インドネシア国防省は15日「カタール空軍が保有する12機のミラージュ2000-5を7.33億ユーロで調達する」と発表、さらにプラボウォ国防相はミラージュ2000の追加調達、KF-21、F-15ID、KAANの調達・関心についても言及している。
参考:Tanggapan Terhadap Pemberitaan di Media Tentang Pengadaan Pesawat Mirage 2000-5
参考:Prabowo Buka Suara soal Beli 12 Pesawat Tempur Mirage 2000-5 Bekas Qatar
インドネシアが公の場でトルコとの交渉=KAANへの関心を口にしたのは恐らく初めてだろう
インドネシア国防省は15日「チェコのエクスカリバー社とミラージュ2000-5調達に関する契約(7.33億ユーロ=約8億ドル)を締結した。この契約にはカタール空軍が使用している12機のミラージュ2000-5(単座9機+複座3機)、エンジン14基、技術情報、スペアパーツ、地上支援機器、パイロットの訓練、3年間のサポートサービスなどが含まれ、2025年1月までに全ての機体が引き渡される予定だ」と発表して注目を集めている。
昨年2月にインドネシアはフランスと42機のラファール調達で合意、しかし総額81億ドル(搭載弾薬は別途調達)の資金を一度に支払うのが困難なため契約は3分割されており、インドネシアは第1バッチ分(6機)と第2バッチ分(18機)に設定された保証金として計34億ドルの支払いを済ませ、年内に第3バッチ分の保証金(推定23億ドル)も支払う予定だが、ラファールを装備の飛行隊の編成には5年~6年程度(初号機の引き渡しは3年以内)かかるらしい。
プラボウォ国防相も15日「ミラージュ2000-5はラファール取得までのギャップを埋めるためのもので、中古機といってもカタールは非常に小さい国なので(取得する機体の)飛行時間は非常に少なく、最低でも15年間は運用できるだろう。同機の技術は比較的新しいものなのでラファールを操縦するパイロットの訓練に最適だ」と述べたが、さらにミラージュ2000の追加調達、KF-21、F-15ID、KAANの調達や関心についても興味深い言及を行った。
プラボウォ国防相は「アラブ首長国連邦が保有するミラージュ2000-9の調達についても交渉中で、これが手に入ることを願っている。我々には韓国とのプログラム(KF-21のこと)もあるが、米国とF-15ID(F-15EXのインドネシア向けバージョン)調達に向けて交渉が続いており、トルコとインドネシアン・エアロスペースとの交渉(恐らくKAAN=TF-Xのこと)も模索している」と述べており、ロッキード・マーティンが受注を期待していたF-16Vの名前が消えている。
資金的な問題はひとまず置いておくとしても、インドネシア空軍は戦闘機装備の飛行隊を5個から10個に拡張する計画を披露しており、T-50iを除くF-16A/B、F-5E/F、Hawk200、Su-27、Su-30は全て更新予定なので、安全保障の面で特定国に依存しないエジプトやインドと同じよう調達先を意図的に多様化(米国、フランス、韓国、トルコ)させるつもりなのかもしれない。
因みに昨年末にインドネシアを訪問したオースティン国防長官と会談したプラボウォ国防相は「F-15ID導入は政府の最終決定を待っているところだ」と述べたことがあるが、トルコとの交渉=KAANへの関心を口にしたのは恐らく初めてだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Larry E. Reid Jr., Released
約15年飛行させたいのなら、本音としては台湾が所有するミラージュ2000-5も部品取り用でほしいのでしょうね
整備員が泣きそうなラインナップが続くのか、非同盟諸国の裏方はどこも大変だな
逆に供給元を絞ると関係が悪化した時に兵器がすべて使い物にならないということもありうるので
今の時代にミラージュ2000の運用国が増えるのは以外でした。
それにしてもサポート費用込みとはいえ中古機に1機あたり100億円近くとはボッタクリな気がするのは自分だけでしょうか?
インフレの影響じゃないっすかね
F-16Vも1機250億円とかですし(米国向けはもっと安くなるでしょうけど)
支援機器と部品代含めて全部ざっくり計算したら1機90億円以下じゃないかな。エンジンが新品なのか中古なのかはあるけど。
ただ選択肢が無い台湾ですらランニングコストとかで評価が低い機体を選択しているから納期とかマルチロール性能と導入国の自由度とか絡んだ話なんだろう。米国製の兵器は性能が高いけど自由に使えないとか散々言われている話だし対抗馬のロシアは余裕や評価は無い状態、中国は論外で選択肢がほぼ無かった可能性はある。
12機+エンジン14機、スペアパーツにパイロットの育成で8億ドルなんで実質5千万ドルくらい
ドル円で換算すると単体70億円は高いと感じるけどドルルピアは大して動いてないしあくまで5千万ドル
仮にラファールなら1億5千から2億
なんか戦闘機の中古ってバイクのレーサー買うのに似てる
スペアエンジンにホイール、その他消耗品
新型に持ち越せない部品用品全部持ってけ泥棒
インドネシアが地域の盟主を気取ってて、オーストラリアあたりを敵視してるって話は聞いた事があるが、財政難の中ここまで急いで空軍戦力の拡充をやるのが理解出来んな。何か理由が他にあるのかね?
主力がフランカーだったからというのもありそう。
オーストラリア側も対中強硬になる前からF-22が欲しいとか言ってましたし、地味にエスカレーション続いてるんですよね。今はB-21に興味とか言っていますし
対中国じゃないですかね。
ナトゥナ諸島が九段線に引っかかっており、かねてからF-16を配備して警戒していますから。
南沙諸島も意外と近いし、阿るところは別として中国の遣り口には警戒していると思います。
近年のオーストラリア・インドネシア関係は大幅に改善しています。
経済協定を結び両国の貿易額は年々上昇しており、安全保障協力も覚書を交わし海賊対策の共同訓練を行うまでになっています。
両国に共通する目下の安全保障上の脅威は中国の海洋進出で一致していて、インドネシアは中国との経済関係を重視ししつつも、ASEANの盟主を自認する立場として軍事的圧力に屈しない意思を表明しようとしているのかと。
たとえ財政に難があっても、目前の安全保障上の脅威に対抗するための軍事力整備が(ポーランドやギリシアのように)優先するということでしょう。
現在、日本政府がやろうとしてる防衛力強化政策も同じです。
整備もそうですがパイロット育てるのも大変そうですね。
西側諸国の機体とロシア製の機体だと機種転換も時間掛かりそう。
まだ飛んでもないのにもう輸出の波が来てるとか、カーン注目されてるなぁ…
ロシアのステルス戦闘機2機種(Su-57とSu-75)がアウトになった以上、対中でステルス機を導入するとなったらトルコしか選択肢が無いからではと