡みでロシアからの天然ガスは必須でしょ。だから、ロシアと決定的にことを構えることができないと、見切られてるよ。先日のアゼルバイジャンの件でも、結局介入しなかったし。
中国共産党が「ロシアがアレだけやっても他の国は指くわえて見てるだけなんだから自分たちもいけるだろ」と考えるようになったら怖いな
ウクライナ侵攻にタイミング合わせて中国も侵攻するは考えすぎっぽいけど将来的にはねえ・・・
台湾はアメリカの国家の核心的利益なのでウクライナみたいな国とは絶対的に重要度が違う
ひとつの中国を認めたのはアメリカなんだけど、
それが今日の共産党による台湾併合の根拠になってるよ
仮にロシアがウクライナ侵攻して成功してしまったら、1935年イタリアのエチオピア侵攻のように「国際社会は無力でやったもん勝ちだ」という誤った認識を世界に与えることになる。
その後ドイツがラインラント進駐、オーストリア併合、チェコスロヴァキア解体、ポーランド侵攻と突き進んでいったのを振り返ると「アジア太平洋方面で忙しいからウクライナ問題は融和してもいい」という考えがどれほど危険かが分かる。
ロシアがEUにに攻め込む未来は流石にないだろうからなぁナチス再びとはならないでしょ
ウクライナ軍は25万人いるから簡単には負けないだろう。
ウクライナ政府はすでにビビってるからこそ核保有を匂わせたりしてるし、
しかもロシアはいくらでも予備兵力をくり出せるからな、制空権とられたらどうしようもあるまい。
ジョージアとクリミア半島のときに素早くキメた限定戦争の再現になるよ
ウクライナはロシアと地続き、何の障害もない平原がどこまでも続く国、有力な空軍に支援された機甲部隊が進撃してきたら止めるのはほぼ不可能です
日本とは緊張感が違うよね
依然としてNATO行きたい上にリサイクル核武装の準備だもんなあ
なんちゃら人民共和国の保護を理由に侵攻不可避だろこれ
いかんなこれは。NATOが及び腰なのが完全にロシアに把握されている
クリミアの実権を奪い取った今ロシアが侵攻する意味は薄いはずなんだが
ロシアは利益ではなく威信のために普通に動くからマズイ空気だな
クリミアに水を送る運河を止められて厳しいみたいだから、そこを手中に治めるのが目的とか云われているけどね
2014年にウクライナにハイブリッド戦争を仕掛けたロシアとしては、NATOやウクライナとの全面対決はやりたくないはず。すると今回の一連の軍事行動はハッタリの可能性が高いと個人的には考えている。というかお互いにやりたくないでしょ。本気で戦争を始めたら天然ガスを供給されているNATO諸国がヤバくなるのは勿論、ロシアも西側の経済制裁で大打撃を食らうだろうからね。
ロシアのハッタリでも、ここまで軍を押し出すとウクライナ側が妥協しないとおさまらないし、ウクライナに実効ある援助は届きそうにない。
孤立なウクライナが気の毒だが、自業自得な面もあるからな
案外と、ロシアの狙いは例の航空機メーカーをトルコでなくロシアに寄越せだったりして
概ねは同感です。この兵力なら確かにロシアは勝てるでしょうけど、
NATOの空軍の航空支援でも入れば無傷ではいられないでしょうし、前の戦いと同じ結果にはならない
おそらくそれは近代戦争を熟知しているロシア軍の参謀本部なら理解しているはずなのですが
一番最悪なのはウクライナの再侵攻が始まったとき、NATOが全く動かない事ですね
クリミヤへの水源目当てということはダムと空港があるザポリージャが戦略目標かな
5月上旬まではまだ泥濘期だから本格進攻はないはず
中露が準備を進めて、アメリカが腰を上げようとした瞬間
中米で突然火の手が上がる
イギリスも北アイルランドがくすぶってきているし
いろいろ始まりつつある
勝てるタイミングで侵攻するのは解散選挙みたいだな
このままEU対ロシア、米国対中国の世界大戦になる気もする 米国は両面に対応迫られてる
戦火の口火がウクライナとはね
非難合戦制裁合戦があれば一週間で開戦してしまうかも
今は兵站とか利益はじいてウクライナ半分売り渡しても辞めるか計算してるところなのかも
ギリシャトルコフランスイタリアアゼルバイジャンあたりの戦争したい国の勢いで勝手に火が付きそうだからその時のために動いてる気もする