走行中の騒音問題が解消されたはずの次期装甲戦闘車「Ajax/エイジャックス」は再びテストを中断する事態に直面、果たして「兵士を病気にさせる」と指摘されるAjaxは大丈夫なのだろうか?
参考:Ajax armoured vehicle trials halted again
ノイズキャンセリング機能を備えたヘッドフォン装着が必須の次期装甲戦闘車「Ajax/エイジャックス」
ジェネラル・ダイナミクスUKが英陸軍向けに開発した装甲戦闘車「Ajax」はスペイン陸軍とオーストリア陸軍向けに開発された装甲戦闘車「ASCOD」の発展型(ASCOD SV)で、2014年に約35億ポンドで589輌(任務毎に複数のバリエーションがある)を供給する契約が結ばれ2017年に量産車輌の引き渡しが開始されるはずだったのだが、2021年までに引き渡された量産車輌はAjaxの兵員輸送タイプ「ARES/アレス」17輌のみに留まっている。
この遅れの主な原因は乗組員の健康に影響を及ぼすレベルの振動と騒音が走行中に発生するためで、とりあえず走行速度(時速32km以下)や1回の走行時間(90分以内)を制限、乗組員にはノイズキャンセリング機能を備えたヘッドフォンを装着させるなどの対策を実施してテストを続行したものの耳鳴り、吐き気、関節の腫れといった症状を訴える乗組員が減少しないためテストを1度中断(昨年末から今年3月まで)して問題の対処を実施。
走行中の振動や騒音問題を解決したという触れ込みでAjaxの走行テストを再開させたのだが、このテストを視察したジェレミー・クイン国防調達担当大臣は振動と騒音の問題が緩和されるまでAjaxテストを再開させないことを決定して注目を集めている。
Ajax trials paused
Following renewed concerns on the impacts of noise, all Ajax trials have been suspended and will only resume when we are assured that mitigations are fully effective.
— Ministry of Defence Press Office (@DefenceHQPress) June 29, 2021
つまりAjaxの振動と騒音の問題は「解決済みで要求されている能力をクリアしている」という英国防省とジェネラル・ダイナミクスUKの発表とは異なり「現在も乗組員の健康に影響を及ぼすレベル」と言う意味なのだろう。
果たして現地メディアに「兵士を病気にさせる」と指摘されるAjaxは本当に実用化まで辿り着くことが出来るのだろうか?
関連記事:英陸軍の装甲戦闘車「Ajax」は健康な兵士を病人にする?ノイキャン機能のヘッドフォン必須?
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※アイキャッチ画像の出典:Richard Watt/MOD / OGL v1.0
原型になったASCODがそんな問題出てないのになんでや
と思ったら、ASCODは
> 採用国の兵站体系に併せてエンジンや駆動系等を自由に選択
できるのねリンク
テストする度に病気になるならただの拷問だ、そして軍側がまだダメ、製造メーカー側が大丈夫というのは今更キャンセルされたら大損だから直ったって言い張ってるだけだよね
騒音と振動の問題が残っているということは
高さ20cm以上の障害物を乗り越えて後退することができるようになり
走行中に発砲することもできるようになったということだ
報道されてからわずか1か月で問題の50%を解決したのだから
すごいことじゃないですか、英国万歳。
英国兵に向かって謝れw
かわいそうだろうに
それにしても関節が腫れるって、どんな欠陥なんだか
多分だけど走行時の振動ってのがゴンゴンゴンって感じの比較的周期の長いものではなく、ガガガガッって感じの周期の短い振動じゃないかな?
それならシートと接触する腰や床に下ろした足の膝や足首が炎症起こすんだと思う。
道路工事の削岩機やランマー使う人が手首や肘、肩の関節炎起こすことがあるから。
つまりは白蝋病(振動病・振動障害)を発症してしまうという事ですか……
なんか雷電の振動問題みたいだな
震動源は疑ってた箇所と全然違ってたりして
振動、騒音の問題も物造りの視点からすると奥深そうですね
改善したはずがされてないってのは、根本的な構造に問題があると察する
見た目はカッコよくて好きだ
プラモ作りたい
動画の勇ましい走行シーンの内部では、兵士が呻き声をあげてるわけだね
大英帝国おそるべし
これ、スペインとオーストリアがベース車両使ってるんだよね?
