ドイツ連邦議会は17日の予算委員会でRCH-155(500輌)調達契約を承認し、英国防省も28日「ドイツと5,200万ポンドの契約を締結してRCH-155のプロトタイプを受け取ることになった」「走行間射撃が可能なRCH-155は長距離火力の長期的な解決策だ」と発表した。
参考:UK and Germany sign £52m contract for cutting-edge artillery
197輌分の余剰枠を予め設定するということは「自軍の追加発注」もしくは「海外からの関心」に強い自信があると示唆している
英陸軍のAS90は39口径155mm榴弾砲を採用しているため、52口径を採用する西側諸国の自走砲=PzH.2000、K9、Archer、Caesarやロシアの自走砲=Msta-S、Koalitsiya-SV、А-222と比べて通常弾の射程距離が劣り、52口径155mm榴弾砲への換装計画=Braveheartも被弾した際の誘爆を防ぐ要求要件が満たせず、防衛計画の見直しでAS90退役と次期自走砲計画を発表。
この次期自走砲計画は「Archer、Caesar、RCH155、K9A2による競争入札になるだろう」と予想されていたが、ウクライナ侵攻が勃発したことで安全保障政策や防衛産業協力の方針が大幅に変更され、2024年4月にベルリンを訪問したスナク首相は「英国とドイツは155mm砲を搭載するボクサーシステム(RCH-155のこと)を共同開発する」を、英国防省も「この砲兵システムは英国とドイツで生産され新たな雇用(数百人分)を生み出す」と発表し、英国は次期自走砲の競争入札を事実上スキップした格好だ。
ドイツ連邦議会は17日の予算委員会でRCH-155(500輌)調達契約を承認、この500輌という数字は本枠組みの最大値で、ひとまず「プロトタイプ4輌」と「量産車輌80輌」の計84輌を12億ユーロで即時発注し、英国防省も28日「ドイツと5,200万ポンドの契約を締結してRCH-155のプロトタイプを受け取ることになった」「走行間射撃が可能なRCH-155は長距離火力の長期的な解決策だ」「ウクライナに提供したAS90のギャップを埋めるArcherは長距離火力の短期的な解決策に過ぎない」「ウクライナとロシアの戦争は迅速な移動と射撃能力の重要性を示して我々の調達方針に大きな影響を及ぼした」と発表。

出典:KNDS Deutschland
ドイツは2026年にRCH-155を149輌、英国はRCH-155を70輌発注する見込みで、両国向け計303輌のRCH-155が生産され、残りの生産枠=197輌が「ドイツ軍と同じ条件」でRCH-155を海外顧客に提供するための余剰枠になるのだろう。
ドイツ軍の契約に197輌分の余剰枠を予め設定するということは「自軍の追加発注」もしくは「海外からの関心」に強い自信があると示唆しており、この余剰枠を誰が引き受けることになるのか注目される。
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※アイキャッチ画像の出典:Krauss-Maffei Wegmann GmbH & Co. KG/CC BY 4.0





















ドイツと組めば、エイジャックスみたいな事にはならないかな
次世代自走砲は、無人化砲塔でユニット化して車体側を選ばす行進間射撃可能、みたいな感じになるのだろうか
>Msta-S、Koalitsiya-SV、А-222と比べて通常弾の射程距離が劣り
ロシアのKoalitsiya-SVだけは明確に通常弾射程でAS-90に勝っていると思うけど数は圧倒的に少なく、他は射程が似たり寄ったりかそれ以下のイメージしかない。
露宇戦争でロシアの榴弾砲のデータを何度も見たけど割と最新型のロシア初装輪の2S43 Malvaでさえ24km位。今年お披露目されウクライナに実戦投入されたらしい発展型2S44 Giatsint-Kも間違いなくAS-90に射程で勝る。数が揃えられるかは別として量産しようと思えば出来るかも知れない長射程の自走砲があるってのは脅威かも知れない。
懸念点が有るとすればドイツ軍の量産効果が最大限発揮されて1両あたり1400万ユーロみたいな話もあっていくら高性能とは言え流石ドイツ製みたいな値段になっている事かな。