日本は現在、東シナ海で衝突が懸念される中国海軍に対して抑止力となる対艦ミサイルの調達を進めており海外から注目を集めている。
参考:Japan’s ATLA Developing Hypersonic Anti-Ship Missile
日本が調達や開発を進める4つの対艦ミサイルで中国海軍を封じ込めることは可能か?
特に注目を集めているのは同時並行で4つの異なるプラットフォームから4つの異なる対艦ミサイルの運用体制整備を進めている点で、このような日本の取り組みは飛躍的に性能が向上した中国海軍の防空システムを突破するのに非常に有効だと海外メディアは評価している。
現在、日本が調達を進めている対艦ミサイルは国産の超音速対艦ミサイル「ASM-3改」、ノルウェーが開発中の巡航ミサイル「Joint Strike Missile(JSM)」、米国が開発した長距離対艦ミサイル「AGM-158C LRASM」、日本が2026年までに実用化を目指し開発中の「島嶼(しょ)防衛用高速滑空弾」の4種類で各対艦ミサイルの特徴をまとめると以下の通りだ。
日本が開発中の超音速対艦ミサイル「ASM-3改」は例え発見してもマッハ3.0以上で速度で接近してくるため対処時間が短く迎撃が難しいのが特徴で、性能向上を果たした中国の防空システムに対応して射程距離もASM-3の200kmから400km+に倍増させる予定だ。
ノルウェーが開発中の巡航ミサイル「Joint Strike Missile(JSM)」はステルス戦闘機F-35(A/Cのみ)のウェポンベイに収まる唯一の対艦巡航ミサイルで、作動速度は亜音速に留まるが目標までシースキミング(超低空飛行)モードで接近するため敵に発見されにくいという特徴を持っている。
米国が開発した長距離対艦ミサイル「AGM-158C LRASM」は作動速度を亜音速に抑えることで最大800km以上の射程距離があるといわれており、JSMと同じシースキミング(超低空飛行)モードや外部からのコントロールを遮断された環境下でもAIが自律的に目標を探し出し攻撃を仕掛ける能力、複数のLRASMが情報を自律的に共有して群れを形勢して同時に攻撃を仕掛ける能力など先進的な機能を備えている。
日本が開発中の「島嶼(しょ)防衛用高速滑空弾」は4つの中で唯一陸上からの運用を想定したミサイルで当初は離島に上陸した敵を攻撃するために研究開発が進められていたのだが、海上を移動する目標攻撃に活用できるよう誘導装置強化の方針が示された。島嶼防衛用高速滑空弾は2026年までに実用化を目指す「早期装備型」とデュアルモード・スクラムジェットエンジン(DMSJ)を搭載して極超音速域で作動する「性能向上型」に分かれており、これが実用化されれば東シナ海で活動する中国海軍を封じ込める切り札になるはずだ。
性能的に見ると島嶼防衛用高速滑空弾(性能向上型)が頭一つ抜けているが陸上運用が前提なので生存性や射程距離(専守防衛という縛りから意図的に射程が抑えられるらしい)に難があり、やはり航空機に搭載して広い範囲をカバーする空対艦ミサイルの存在はどうしても必要になるだろう。
では、日本が空対艦ミサイルを3種類も調達するのは何故か?
