ポーランドを訪問したゼレンスキー大統領は5日「バフムートに留まる兵士が包囲されそうになれば司令官が適切な判断を下す」と述べて「状況次第で撤退もあり得る」と示唆したが、今のところバフムート包囲の試みが成功する兆候はない。
参考:Зеленский о ситуации в Бахмуте: При угрозе окружения и потерь будут соответствующие решения
観測者によって賛否が分かれているバフムート市内の状況、ゼレンスキー大統領は包囲されそうになれば撤退すると示唆
ポーランドを訪問したゼレンスキー大統領は5日、最も困難な状況にあるバフムートについて「この地域の事情は非常に複雑で砲弾が足りている日もあれば不足する日もある。我々が幾つかの地区で成功して前進する日もあれば、後退を余儀なくされる日もある。どちらにしても我々はバフムートに留まり続けており、敵は街全体を支配していないというのが現時点での状況だ」と言及した。

出典:PRESIDENT OF UKRAINE
さらに「私にとっても司令官にとっても最優先事項は『無駄な人的被害の抑制』で、バフムートが包囲されて兵士を失う恐れがある場合は司令官が『適切な判断=撤退』を下すだろう」と付け加えており、どんな犠牲を払ってもバフムートを死守するのではなく「包囲を阻止しながら市街戦で時間を稼ぐ」というのが基本スタンスなのだろう。
ゼレンスキー大統領が言及したバフムートは周辺地域の前線に大きな変化はないものの「市内の状況」は、、、カオスの一言に尽きる。
ロシア側情報源の主張を反映した「市内の戦況マップ」は市内中心=商業エリアをロシア軍が支配していると判断(バフムート駅の東側)しているが、これを示す視覚的証拠は見つかっておらず、管理人が確認できた視覚的証拠は「クロモヴェ方面」と「MiG-17モニュメント周辺」のロシア軍を押し戻しているものだけだ。
- Ⓐ=ウ軍の第17独立戦車旅団がロ軍陣地を攻撃する様子
- Ⓑ=ウ軍の第17独立戦車旅団がロ軍陣地を攻撃する様子
- Ⓒ=ウ軍の無人機が塹壕に籠もるロ軍兵士に爆弾を投下する様子
- Ⓓ=ロ軍がMB-21でウ軍陣地を攻撃する様子
- Ⓔ=ロ軍が占領した工場地帯で火災が発生する様子
- Ⓕ=ウ軍兵士が迫撃砲を使用している様子
- Ⓖ=ウ軍兵士がスタジアム周辺で交戦している様子
- Ⓗ=ウ軍がUR-77を使用してロ軍が立てこもる建物を攻撃する様子
- Ⓘ=ウ軍の戦車がロ軍が立てこもる建物を攻撃する様子
勿論、上記の視覚的証拠も撮影日時まで特定できないので絶対ではないが、もしロシア側情報源の主張が正しいのならウクライナ軍は「バフムート駅の東側」を放棄した可能性が高く、再びプリゴジン氏が何らかの視覚的証拠をアップするだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
敵を引き付けつつ少しずつ後退しているので、最終的には撤退になるでしょうね。
その日が目に見えて近づいたという事。
反抗作戦が近づいており作戦内容に関連する情報は秘匿されているでしょうから
全体として出てくる情報量は少な目に感じますね
バフムートの戦況に関しては
マズいのは包囲され、安全に撤退することもままならない状態に陥ることであり
包囲されず、補給も途絶えず、まともに市街で防衛戦をしつつであれば
ジリジリ後退する事になっても大きな問題ではないでしょう
時間を稼ぎつつ、ロシア軍に消耗を強いることができれば最低限の任務は果たせたと言えます
来るべき反抗作戦がこの方面で行われない限り何れは陥落は不可避だろうし(他戦線で損耗したとしてもロシアが自分から引き上げるとは思えん)、ロシアの面目を潰すという政治的目的も達成しつつある以上死守させる理由はもう無いわな
以前のゼレンスキー大統領は「バフムートを守り切る」と発言していたが、反攻作戦の準備が整いつつあるので「バフムートからの撤退もあり得る」と変化している
次に変化するのは反攻作戦開始の時
今後退したとしても戦線整理って感じだよね
