イスラエルメディアのYnetは15日「ロシア軍によるウクライナ侵攻で伝統的な陸上装備への需要が高まり、保管されていた旧式のメルカバが売却されることになった」と報じており、売却先は2ヶ国で欧州の国が含まれるらしい。
参考:מאות טנקי מרכבה ישנים בדרך לאירופה: כל הפרטים על העסקה ההיסטורית
メルカバが欧州上陸を果たすとは想像もしていなかったので非常に驚いている
イスラエルが開発した主力戦車のメルカバシリーズは「乗員の生存性」を最優先にした独特な設計思想が特徴で、2012年にメルカバMk.4をコロンビア軍に400万ドル~450万ドルで提案(失敗した可能性が高い)、2014年にメルカバMk.4の海外輸出が成功したと発表(輸出先は非公開)していたが、イスラエルメディアのYnetは15日「ロシア軍によるウクライナ侵攻で伝統的な陸上装備への需要が高まり、保管されていた旧式のメルカバが売却されることになった」と報じている。

出典:Bukvoed/CC BY 2.5 メルカバMk.2
今回売却されるメルカバは保管されていたメルカバMk.2とメルカバMk.3で、欧州と南米の国と売却で合意が成立し、国防当局者は「エンジンが米国製(テレダイン・コンチネンタル製)なので契約締結には米国防総省の承認が必要になる」と明かしているらしい。
誰がメルカバMk.2とメルカバMk.3を購入したのか現時点では不明だが、ベネズエラと軍事的緊張が高まるコロンビアは昨年5月にM1A2調達を米国に打診していたので、納期に時間がかかるM1A2ではなく直ぐ手に入るメルカバを選択した可能性がある。

出典:Photo by Sgt. Mason Cutrer
メルカバを購入した欧州の国については個人的に東欧諸国(大穴でポーランド)ではないかと予想しているが、メルカバが欧州上陸を果たすとは想像もしていなかったので非常に驚いている。
関連記事:ベネズエラと軍事的緊張が高まるコロンビア、M1A2調達を米国に打診
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※アイキャッチ画像の出典:Michael Mass/CC BY-SA 3.0
イスラエルはロシアの黙認を受けてシリアのイラン民兵を空爆してたりするので、あからさまにロシアと敵対するような事はないと思うが…
シリアでのロシア軍事力プレゼンスが低下してるのなら有りなのかな?
ポーランドあたりが代替戦車寄越せ!とアメリカをせっついた結果なのだろか?
いずれにしても
常任理事国に取り入る事が国是であったイスラエルも、防空システム供与などまでしてるし、ロシアを見限りつつあるのかね?
訂正。
どうやらアメリカ軍はF22を中東に配備したようで
その理由としては中東におけるロシア空軍が活発化してるからとの事。
ロシアとしては中東における軍事力プレゼンスを誇示したいのかな?
今さら旧式メルカバで代替となると、大量のレオ1、パットンを装備してるギリシャ陸軍もあるのかな?
モロッコもメルカバ供給候補先にあるようだけど、こちらも同じくパットンが大量にあるな
M48/60シリーズの在庫が有るなら、M60T仕様にするという手もあるよ。
韓国のM48の足回りが最早限界を超えている様なので、今更その世代の旧式経年車を改装するのは無茶なのでは?
