欧州関連

トルコの主力戦車アルタイ、韓国製エンジン採用は初期量産のみで国産が本命か

トルコ国防省調達部門のイスマイル・デミール氏は28日、主力戦車「アルタイ」向けに開発を進めている国産エンジンのテストが4月に開始されると明かして注目を集めている。

参考:Turkey to test indigenous engine for main battle tank Altay in April

韓国から戦車用パワーパックの供給を受けることで合意しても国産エンジンの開発を進めるトルコ

デミール氏が言及した国産エンジンはトルコの防衛産業企業BMCが開発を進めている「バトゥ(BATU)」のことでアルタイに統合してフィールドテストを行うのではなく各種測定機器が設置された環境でのテストベンチを行うという意味なので、28ヶ月以上遅れているアルタイ量産プログラムを前進させる助けにはならない。

出典:CeeGee / CC BY-SA 4.0 戦車「アルタイ」

そのためトルコは韓国企業からK2向けに開発された戦車用パワーパック(エンジンと変速機)の供給を受けることで合意に達したと今年3月に報じられており、韓国企業がアルタイへのパワーパック統合を支援してフィールドテストを行い問題がなければ18ヶ月以内にアルタイへの本格的なパワーパック供給が開始される予定で、BMCはより詳細な契約を数ヶ月以内に締結することを期待していると米メディアのDefense Newsに明かしている。

つまりトルコは遅れているアルタイの量産を一刻でも早く開始するため初期量産に関しては韓国製パワーパックを採用、開発中のBATU実用化の目処が付けば国産エンジンに切り替えるというつもりだと現地メディアのDaily Sabah(デイリーサバ)紙が報じているが、変速機に関しては情報が無いので国産の変速機を用意しているのか引き続き韓国製の変速機を採用するのかは謎だ。

どちらにしてトルコは外交や安全保障上の決定における独立性を重視しているので主要コンポーネントを輸入に頼る武器開発は大きな転換点を迎えており、2ヶ国間の軍事協定に基づく国からの供給に切り替えなが代替コンポーネントの国産化を進めるつもりなのだろう。

果たしてトルコの主力戦車「アルタイ」はドイツ製パワーパックに変わる動力を得て、無事に量産が始まるのか注目されれる。

関連記事:トルコ、主力戦車「アルタイ」へのパワーパック供給で韓国と合意
関連記事:トルコに戦車用パワーパックを供給する国が登場、近日中にアルタイへ統合予定

 

※アイキャッチ画像の出典:トルコ国防省

革命的な垂直離着陸を実現した米国製UAV「V-Bat」、ポーランド海軍の入札に参加前のページ

トルコが開発中の第5世代戦闘機「TF-X」、調達コストは1億ドルで試作機は2023年完成次のページ

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    なんか、既視感のある話だな。

    14
    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    まあ国産化は進めるでしょうね、韓国と同じく輸出にこだわってる所があるから、同時にそのせいで話が拗れるパターンが多いんですけどね

    18
    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    イタリアの企業ねぇ、欧州はトルコを問題視してないのかね。

    2
      • 匿名
      • 2021年 3月 30日

      いちおうNATOだし
      あまり追いつめても利益にならない
      ギリシャもその程度の存在ということ

      16
      • 匿名
      • 2021年 3月 30日

      エルちゃん「うっせー、難民送り込むぞ」

      この一言でEUはだいたい黙る

      18
        • 匿名
        • 2021年 3月 30日

        これ難民がカードとして強すぎる。

        6
    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    国産パワーパックの開発遅れから、トルコは韓国は輸入し、韓国はドイツから輸入する。
    さてトルコに続くのはどこかな。

    11
      • 匿名
      • 2021年 3月 31日

      臓器のドミノ移植みたいな話だね

      2
    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    韓国製PPの搭載は、開発遅延で現場に圧力がかかっているためでしょう。
    トルコは、国産PPはもちろん、ウクライナ製も諦めていないのではないでしょうか。

    7
    • A
    • 2021年 3月 30日

    戦闘機といい戦車とい言い潜水艦といい空母といいこの両国は何かとバッティングしますなぁ。
    仲良く一緒に作れないもんかね。
    (無理かな)

    7
      • 匿名
      • 2021年 3月 30日

      両国とも我が強いからねぇ

      6
      • 匿名
      • 2021年 3月 30日

      なお戦闘機は袖を分かち合った模様(おそらく韓国側は4.5世代が欲しく、トルコは第5世代が欲しかった)

    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    ほぼ国産で賄っててパーツ調達国の干渉を受けにくい日本戦車もどこかに売れないかな
    正直機密レベル高過ぎな潜水艦やら飛行艇やらよりは売りやすいと思うんだけどなぁ
    なお価格

    5
      • 匿名
      • 2021年 3月 30日

      10式は王道と言うよりは軽量故の高い機動性・可搬性が特徴的な戦車だから、平地の少ない国には需要あるかも。
      って思ったけどトルコ・インドネシア共同開発のMMWTにその辺りの需要は全部持ってかれるだろうな…。105mm砲搭載でより軽くずっと安い。

      9
        • A
        • 2021年 3月 30日

        105㎜砲の威力ってどうなんでしょうね。

        3
          • 匿名
          • 2021年 3月 30日

          山がちな国土なら敵も重装甲車両を展開しづらいから十分とも見れますし、より軽いというのも運搬手段が乏しければ魅力だと思います。何より安い…

          9
            • 匿名
            • 2021年 3月 31日

            16式機動戦闘車の105mmライフル砲APFSDS弾の貫通能力が初期の120mm滑空砲のAPFSDSと同等と言われているから各国の第3世代戦車の正面装甲以外なら充分じゃないかな