特徴が異なる空対艦ミサイルを同時に運用することで中国海軍の対応を困難にさせるという側面もあるが、最大の理由は兵器開発特有の事情が絡んでいる。
近い将来、航空自衛隊の戦力は第5世代戦闘機F-35、近代改修を受けてマルチロール機化したF-15JSI、国産戦闘機F-2(もしくは次期戦闘機NGF)で構成されることになるのだが、この3機種全てに国産の超音速対艦ミサイル「ASM-3改」を統合させることは不可能だ。
補足:そもそもASM-3改はサイズ的にF-35のウェポンベイには収まらないため仮に統合しても機外に吊るすしかない。
戦闘機に搭載兵器を統合するには搭載兵器の技術データを戦闘機のミッションコンピュターに反映させる必要があり、国産のASM-3改をF-35やF-15JSIに統合するには米国製のミッションコンピュターを弄らなければならないという意味で、仮に日本側が弄る場合には米国の許可が必要になり、米国に依頼してASM-3改を統合するには日本はASM-3改の技術データを米国側に開示する必要がある。
さらに自国製の搭載兵器を売り込みたい製造元(国)とって自国製戦闘機への海外兵器統合はビジネス的に好ましくないという事情も絡み実現が難しく、逆に米国が開発した長距離対艦ミサイル「AGM-158C LRASM」に統一しようとすれば米国側が日本にLRASMの技術データを提供する必要があり、これも中々実現が難しいのだ。
さらにステルス戦闘機のF-35はステルス性能を優先する場合、携行する兵器を全てウェポンベイに収める必要があるのだが物理的にASM-3改もLRASMもウェポンベイに収めることが不可能なので、別の手段が必要になる。
現時点でF-35のウェポンベイに収容可能な飛び道具はノルウェーが開発中のJSM(Block 4で統合予定)しかなく、ある意味3つの対艦ミサイルを調達するのは必然だったのかもしれない。
しかし、これを前向きに捉えれば日本は中国海軍の防空システムをマッハ3.0以上の超音速で突破するASM-3改、シースキミングで捕捉されるのを回避するLRASMやJSM、既存の防空システムでは対応不可能な極超音速で飛翔する島嶼防衛用高速滑空弾(性能向上型)と多彩な攻撃手段を備えることになるので、海外メディアが主張する「中国海軍の防空システムを突破するのに非常に有効」との評価はきっと正しいのだろう。
追記:18:40 上記とは関係ないがトホホなドイツのカレンバウアー国防相(因みに与党キリスト教民主同盟の党首でもある)がまたやらかしてる・・・
ドイツがマスクを輸送するためチャーターした世界最大の輸送機「An-225」到着を報道陣に公開するも・・・マスクなしで登場した国防相に非難殺到https://t.co/gWrZN3UBu7
しかも貨物搭載スペースがオーバスペック過ぎて半分以上がら空きのまま運行・・・
※因みに1時間あたりのチャーター料金約300万円— 航空万能論GF (@grandfleet_info) April 28, 2020
関連記事:全く決着していない独トーネード後継機問題、第二ラウンド開始を告げる鐘が鳴っただけ
※アイキャッチ画像の出典:Kongsberg Defence & Aerospace AS
要約すると中国軍がどんなに盗んだ技術で張りぼて軍艦を大量に建造しようとも
日本が所有する対艦ミサイルと開発中の大鑑ミサイルではただと的だという事
全く要約されてない
ただのあなたの願望でしょ?
ほんこれ
中共がのっぴきならない脅威だから備えてるんだってのに
残念ながらそれに気付けない人も居るんよ・・・
そうですね、もう馬鹿に出来ないレベルまで来てますからね。
みくびって方々は恐らくリアルな情勢を理解されず、感情論だけでコメントされてるんでしょうかね?
昔、陸軍と海軍で同じようなものをそろえてリソースを無駄にしたことがありました。
今回も空自と陸自がそれぞれ新型の対艦ミサイルが欲しいと言って別個にそろえるなんてことはないいのですね?
更に海自も絡んでくるとさらにややこしくなるでしょう。
本文を読めばそのような事ではなく海外の専門家からも評価を頂いているので安心しておりますが万が一でもそうならないことを祈ります。
いや、旧軍でも同じものが欲しい時は原則同じものを使ってますが
違うものを使っている場合は、妥協が難しい
相違点があったり、統合するデメリット(生産の混乱等)が大きい場合だったりします
ありがちな零戦と隼とかの事を上の人は言ってるのだろうか……
12式地対艦誘導弾とか17式艦対艦誘導弾とか知りませんか?
