ウクライナ戦況

ウクライナ軍がイジュームのロシア軍基地を攻撃、車輌60輌を焼き払う

ウクライナ空中機動軍(空挺部隊)司令部は20日、イジュームのロシア軍車輌基地を攻撃して車輌60輌を焼き払ったと発表した。

参考:Сожжено 10 танков, 8 бронемашин, три десятка авто: ДШВ показали работу артиллерии

ロシア軍もウクライナ軍の攻撃を受けて相応の被害を被っているとアピールしたかったのかもしれない

ウクライナ空中機動軍(空挺部隊)司令部は20日、イジュームの北西に設けられたロシア軍車輌基地(49.238631, 37.230328)を空中機動軍の砲兵部隊が攻撃、戦車12輌、装甲車8輌、支援車輌4輌、軍用車輌36輌を焼き払ったと発表した。

公開された動画にはT-72B、T-72B3、MT-LBなどが映っており、イジューム方面のロシア軍にとっては手痛い被害を被った格好だ。

ただ今回の攻撃が何時行われたのは不明で、ロシア軍が「ザポリージャ州の戦闘でウクライナ軍の機械化大隊を壊滅(戦車26輌と歩兵戦闘車12輌を破壊)した」と発表した直後ということもあり、ある種の対抗措置=ロシア軍もウクライナ軍の攻撃を受けて相応の被害を被っているとアピールしたかったのかもしれない。

出典:Минобороны России ロシア軍の攻撃を受けて壊滅したウクライナ軍の機械化大隊の様子

因みにTelegram上には砲撃を受けて戦死した(両軍の)兵士を映した映像や写真が沢山アップされており、激しい戦いが繰り広げられている東部戦線で双方に大きな損害が出ているのは確実だが、どの程度の人的被害が発生しているのかは想像もつかない。

関連記事:ウクライナ軍の機械化大隊がロシア軍の攻撃で壊滅、戦車や歩兵戦闘車を失う

 

※アイキャッチ画像の出典:Командування Десантно-штурмових військ Збройних Сил України

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

露国営メディア、3月中旬頃からSu-57をウクライナの戦いに投入前のページ

ドイツ、7月中に15輌のゲパルトと弾薬約6万発をウクライナに引き渡す次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    バフムートを巡る戦い、ロシア軍が最後のアクセスルート上に架かる橋を破壊

    バフムートに残された最後のアクセスルート「00506」に架かる橋の破壊…

  2. ウクライナ戦況

    ポーランド領に着弾したミサイル、S-300で使用される迎撃弾の可能性が浮上

    ゼレンスキー大統領もクレバ外相も「ウクライナ軍の使用するS-300がポ…

  3. ウクライナ戦況

    ゼレンスキー大統領、17日間の戦闘でウクライナ軍兵士が約1,300人戦死

    ゼレンスキー大統領は12日、17日間の戦闘でウクライナ軍は「過去数十年…

  4. ウクライナ戦況

    ハルキウ州知事、想像もつかない悲劇がイジュームで起きている

    集団墓地の掘り起こし作業を視察したハルキウ州知事は「想像もつかない悲劇…

  5. ウクライナ戦況

    一向に実現しないウクライナへの戦闘機提供、何処に問題があるのか?

    ロシア軍のウクライナ侵攻当初から米国、スロバキア、ポーランドで「戦闘機…

  6. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍はハルキウで失地奪還、ロシア軍はルハーンシクで攻勢

    まだロシア軍の本格的な攻勢は始まっていないもののハルキウ州、ルハーンシ…

コメント

    • 折口
    • 2022年 5月 21日

    ここへ来て両軍とも大損害を出す頻度が増しているような…。戦線が伸び切っているのもあるんでしょうし、長期化した戦争に対する息切れみたいなものを感じますね。ただ、東部ウクライナ紛争の頃と違って双方とも今立ち止まる訳にはいかないですから、安定的な小規模衝突に移行せずこのままお互いの総力を発揮し続ける消耗的な戦いになってしまうのかもしれないですね。果たしてその時ウクライナは、ロシアは国家として存続していられるのか…。

    20
      • ミリオタの猫(ロシアは地獄に落ちるかどうかを考え中)
      • 2022年 5月 21日

      そうなると、今国家総動員体制で欧米から武器供給のアテが有るウクライナの方が多少消耗しても暫くは耐えられると思いますが(だから6月頃と見られる欧米からの武器供給や新編中の機甲旅団の編成完結を待たずに反撃に出ていると見られる)、総動員も核も使わず制裁で武器供給にも限度があるロシアはどうするのかと言う疑問が浮かびます。
      ウクライナは6月以降も戦力補充が着々と進むのに、ロシアは一体どこから戦力を捻り出すのでしょうねえ…?

