反攻作戦の開始時期についてゼレンスキー大統領は「パートナーから到着する弾薬を待っている」と述べたが、EUは加盟国の備蓄分から155mm砲弾100万発を供給することで合意しているため、反攻作戦に必要な弾薬供給の目処はついている。
参考:Зеленский объяснил, почему анонсированное контрнаступление ВСУ еще не началось
EU加盟国が軍の備蓄分を解放することで合意したため、反攻作戦に必要な弾薬供給の目処はついている
ウクライナ軍は3月下旬から4月末までに「大規模な反攻作戦」を開始するだろうと予想されており、最も有力視されている反攻作戦の舞台はウクライナ南部=ザポリージャからドネツクまでの地域で、この前線に突破口をこじ開けてアゾフ海に向け南下するプランだ。
何処から南下を開始するのかは不明だが、反攻作戦の目的を「ヘルソン州やザポリージャ州に展開するロシア軍を孤立させる」と定義するならクリミア大橋の破壊が必要なため、ベルジャンシクへの到達がゴールとなる可能性が高い。
ウクライナ軍は最近、オレホボ周辺で威力偵察(ロシア軍の反応を確かめ防衛ラインの脆弱な部分を探す目的)を繰り返しており、主要道路沿いに南下するならオレホボからトクマクに経由してメリトポリやベルジャンシクに向かうことなるだろう。
比較的守りが手薄なドニエプル川を渡河できればロシア軍の防衛プランを台無しにできるのだが、米軍関係者は「ウクライナ軍にドニエプル川を渡河するための能力はない」と述べているので、もうザポリージャからドネツクまでの地域を正面から攻めるしかなく、守りが若干手薄に見えるヴェリカ・ノボシルカ方面(地雷原が多数用意されているらしい)から南下してマリウポリを目指してもクリミア大橋に届く武器がないため、オレホボもしくはフリアイポレからの南下を押す声が多い。
因みに反攻作戦の開始時期についてゼレンスキー大統領は「パートナーから到着する弾薬を待っている」と述べ、まだ反攻作戦の準備は完全に整っていないことを示唆しているが、EU加盟国が軍の備蓄分を解放することで合意したため反攻作戦に必要な弾薬供給の目処はついている(と思いたい)。
追記:ウクライナ国防省は「反攻作戦の開始時期について軍に質問しないでほしい=匿名の関係者からの話として反攻時期を話題にするのは止めほしいという意味」と要請、これについて公に発言できるのは「ゼレンスキー大統領、レズニコフ国防相、ザルジュニー総司令官だけだ」と指摘した。
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※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE
必
勝
ご武運を
待ち構えているであろう露軍の対戦車猟兵にどう対応すんのかな。「下手したら初期の露軍戦車みたいにやられまくってしまうんじゃないか」とか心配してしまう。
西側の戦車部隊の洗練された対歩兵戦術がしっかり仕込まれているだろうと思いたい。
>下手したら初期の露軍戦車みたいにやられまくってしまうんじゃないか
ロシアとちがってウクライナは地元での戦闘になること。
ロシアにはジャベリンやハイマースに当たる兵器が無いわけではないが劣るものしか無いこと。
このために同じ結果には、ならないんじゃないかと思う。
たとえばジャベリンは打ちっぱなしで良くてシュミレーターで3時間くらいのトレーニングするだけで打てるようになってしまうらしい。
ロシアの対戦車ミサイルだと、レーザー誘導なので実際に戦車に当てるまで射手が責任をもたなければならない。
この為、新兵にはそれだけ扱いが難しくなってしまう。
(たぶんロシアがジャベリン相当を作れないのではなく、経済制裁の影響で半導体が大量生産できるほど手に入らない為に、生産を諦めたのだろうと個人的には思う。プロトが作れるだけでは歩兵用の武器としては意味がないので。
だから制裁は効いていない説は間違いと思っている。)
反攻に対して、ロシア側は攻勢を強めるか守勢かどちらかな。あるいは刺違え狙いか。
弾薬補給量が勝負のポイントなら、ロシア側の供給量はどの位かな。
ウクちゃんの焦らしプレイ
アメリカでは砲弾月産9万発可能な見込み。
アメリカだけで100万発生産クリアできるな
プラス欧州、そしてチェコやポーランドの旧東側軍事企業もウクライナからの大量発注でてんてこ舞いな模様
9万発どこソース?
