ロシアとインドは防衛装備の輸出に関連した支払方法とスペアパーツの現地生産で合意したと報じられており、ロシアにとってインドは海外向け装備を生産・輸出する一大拠点になるかもしれない。
参考:India, Russia cut deal on payment delays, defense production
対中国政策で米国と共感する部分あっても「ウクライナに侵攻したロシアの締め出し」に参加する気は無いのだろう
ロシアはインドと締結した54.3億ドルの契約に基づき「2024年までに5連隊分のS-400システムを引き渡す」と約束、第2連隊分と第3連隊分の引き渡しは予定より数ヶ月間の遅れが生じたものの、これは製造が遅れているのはではなく、米国の対ロシア制裁(敵対者に対する制裁措置法/CAATSA)を回避するため契約の前払い金(契約額15%)をルピー・ルーブルの交換を通じて支払ったたためで、インド側は概ねロシアが契約を履行していると見なしている。
しかしロシアがSWIFTシステムから締め出されたため第4連隊分と第5連隊分の引き渡しは「残金の支払い方法」で問題に直面、紆余曲折の末に両国は「ロシア銀行の金融決済システム=SPFS」を利用してルーブル決済することで合意、何らかの理由のでルーブル決済がブロックされた場合はルピー決済で代替する計画らしい。
これにより第4連隊分と第5連隊分の引き渡しが開始される見込みだが、インド軍は保有する装備の約60%がロシア製でスペアパーツの安定的な供給にも問題を抱えており、米ディフェンスメディアは「両国はインド軍がロシア製装備を今後も運用できるよう露印企業が合弁会社を設立してスペアパーツの現地生産、メンテナンスサービス、修理、オーバーホール、アップグレード作業を実施することで合意した」と報じている。
つまりブラモス方式(技術移転を行い現地開発されたブラモスは『インド製兵器』に分類され、対ロシア制裁の対象には含まれないので海外輸出もでき、その収益の一部も最終的に合弁企業からロシアに還元される)で二ヶ国の協力関係を強化するという意味で、ロシアにとってインドは海外向け装備を生産・輸出する一大拠点になるかもしれない。
ロシアはインドの伝統的な友好国であり、中国との領土紛争を抱えるインドにとって対露関係を疎かにすれば同問題でロシアが中国寄りの態度に傾く可能性があるため、欧米との関係を強化してもロシアとの関係を断ち切る理由にならず、対中国政策で米国と共感する部分あっても「ウクライナに侵攻したロシアの締め出し」に参加する気は無いのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Rajnath Singh
インドが世界三位の経済大国になるのは時間の問題なのでロシアも西側諸国と取引が止まっても問題ないという事実
只、そうなると事実上の露印枢軸が出来てしまい、欧米・日本に取っては中東からインド洋へのエネルギールートが何時でも遮断され得ると言う深刻な状況が起き得ますから、今後不測の事態が起きてもおかしく無くなります
インドとしては全方位外交が基本なのでロシアを潰す訳には行かないし、国防面でもロシア製兵器に頼る部分が大きい為、欧米との関係強化とロシアとの関係は両立せざるを得ない立場なのは理解しますけど、肝心の欧米側がどう受け取るかは微妙だと考えます
下手をするとインドが1998年に核実験をやった時みたいに経済制裁される恐れは有るでしょうね
中国も「豊かになれば民主的な改革がなされるから大丈夫!」って対中投資をして育ったら覇権主義が強まりましたってオチになってしまいましたが、インドは大丈夫でしょうか?
インドもパキスタンや中国と領土権争いをやっているし、昔からインド洋の支配権を望んで海軍力の強化に勤しんでいた事は事実ですから、何れ覇権主義が強まるでしょう
インドはかなりの民主主義国家だよ。(民主主義と言う言葉から連想される現代的・文明的要素は問わないものとする)
民主主義国家イギリスに好き放題やられて、民主主義の裏の顔を思い知らされているインドが民主主義大好きな訳がない。
インドは多少性能ご悪かったとしても、自主独立のために国産兵器に舵を切ったと思っていたのだけど、この調子だとそこまででは無いのかな(現地生産で何をどこまで作るのか次第ではあるだろうけど)。
正直、中国やトルコ、韓国の伸張をみると、下請けになってあげるほど、ロシア製の兵器に需要があるとは思えないんだけどね。
見てると中国:戦闘機 極超音速ミサイル 海軍に熱心
トルコ:ドローン系兵器の開発に熱心
韓国:戦車と自走砲の輸出に熱心
っという流れなのでインドはS-400などの防空ミサイル分野での技術移転を目指してるのでは?