      22
      • 2022年 5月 21日

      ウクライナは西側が復興支援をしてくれるからまだしも、ロシアはもう無理でしょう。

      7
    • zerotester
    • 2022年 5月 21日

    時期については衛星写真と照合して少なくとも5月11日以降と言われてますね。それ以前にも砲撃を受けた跡があるようで、ウクライナ軍の砲兵の範囲内なのになんで車輛を固めて置いてるのかなと思います。

    17
    • 名無し
    • 2022年 5月 21日

    BTG一つ分くらい?現状の戦力じゃ痛いわね。

    7
    • 通りすがりのななし犬
    • 2022年 5月 21日

    西側からの榴弾砲の提供がかなり効いてきているみたいですね。自走砲をもっと支援してあげられるといいなと、素人の私は思うんですけれど。

    ロシア軍の突出部分であるイジュームに対する反撃が始まっているみたいですね。ここには2万人以上のロシア兵が展開していると聞きました。キーウのように、ここでもボロボロになって撤退する羽目になると局面がまた大きく変わるのではないでしょうか?

    17
      • や、やめろー
      • 2022年 5月 21日

      ここでロシア軍が負けると国境までロシア軍は下がらないといけないですからね。そうなるとウクライナ軍はクリミアに行く部隊が出てくるでしょうね。

      7
    • や、やめろー
    • 2022年 5月 21日

    ロシア軍は、最初に空挺部隊をやられたのがきつそうだな。ウクライナは、ドネツク川を死守するか、それとも国境まで押し返すか。前者はなんとかなりそうだが後者ははちょっときつそう。

    14
    • パセリ
    • 2022年 5月 21日

    やっぱり野戦だと両方損害でますよね
    互いの野戦軍を撃滅せんとお互い進行できんし

    17
    • けい2020
    • 2022年 5月 21日

    M777の空中機動砲兵かな

    M777を中型ヘリで空中牽引して、1門ずつ分散配置したうえでスターリンク衛星でリンクさせてて、しかもUAVで観測砲撃してるやつ

    地形に関係なく空中を時速200kmで移動して、衛星リンクだから前線司令部すら不要で、要請から30秒で砲撃可能
    1門ずつの分散配置・隠蔽できるうえに、砲兵部隊じゃないから対抗砲撃すら効果薄く、神出鬼没

    アップグレードされた戦場の女神

    15
    • 戦略眼
    • 2022年 5月 21日

    ロシアが形振り構わず各方面軍を全て集めれば、勝てるかもしれない。
    しなければ、ウクライナとの潰し合いになるが、どうなるか?

    3
    • たまねぎ
    • 2022年 5月 21日

    お互いUVA使ったりで最新のテクノロジー活用してるけど、
    やってることはごくごく伝統的な陣取り合戦ですね…
    21世紀にもなってこんな光景が動画でアップされてるというのがチグハグで何とも言えない。

    20
    • 戦意
    • 2022年 5月 21日

    お互いに戦意高揚の戦果発表をしていますが、ロシア兵の戦意って上がるんですかね?無駄な戦争に駆り立てられて、背後にアメリカがいるって言われても目の前にいるのは言葉の通じるウクライナ人。アメリカやナチスドイツが相手ならロシア兵も死にものぐるいで戦うんでしょうが、同じスラブ人同士で殺し合いさせられても戦争の意義が見出せないでしょうに。

    4
      • けい2020
      • 2022年 5月 21日

      ロシア国民の戦意・プーチンの支持率が上がるから
      ウクライナからの大量の略奪品で潤って上がっていたのもあるし、効果はあるんじゃないかな

      2
    • hoge
    • 2022年 5月 22日

    ドローンがそこらじゅうを飛んでいて、空から常に監視されている状況が多発するようならば、AFVの生存性の考え方や優先度が変わるかもですね。
    カモフラージュネットを標準化して排熱も抑えてFLIRやカメラに補足されづらくする、軽量、高機動化して地形の制限を回避して素早く移動する、APSでトップアタック型のATGMに備える etc…

    • 匿名
    • 2022年 5月 22日

    見るたび思いますが基地利用されてしまった「農家」ですよね
    元の持ち主のことを思うと心が痛みます

    5
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  2. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  3. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  4. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  5. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
PAGE TOP