過去記事の「バフムートを制圧できればロシア軍は(この地域の)もっと多く深くまで攻撃を行うことができる」
と言ってたようにどうせ守るならバフムートで守った方が良いって状況だったからバフムートで戦ってただけで
あと一息でバフムートを落とせると思わせ戦力を集結させる陽動
コンコルド効果ですね。
なんとなく危険な気配はするが誰も言い出せない状況を作る上手い手ですよね。
敵が諦めそうたがら餌を撒いてるのだろうか
敵が撤退しないギリギリのラインで消耗を強いる戦術か
こんな厳しい状況下でお手本のような遅滞戦術やってるわけで、
司令官と部隊の能力の高さに感心する。
逆にロシアは包囲に失敗して市内を平押し、
遅れに遅れて砲爆撃で廃墟にした街を占領したところで、
戦術的にも負けに等しいのではないか。
今までのウクライナ軍のパターンはひたすら遅滞戦術 →大きく反撃 →支配地域奪還 →これを繰り返す
がパターンみたいになっているしまぁ予定通りなんだろう。ウクライナにとっては
がんばれ
ロシアの手によってバフムトは破壊されまくったので、ロシア軍の手に渡っても復旧して補給線にされるのは大分あとだろうからな。
ロシア軍が三年戦えても、半年以上復旧にかかると、ウクライナ軍は他の場所で反撃するでしょうしね。
大規模反攻が近づいてる、とされているので
もはや今後ウクライナ発表の話題はポジティブ/ネガティブに関わらず
ロシアを騙すための情報操作だと疑ったほうがいいかもな
バフムト防衛戦は、南北戦争のグラント将軍が取った戦略と同じで現時点では評価できないね。
消耗戦に付き合い、付き合わされ、巻き込み巻き込まれてと兎に角人も物も疲弊し、ゼレンスキー大統領の撤退示唆すらロシア軍をこの地に留めるガセネタかもしれない。
状況は非常に単純で、ウクライナ軍は西の補給路を砲撃されて、補給が苦しくなって、いよいよ弾薬が足りなくなり、退却を続けていて、いよいよバフムトの完全放棄、あるいは陥落か、という話です。
バフムト川の防衛線というのは、南北からロシア軍、ワグネル社部隊に中心市街に突入されてまったく意味がなくなり、地下要塞として最も重要であったアゾム金属加工工場、その他の工場もほとんど制圧され、市庁舎、卸売市場、大宮にあるような鉄道博物館、駅前商店街・・、などを次々と制圧され、いよいよ最後の防衛線は、バフムト駅を中心とする鉄道の線路か・・、というとこですが、これらは防衛線と言っても、ただの駅と線路であり、その東の住宅街もただの団地のアパートです。
あとは60台のレオパルト2A戦車と、強制入隊させた女、子供、老人を中心に新編成した国民突撃隊のような軍団を主力とする反撃作戦をどこに対して敢行するかですが、どこに対して行っても、強固な対戦車縦深陣地に対するただの正面突撃になりそうな気がしてなりません。
レオパルトが配備される部隊は空中強襲軍で、ヘルソン等の反抗作戦で活躍した精鋭とのことです。
少なくとも反抗作戦の主力は女子供老人では無さそうですね。
ソース:高橋杉雄氏(防衛省防衛研究所防衛政策研究室長)テレビ談
なんか、某傍観者(当事者)氏同様、氏の言説もどうにも末期感を呈してきましたね・・・・。
そのレオパルト2A戦車が配属されそうなウクライナ空挺軍の空挺旅団ですが、以前ここのサイトの記事でも引用されたニューヨークタイムズの記事では、第46独立空中強襲旅団の大隊長クポル中佐が、空挺軍のミルゴロドスキー司令官と対立して、解任された話がありました。
要するに今のウクライナ空挺軍の部隊は、ほとんど訓練を受けない新兵が部隊にすぐに配属され、空挺軍の部隊が精鋭というのはすでに名ばかりとなっていて、またそれを批判する指揮官はすぐに解任されるという話です。
ヘルソンからソレダルや、バフムトに移動した空挺旅団も、次々に消耗し、要するに壊滅状態になっていて、クポル中佐の話では、後方での訓練、再編成もロクに行われておらず、そういうような話はナントカ忍者小隊だかの日本人義勇兵の話とも共通します。
相変わらず面白いほど偏り過ぎた考え持ってますね 中国からは軍靴の音が聞こえないタイプの方でしょうか・・・
沢山突っ込み所はありますが、ロシアの徴兵のやり方はどうですか?
