英国はウォレス国防相は「これまでのウクライナ支援で最も重要な戦闘パッケージだ」と表現する内容を発表、チャレンジャー2やAS90の他にも数百の装甲車輌、砲弾10万発、GMLRS弾、スターストリーク、中距離防空ミサイルが含まれている。
参考:Defence Secretary oral statement on war in Ukraine
英国はウクライナでの教訓に基づき大規模な主力戦車が必要かどうかを再検討、さらに次期自走砲プログラムを前倒し
英国のウォレス国防相は16日「これまでのウクライナ支援で最も重要な戦闘パッケージだ」と表現する内容を発表、チャレンジャー2、AS90、AFVやMRAPなど数百の装甲車輌、2,800万ポンド相当の地雷原突破や架橋能力を含む作戦支援、2,000万ポンド相当の砲兵戦支援向け無人機、10万発の砲弾、GMLRS弾、スターストリーク、中距離防空ミサイルなど数百の高性能ミサイル、ウクライナ軍保有の戦車や歩兵戦闘車など約100輌分を改修する支援パーツが含まれているが、この発表には非常に興味深い言及が幾つもある。
ウクライナに提供されるチャレンジャー2には装甲回収車=CRARRVも含まれ、30輌提供と言及されていたAS90は「完璧な状態の8輌と状態の異なる2輌の10輌で構成される」と述べているので、AS90の引き渡しは何回かに分けて行われる可能性が高く、数百の装甲車輌にはFV430シリーズのMK.3ブルドッグが含まれているが他の車輌については詳細が明かされておらず、ウォレス国防相が言及した「中距離防空ミサイル」はNASAMS向けのAIM-120である可能性が高い。
さらにウォレス国防相は「チャレンジャー3にアップグレードする戦車の数(現行148輌/残り79輌は削減→スペアパーツ取り)を見直し、ウクライナでの教訓に基づき大規模な主力戦車が必要かどうかを再検討する」と言及、Braveheart仕様へのアップグレード計画が頓挫して「遠距離の精密攻撃能力が弱点だ」と指摘されているAS90についても「後継プログラムのペースを加速させ2030年代ではなく2020年代に取得する」と述べており、交渉次第では「暫定的な砲兵能力」の提供も選択肢の一つに入っている。
要するに「英Archer、仏Caesar、独RCH155、韓K9A2が競合する」と予想されている選定プログラムのスケジュールを前倒し、調達時間を短縮するため英国向けのカスタム仕様ではなく「オリジナル仕様を調達しても良い」という意味なのだろう。
ここからは完全に話が脱線するのだが、もし英国がウクライナでの教訓に基づき「大規模な地上戦闘に対応するため『まとまった数の主力戦車』が必要になる」と方針を転換すれば、チャレンジャー3へのアップグレードをスキップして「新しい主力戦車」の調達に踏み切っても不思議ではなく、ここでも「調達時間」が重要な要素になってくるため「2035年の実用化」を目指しているMGCSではなく「既存の戦車」を選択するかもしれない。
西側製の主力戦車で運用実績があって新規に生産されたモノが手に入ると言えばレオパルト2A7、メルカバ、K2、10式ぐらいしか思いつかないが、欧州では防御力を重視して重装甲の戦車や歩兵戦闘車が好まれるのでスペックだけで言えばレオパルト2A7(KF51は運用実績がないので除外したが、BAEとラインメタルはチャレンジャー3規格の開発で手を組んでいるためワンチャンあるかもしれない)だろう。
まぁ管理人の完全な妄想なので「真に受ける必要は全く無い」と強調しておくが、英国の主力戦車や自走砲に関するウォレス国防相の発言は個人的に大変興味深い。
追記:英陸軍の司令官は「戦車や自走砲といった装備のウクライナ提供は有用だが英陸軍の弱体化に繋がるため、作戦遂行能力の迅速な回復は必要不可欠だ」と述べている。
関連記事:英陸軍の次期自走砲、英Archer、仏Caesar、独RCH155、韓K9A2が競合か
関連記事:英国、主力戦車のアップグレード「チャレンジャー3」を1,210億円で発注
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関連記事:英国政府、チャレンジャー2とAS90のウクライナ提供を公式に発表
※アイキャッチ画像の出典:Ministry of Defence UK
日本10式がイギリス走ってたら面白そうですねぇ。ま、そんなことはさておきバブムート周辺で押されているウクライナ軍を支援するののには力不足だと思います。やはりドイツのレオパルドや、エイブラムスがないと。個人的にウクライナにイスラエルが支援すればかなり良くなると思うんですけどどうなんでしょう。あと日本の支援にも期待。検討だけにならんといいけど。
10式がイギリスを走れたら勿論最高だけど
チャレンジャー3の調達より早く入手出来る既存のを買うならK2とK9のセットで決まりやろね
今回の戦争で他国への移転に消極的だったドイツのレオパルドは敬遠されるし
イスラエルのメルカバもそうだし10式は話になんない。。。
日立の電車はイギリスを初めとした欧州で受け入れられてるんやし
10式やC2もなんとか売れるようになりませんかね。。。?
