米海軍の関係者が久々にF/A-18E/Fの後継機=つまり次期戦闘機について言及して注目を集めている。
参考:NGAD Will be Family of Systems, Super Hornet Replacement Likely a Manned Fighter
米海軍は空母航空団の無人機と有人機の比率を最終的に60%-40%に持って行く
米海軍は2030年代に退役を始めるF/A-18E/Fの後継機を開発するため昨年8月に「F/A-XX」と呼ばれる次期戦闘機の開発を主導するNGAD(Next Generation Air Dominance)プログラムオフィスを正式に立ち上げ防衛産業界と新型戦闘機開発のための協議を始めたと報じられていたが、海軍作戦部長の下で航空部門を担当するグレゴリー・ハリス少将は今月30日「F/A-18E/Fの後継機は基本的に有人機だ」と明らかにした。
ハリス少将はF/A-18E/Fの後継機「F/A-XX」は基本的に有人機だがNGADプログラムの下で開発される航空戦力には無人機開発が含まれているため将来の空母航空団は有人機と無人機の混在になり、海軍は無人機と有人機の比率について当面は40%-60%を目指して整備を行い、時間をかけて無人機の比率を50%以上にあげて最終的に60%-40%に持って行くことを想定しているらしい。
海軍のNGADと空軍のNGADは独立した別のプログラムなのでF/A-XXとF-Xは別の機体になるが、基盤技術やシステムの開発面で両軍は密接に協力しているためプラットホームの内部システムについては類似したものになるとハリス少将は述べているが、無人機に関する考え方は空軍とは異なる面を見せている。
米空軍が開発を進めている無人戦闘機プログラム「Skyborg(スカイボーグ)」は戦闘機に随伴して搭載されたAIが自律的な戦闘行動を行うことを想定しているが、ハリス少将はAIがターゲットを自律的に選択するというメカニズムは複雑で実用化に時間がかかるので「戦闘機に随伴してミサイルキャリアとして作動する無人機の実用化を目指すほうが理想的」と言っており、これは国防高等研究計画局(DARPA)が発表した複数の空対空ミサイルを運搬可能な空中発射型の無人航空機(UAV)開発「LongShot Program」に近い考え方だ。
さらに興味深いは電子攻撃機EA-18Gと早期警戒機E-2Dの後継機についてで、ハリス少将はNGADプログラムの下で両機の後継機検討が始まっていると明かして「これは単一のプラットホームではなく有人機と無人機を組み合わせたものになる」と述べている。
海軍は電子攻撃タイプの無人機や早期警戒タイプの無人機を検討しており、これを制御する有人機とセットで1つのシステムを構成することを考えているらしい=電子攻撃と早期警戒を1つのシステムに統合するという意味で非常に斬新だが、このような海軍の無人機活用は現在開発を進めている無人空中給油機MQ-25の成功に依存しているとハリス少将は言っているのでMQ-25の運用実績によっては大きな変更もあり得るという意味だろう。
あくまで現段階の話なので確定ではないが、米海軍は空母航空団の40%以上を無人機に置き換えることを想定しているのでF/A-18E/FとF/A-XXの交換比率は1対1ではない=つまり次期戦闘機の調達規模はF/A-18E/Fよりも少なると言う意味で、各国が開発に取り組んでいる有人無人チーミングの状況を考えると2030年までに相当数の無人戦闘機が初期運用能力を獲得しているだろう。
日本も次期戦闘機(F-X)と連携して作動する無人戦闘機を2035年までに配備する方針だが、欧米や中露の有人戦闘機随伴型の無人戦闘機は時間のかかる次世代戦闘機と組み合わせるのではなく既存の第4.5世代戦闘機やF-35とのチーミングを優先させているため登場時期が早まっているので日本も2035年までの空白を埋める何らかの措置が必要ではないだろうか?
特に日本はF-35プログラム出資国ではないのでF-35AやF-35Bと連携して作動する無人戦闘機を独自に開発して統合すること不可能だ。
今のところF-35と連携可能で輸出可能(米空軍のSkyborgは輸出可能と言及してない)な唯一の無人戦闘機は豪空軍とボーイング・オーストラリアが共同開発しているロイヤル・ウィングマンしかないので今の内から唾を付けるのも悪くないのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Lt. Cmdr. Darin Russell/Released F-35CとF/A-18E/F
F-35悲観論が多いけど、既に試作機が完成してる次世代有人機より無人戦闘機の実用化の方が早いよね。米軍の大規模戦闘機開発はF-35で最後で、次から少数配備になるんじゃないか。
それこそF35は数十年間使用される最後の有人戦闘機になっても不思議はない
AIが人間を上回る時期も想定されつつあるんだから
それがどんな未来なのか想像はつかないけど
お前らちゃんと記事読んだか?
