インドの国産練習機「LCA-LIFT」はオーストラリア空軍のHawk127後継機争いに破れたが、米海軍が調達を予定している次期練習機にもLCA-LIFTを売り込んでいるらしい。
参考:Power games: Australia may not accept India’s G2G trainer deal
参考:HAL Tejas Fails To Impress US Navy; Washington Likely To Sideline Indian Jet For Boeing, Lockheed Trainer Aircraft
このアグレッシブさは武器市場の新規プレーヤーである韓国やトルコに共通する部分なので馬鹿にする事はできない
オーストラリア空軍はHawk127を更新するため情報提供依頼書(RFI)を2020年6月に発行、このプログラムの価値は10億ドル以上と見積もられており、ボーイングがT-7A、BAEがHawk127のアップグレード、レオナルドがM-346、韓国航空宇宙産業がT-50を提案。
インド政府もテジャス輸出を後押しするため2021年9月の2ヶ国協議でLCA-LIFT(テジャスMK.1ベースの練習機/軽攻撃機)を正式に提案していたが、オーストラリアのマールズ国防相は「LCA-LIFTに関心がない」と6月末にインド側へ通知してきたらしい。

出典:Ian Creek/GFDL Hawk127
オーストラリア空軍は今年2月、RR製エンジン「Adour Mk951」への換装を含むHawk127のアップグレードを提案したBAEに契約(約15億ドル)を与えているため、この時点でBAE以外の提案に可能性は無くなっていたのだが、インド政府は米海軍が運用するT-45の後継機にもLCA-LIFTを売り込んでいる。
米海軍の次期練習機にはボーイングがT-7B、ロッキード・マーティンがT-50A、レオナルドがM-346を提案すると見込まれており、ここにLCA-LIFTまで加わるというのだから非常に興味深い動きといえるだろう。
ただLCA-LIFTは2023年にプロトタイプの初飛行が予定されている「開発中の機体」であり、競合するT-7、T-50、M-346とは設計の成熟度や信頼性の部分で差が大きく、米海軍も次期練習機の候補にLCA-LIFTを含めることはないと思われるが、このアグレッシブさは武器市場の新規プレーヤーである韓国やトルコに共通する部分なので馬鹿にする事はできない。
今直ぐLCA-LIFTを採用する国はないかもしれないが、このような取り組みを継続していけば「5年後や10年後にLCA-LIFTを導入する国が登場するかもしれない」という可能性を掴むかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Ministry of Defence/GODL-India テジャスMK.1
日本に足らないのは、このアグレッシブさだな。
そうなんですよねぇ
日本の兵器輸出は変に紳士ぶってると言うか余裕こいてると言うか
何がなんでも売ってやろうって、がむしゃらさや必死さを全然感じ
無いんですよね
無理に変な国に売り込んで買い叩かれたり、機密情報が漏れたり
アフターで苦労するぐらいなら売らない方が良いって風潮すらあります
かつて安かろう悪かろうって思われていた日本製品を抱えて海外市場に
足場築こうと挑戦しに行った商社マンの姿はこと兵器輸出には無いですね。
高度成長期にメーカーが売り込みに必死だったとは思うが商社ってそんなに売り込みかけていたのかね。必死だったのは輸入品の話で輸出品はそんな感じがしない。
丸紅とか外国製の兵器の代理店している所が自国製品を売り込まないのは、商材として魅力的じゃ無いのが分かっているからで商社だけが頑張っても解決できる話でもない。
ナイキ創立~初期の頃に、﹙ナイキの将来性を評価した﹚丸紅の社員さんが、首覚悟で社内規定を無視して融資した
といった感じのエピソードも在るようだけどね。
日本人は良い物を作れば自ずと売れる、と言う甘ったれた幻想に支配されてる
もうそういう時代じゃ無いんだよね
泥臭く行こうぜ?
営業は大切ですよ
いいもの作るのと同じくらい重要
尾翼の無いデルタ翼機って、確か飛行に癖があって戦闘機ならまだしも練習機としての適性が結構微妙じゃなかったけ?
無尾翼デルタ翼機は低速時の安定性が悪く、離着陸も難しいから練習機には向いてませんね。
高速飛行は得意だけど。
無尾翼デルタの癖って、主翼のみでピッチ方向安定を取ること由来だと思うのですが、
・FBWにより誤魔化せる領域が大きくなった事
・三分割された前縁フラットと、二分割されたエレボンの構成で、細かなsw制御が成される事
などにより緩和されているのだろう、と解釈しています。
限界領域とかまで攻めたら、ボロが出易いかもしれないけど。
とはいえ、失敗したらここぞとばかりに足を引っ張る連中がそこかしこにいるのも事実
兵器売込みに関する国民の合意形成が重要です
管理人さんや他の方を批判する意図は無いと前置きさせてもらった上で書かせてもらうけど、インドや韓国が未完成だったりペーパープランの兵器を売り込めば「頑張れ、日本とは違う」褒められ、日本がP-1やC-2を売り込む動きを見せると「現地生産がー、オフセットがー」と貶されるのは何だかなぁと思う。
需要やコスト、手続きなどで日本が未熟だったりダメな部分が多いのは確かなんだが、ここやYouTubeなどのコメント欄や書き込みを読んでると、どうにも兵器•民生品問わず『日本製品』を輸出するなら他国製品に負けない質を求めてたり、民間企業を後押しせず(表現として適当がは分からないが)煮えきらない日本政府への苛立ちや焦りが見えるあたりに、完璧主義というか求めるレベルの高さを感じる。輸出される兵器が優秀なのは確かだが、輸出しないから駄作なのかと言えば違うんじゃないかと。
少なくとも私が知る限り管理人は国産兵器の性能を駄作と表現したことはないと思うよ。
兵器輸出がスペックだけじゃなくてオフセットの内容も重要で、この国はこんなオフセットを提案してると事情を指摘してるだけだと思うけど。
輸出できないから国産兵器が駄作というわけじゃないけど、これまで格下に見ていた韓国が兵器輸出に次々成功して相対的な評価を獲得してるから、そのあたりの嫉妬心から国産兵器は駄作だという人が多くなってるんだと思う。
輸出できないから国産兵器は駄作なんて意見がそんなにありましたか?
仕様面では、自衛隊の要求は満たしても他国のニーズには合わないケースはあるでしょうが、それを駄作なんてコメントは無いのでは?
現地生産やオフセットは、購入条件に設定されると対応できずに土俵にも上がれないことへのもどかしさは有るど思いますが、防衛装備品の輸出拡大を方針としながら有効な対策を取らない政府への不満で、兵器が駄作には結びつかないですよね?
C-2をやたら駄作駄作と言い続けてる奴なら一人知ってる
輸送機の記事になると必ず出てくる例のアイツ