10式やC2は高性能なのは充分理解していますが、日本で使用している性能そのままで海外に売るのは無謀です。法整備が出来ても日本がダウングレード版の兵器を造れないなら輸出すべきではないと思いますよ。兵器が敵の手に亘る事を前提に考えないと駄目です。ロシアは海外に兵器を輸出する際は必ずダウングレード版を輸出します。そして最新情報は決して他国に流しません。中国ですら拒絶されます。
国産兵器に絶対的な自信を持ってるところ悪いけど10式じゃあK2-PLやK2-NO相手だとほぼ勝ち目なくね?
K2の発展型の方がワンランク上の性能してるじゃん
そもそも誰も欲しがらないよ
モンキーモデル輸出なんて駄目だよ。中東でのT-72Mの醜態がソ連戦車の評判を大きく下げてしまったのを知らないのか。モンキーモデルは駄目だとわかってからはアメリカですらモンキーモデルのF-16の売り込みに失敗したりしている。
あと上の人に質問だけどK2発展型が10式よりワンランク上という根拠は?
APSやERA完備で55口径120㎜
複合装甲についてもポーランドの太鼓推し
むしろ何をもって10式が同格って言えるのか?
重量?もっと重い戦車を運用してるヨーロッパが気にする必要ないですね
55口径の方が強いのはわかるが複合装甲は日本の方が上ですよ。
拘束セラミック装甲でしたっけ。あれってどういう理論であんな硬い装甲になってるんでしょうね。
複合装甲は日本のが上って客観的データないじゃん
素のK2ならともかくK2-PLやK2-NOより上って断言できるデータなくね?
失念されてるだろうけど10式はもう出てから13年は経ってる代物だからな?
いつまでも世界最新ってわけじゃないんだぞ?
イギリスで走ってる日立の電車、製造工場が日本・イギリス・イタリアと三か国に跨ってる点も面白いんだよね
去年の9月頃にも日立はイタリア向けの納入契約取ってたし、地道な実績の積み上げと納入先の国との付き合いとか諸々って大事なんだなーって実感させられますね
それだけに実績もなく相手国防衛産業との繋がりもなく政治的な制約がある上に完成品納入が基本で技術移転やオフセット取引などの政府の後押しも無いとなると…うん、勝てませんわな( ;∀;)
装甲版の評価をしてイタリア、イギリス、日本で組む可能性がゼロではないとは思うけどね。
次世代戦車はT-14アルマータの正面装甲1000~1100mmを距離2000mで貫徹出来る主砲を搭載するのが鉄則になるはずで、今の120mm砲では改良して貫徹900mm辺りで頭打ちとなり、主砲はラインメタルの130mm砲かネクスタ―の140mm砲になると思いますよ。それ以外にも軽量化要求が凄いらしく50トンで運用可能な140mm砲の方が有力な候補でしょう。そして新たな脅威に対する対抗策も用意しなければならないので、結局は50トン以上の重量になると思いますけれど、共同開発はクロスライセンスの事も考えて良いと思いますよ。
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チャレンジャー3アップデートやエイブラムスX以前ですけど、英陸軍の次世代戦車は米国と共用化するという話もありましたよね。世界的に見るとこれからの10年はMBTの世代交代の時期ですし、今すぐ戦車を置換え始めるのはちょっと時期が悪いかなって気もしますが、はたしてどっちに転がっていくのか。
10式が俎上に上がるなら、ルクレルクもワンチャンあるのではと思います。
英国は、チヨバム装甲をを自前で作れますし、ルクレルクは装甲をモジュラー化
していますから、装甲についてはある程度納得できるのでは。
主機はいずれ換装するかもですけど。ひょっとするとミッション共日本製かな。
先々のことならば、ビッカースMk7砲塔の復活も検討でしょうか。
これは元々チャレンジャーの更新案の一つだったと覚えています。
チャレンジャー2は、チャレンジャー1にmk.7砲塔を載せたような物だからね。
