ポーランドメディアは海軍の無人航空機(UAV)調達プログラム「アルバトロス」に6つ企業が参加すると報じており、米陸軍の無人偵察機「RQ-7B」後継機に提案されているマーティンUAVのV-Batも入札に参加するらしい。
参考:Bidders Line Up to Deliver the Albatros UAS for the Polish Navy
戦術的な無人航空機の運用に革命を起こすと噂されているV-Batがポーランド海軍にも提案される
ポーランド国防省は海軍の艦艇で使用する戦術用途のUAV調達プログラム「アルバトロス」を開始する予定で入札に参加する6つ企業から5社を選定して最終候補を決定する予定だが、契約締結から15ヶ月以内にUAVを引き渡すことが条件になっているので開発済みのUAVを持っている企業に参加は限られている。
さらに海軍の艦艇で使用するため垂直離着陸に対応している必要があり、なんとマーティンUAVも現地企業と組んで米陸軍の無人偵察機「RQ-7B」後継機に提案しているV-Batをポーランド海軍に提案するらしい。
通常、垂直離着陸に対応した固定翼機タイプのUAVは上昇用と水平飛行用に異なる推進装置を採用するか推進装置の向きを変更して垂直離着陸を実現するかを選択する必要があり、前者の場合はデットウェイトが飛行性能の妨げに、後者の場合は推進装置の向き変更する機構が複雑になりやすく保守や信頼性の妨げになる問題に直面する。
勿論これは「垂直離着陸」という特徴を得るためのトレードオフなので致し方ないのだが、マーティンUAVが開発したV-Batは非常にユニークな方法でこの問題を解決してきた。
V-Batは機尾に搭載された1つの推進装置だけで垂直離着陸を実現しているためデットウェイトが発生せず、推進装置も構造が非常にシンプルな固定式なので保守や信頼性の妨げになる箇所が少ないという正にコロンブスの卵的発想の無人航空機だ。
V-Batの垂直離着陸は既存のUAVとは全く異なり、どちらかと言うとスペースXの「ファルコン9」に近いのだが同機は垂直離着陸だけでなくホバーリングにも対応しており、発射準備や運用も2人で十分だとマーティンUAVは説明しており「戦術的な無人航空機の運用に革命を起こす」と噂されている。
因みに同プログラムに参加する企業と提案UAVは以下の通りだ。
- サーブ傘下のUMSスケルダー社は回転翼機タイプのV-200
- オーストリア企業のシャイベル社は回転翼機タイプのS-100
- レオナルドは現地企業と組んで回転翼機タイプのAWHero
- マーティンUAVは現地企業と組んで固定翼機タイプのV-Bat
- ポーランド最大の防衛産業企業WB Group:提案機種は不明
- ポーランド企業のシルテック:提案機種は不明
ポーランド企業が何を提案するのかは不明だがマーティンUAV以外の海外勢は全て回転翼機タイプなので、垂直離着陸だけでなくホバーリングにも対応したV-Batが回転翼機にどれだけ戦えるのか非常に興味深い。
因みにV-Batは米軍の資金で開発された訳ではないのでマーティンUAVのホームページから今直ぐ購入(購入方式にはFMSとDOSが選べると記載されているのでV-Batを購入するには米政府の許可が必要になる)することが出来るため採用実績や運用実績さえ積めば同機を欲しがる国や組織は沢山いるだろう。
関連記事:米陸軍が力を入れる戦場の認識力拡張、RQ-7Bの能力向上に600億円以上投資
関連記事:UAV開発が盛んなポーランド、1,000セットも導入した国産カミカゼドーロンの実力
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army
内海のバルト海にほんのわずかしか領海を持たないポーランド海軍ですら無人機選定を始めてるのか
世界の趨勢に比べたら日本は本当にノンビリしてるんだな…
むしろ領海が狭いから簡単な無人機で済むんだぞ
領海が広い自衛隊が使うレベルのはグローバルホークレベルの1機数十億クラスになるし高額な故生産国の配備計画が止まる
その発想はおかしいでしょ。領海の大小で運用する無人機の大きさが変わるんじゃなくて作戦の用途に応じて無人機の大きさが変わるんだろ。
おかしくないだろ
同じ哨戒任務でもポーランドならヤマハの無人ヘリレベルで済むが日本は尖閣諸島への往復だけで200kmも飛ぶんだぞ
これは船から飛ばせるUAVなのにわざわさ陸から(笑)
まさに強弁だね
最初のコメントはこのUAVに限ったものではないから
最初から読んでいけばわかるだろ
自衛隊は艦載UAVでも大型で航続距離280kmのMQ-9を導入しようとしてるんだが
リンク
艦載UAVと地上配備型UAVを比較するのは土台可笑しいわな
地対空ミサイルがあるから前線部隊向けMANPADSは必要ないレベルの暴論だ
領海に狭いも広いもないねぇ、領海はどの国でも12海里だから。
その領海に仮想敵の海警が毎日領海侵犯されているのは
日本だけだけどね☆
掛け算って知ってますか?