そっちはどうなんだろう。
新規設計でもないのに改良しただけで、こんなに騒音、振動が悪化するのか?
確かに、共振とか重量バランスとかあるんだろうけど、でもなぁ。
エンジンと駆動系は独自だからお察しください
ゴテゴテと盛り過ぎたんだろ。
こうなるとボーイングみたいになるぞ。
銃も装甲車も当てにならない。
やはり銃剣突撃こそが大正義(極論)
振動とんでもないって要するに、メインエンジンやトランスミッションの問題なんだろ。
そこから再設計しないとどうにもならないんだから、押し通したりこねくり回しても時間の浪費にしかならない。
まじめな話、こんな所で躓くようじゃMAN辺りからDE買うか、いっそM1よろしくRRのGEにすべきでは。
ただでいいから10を数台あげちゃえばいいじゃん。
車体はともかく載っているものは悪くないし、何が原因だろ。
既に採用のある車両がベースだし…
エンジンを弄ったとか、ぐらいしか考えつかない。
逆に他の戦車ってノイズキャンセルのヘッドフォンとか要らないんだな
どれもこれも超五月蝿いってイメージだった
特にガスタービンのアメリカの
気になって走行中のM1の動画をつべで見てみたけど、走行中は履帯からの音?の方が煩かったな
確かに常に「キーン」っていうガスタービンっぽい音はしてるんだけど、砲弾装填の「ガシャコン」って音に紛れるくらいだからそんなではないのかも
リンク
轟音ってより可聴域外の音波による振動での体調悪化とかじゃないのかね?
図らずも音響兵器を乗員に向けてるような感じになってたりして…
シンプルに振動のせいじゃねって気もする
長時間体に上下動与え続けた結果揺れ動いた内臓が疲弊して吐き気や食欲不振、ひいては嘔吐に至るってのはトップクラスのマラソンランナーに普遍的に見られる現象
内臓のダメージ回復にひどいときは一ヶ月半以上要するんで、このまま振動放置しつつ平常運用するのは無理筋だと思う
今どきの機械でこんな症状が出ることが信じられない、よほどバカな英国風設計をしたのか。
ある意味健康に実がが出る騒音?轟音?というのを体験はしてみたい。。。
振動や音の大きさじゃなく、人体に影響の大きい、特定の周波数があったりして。
大丈夫?紅茶をキメる?
紅茶をキメるくらいしか使い道のなかったカヴェナンター巡行戦車の悪口はそこまでだ
紅茶メーカーがきちんと設置されているのか。振動下でも機能するかはぜひ聞いてみたいですね。
走行テスト再開を視察したという国防調達担当大臣は試乗したんと違いますかね。
自身が耐えられないと感じる状態を認めるわけにはいかないと。
こんなことならば、CV90かASCODそのままでよかったのでは…
何かASCODが問題ないとかどうでも良い話じゃないか?ベースになった奴より10t位重量増している感じだし、将来的なエンジン強化?の為に車台まで弄っている。タレットリングも他のIFVより大きいみたいな情報もある。それまで変更しているなら結構な変更で、スパホを語るのにレガホを持ち出すとかF-15Eを語るのにF-15B/D持ち出してほぼ同じ物って言うぐらい違和感がある。
トランスミッションはレンク、エンジンはMTUでおかしい所はないしキャタにはゴムパッド付いているようだし、ぱっと見は酷い振動の原因はないように思える。
酷い振動の原因の可能性
・車体の剛性不足:外部からの衝撃を受けて歪んで変な振動が発生する、また歪む事でサスペンションが正常に働かない。
・動輪やキャタピラ重量が軽すぎる:軽い物ほど動きやすい、路面の凹凸を拾いやすくなるとボディへ伝わる振動が増える。
・現状の構成が最悪:構成により共振が発生。
30Hz以下の低周波騒音なのではないか?
車体自体の共振周波数の問題であるとすると、ヘッドホンで解決するわけがない。
乗員の体全体が車体ごと揺すられている状態。三半規管が常にヴァイブレーターで特定振動数によって強制振動させられるわけだ。
トヨタなど自動車メーカーならエンジンのマウント方法を変える(ばね定数やマウント位置の調整など)源流対策で鮮やかに解決させてしまいそうだが、兵器メーカーは意外にノウハウがないかもしれない。