米国務省は21日、フランスが要請していた次世代空母プログラム向けの有償対外軍事援助(電磁式カタパルトと新型着艦制動装置の売却)案を承認して議会に通知したと発表した。
参考:FRANCE – ELECTROMAGNETIC AIRCRAFT LAUNCH SYSTEM (EMALS) AND ADVANCED ARRESTING GEAR (AAG)
次世代空母向けにフランスが調達する電磁式カタパルトと新型着艦制動装置にかかるコストは約1,500億円
フランスのマクロン大統領は昨年末に「空母シャルル・ド・ゴールの後継艦が原子力推進になる」と明かし次世代空母プログラムの存在を公式に発表、パルリ国防相もマクロン大統領の発表後に次世代空母プログラムに関する詳細をTwitterで公表した。
フランスの次世代空母は全長984フィート(約300m)、排水量7万5,000トン、2基のK22原子炉(220MWth)により生み出された電力によって最大27ノットで航行可能、約30機の戦闘機(ラファールまたは第6世代戦闘機FCAS)を収容することができ約2,000名(航空要員が含まれた数字)の乗組員で運行できるとパルリ国防相は明かしたが、噂されていた電磁式カタパルト(EMALS)や新型着艦制動装置(AAG)の採用については言及を避けていた。
しかし米国務省は「フランスが要請していた次世代空母プログラム向けの電磁式カタパルト(EMALS)と新型着艦制動装置(AAG)を売却を承認して議会に通知した」と今月21日に発表、この契約には機器の売却金額以外にも統合作業や保守サポートなどの関連費用が含まれており推定総額は13億2,100万ドル/約1,500億円だ。
因みに電磁式カタパルト(EMALS)と新型着艦制動装置(AAG)については興味深い話がある。
米海軍が2022年度の予算獲得のため提出した資料の中にフォード級空母が採用しているEMALSとAAGに関する記述があり、2番艦ケネディを艤装中の造船所に支給するEMALSとAAGのコストが前年度見積もりより3,800万ドルと1,100万ドル増加して6億3,900万ドル/約730億円と2億4,300万ドル/約280億円になったと報告されている点だ。
参考:US aircraft carrier costs are rising again, Navy budget shows | Stars and Stripes
フォード級空母建造にかかるコストを初めて見積もった際に米海軍は「EMALSは3億1,800万ドルでAAGは7,500万ドルで調達できる」と報告していたが1番艦フォードが就役した時点での両機器のコストは6億7,000万ドルと1億4,800万ドルに高騰、この辺りの誤差の大きさが議会関係者の間で「米海軍の見積もりは当てにならない」と言われる所以なのかもしれない。
過去にゼネラル・アトミックスが日本の「いずも型護衛艦」にEMALSとAAGを採用して本格的な空母へ生まれ変わらせる構想を発表したことがあったが、仮にこれを実行すると日本はいずも型護衛艦の建造費用(1,139億円)よりも高い金額(EMALSとAAGの調達として約1,500億円/仏契約額)を請求されていたという意味で中々興味深い話だ。
関連記事:フランスが第6世代戦闘機に対応した次世代空母を発表、2038年までに就役
関連記事:空母「いずも」に電磁式カタパルト採用でF-35C運用? 米国発「いずも型護衛艦」改造案
※アイキャッチ画像の出典:Ministère des Armées
成程、この金額ならクイーンエリザベス級をスキージャンプにしたのも、わかる。
フランスは、ここまでして正規空母を維持するわけね。
国産でF35B相当を作ってもな、需要見込みが小さすぎだし
そこまでアングロサクソンに飲み込まれないこだわりが高くつくというか、ならカタパルトも自前でやれよって気がする
FCASがどうなるかってのもあるにせよ
ラファールより小さくなるってことはないだろうしなぁ
フランスは欧州の中でもとりわけ対外領土が多いからね
守るべき領土が遠隔に数多く、しかもレユニオンやポリネシアみたいなそれなりの経済規模をもってあるのもフランスだけだから、
その防衛を可能にするだけの基地機能を持つ正規空母が必要になる
いくらNATO加盟国で防衛を分担するといっても、防衛対象が多ければ多いほど、その負担はおわないといけない
マジノ線を連想してしまった
第一世界大戦後、フランスはドイツの侵攻を恐れて、第一次世界大戦における主たる戦法であった塹壕戦を想定して、国境地帯に320kmって長大なコンクリート製の塹壕、場所によっては地下5階ぐらいを構築、これに予算をぶっこんだ 建造:約150億フラン、維持・保守:約150億フラン、
なので、第2次世界大戦前のフランスは航空機、戦車、砲などは貧弱だった・・・ドイツもマジノ線への攻撃は避けてベルギー国境側のアルデンヌの森って森林地帯から機甲部隊(戦車がメイン+砲+歩兵)でフランスに侵攻
大戦前のフランスのGDPは2,000億ドル弱、レートは25~40フラン/米ドルなので、50~80兆フラン?