アゾフ海打通作戦ですが、現戦線から奥行き100kmの突出部を形成することになります。
作戦規模から考えて、先鋒は反攻作戦の主役となる18個旅団6万人の精鋭部隊として、他に側面防御や掃討作戦、予備隊として一般部隊を10万人以上の規模で投入すると必要がありそうです。
ただ、それだけの兵力を確保できるのか、兵站を維持できるのか不安ですし、航空支援がないことも問題です。
ロシア軍は、突出部に対して温存していた戦略予備を投入して反撃を仕掛けるでしょう。
ウクライナ軍としてはできる限り短時間でアゾフ海に達し、精鋭部隊を先鋒から予備に戻して側面に対するロシア軍の反撃に備えたい。しかしアゾフ海到達に手間取り、正面と側面の両方で激戦となると大変なことになります。
作戦としてはかなり難しように思えますが、西側の装備とドクトリンを採用した精鋭部隊がなんとかできるんでしょうかね。
西側ドクトリン(MDO)の導入はないでしょ
航空優勢をとれる見込みもないです
ベルジャンシクまで到達できなくても橋を攻撃できる装備持ってるサプライズ来たりしないの?
いきなり橋が大爆発してくれても全然OKよ?
3月20日 EUが備蓄分からの砲弾提供を決定
現在、各国の倉庫からウクライナへの輸送方法の詰めに入っているのでは・・・
なんで攻勢が遅れる伏線を張っておくんだろ?
遅れると見せかけて突然始まるかもね
始まりは突然に
この記事読んだら久しぶりに補給線が読みたくなってきたな
いかに名将ロンメルでも物資が滞っていては勝てるわけもなかった
最近新版(翻訳者が変わった?)が出てたけど内容どうですか?
昔のは翻訳がちょっとアレだった記憶があったのですが直ってました?
どうでしょう。ど素人の計算なのですが。
開戦時のロシア軍が20万人、その後30万人を動員したとすると計50万人です。
ウクライナ軍参謀本部の発表では、その内の約17万人を無力化(戦死・戦場離脱)
させたとしていますから、差引33万人がいることになります。
仮に、前線と後方支援の比率を1:2とすると、11万人の実戦部隊がいることになります。
1個旅団(米軍式機甲旅団戦闘団の例)は約5,000人ですから、22個旅団ですよね。
これが、クリミア、東、ロストフ、ヴォロネジの四つのグループに分かれているようです。
一方、伝えられるウクライナ軍の純攻撃戦力は18個旅団だそうですから、攻めるなら、
攻勢3倍の原則を適用すると、その全力でもって、分断/各個撃破しか無いように思えます。
ロシアの補給が潤沢ならば、無理ではないかと思えます。ウクライナ側も消耗するのですから。
まず、ロシアの補給を切断しないとダメな気がします。
そうすると、狙うのは、まず、スバトヴォとクリミア大橋と思うのですが。どうでしょう。
ロシアの攻勢正面がわからないと別記事にコメントされていたのに、全線平押しの計算し始めるのが不思議です。
この戦争では歩兵は大砲の餌なので、人数よりも砲弾数が重要ではないでしょうか。榴弾100万発の支援が一回限りなので、それを有効に当てて大勢を決せられるような目標(野戦軍撃滅か拠点)を選んでいるのかと、アゾフ海打通してクリミア大橋を脅かせるベルジャンシクが予想目標と本文にもありますけど、、、
そうですね。ど素人なりに更に考えてみると。
前の記事で、チェコの大統領が”チャンスは1回きり”と
元軍人らしい言い方をしていましたが、砲弾の数を考えても、
次回の攻勢で大きな成果を挙げねばならないのでしょう。
大きな成果とは、ウクライナから見て、自国の領土から
ロシア軍を押し出す目処がつくこと、と思います。
自国の戦力を相当に残した状態で。
さて、先に書いたロシア軍の22個旅団が4個のグループに等分に
割り振られているとすると、ザポリージャからベルシャンシクを
担当しているのは”東グループ”となり、東西に”クリミアグループ”
と”ロストフグループ”があります。
いきなりザポリージャから攻め込むと、最悪、5.5×3=15.5個旅団
を相手にすることになると思えます。
ウクライナ側は18個旅団とすれば、大勝は望めない可能性があると思います。
ウクライナ軍は、ドニプロ河を渡河する装備を持たず、バフムトや
アウディーイウカを防衛している部隊は機動力が不足していると思います。
郷土防衛旅団が主体と思いますので。
ですから増援は望めず、クリミア大橋を落とせるかは判らない、と思えます。
戦争はそこで膠着するかもですね。それはウクライナの望みでは無いでしょう。
ロシアに交渉に持ち込まれて、戦争が終わるおそれがあります。