空自の80式をターボジェット化して陸自の88式が作られ、それを改修したのが海自の艦載型90式と哨戒機搭載用の91式で、80式のエンジン技術が空自の93式に用いられています。
陸自の12式のGPS誘導等が海自の17式に導入され、17式の開発成果が今度は陸自の12式改にフィードバックされ、それと合わせて海自の哨戒機用SAMが開発されます。
この様に3自衛隊のミサイル開発は系列化されている、というかバラバラに研究開発するような予算はありません。
DB601を陸海それぞれ個別にライセンス契約結んで別会社で作らせるとか、色々おかしな事やってたからなぁ…
DB600系列のは、元々は海軍が一本化してライセンス取得しようとしたけど、
想定予算と吹っ掛けられたライセンス料との解離が大き過ぎて不成立﹙お役所仕事﹚となり、代わりに愛知航空機がライセンスを取得、
そして、愛知航空機の生産キャパの乏しさを危惧した陸軍が、改めて川崎にライセンス取得させたので、陸海で別々にライセンス生産する流れになった様です。
最初の海軍見積りの精度が良ければ、事態は全然違ったかも。
デュアルモード・スクラムジェットエンジンは高速滑空弾とは別の極超音速巡航ミサイルじゃね?
同時に開発開始したから海外では混同されてるのか
自分も気になりました。
極超音速滑空弾はブースター→滑空のタイプなんで二段階推進の極超音速巡航ミサイルとは別ですよね。
ただGPS誘導だった気がするので動目標向けの対艦ミサイル扱いされてないのかな?
中国の機動艦隊を日本に近付けさせないという効果だけでも長射程の極超音速対艦ミサイルの存在価値は有る。
うちは直ぐに中国の息が掛かった左派とかが騒いで話が面倒になるから
そっとしといて
さあ左巻きの諸君
ここが踏ん張りどころだ!
コロナでGNPが落ちてこれから自衛隊にも感染者が出てくる
防衛費から予算を巻き上げろ
軍事予算によりも国民の命が大事だ!と言ってな!!
こないだのサンデーモーニングでアオキリが辺野古に絡めてイージスアショアやF-35の購入よりコロナ対策に予算を使った方が良いのでは無いでしょうかねぇとアジっていましたよ。
嗚呼やっぱりそんなこと言ってるヤツいるんだ、、
負けずに離島防衛に頑張ってる関係諸氏、応援してるぜ
自己レス:GNPだって、俺恥ずかしい GNIだろ
まぁ左巻き気迎合する気もないんだけど、まだまだ緊急事態は続きそうだし超大型の景気対策 + 繋ぎ融資や現金配布的なことは必要になりそう。だとすると防衛費だけノーカットってわけにはいかないだろうね。たぶん国民感情も許さないだろうし。
そうすっと被害担当艦がいるんだよな。後続調達や開発に影響少なく、調達先(主に米)との間で問題になりづらい、緊急性が高くないもの。なんだろね? 哨戒機とか弾薬とかトイレットペーパーかねぇ
>国民感情も許さない
ごく普通の日本人はそんなにバカじゃない、要はメディアの扇動でコロナと一緒の構図、んなバカはことはさせないように声を出していくんだよ
中国がある意味絶妙のタイミングで、火事場泥棒しているので、大きな声にはならんでしょう。
昔から国民は防衛費に対しては寛容(無関心)だったよ。
防衛費がGNPの1%だって社会党に対する国会対策みたいなモノだったし。
歴代の空自のFX選定だってファントムやイーグルより安価な候補機が有ったけど国民からもっと安い戦闘機にしろとかの反対論は出なかったしエンタープライズの入港はデモが起きたけど高価なイージス艦の導入にも特に国民から反対論は出なかった。
ファントムの対地攻撃能力や空中給油能力をオミットしたり等、左派勢力のイデオロギーでの反対論は有ったが国民レベルで防衛費を下げろとか高価な装備を止めろとかの反対論は聞かない。
いずも型の空母化とF-35Bの導入も大した反対論は出ていない。
12式地対艦誘導弾(改)とか哨戒機用空対艦誘導弾とかまだまだあるけど…
それ
本文より追記の酷さよ…こんな時こそa400mを使えば良いのに
プーマが乗らなくてもマスクなら乗るだろう
これは
リンク
因幡のよっちゃん(CV・井上麻里奈)氏が書いてるので海外メディアに載ったのは間違いではないが
ちょっとニュアンスが違いそう
苦境に陥っている国内の航空会社に輸送を委託して宣伝すれば良いのに。
貨物機じゃ無く旅客機にマスク積み込んでも国内企業救済、皆で苦境を乗り切ろうとでも言えば批判もされまいに。
すみません、追記文に対する感想です。
ドイツをオチ担当にするんじゃありません!w
韓国ネタに飽きたんじゃね?