歴史的に、あれで静的防御は機動防御に劣ることを証明してしまった
空母ってのは文字通り機動防御だから、金かける価値はあるんだろうけど
最低2隻、3隻は欲しいんだが
何言ってるだ。
砲も戦車も飛行機も別に貧弱じゃ無かったし、むしろ貧弱だったのは割り振られた予算を消化しきれなかった生産力だぞ。マジノ線に振り向けた予算を転用したところで、戦力は増えん。
そして、マジノ線は建造された目的を果たした以上無駄とは言えんのだ。主力の野戦師団は全部ベルギーに展開しているのに、WWIのダメージで兵力不足のフランス軍はマジノ線無しでどうやってドイツC軍集団と相対すれば良いのだ?
ドイツがベルギーを抜けてフランスに攻めこむのは第一次大戦当時から各国折り込み済み、判ってて止められないフランスの体たらく
マジノ線がなくてもドイツはそうしてるよ
CATOBARにしないならF-35導入するしか選択肢ないし、STOVLの劣る事を考えたらったって話やろう。
後、クイーンエリザベスってカタパルト関連費用でSTOVL諦めてたか?普通に設計変更絡みの費用やF-35Cのデリバリー遅延だけの問題だろう。
航空艤装も込みだよ。
一応、カタパルト設置も出来るようにはなっている。
ゼネラル・アトミックスのいずも型改修案はここまでするなら新造した方が性能も使い勝手も良さような気がする。
こんなにつぎ込むには母艦が小さすぎますよね
米国にしては随分簡単に最新技術を売り渡すんだな。
売り先が限られてるからなのか、オーカスの一件でフランスに甘くなってるのか。
フランスが中国から買えば機会損失だから
互いに節操のない国だからやりかねんよ
こんなのよく導入したなフランス
いくらなんでも法外すぎる
これから1兆円のイージス艦を導入しようとしてる国があるらしい
いずものアングルドデッキって、サイズがフォードより90m短いんだが、狭くないか???
いずものアングルドデッキ?
多分カタカナが苦手でアングルの意味が分からない方なんだろう。
単純にデッキの話だとして、なんでフォード級と比較しなきゃならんのか。
そこの比較対象はアメリカ級やカブール辺りだろうに。
GA社案のいずものアングルドデッキのことでは?
あのポンチ画を真面目に考察してもしょうがないだろ
2万t程度の船に無理な改装
F‐35が2機並んでるるけどこんなに幅ないんじゃないのか
7万tはありそうに見える
1500億円で売ってくれるのか。おっ、安いやん、と思ったけど、いずも型一隻よりも高いのか。
これ買うくらいなら、もう一隻いずも型作った方が、日本には良さそうだなあ。
シャルルドゴールの建造費が当時ざっくり3000億円ぐらいだろ?