メルカバはMk.1が1979年からなので、Mk.1をMk.2仕様に改装した車両が混ざっているとしても、1959年に生産が終了したM48よりはマシでしょうね
もしポーランドだったら・・・
ポーランドはいろんな兵器が選り取り見取りたくさーんw
本当にそうならば、ポーランドの危機感は、
日本人の想像を遥かに超えているのでしょう。
実際のところ、彼らの見通しを聞いてみたいものです。
もしメルカバを入れるならば、イスラエルは韓国より近いから、
乗り換えられてしまうかな。
APSについても、本家的な存在だし。
大穴のポーランドが購入したとしてもK2からの乗り換えなんか無いでしょう。
技術開示や現地生産にイスラエルが応じるとも思えないし、ポーランドが求める数と必要なバックアップをイスラエルが供給できるとも思えない。
ポーランドに観光に行く理由が増えますねえw
東欧諸国であれば、バルト三国あたりですかね。
バルト三国であれば元々戦車持っておらずNATO軍頼りだったから新規装備で、ウクライナへの代替供与はないな
今さら旧型メルカバ買うくらいなら韓国から買うんじゃないかと
お金がなくて戦車を揃えられなかったわけなので米国の援助があればという話ですね。
冬のバルト三国でくそ重たいメルカバがどう稼働するのかには興味が湧きますが、防御戦闘に振った感のある車両なだけに、車両後部の万能物置と合わせて人口の少ない小国では使い勝手が良い面もありますね。
アビオニクス系をアップデートする経済的余裕が購入国あれば良いのですが。
>防御戦闘に振った感のある車両
防御戦闘と言っても、その中でも対HEATに特化した感のある車輛ですね。
戦車級のAPFSDS相手だと、戦闘力を喪失し易そうなレイアウト。
乗員保護のため、エンジンを前方に配置した代償だけど。
イスラエルと同様に、国土に奥行きがないですからね。
もし導入なら、妥当な選択かなと思います。
運用は大変(手間も手間代も)でしょうけど。
重いですが、ティーガーIも作戦をした地域ですから、使い方かと。
今はチャレンジャーが駐屯していますよね。同じくらい重いです。
そのまま貰っても(笑)良いような気もしますが。
メルカバって乾燥地域で運用してるけどぐちゃぐちゃドロドロでも大丈夫なんかな、エンジン排気量も他の先進国の戦車より小型だし。
実戦経験豊富だから、へ~なるほどって改良多いよね。ただし、携帯小火器にだけど。
雨季のゴラン高原はドロドロになることがあるのでメルカバがぐちゃぐちゃになりながら訓練してる画像がありますよ。
T-55/T-72/レオパルト1あたりを玉突きでウクライナに送り出すために思えるけど動くのまだ持ってる国あるのかな
これ戦車ネタではありますがニーズの高まりに対応できた韓国勢が極度に販路拡大してるのに対してイスラエル勢が対抗措置を繰り出してきた感がありますかね。
イスラエル勢はAFV分野では既存車体の流用でベトロと火力と防護装置を入れ替える方向の事業ではかなり強いですから車体更新で提案できる手段があれば良いと思いますが何故かそれが無い。
最近登場のエイタンWAPCとか同格のボクサーの売れ行きを見たらハイエンドこそ売れると輸出を考慮しないはずもない。今後は装輪装甲の輸出は勝負するのかなと思いますが、まずはメルカバがマーク5に切り替わるに合わせ予備保管メルカバの放出ですかね。
メルカバの最新型(Mk.4シリーズ)の売却ではなく、旧式のメルカバ(Mk.2とMk.3)の売却なので、以前から第3.5世代戦車を売却している韓国には対抗できませんし、イスラエルも韓国に対抗する気は無いと思います。
イスラエルはシリア等で軍事行動をしているのでロシアに配慮していましたが、今のロシアは宿敵イランと関係を深化させているため、イスラエルは欧米に接近していると思われます。
欧州でメルカバを買いそう&イスラエルが売っても良いと判断する国となると兵器体系の統一にこだわらない国かつEU加盟国でしょうか?
目的はウクライナへの玉突き供与でしょう。
そうなると既にウクライナへ供与されるレオパルト1を大量に保有していて旧ソ連製兵器も混ぜて運用しているギリシャあたりな気がします。
レオパルト1でもA5みたいですから充分役に立つでしょう。
ひょっとしたら、むしろウクライナ直行だったりしません?