米海軍の次期戦闘機「F/A-XX」は有人機って書いているだろ
これから開発するとなると無人運用も可能だろうが
最後の有人機って言われた自衛隊のF-5でさえ
四半世紀運用して、おじいちゃん呼ばわりされて、やっと、つい最近退役したんだぞ
なんでそんなに有人機を終わらせたいんだ?
お前は我々とは異なる時間軸の流れの中に生きてるのかな?
>最後の有人機って言われた自衛隊のF-5でさえ
最後の有人機って言われた自衛隊のF-5って何だ?
しかも
>四半世紀運用して、おじいちゃん呼ばわりされて、やっと、つい最近退役したんだぞ
って意味不明だな.
まるでミサイルのようなシャープな姿ゆえに「最後の有人戦闘機」と呼ばれたのはF-104.
しかし空自からF-104Jが退役したのは最近じゃなくて既に何十年も前の大昔だ.
おじいちゃんがおじいちゃん戦闘機の話をしてるのだよ
聞いてやれ
むしろ知ったかの若造がおじいちゃん3人をごっちゃにして
おじいちゃんに怒られているのでは。
絡むならちゃんと書いてくれな、まずF104だろwそれは当時のミサイルが戦闘機に代わるっていう誤った知見によるもの。無人機の話でもないから。
それに数十年先のことを正確に予見する根拠は誰にもないよ。
有人機は残るかもしれないし、無くなってるかも知れない。
軍事の革命的変化があれば、米軍はサラリと方針も変えるよ
決まってる未来なんてどこにも存在しないから。
>最後の有人機って言われた自衛隊のF-5でさえ
色々突っ込みどころが満載なのですが
綸言汗の如し、取り返しがつきませんな。
ここまで無知なコメントは貴重ですらある。
最近退役>ひょっとしてF-4のこと?
いろんな機体のことがミックスされ過ぎw
当面、無人機の役割は自軍のミサイルキャリアーと敵軍の空対空誘導弾への囮の二つだと思う。空自は無人機よりもF3を実戦で使用出来る状態まで完全に開発するのが最優先でしょう。
空自としては何よりもまずセンサー機では?
まあ結果として「対空誘導弾への囮」になるのかもしれんが。
F-35のシステム統合とセンサ情報共有は、F-35というプラットフォーム以外にも活かせるから、今後どんな兵器にも適用できる強みがある。
そういう意味でF/A-XXの開発はチャレンジングしなければいけない要素が減っていて、冒険しすぎない限り失敗の確率は減ったと思う。
当然海軍の次期F/A-XXもセンサ情報共有できるだろうからF/A-XXの仕様によってはF-35の能力向上も期待できる。
以下妄想。
F-35より戦闘空中哨戒や対艦攻撃を重視する仕様になるだろうから、F-35より日本の要求にマッチした機体になるのでは?と思わないでもない。
オーストラリアにF-3って合うんですかね
ロイヤルウイングマンを糧に輸出も出来るのかな?
将来的にインドネシアとやり合う可能性があるから航続距離が長いのはあってる、F-35を保有してるけどそれと同時に長距離攻撃能力を持つ戦闘機又は爆撃機を求めてるらしき声はちらほら出てる。
まあそのためにはロイヤルウイングマンとの連携を出来るようにした上でライセンス生産する契約をするなり、オーストラリア国産兵器を積めるようにするとか、オーストラリア現地の産業に寄与出来るプランを提示する必要はあると思うよ。
それは気がはやすぎるwそういう互助の補完関係は望ましいが、現状の国際関係だとアメリカさんの干渉が入るからな
>日本も次期戦闘機(F-X)と連携して作動する無人戦闘機
どんな機能が付いてるのか気になりますね
アメリカよりも遅れてると認めてるロシアすら、グロムとモルニヤの無人機チームを発表してるが、当面は対地攻撃とその補助という運用のようだ。
まだ航空戦闘という話ではない。
いきなりパーフェクトを期待せずに、やれる機能からだんだん拡張していけばなんとかなるんでは。
自由に改造や拡張できるのは、やはり国産のメリットですね
迷走気味の米海軍だけど戦闘機についての進め方は現実的で安心できるな
f-35ですら開発遅延しまくったんだし、10年かそこらで万能で完全な無人機が出来るなんてのは希望的観測過ぎるわな
不安材料はボーイングが計画を進めてるって事
日本が無人機に消極的なのは定数の問題なのではないか
陸の機動戦闘車も戦車の数を維持した上で追加ではなく戦車の代替(戦車が減る)になっちゃってる
F-35Bも新設の海の航空隊などではなく既存の空の戦闘機定数に入ってる
仮に無人機も戦闘機定数の対象(増やせば増やすほど有人機を減らされる)になるなら質で勝る有人機のみの体制を維持したいと考えていてもおかしくない
無人機は、機体のハード面よりも﹙日本がどちらかといえば不得手としている﹚システムが主体だろうから、二の足を踏んでいる様な気がする。
むしろパイロットの数が足りなさすぎて困っている現状、無人機でやっていけるなら導入したいはず。
空自はどの部隊も定員割れてるんですよ。
作る側も運用する側も経験不足かなのか問題のように思えるなあ。
そこはお得意の言い替えでなんとかしてもらおう。
「地対空滞空誘導弾」みたいな名前にしてミサイル枠にねじ込むとか。
XX式自立戦闘誘導弾
みたいな
F-35に随伴する無人機が駄目なら、F-2用のを開発してはあかんのか。F-3とその随伴する無人機が最優先なら仕方ないが。
いややるでしょ?