インフレがあるとは言えカタパルトと着艦システムが1500億円というのは建造費が膨れ上がって、国防費の圧迫でほかの船が作れないことになりそうだな。
フランスは次世代空母1隻建造するよりも
強襲揚陸艦型の軽空母を3隻建造した方がはるかにメリット在りそうだけど
イギリスが、固定翼カタパルトの旧い空母からスキージャンプ軽空母のインビンシブル級三隻になり、直後にフォークランドの実戦を経て、また大型の二隻に移行したのは根拠のないことではあるまい
やはり個艦のキャパシティーが必要と判断されたのだろう
原子力産業との兼ね合いや、技術の維持・継承もあるかと
これ(カタパルトの制式空母)と、FCAS:仏独による次期戦闘機開発の整合性が良く判らない
FCASって仕様は未だ決まっていない(はず)
フランスはF-35Cを買うのか? って思ってしまう
(無いだろうけどね)
FCASで艦載機バージョンも! ってなったらユーロファイター/ラファールの二の舞だろうし・・・
この空母が何を想定してるかを考えればいいと思う
カタパルトを採用するってことは、スキージャンプで事足りるF-35やラファールより大型の機体を想定してるってことになる
そうするとフランスが開発を主導してるFCASを想定してると考えるのが自然だと思う
ちなみにFCASの問題は、フランス主導が決まってた計画を開発分担に不満があるドイツが後からひっくり返そうとしている部分で、機体要件でもめてるわけではないよ
陸上から運用する空軍機と
(カタパルト、着艦フックを使う)艦載機では
機体の構造、強度って全くの別物だと思うけど?
ラファールみたいに艦載機となることを見越して設計する。F-4やA-4、F/A-18やイランのF-14みたいに陸上機としても運用する。F-35AとCみたいに作り分ける。
まあ色々とやり方はある。
FCASの問題はドイツとスペインがどこまでゴネるかによると思う
F-15にも艦載機化計画はペーパーだがあったしMiG-29KやSu-33は陸上機からの派生じゃん
FCASがうまくいくビジョンがまったくみえない
スペインかドイツか、どっちが先に抜けるのかのチキンレースになりそうな予感しかしない
20年後にラファールをラファールで置き換えてそう
高いとは言え、最新の電磁カタパルトを売るのか。
もしかしてオーストラリアの潜水艦の件の埋め合わせかな?
埋め合わせをこの費用で納得するな、フランスもチョロいもんですな
日本で建造するとしたら通常動力型の空母だろうから、電磁カタパルトを使うには余計なコストかかって姉妹艦の建造に待ったがかかりそう
電磁式カタパルト(EMALS)と新型着艦制動装置(AAG)のどちらも問題ありだった筈なんだけど、フランスは次期空母が建造される頃には改修出来ているだろうで導入するんだろうか?
契約前にちゃんと陸上試験させよう。駄目だったら開発者を飛ばそう(北朝鮮の流儀)
PANGの就役は2038年、その頃にはカタパルトなどの諸問題は解決されてる(だろう、多分、きっと)って事なのでは
そんな先は米空母もどうなってるか分からないよね、トンデモなゲームチェンジャーが現れて空母がいらない子になってる可能性だってあるし
むしろ問題解決資金確保のための売却かもしれない
ラファールは、F/A-18EFのNIFC-CAキルチューンのようなものを構成できないから、フランス空母戦力は今後微妙になっていく
FCASがすっ転びそうな中で、フランスはこの空母という戦力をどう使っていく気なのか、イマイチ見えてこないな
正直、ドイツ以外と組めばいいと思うんだが、ここに来てEUという枠組に足を引っ張られてる感
フランスが絶対的なプロジェクトリーダーであることを認めさせた上で参加国を募っても、将来的に戦闘機の生産や空母保有をねらってる国は参加すると思う
空母保有狙ってる国といっても、F-35Bという強力なライバルがいる中じゃ、正直厳しいのが現実だと思う
F-35Bだと空母側の設備を大幅に簡略化できるから、初期投資も少なくできるし
FCASもテンペストのような柔軟性もないし、F-35のような強力なサポート体制が望めるわけでもないから、
ドイツ以外と組もうにも相手が見つからないのが実情
正直、FCASは余り物の国がしょうがなく組んでるようにしか見えなくなってきた
電磁カタパルトの利点は長大な上記パイプが要らないことだとは分かっているが、価格を跳ね返す程のメリットなんですか? 記事から6.7億万ドルとわかっているがスチームの場合いくらなんだろ。