では各国の領海面積比較を出してみようか、頼むぜ
海里は距離の単位だから狭いも広いもないけど…
どの国でも海岸から12海里までと決まってるから海岸線の長さ・様相で領海の狭広が決まる
義務教育の敗北…
さすがにネタだと信じたいよ。
防衛技研が開発した球形飛行体は今どうしているんだろうか?
単純に大型化するわけにはいかないと思うが、何か進展があるといいな。
空飛ぶ球体偵察ロボット、防衛省が開発
リンク
アキバの現地調達で作ったあれの発展系?
難航しているんじゃない?
手投げ型UVA級だからな。大部隊に配置しての偵察には能力が足らないし、かといって小部隊に配置だと指揮統制に後方支援機能が不足するから
米海兵隊もパッドやUVA操作の専任を各分隊に1名増員したから、広く配備するならそれだけの人員の頭数とコストが必要になるだろうな
ドイツのあれみたいな形してて結構好き
フォッケウルフ「ワイのアレ(トリープフリューゲル)やろ?」
ハインケル「いいや、ワイのアレ(ラーチェ)とアレ(ヴェスペ)やな!」
世界がようやくドイツに追い付いたか・・・
要するにテイルシッターだよね?
革新的も何も最初期のVTOLの一つじゃないの?
無人化や制御技術の向上等でようやく使い物になるのが出てきた、って事かと。
tailsitter自体は古くからあるコンセプトですが、垂直姿勢がVTOLのためだけでなく、持続的なホバリングにも対応しているところが、他社のtailsitter UAVに比べて革新的かもしれません。
それにしても、tailsitter UAVのデモ動画は、どの機種も水平飛行から垂直姿勢への遷移をアップの絵で見せてくれないんですよね。ここでの舵やらパワーの使い方は、秘中の秘なんだと想像します。
あまり上手くいかなかっただけで昔からある方法を復活させただけのものを革命的とまで持ち上げるのは違和感あるなあ
XFVー1やXFYー1とか調べてみようぜ
ブログ主さんは
「戦術的な無人航空機の運用に革命を起こす」
と書いてるので、そうおかしくはないと思うけど?
XFV-1はミリオタじゃない私も知ってますけど。
> 「戦術的な無人航空機の運用に革命を起こす」と噂されているV-Bat
ですので「戦術的な無人航空機の運用に革命を起こす」は「噂」の内容であって
ブログ主様による評価ではありません。
ブログ主様は自身の言葉で「革命的な垂直離着陸」「非常にユニークな方法」
「正にコロンブスの卵的発想」と評してますので、今回の記事には私は少し違和感を感じますね。
>正にコロンブスの卵的発想の無人航空機だ。
コロンブスの卵は、卵を立てるのは誰でもできるけど立てる方法を最初に思いつくのは難しいということなのに対して、
テイルシッターは、発想は多くのメーカーが思いついたけど実際に垂直発着を行うのは難しかったというものだから、
テイルシッター方式とコロンブスの卵は正反対の事柄なんだよな。
基本発想は同じようなものだけど、
無人だからこそ姿勢変更が容易になるから作ろうっていう発想の転換がポイントだぞ
寝かせと起こす仕組みがシンプルだけど頷ける感じ
航続距離が130Km 滞空時間は短そう
どのくらい航続力があるんだろうね?