とりあえずヘリを母機にして基礎技術確立、と言ってるんだから
その後は何かしらの固定翼機挟んで、戦闘機での随伴試験まではやるはずで、
日本が自由にテストベッドにできる戦闘機はF-2しかないし。
F-3と連携する第4分類UAVが実用化開発段階に入れば、F-3増加試作機あるいは先行量産型機を使って開発が進行すると思いますよ。
なにせ目標とする開発完了時期は両者とも2035年で一致してますので。
研究開発段階ではF-2を連携母機に使用する可能性は高いだろうとは思いますが。
ただし、目標とする機能を有する高度なAIをそれまでに開発可能かは目処が立っていないようです。AIに対するハリス少将の言は正直な見通しなんじゃないかなと思います。
もし艦艇の無人化も出来るなら
将来アーセナル艦が配備されるやろうか?
言っていることはそれっぽいが実際に開発資金を捻出できるかが一番の難関だったりしそう。
まぁ、その為にも実現可能で議会が納得できるプランを出すことが大事ですものね。
やはり米海軍も有人機と無人機のセット運用でやっていくつもりか。空自も30年代までは有人機の方が有効だろうと考えて同じような開発計画を立ててる事を考えると開発は比較的早く行われるか?
F-15の大量近代化改修やりながらF-35を140機も買って
更に同時にF-3の開発とF-3用の随伴型戦闘機の開発もやって
更にそれとは別にF-35用の随伴型戦闘機にも手を出したいなんて
財務省が認めるわけ無いじゃんと
そんな予算が自衛隊にあるわけないじゃんと
ていうか、F-35用の随伴型戦闘機を買うなら、どう考えてもF-35自体は140機も必要ないよねって切り返されて半数をキャンセルさせられるか、それでもF-35を140機買うならもうF-3計画は必要ないよねってバッサリ切り捨てられるのが目に見えているでしょ
米海軍を馬鹿に出来ないレベルの予算上のたわごとになってしまうわ
F35随伴機意外はすでに予算化されてるんだけど、。
随伴機もソフトやシステム開発からスタートするだろうし、ハードもF3てて共用すれば逆に量産効果がでるんじゃなあい?
自衛隊は比較的現実的だと思うよ。
「どう考えても」F-15MJ近代化改修でF-15SJ更新用のF-35の追加購入が不要になる、とか
F-15更新用のF-35購入でF-2更新用のF-3開発が不要になる、という結論に至らんのだが。
有人機と無人機の割合って今の有人戦闘攻撃飛行隊各×4(50機以下?)のままでの比率なのかね。仮の話X-47BレベルのサイズだったらF/A-18E/FやF-35Cよりは全長分だけは余計に積める筈だし、損耗率が高い使い方をするならば余計に積む可能性は高くないだかな。将来的にUAV比率を上げるならF/A-XXはUAV連携前提で現有機より小型に設計してUAV搭載数を増やすとか考えているんだろうか。
1艦あたりの搭載数が増えるならパイが大きくなって意外と有人機が減らない可能性ってあるよね。そうなるとパイロット寿命が短い艦載機乗り減らせないからコスト高いままになるけど。
マジf35要らね
今までの管理人さんの記事を読まずに、にわか知識だけで書くコメント増えたね!
ちょっと調べれば(このブログの関連ページみるだけでもわかるのに)恥ずかしくないのかな?
そういえばアメリカ海軍空母の艦長は海軍航空隊のアビエイターまたはフライトオフィサー出身という制限がありましたね。
パイロット不足の現状では無人機が増えてもあまり変化は無さそうですが、無人機の比率が高まると法律も変わるかもしれませんね。