願望や思い込みが情報を無視してるのか、自分が見たい情報しか見ないのかは知らないけど、客観的に見れば少し違った考え方になりそうなもんですがね
ロシア軍とウクライナ軍が対峙している前線は何百キロもあるので、そのすべてに「強固な対戦車縦深陣地」があるとは思えませんね。
対戦車縦深陣地とは、ただの横一線の塹壕で構成されるものではなく1943年のクルクス戦における
「パックフロント」
のように、要所要所に火砲を配置し、むしろ戦車が入れる隙、間隙を作って、そこを罠として誘い込み、入ってきた戦車に左右から十字砲火、集中砲火を浴びせかけるという
「拠点陣地」
です。
地形的に戦車が通れないとこもたくさんあり、たくさんの戦車が一気に通れそうなとこというのは限られてくるわけで、そういうとこに的、狙いを絞って、偽装した陣地を作り、部隊、火砲、さらに反撃用となる機動予備の戦車や装甲車を配置するのです。何も何百キロ全部に陣地を作るという話ではないのです。
ただの住宅街に過ぎない市街西部の防衛線を数週間突破できていないんですが
あなたはバフムートを見て来たかのような事を毎度書き込んでいますが・・・さすがに適当過ぎませんか
バハムート市内の状況は概ね同意です。
バハムート市内のウクライナの補給路は、ロシアの砲撃管制下
にあり、補給の段階で猛烈な砲撃に晒されます。加えて前にも
書きましたが、ワグナーは絶えず交差射撃ができるポジションを
取りながらバハムート市内を前進しています。
さらに最近は大型滑空爆弾を多用し、立て籠るウクライナ兵を建物
もろとも消し飛ばしています。降伏勧告は事前にしているようですが。
以上のことを換算すれば、どう考えてもウクライナ軍は甚大な被害を
出しています。ロシアの損失と有利なトレードになっているのかは
極めて疑問です。「政治的」にはこれで成功!なのかもしれませんが。
ウクライナの反攻はありうるのではないのでしょうか。私は反攻に
備えて、NATO各国で訓練を受けた数万の精鋭と戦車などの最新の
軍事物資を一気に投入するのでは?と考えています。航空戦力の
援護なしに、どうやってロシアの防御陣地を突破するのか興味深い。
何度も書いてますが、現在ウクライナは泥濘期の真っ只中で、両軍が
大きく動くのは早くて2週間後、現実的には5月くらいからでしょう。
管理人さん、いつも戦況図ありがとうございます。これを作るのは大変な手間だと思います。
これが正しいとすると、東側はじわじわロシア軍に浸食されているが、西から包囲しようという試みはむしろウクライナが押し返しているということになります。遅滞戦術としては正しいのでしょう。
UR-77の映像すごいですね。本来は地雷除去システムだけれど攻撃用に使われている。建物にどれくらい効果があるのかは不明ですが、マリウポリでもロシア軍が使っていました。ウクライナはそもそも保有していないので全て鹵獲物というのが面白いです。弾薬とかどうしてるんだろう。
戦略家のルトワック氏は自身のtwitterで、「ロシア軍は消耗戦を展開しており、その目的は、1日に戦闘年齢に達する人数よりも多くのウクライナ人を殺すことによって、ウクライナの総戦闘員数を減らすことである。現在、ロシア軍はこの残酷な競争に勝っており、このままではキエフが負けてしまう。」と投稿した。
ロシアがウクライナの人的資源を削りきる前に、反攻作戦で一気に勝利できなければウクライナは敗北するだろう。
リンク
紛争当初の作戦の杜撰からしても、キエフ中央政府がすぐに降伏すると
ロシア政府は考えていたのでしょうね。その目論見は外れたわけですが、
その後の強力な経済制裁で、ロシアが停戦するという欧米の目論見も
外れましたね。双方完全に目論見を見誤った結果、この泥試合なのかと。
ウクライナの軍事的無力化は、ロシアの最大目標なので何年かかろうが