今更MK.2, 3がいくら撃破されても惜しくはないでしょうし、古すぎて機密にしたい情報もなさそうですし。
直行は無いでしょう。戦車も機種転換訓練が必要なので直行しても置物になるだけです
どこが買ったにせよ、メルカバMk2・3に慣れるまで時間が掛かりますし、そのノウハウをウクライナ兵に伝えるにも時間が掛かります
また、今回がメルカバの初欧州入りなのでメンテナンス設備もまだ無いはずですから、このメルカバを即戦力にというのは無理があります
完全使い捨ての砲台代わりならなんとか…ぐらい
訓練もメンテナンスも必要なのは他の戦車も条件は同じでは(メンテナンスに関してはレオパルド2以外は条件は似たようなもの)
訓練をイスラエルでやるのか、ウクライナでやるのかはどちらでも良いでしょうし。
中立国からの玉突き支援で戦車を捻出できるのは西側の強みですね。同じ理屈でロシアに武器売るのは無理ですし
フィリピンにはサブラのついでに架橋戦車バージョンのMK.4を輸出してたが、まさかイスラエルがまだ使える保管兵器を放出するとは。
MK.3までは対HEATの印象が強いけどAPFSDSに対する防御は大丈夫なんだろうか。
報道によってはヨーロッパの某国を経て右から左でウクライナに供与するという見立てもあるみたいですね。まぁ、Mk3の後期改修型はまだしもMk2の系列を今更欲しがる国はヨーロッパにはウクライナ以外にないでしょう(モルドバやバルカンなら話が違いますが、米国が許諾を出している時点でたぶん違う)。
メルカバの評価は何かと神格化されがちですが、Mk2・3はウクライナの戦場に持ち込んだらトロフィーAPSでもつけない限りはAMX-10RCと同程度の防護力しか発揮できないのではという気がするんです。ただまぁ供与総数で200近いという話もあるので、PT-91同様に主攻撃部隊に充てがったりするならAMX-10やブラッドレーほど針のむしろにはされないのかな…?
本当に200輌を貰えるなら嬉しいことでしょうね。
Mk2の105mm砲でも弾種を選べばT72(モンキーモデル?)に対する実績もありますね。
装甲も、単弾頭のHEATが相手ならば問題はないのでしょう。地雷にも強そうですね。
APFSDS弾や、親子弾頭HEATや、トップアタックの自己鍛造弾は(?)でしょうか。
ですが、Mk2の最終モデルは車体や砲塔に複合装甲を追加したようですし、
何よりLAHATが使えるのはありがたいのでは。攻撃ヘリを撃てます。
重たいですから、回収車を忘れずに、それと地雷除去アダプターは忘れず貰わないとですね。
他所の記事によると、AMX-10は評判悪いみたいですね。
これもLAHATを撃てるようにして貰えば、少しは変わるでしょうか。
旧型メルカバはAPSの無い時代に都市制圧でATMに耐弾してきた車両なのでパッシブ装甲だけでかなり行けると思う。その辺は反応装甲も無しにウクライナで稼働してる西側AFVとでは根底から違う。
ただ車体正面はエンジンルームが盾になってしまうので機関部の頻繁な修理が必要という問題が出てくるだろう。ここは本国運用専用の仕様と言われる所以ですかね。
一方で10RCは偵察戦闘車です。しかも浮航する車両ですから小口径銃弾以外は無理です。両者の防護性能はまんま重量差と言えます。
レバノン侵攻でコルネットに結構損害だしてたからなあメルカバ3
小銃相手でも無い限り現代に無敵戦車など存在せず適切な指揮とトータルの戦況作りが大事って事でしょうね
そんなことを言ったら、近年クルド人相手にびっくり箱晒したり、つい最近ウクライナでも撃破されているレオ2の立場も無くなりますぜ
上記のコメントにも有るとおり、どんな戦車も使い方次第ですな
トルコのレオパルドA4がびっくり箱晒した時は戦車不要論者が狂喜しててエライことになりましたよねぇ…
メルカバの装甲については諸説あるみたいですが乗員生存率は高く、完全損失も少ないみたいですので、完全防御したければAPSトロフィー付けてね、ということで決着になるみたいです。あと新しいMk5は360°VRで視界確保するそうです。輸出する車両にも付けてたら話題になりそうですよね。
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