            3
        • 匿名
        • 2021年 3月 30日

        韓国・イタリア・ノルウェー・スウェーデンなどの半島系の国はもれなく、自国の山岳地帯に困っているから需要はある。ただし、自国で作れるか、韓国やドイツが売り込みをかけているので勝算がない

        運用思想が近く、精度はそこそこでも(比較的)価格が安いK-2戦車があるから、10式の販路はかなり厳しい
        自国の領土に合わせて10式のテクノロジーと部品を供給するというプランもなくはないが、対抗馬はやはり韓国となる

        2
          • 匿名
          • 2021年 3月 31日

          K-2と10式の運用思想が近いとか本気で言ってるのか!?

          8
          • 匿名
          • 2021年 4月 02日

          山岳地帯用戦車とはこういうのを指しますよ。
          15式軽戦車/ZTQ-15(全備重量36トン)
          リンク
          74式も38トンですし、10式も最初は今よりも2トン軽い予定だったのです、90式が50トンなのは北海道専用戦車だからですよ。そもそも何故輸出の話にするし?イタリアも次の戦車の共同開発パートナー探してるし製造数と開発費の関係で次はどうなりますかね??

      • 匿名
      • 2021年 3月 30日

      ぶっちゃけ台湾に中共の影がなければ、そこで数百両売れるから十分ペイしただろうね。

      4
        • 匿名
        • 2021年 3月 30日

        米M1戦車のバリエーションを購入しましたね
        もし10式戦車まんまを運用するなら外国なら台湾が最適な地勢だったと思います
        シンガポールとかどうかしら
        ま、夢物語ですけどね😥

        5
          • 匿名
          • 2021年 3月 31日

          シンガポールはシンガポールで人権問題やら色々と敵の多い国なんで、迂闊に近寄ると過去記事のミャンマーの件みたいに日本まで顰蹙買う羽目になりそうだが、さて…

    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    面白い構図
    トルコもリバースエンジニアリングするんだろうな
    韓国はパクりきれなかったがトルコはどうなることやら

    2
      • ゆう
      • 2021年 3月 30日

      エンジンのリバースエンジニアリングは、まず不可能。
      一番の問題は、許容誤差。
      例えば、シリンダとピストン。その間の隙間はわかっても、設計余裕か誤差かは分からない。
      そして、シリンダとピストンの間の隙間がわかっても、どちらにどれだけの隙間(と誤差)があるのかわからない。
      その他、熱の影響など。
      ここらへんは、基礎技術の積み重ね。
      下積みがないところでは、作れない。
      多分、ギヤボックスもリバースエンジニアリングで作れない。
      数時間、軽負荷で動くものはできるだろうけど。

      10
        • 匿名
        • 2021年 3月 30日

        日本が自動車用薄鋼鈑の技術で欧米に追いついたのってバブル手前の1980年代らしいね

        地道な研究の積み重ねって大事だね本当に

        2
      • A
      • 2021年 3月 30日

      多分電動にするんだよ。
      (うそw)

      1
      • 匿名
      • 2021年 4月 02日

      トルコの導入条件が、
      エンジン全ての技術提供と、トルコで生産したものはトルコの権利になる
      とかじゃないかなぁ、今までもそうだったし
      (なので全て断れれて国産に切り替えたけど、技術蓄積がなくて遅延しまくってる

    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    韓国、トルコ、インド
    後発の戦車開発国はみなパワーパックで苦労してるのがな。
    工学部の博士くんは、機械関連はやり尽くされててもう博士号がとれないとか宣っていたが、研究されてるのと造り上げるのとはぜんぜん別事だと言うことね

    10
      • 匿名
      • 2021年 3月 30日

      一品ものと量産品でも違うしね

      4
      • 匿名
      • 2021年 3月 31日

      日本も74式戦車から国産パワーパックの運用実績が有るから半世紀近いからね

      1
    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    こうしてみるとよく日本は全て国産で出来たな。先人達の意地やね。

    7
      • 匿名
      • 2021年 3月 30日

      日本は世界初の戦車(マークI)登場の13年後(1929年)には純国産の八九式中戦車を制式化してた
      数と武装が貧弱だったせいで前大戦で凹られまくって印象薄いけど、歴史と運用技術なら先進国でも長い方

      8
    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    何かと話題この戦車だが…何となく造形がカッコよくないから興味そこまで湧かないw

    1
    • 匿名
    • 2021年 3月 30日

    自国軍のテストにパスしない物を良く輸出する気になったな。それを承知で輸入するトルコもトルコだが。

      • 匿名
      • 2021年 3月 30日

      >フィールドテストを行い問題がなければ18ヶ月以内にアルタイへの本格的なパワーパック供給が開始される予定

      記事すら読まずにコメントを書き込む方がどうかしてる

      7
    • 匿名
    • 2021年 3月 31日

    K2のPPに関しては、どこでもいいから実運用上問題はないって言う実績さえ得られれば模倣されようが構わないと思っているのではないかと。
    実績さえあればケチを付けてきた韓国軍を黙らせられますし、輸出に向けてのリスクを一つ解消できますからね。

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