海上監視用として海自よりも海保に欲しい機体だと思う。
このサイズなら小型の巡視船にも積めるし密漁対策等には「見つけた」事をアピールするだけでも効果があると思う。
>密漁対策等には「見つけた」事をアピールするだけでも効果
見つけただけでは効果が無いんじゃないかな?
即座に巡視船が駆けつけて検挙するって認識が無いと、そのまま違法操業を続けて帰ると思うが
例えば、小笠原諸島には今年ようやく巡視船「みかづき」1隻が配備されただけの状況ですので「即座に駆けつけて検挙」には程遠い状況。目が増えるのは良いけれどもね(小笠原群島には空港が無いので)
仮に巡視船が駆けつけるまでに1時間あって、その間にトンズラされたとしても見つけられなければ何日でも延々と密漁され続けるわけだから被害が減るでしょ。
それに監視出来てるなら逃亡しても巡視船が先回りして待ち伏せするって手も使える。
スピーカーから「耳障りでイヤな音」を鳴らして延々と上空から嫌がらせするとかも可能だろうしペイントボール型の悪臭弾とかを叩き込むなんて事にも使える。
それを繰り返せば上空にコイツが現れただけで逃げ出すようになるよ。
普通に無視するか撃ち落とすようになると思いますが…
近所のコンビニ前にたむろしてるヤンキーじゃねぇんだぞ…?
一応言っとくと密猟船と言えば基本的に日本海や東シナ海の話。
小笠原限定の話なんてしてないからね?
敵がコイツに携帯SAMをわざわざ撃ち込んで消費くれりゃあそれはそれで美味しいし無視してくれればEO/IRセンサーで継続探知ができるしそれも美味しい
UAVの運用の利点ってそういうもんだろう
いやいや…見つけて、敵の現在位置を特定し続ける事が現代の戦闘における最大のアドバンテージだと思いますけど
「見つけた」事をアピールする『だけ』、であって「見つけた『だけ』(で共有も通報も何もしない)」事をアピールする訳じゃないだろ。
というか仮にあからさまな監視UAVに見つかって、その機体に「監視専用(通報等は一切しません)」と書いてあったからって、それを本気で信じるお花畑な密猟者がいると思うのか。
ここで言ってるのは「見つけてすぐ駆けつけても逃げられちゃってる可能性は高いけど、それ『だけ』でも被害は減るだろ?」という意味じゃないの?
なんでUAVの機能がガチで見つかる『だけ』で監視対象がそれを知ってる、という謎の世界観に到達できるんだよ…
音に関しては出力の点でちょっと怪しいかもしれんが、胃がひっくり返るLVの悪臭を放つ液体のつまったペイントボールぶつけてやれば無視など不可能さ。
撃ち落とすに至ってはそれもう密漁船じゃなくて海賊船だからこっちも発砲OK。
それほどまでのリスクを冒す密猟者がどれだけいるかね?
仮にいたとして密猟者は確実に減るでしょ?
それでいいのよ。
それとも今のまま、ただ船が足りない監視の目が行き届かないって手を拱いてる状況を放置しとけと?
密猟者にペイント弾っていいですねー。
海保はペイント弾打つのもなんか法的な制約あるんですかね?
放水銃なら使ってますがね、
釣って干してるイカがダメになってしまうそうで。
あと着色した放水銃をどっかで使ってましたねえ。
停船に従わなけれは警告射撃
それでも応じなければ沈まない程度に
あたりまえの事をするだけで、余計な手間も経費も激減するはずですが
八丈島のくさやの原液を、、、いや、もったいないな
すごく画期的でよいね。
日本は国内の反対派のせいで作ることも許されない。
60代70代のサヨク高齢者が生きているうちに
中国に日本を攻撃してほしい。
今どきの優遇された高齢者が苦しむ姿が見れるならどうなってもよい
いやいやいや、それはそれでいろいろとあるでしょう。
自衛隊や警察は命がけで守り抜こうとしますから。
彼らのことも考えないと。
(あくまでも悪い冗談ですよね?)