推進しますね。もはやウクライナ人が何人死のうがおかまいなしでしょう。
NATOは戦争抑止に失敗し、戦争開始時からどのバッドエンドを選ぶのかという陰鬱な問題が付きまとう。第三次世界大戦かウクライナの敗北か。
老人の愚かな楽観で若者が死地に追いやられるのは古今東西、イデオロギー問わず変わらない。戦線図が表示しない膨大な犠牲者のことを考えると根拠のない楽観は決してできないはずだ。
今のペースだとウクライナ軍戦車隊がモスクワ蹂躙しそうだけどね。
ウクライナ単独なら第三次世界大戦にならないだろうし。
1:5でロシア人が多く死んでるから先に殲滅されるのはロシア軍だろうし。
親露派さんて皆さん漏れなく凄いな。
報道されてる事実を、己れの願望以外無視して生きてる。
親ウ派さんも似たようなもんです。
ぜんせん似てないよ。
親ウ派は親露派に独創性で劣る。
親ウ派はメディアや専門家、SNS情報のアレンジをしている程度だけど。
親露派は入力なしに作曲しているようなもん。
特に今回のコメントの独創性は高いかも。
ぜんせんソースがわからない。
白を黒だと強弁し言いくるめているのは果たしてどちらの側なのだろうか。
リンク
引用:
AFUのクリボノス将軍:バクムトは肉挽き機であり、保持する意味はなく、数週間前に降伏すべきだった
「私は2月上旬、バクムトは肉挽き機だから、バクムトを保持する意味はないと言った」と嘆いている。
ロシア軍は人員を惜しまず、AFUは最高の戦闘員を失ってしまった。
大局的には、毎回彼らの言っている通りの方向に戦局が動いているようだが。
安易に親露派のレッテル貼りをしたり、程度の低い誹謗中傷をしてみたり、
同調圧力により言論封殺してしまう今の風潮には危うさを感じる。
ソース張ってくれるのは良いんだけど、olivenewsって大丈夫なん ?
リンク
>日付を改ざんするデマNEWS olivenews
>あー、olivenewsか。デマ屋だった。
ご自身で判断されたし。
現状、邦字メディはではウクライナ軍に不利な情報は殆ど流さない。
ロシア寄りメディアの情報と照らし合わせ多角的に分析するしかない。
ということは やはり反攻は南部かな。
もう南部のロシア軍はスカスカだろ。
クリミア大橋再度破壊されたら クリミアは孤立。
ロシア軍は東部二州なんてどうでもよくなるだろ。
バフムトで疲弊しきったロシア軍で守れますかね クリミア。
マリウポリの時と明らかに違うのは退路が確保された状態で、ロシアの猛攻をジリジリ耐えてる事でしょうか。流石に被害ゼロとまではいかないでしょうが。
戦況は厳しいと思いますが、部隊もパニックを起こしてない様なので、補給も行われており万一の脱出の用意も進んでいるのかもしれません。
視覚的証拠によると、ロシアはなお市街地中心部ではやや押しているものの、包囲には成功していない(それゆえに力攻めせざるを得ない)というところでしょうか。
主として支援国に向けての、ウクライナは非理性的にバフムート防衛に固執しているわけではなく、妥当な遅滞戦術を行っているまでというメッセージのように感じられます。
泥濘がピークを迎えつつあるので泥濘の影響が少ない市街地より郊外での防衛に切り替えるかもしれないですね。バフムト両軍兵力数次第では撤退です。
また、バフムト西部制圧はウクライナ側戦車攻勢までに間に合わないので、ロシア側の目に見える戦果として、市庁舎の次はメリトポリのように市長補足を狙っているかもしれません。昔風に言えば領主補足といったところでしょう。すでに市庁舎を城攻めのような感覚で見ている時点で中世モスクワ公国に先祖返りです。市長がどこにいるかわからないので補足は難しいですが、公務員・特に市長は市民が残っている以上逃げられないという意識がありそうです。実際震災津波のときも公務員は逃げられない、と言われていましたし。