>ひょっとするとミッション共日本製かな
10MBTの「8VA34WTK+HMT」派生型PP(1,500ps/10気筒版or1,800ps/12気筒版)を英次期MBTに採用は可能性ある・・かも? ですね。
戦訓を真面目に取り入れると恐らく既存のMBTとはだいぶ異なるデザインになると思われるので、調達の早さとドローンやトップアタック式ATGMが飛び交う戦場への最適化はトレードオフの関係にあるように思えますね。
MBTだけでどうにかしようとするとEMBTのようにセンサーとRWSマシマシで戦車の上に百貨店を作ることになりコストと重量が馬鹿ならない(過去にはMBT70のような例も)ので、パッケージ全体で考える必要があるでしょうし、AJAXも見直しかもですね。
イギリスは第三次世界大戦のつもりで本気出してますね
ナチスの他国侵略で甘い対応して、戦争になり本土空爆された国だもの。侵略、領土問題で妥協しないよ。
ロシアは戦時体制に入って武器増産してるんだろうけど、
西側もなんやかんやでウクライナの支援兼装備の入れ替え需要で増産体制になりつつあるから、
ロシアはさらに国民に鞭打ってペース上げて頑張らないとヤバいな
経済が落ちて失業者が溢れれば徴用すればヨシ!
> 「完璧な状態の8輌と状態の異なる2輌の10輌で構成される」
この英国式言い回しを翻訳すると『動くかもしれへんのが8両で部品が取れるかもしれへんのが2両な』になっちゃう可能性が大なところがなんともかんとも・・・
紅茶セット付きの8輌と紅茶セットにパラソルと机まで入ってるある種「特別」な車輌が2輌でしょ。
なんか各国がうちの戦車を出すんだいっ!て盛り上がってるけど春のウクライナって世界に冠たる泥濘地帯ってことで有名だよね?そんなとこに着膨れしまくって70トンも間近な西ヨーロッパ製MBT投入したらろくに動けなくなって戦闘どころの話じゃないと思うんだけどなあ。実際そこらでの運用が前提の旧ソ連系戦車は軒並み50トン切ってるしね。
なんかレオパルド2の最新型とか見てて思うのがババアの厚化粧って感じだよ。
ソ連戦車が軽いのはトランスミッションの限界があるからだよ。まぁ結果的に軽いことが泥濘地での運用に有利に働いているかもしれないけど。
「装軌は重くできる」という開発者の言葉を聞いた事が(ソース忘れ
装輪は忘れたw
10式は軽いですよねぇ。
ソース調べてたら別件のトンデモ論が出てきて、誰かと思ったらK氏でした…
リンク
これで150両1500億のチャレ3計画は吹っ飛ぶ。しかしBAEとラインメタルの協業は続くし英軍AFVはRBSLとGDLSの2社体制が維持される。その後者がエイジャックスがアレで新型MBT?で増勢あり気となれば前者が担当で間違いない。150両以下ならM1相互運用やエイジャックスファミリーが最適だが恐らくそうはならない。ウクライナ後で予定が変わると言うなら倍増もある。問題気味のエイジャックスも定数が見直されるかも知れない。
それでチャレ2は代替が整備され次第、全てウクライナ供与だろう。もう作ってない物で消耗前提の供与ならば、部品送るにも稼働車外しになる。そもそも砲弾が数十両も供与したら枯渇だろう。
ではRBSLでやる新AFVは何か?ラインメタルの意向はKF51ベースのはず。そもそもウクライナで砲弾互換性こそ正義が露呈してる。新130mmとかNATO一致して更新を進めなければ選択肢にはなりえない。砲塔はリンクス120砲塔の搭載でしょうか。これに拡張認識と無人機とAPSの機能付与となる。
ウクライナ戦争での最大の戦訓は弾薬備蓄と保管運搬方法だと思う。
今売り込むなら砲弾でっせ総理!!
これは何年も爪痕残しそうなので、設備投資しても損はないと思います。
でも、日本はやらないだろうなあ。
惜しい話です。
防衛力整備計画に弾薬・誘導弾の数量確保はうたってますよ
企業の製造態勢確保との事なので設備投資を含むと思われます
輸出用の話です。
国内製造ラインで余ったやつで十分では?