V-Batは日本にも代理店があるようですね。
リンク
代理店ページから引用。
・狭小スペース(6x6m)で運用が可能なため、艦上運用、市街地戦、森林戦に有効
・バンや他の車両によって容易に運搬が可能
・10分での組立・分解が可能
・8時間以上の航続時間、約2Kg~3.5Kgのペイロード
・機体供給電力500ワット
・最高巡航速度90ノット
・搭載センサーオプション:EO/IR, SAR, SIGINT,EW Target marker, Hyperspectral等
航続8時間以上って結構長い。
期待供給電力500Wって、ペイロードへの供給電力のことかな?
まさかあの機体がドライヤー以下の電力で動くということはないよな・・・
仰る通りペイロードへの供給電力でしょうね。
観測機器や通信機器は好きに選んで積めるけど、
重量3.5kg電力500Wまでね、と。
ホットプレートは無理だね。
こういったUAVは電気とガソリン、どっちが有利なんだろう。帰ってくるまでに軽くなるならコールドローンチでもいいんじゃと思うが島影に隠れて監視できるのも捨てがたい。
マーチンUAVの日本語サイトを覘いてみました。
V-Batは8時間+の航続時間、5ib+の搭載量があるそうです。
艦載運用を行うなら搭載艦船周辺海域の監視が目的てことでしょうね。
有人ヘリ搭載艦船なら、V-Batのような複数のUAVで長時間の広域継続監視を行い、不審船等を発見したら有人ヘリを急行させ対処するてな効率的運用も可能でしょう。
V-Batはヘリ型UAVより巡航速度が速いでしょうし、広域をより効率的に監視可能というメリットがありそうです。
そんな革命的な事か?昔からあるとか、あんた達は上から目線で何様のつもりなんだ?コンセプトを実用レベルで戦力化出来れば革命的と言っても差し支えないだろうに。核融合炉も歩兵携行レーザーも電磁装甲も人間以上の判断が出来る完全無人兵器の実用レベルになったとしてもコンセプトは昔からあるから革命的じゃねぇとか言うんだろうな。
書いてて気付かんかなぁ。
「実用化した事」の評価と「革命的な手法」の評価は別もんだ。
「実用核融合炉完成、年内稼働開始」を報じるニュースで、
海水から無尽蔵のエネルギーを生み出す奇跡の技術!みたいな煽りで
核融合とは何か、核融合炉とは何か、に焦点当てて
今日見つかった新発見・新発明の様に延々と書かれてたら
「いや騒ぐのはそこじゃない」と突っ込むだろ。
一般誌ならまだしも科学・技術系専門誌なら特に。
そしてここは「航空万能論」だ。
「テイルシッターついに実用化!」なら、「おお、ついに!」と乗っかれるが
「革命的なVTOL手法!」と言われても戸惑いしかない。
まあ、革命的と感じるかどうかは主観の問題であって、口角泡を飛ばすような議論の対象じゃないでしょう。
方や無人機のために空母にカタパルトを新設しようとする国もあるくらいだから、こんなUAVが実用化され始めるるなら無人機への考え方もまた変わる可能性はあると思いますけどね。
ちょっとした違和感を感じると言っただけで口角泡を飛ばしてるつもりなんか無かったが、
「個人の主観」扱いされちゃったので確認してみた。
実験機が複数、フィクションでは多数、
記事でも触れてるスペースXの様に水平飛行を伴わなければ実用例もあり。
しかも実験機が実用に至らなかったのは「水平/垂直の切り替え」や
「着地先を視認しにくいテイルシッター着陸」に
「パイロットが対応困難」というのが主な理由で、垂直離着陸自体の問題ではない。
という事で、客観的に考えても「VTOLの手法として画期的」ではないよ。
一方で無人機のVTOL方式としては合理的で、今後注目に値するのはその通りだと思うけど。