それは、ウクライナ側から見て、領土の割譲になります。
素人に想像できるのはこのくらいでしょうか。
ウクライナにとって、条件は厳しいと思います。
昔のマンシュタイン元帥や、マルクス中将のような才能が必要と思います。
私個人は、クリミア大橋まで狙う必要はないと考えます。
まず、クリミア大橋の輸送能力は、南部戦線の補給需要を満たすのに充分ではないと私は考えます。
2022年11-12月頃の防衛省の情勢報道によると、クビャンスクからブフレダルまでの東部戦線では、ロシア軍の攻勢が活発なのに、ブフレダルからオレホボまでの南部戦線では動きが見られません。
クリミア大橋爆発が10月8日なので、その影響の大きな時期ですが。
応急処置は済んだとはいえ、その修理がまだ続いている現在、アゾフ海岸沿いの補給路が切断されたら、南部戦線のロシア軍はマトモに戦えなくなるかと。
ちなみに、これが理由で私は、オレホボ発メリトポリ行は無いと考えています。
無事にアゾフ海岸に反抗作戦が達したとしても、生まれた100kmの突出部は、ロシア本土と陸路で繋がるドネツク方面からの猛攻に晒されるからです。
遅滞戦闘のスペースを確保するため、反攻作戦経路は可能な限り東寄りにすべきかと。
次に、クリミア大橋の防衛体制。
一部の橋桁が重みで崩落したとか、貨物列車やトラックどころか鼠一匹さえ通行できなくて、既に補給線としては死んでいるとかいう噂が出るほど、防空兵器を敷き詰めているそうではありませんか。
そんなハリネズミを、通算生産数がやっと100発を越えたヴォロカミサイルの射程に収めて何ができるでしょう?
アゾフ海岸打通で急増した輸送量に保安検査がパンクした隙をついての破壊工作や、輸送量に耐えきれず線路や舗装が摩耗・消滅しての橋崩落を唯一神に祈る方が、まだ現実的かと。
なので、クリミア大橋よりもまずはアゾフ海岸切断を狙うべきだと私は考えます。
クリミア大橋をヴォロカミサイルの射程に収める必要は、まずは、そしてこれからも、必要ありません。
ならば、可能な限りの東寄りとしてブフレダル発マリウポリ行が候補して浮上します。
面白いです
それなら、もっと東寄りでハルキウ発〜ルハンスク経由〜マリウポリ着に一票かなぁ。ウクライナ的には、成果を出しつつ獲物を残すことで支援切れを回避して全土回復を狙いたいだろうから
南部攻勢の幻を囮にして、東部戦線の背後を走るコースですか!
南部攻勢で心配なのは、南部戦線から100km先のアゾフ海岸に達するまでは、ウクライナ軍はロシア軍の補給路を殆ど横断できず、ロシア軍に混乱を与えられないことです。
しかも敵地を走らねばならないウクライナ軍に対し、占領地内での移動となるロシア軍の方が、速度面では有利です。
既に南部攻勢へ備えてか、バフムトから兵力をロシア軍が引いていることを考えると、先のトブルク氏が仰る通りの大敗北になる可能性は高いかと。
これに対し東部戦線の背後を走るコースでは、コースにもよりますが20kmも突出しないうちに、補給線の横断が生じ始めます。
なので、アゾフ海岸までウクライナ軍が達せずとも、速い段階でロシア軍の混乱を引き起こせます。
長引く戦いでロシア軍の機動性が落ちている上に、機動性の高いロシア軍部隊は南部攻勢に備えてアゾフ海岸沿いの鉄道上での予備部隊に引き抜かれているでしょうから。
背後を走られた東部戦線のロシア兵との南方への駆けっこ競争に、ウクライナ軍は勝利して、彼らを捕虜にできる可能性があります。
それでも、南部から駆けつけるロシアの予備戦力の方が移動速度が速いので、ルハンスクすら、ウクライナ軍の辿り着ける可能性は低いでしょう。
その場合、ロシア軍の本国との陸路を断ち切ることができず、ロシア軍戦力へのダメージは東部戦線からの捕虜・遺棄物資に限られます。
が、オレホボ-メリトポリ間の防御施設をハイマースで盛大に吹き飛ばして突破口を開け、永遠に未編成の突撃部隊をロシア側に待たせるとかの欺瞞工作を駆使すれば、マリウポリまでたどり着けるかも知れません。
希望を言えば。
ここで米国から貰った2000lbのJDAMに働いてもらいたいところです。
適当なミサイルがないのですから、あるもので実行でしょうか。
橋の上空に行くのは大変ですが、別に有人機である必要はありません。
そして、最初で最後(?)の電子戦をしたとしてもその価値はあると思えます。
一番上手くいけば、スバトヴォとクリミアからの補給線を同時に切断できます。
攻撃の起点が何処になる考えてだけど、ふと日本じゃなくて良かったと思ってしまった。