S-400はトルコも買ってたし国際的に高い競争力を持ってると思う。対中国を睨んでも防空ミサイルの内製化は好ましいしね。
対露制裁の抜け道のような形になるかもしれませんが、S-400のような国際的に評価の高い兵器の生産をインドに許したのは長期的にはロシアには損失になり得る可能性も高いと思います。
中国のようにあからさまなコピー製品で市場を荒らすようなことはしないと思いますが、老獪なインドが言われるがままに生産し続けるとも思えませんので。
むしろコンバットプルーフの得られたロシア兵器の需要は増えるでしょう
S-400どころかS-300でも第4++世代までの相手ならほぼ完封に近いレベルで活動を大幅に制限出来るのですから、何かにつけて西側世界に非民主主義のレッテルを貼られて空爆されてきたグローバルサウスにとっては喉から手が出るほど欲しいはずです
とりあえずインド兵器の保守などが第一義でロシアへ輸出しないなら欧米もそう強くは出ないでしょう
欧米日以外は制裁に及び腰というか制裁の抜け穴を使って利益を得ているのは公然の事実だし
生産されたスペアパーツがまわり回って、
ロシアへ行くようでは困ると思うのだけれど。
今のウクライナ戦争が直ぐ終わる見込みもまだ無いし。
そりゃ足りなくなればロシア軍にどんどん回ると考える方が自然、当然でしょう。
とにかくインドとしてはアメリカやウクライナがパキスタン軍を支援するのが許せないことなのです。インド・パキスタン戦争を無視してインドのアメリカに対する外交の姿勢を理解することは決してできません。
その一方で日本の航空自衛隊のF-15Jも、対中国空軍戦略でインド空軍のSu-30とすでに共同訓練をしていますが、これはインド空軍とロシア空軍の協力関係を容認しているようなものです。
工場が立ち上がる頃に、ウクライナ戦争が収束しているといいですね。
出来れば、プーチン氏が何らかの形で”引退”していると尚いいですね。
きっと、次は中共だ、となるのでしょうから。
対中包囲の最前線がロシアミサイルで守られるの技術漏洩の点から好都合では。またインドがロシアミサイルで商売して中露のシェア奪うのも好都合でしょ。
将来的にロシアの軍事影響力の弱体化は間違いなく協力相手にイランとインドが上がるにせよイランよりインドに肩入れされたほうが西側にはやはり好都合。
中国の下僕に成り下がるよりかインドの下僕になってくれたほうが世界も安心でしょう。
中印は本格的な武力紛争を望んでいませんので、インドは対中包囲の最前線にはならないかと。
インドは昨日の上海協力機構で中露との連携強化を確認しており、台湾有事も他人事のように考えています。
台湾有事の際にインドは日米と足並みを揃えない可能性が高いですし、ブラモス方式でしたら収益の一部がロシアに還元されます。
また、今のロシアは中国の経済的属国となっておりますので、インドの下僕にはなれないと思います。
ウクライナ戦争で、S-300とS-400の株が相当上がってますね。
ある意味、TB2よりも評価を上げてるんじゃないですか?
単一で同等のシステムが他に無いのが効いてます。
これから、どんどん売れるのでは?
問題はこれだけロシアにラブコールを送っても、ロシアの中国シフトが止められていないという事実。
実際、終戦後のロシアを中国の保護国状態にさせないためにはインドに頑張って貰わんと困る部分はあるが、中国のほうが影響力が大きそうなんよな。
まぁ逆に言うとインドがクアッドやEUにも気を遣ってる証拠でも有るんだよね>ロシアの中国シフトが止められていない
つまりは、今のところは従来からの全方位外交方針のままと
将来までは分りませんけどね
>終戦後のロシアを中国の保護国状態にさせないためにはインドに頑張って貰わんと困る部分はあるが
>中国のほうが影響力が大きそうなんよな。
物理的に国境を接している訳ではありませんからね。その分は絶対的な不利でしょう
逆に国境を接しているが故に、中国が沿海州やシベリアを侵食し、それにロシアのナショナリズムが耐えられなくなれば(=露中対立再来)、今度は露印で中国に対抗するかもですがね