ワルシャワを訪問したゼレンスキー大統領は5日、ポーランドから装甲兵員輸送車「ロソマク」、自走式迫撃砲「M120Rak」、携帯式防空ミサイル「ピオルン」を調達するための文書に署名、さらに125mm戦車砲弾の共同生産についても合意した。
もしM120Rakがロシア軍との戦いで「効果的」と実証されれば、120mm迫撃砲の自走化に拍車がかかるかもしれない
ワルシャワを訪問したゼレンスキー大統領はモラヴィエツキ首相は会談後に様々な協定や覚書に署名、詳細は伏せられているものの装甲兵員輸送車「ロソマク」、自走式迫撃砲「M120Rak」、携帯式防空ミサイル「ピオルン」の調達に関連したものだと報じられており、さらに125mm戦車砲弾の共同生産やウクライナの復興事業についても合意したと報じられている。
ロソマクについてはモラヴィエツキ首相が「ウクライナのシュミハリ首相から発注書を受け取った。ポーランドで生産されるロソマクに100輌の発注が入った」と1日に明かしていたため驚きはないが、M120Rakとピオルンの調達は今回初めて明かされたもので、特にM120Rakの調達が興味深い。
ロソマクの車体に120mm迫撃砲を砲塔式(自動装填装置付き)で搭載したのがM120Rakで、赤外線センサーとレーザー距離計を使用して自動的に目標へ照準を合わせることができ、ポーランド製のUAV「FlyEye」のデータを受信することで視界外の目標に対しても効果的な攻撃(最大射程12km)が可能だと言われており、ポーランド陸軍が122輌を調達中、台湾が技術移転を受けて120mm迫撃砲を搭載した火力支援車両の国産化を検討中だ。
牽引式の榴弾砲や迫撃砲は自走式と比較して射点の変更に時間がかかり、無人機が戦場上空を飛び回るウクライナとロシアの戦争では攻撃を受けることが多く、この結果を受けて海外市場で自走式の砲兵装備に集中、スウェーデン陸軍も120mm迫撃砲を2門搭載する「CV90Mjölner」の追加調達を決定している。
もしM120Rakがロシア軍との戦いで効果的と実証されれば120mm迫撃砲の自走化に拍車がかかることが予想され、装甲車輌に120mm迫撃砲を搭載するのではなく、砲塔式の120mm迫撃砲で自走化するのがトレンドになるかもしれない。
因みにロソマクの調達についてモラヴィエツキ首相は「米国とEUの資金で賄われる」と明かしたので、M120Rakやピオルンの調達も米国とEUの資金で賄われるのだろう。
追記:ソースは不明だが、ウクライナがロソマクを150輌、M120Rakを54輌以上、ピオルンを100基調達するという情報が出回っている。
関連記事:ウクライナがロソマクを100輌発注、陸自採用のパトリアAMVも対ロシア戦に参加
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※アイキャッチ画像の出典:Jarosław Wolski/CC BY-SA 4.0
日本はNEMOを買うんだろうか?
それとも、武装した装甲車両は三菱で揃えるのか?
いずれ買うだろうけど、先に救急車タイプを優先するんじゃない?
防衛白書でも記載が多かったし。
どうだろう?
今の120mmRTは牽引式で軽量だから、ヘリや小型艇、軽トラサイズの荷台輸送も容易だし、やろうと思えば人力での輸送もできるから、
山がちで島ばかりの日本では、狭い平地しかない日本では自走式迫撃砲と自走砲との違いを明確化できないように感じる。
特に南西諸島防衛での水際防衛では迫撃砲が有効だけど、自走化してしまったら最大のメリットである輸送の簡便さが犠牲になるから、
採用するにしても、優先度はかなり低いんじゃないかと
注文をつけるような言い方になりますが。
M120Rakは後装式と思いますが、
直射(水平射撃)はできるのでしょうか。
WIKIでもいまいちはっきりしないのですが。
重迫が歩兵の強い味方であるのは明らかですが、
できれば同じ機材で、直射の機能があると良いのですが。
味方に戦車のいない時に、多数の敵戦車が出現した時などに
極めて有用と思われますので。
直接射撃可能ですよ
下記動画参照ください
リンク
ご教授をありがとうございます。
確かに水平射撃をしていますね。
装甲兵員輸送車に迫撃砲を搭載したものは古くからあり(タミヤのプラモデルになったM106A1モーターランチャーが印象深い)、それでいいじゃないと思うのですが現代戦では射撃準備や撤収のスピードがより必要ということでしょうか。
ロソマクの元であるパトリアにもNEMOというタイプがあり、これは走行中でも撃てるんだとか。砲塔のカタチがM120Rakとは全然違うのでシステムは別のようですが、走行中も射撃可能なら確かにすごいですね。
ヘリコプターで空輸出来なくなる欠点がある
簡便軽量安価の迫撃砲の利点を考えると必ずしもメインストリー厶にはならないと考える
むしろ、スピアーのような自動装填装置付き迫撃砲が今後流行しそうな気もする
120mmRTも生き残る可能性あり
120mmRTなら、人間用の塹壕に隠すこともできるしね
平地ばかりの移動なら有利かもしれないけれど、移動を阻む山や海の多い地形で展開する上では、
逆にメリットを犠牲にしていると感じる
併用すべきだな。
自走迫っていいと思うんですよね
スウェーデンの2連装式のAMOSなんか陸自にピッタリだと思ってて、この手の装備が迫撃砲部隊に普及してもいいと思うんですけど…
有事で緊急に国民から募兵する際
愛国心があり頭はよくても度胸と体力のない志願兵向けには
このような迫撃砲を担当させるのがいいのではと思っていましたが
今後はドローンがその役割を果たすようになるのでしょうか?