カザフスタン国防省は開発中だった偵察・監視タイプの国産UAV「シャガラ/Shagala」のフィールドテストを実施したと発表、同機はさまざまな気象条件下でテストされ良好な結果を収めたらしい。
参考:Kazakhstan drone “Shagala” is undergoing field trials
用いるテクノロジーに差はあれどカザフスタン軍と米軍は同じコンセプトの実現に取り組んでいる
中央アジアに位置するカザフスタン共和国は自国軍への無人航空機導入を推進しており空軍は中国製で武装可能な翼竜I、イスラエル製で偵察・監視/電子戦に対応したヘルメス450、ナゴルノ・カラバフ紛争でアゼルバイジャン軍も使用した徘徊型UAVのオービター1K、小型で偵察・監視に対応したヘルメス90やスカイラークI等を運用中だが、2018年に国防省の要請を受けてカザフスタン国防大学がUAVの国産化にも取り組んでいる。

出典:カザフスタン国防省 国産UAV「シャガラ/Shagala」
国防大学が初めて開発した国産UAV「シャガラ/Shagala」は小型の偵察・監視用で制御に使用されるソフトウェアや通信及び暗号プロトコルは国内で独自に開発されたものが採用されており、同種の海外製UAVと比較的しても遜色のない性能(耐久性は約2時間)を備えつつ調達コストは海外から同種のUAVを購入してくるよりも格段に安いらしい。
補足:カザフスタン航空産業はイスラエルのエルビット・システムズからスカイラークIのライセンス製造権(国内限定)を買い取り、国内での製造や保守体制を確立してUAV維持に必要なサービスの海外依存を引き下げることに成功している。
カザフスタンの国防大臣は国産UAVのシャガラについて「軍が演習で試しているUAVを活用した間接射撃戦術を構成する要素になりうる」と述べており、ウクライナが榴弾砲や自走砲による遠距離攻撃にUAVを使用した前方観測を組み合わせて効率的で致死性が高い縦深射撃効果を生み出していると言及した英国防相の言葉が蘇ってきた。
ウォレス国防相は「将来の戦場では交戦範囲がより拡張され隠蔽と発見が戦いの勝敗を左右する」と予想していたが、新しい技術を用いた兵器の効果は伝統的に理解されにくい点についても耳が痛くなることを言っている。

出典:public domain 英国の戦車マークV
国防相は海軍本部(国防省の前身組織)の長官を務めたアーサー・ハミルトン・リー提督が「効率的な兵器とは認められない」と言って1921年に潜水艦の廃止を主張したり、英国海外派遣軍の司令官を務めたダグラス・ヘイグ元帥は第一次世界大戦で戦車や飛行機の登場を目の当たりにしたにも関わらず「馬の価値は今後もこれまで通り偉大なもので有り続ける」と主張した例を挙げながら「新技術を否定したり戦場で目にした変化を信用しない例は山程ある」と指摘して戦場のルールが変更される過渡期であることに理解を求めて注目を集めた。
要するにUAVという新技術や同機がもたらす「戦場認識力の拡張」という概念は英国でも完全に理解されていないという意味なのだが、米陸軍もぶっ飛んだ技術を採用してごく一部の兵士から反発を招いている。

出典:U.S. Army Photo by Bridgett Siter
米陸軍は統合視覚増強システム(IVAS)によって兵士の戦場認識力を拡張する計画を進めており、今年4月に218億8,000万ドル/約2兆4,300億円を投じてMicrosoftから12万台ものヘッドセットを調達することを決定、米陸軍の説明によればIVASのヘッドセットは複数の機能を提供でき、兵士にナイトビジョンやサーマルスコープや機能に加え小隊内で目的の地形や3Dマップといった情報(マイクロドローンの光学センサーが捉えた映像を投影することも可能)を共有でき、IVASとペアリングされた武器の照準は直接ヘッドセット内に投影されるらしい。
この様な機能を活用することで近接戦闘における兵士の戦闘効率を飛躍的に向上させることができると主張して「米陸軍における最大の革命だ」と言っているが、ごく一部の兵士の中にはIVASの装着に拒否反応を示すものもいて米メディアは「時間をかけて新しいテクノロジーに慣れていくしか無い」と言っている。
因みに用いるテクノロジーに差はあれどカザフスタン軍と米軍が同じコンセプトに取り組んでいる点に非常に興味を惹かれてしまう。
カザフスタン軍も米軍も「拡張された戦場認識力と既存の兵器と組み合わせることで戦闘効率を高める」という同じ目標に取り組んでおり、先進国からそうでない国まで完全に理解を得られていない「拡張された戦場認識力」の応用や研究に邁進しているのが如何にも「過渡期」という感じがしてワクワクするのだが、問題は新しいテクノロジーや概念に自分がついていけるのかという点だ。
果たして各国が積極的に取り組むUAVやARといった技術は軍事の常識にどのような変革をもたらすのだろうか?
関連記事:ウォレス英国防相、トルコ製UAV「バイラクタルTB2」が証明した実力を称賛
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※アイキャッチ画像の出典:カザフスタン国防省
aRとかの分野は荒巻義雄大先生の本で知ったけど当時はさっぱりだったな。今なら理解できるだろうか
紺碧以前の要塞シリーズは大好きでしたね。
十和田、阿蘇あたりは今でも読み返せます。
士郎正宗なら媒体が漫画だから感覚的に分かりやすかったぞ
ターゲットの情報とか手配写真なんかが自分の視覚に映し出されたりしてて
後にARって言葉が世に広まってきたとこで攻殻の世界まんまだなと思った
ハイテクヘルメットに2兆円とか相変わらずぶっ飛んだお金の使い方だなぁ
でもマイクロソフト製ってのがなんか不安
Windows Updateに失敗したら目の前が真っ青に…
OSとビジネスソフト以外ならいいもの作るから… <MS
マウスとかキーボードとかフライトシムとか。
種子島銃が出現しても、日本刀での斬りあいに固執した侍もいて、やはり負けていったんだろうか
愚かな人間は他人の失敗からは学べないもんな
まぁ火縄銃に限って言えば石投げたほうが威力も射程距離も断然上だけどね
火縄銃の殺傷力は全然高いよ
200mで鎧を抜けるし、鉛剥き出しの軟弾頭で人体破壊効果が高い
石投げてどれくらい飛んで、どれくらい破壊できる?
プロの野球選手の球速でも160km程度しかない
投石機でもたかが知れている
かつてGUN誌が行った実験だと、弾頭174grで初速約330m/sって事なので、610J位﹙有効数字二桁﹚
.45ACP弾が500J台なのでそれより若干上です。
火縄銃は柔で重い弾丸を使用しているので、マン・ストッピングパワーの面ではさらに有利となります。
火縄銃は後のライフルと比較すると確かに非力ですが、
M1911のような比較的強力な拳銃よりも威力があることから伺えるように、人を殺傷するには十分な能力を持ってます。
ちなみにMLB公式球を160km/hで投げた場合140J台です。
肉体の力だけで火縄銃の1/4位の威力を出せる大谷選手も半端無いですね。
江戸時代に拗らせてからは兎も角、
戦国の刀はサブウェポン扱いで、武器としては槍や弓矢よりも下な扱いだったかと。
とはいえ、首とりとかのフェーズだと、大事な道具と化すかな。
神話な時代から続く霊的な地位や、後鳥羽上皇のような奇特な人達の影響もあり芸術品としての地位も古くから得ているので、江戸時代に拗らせる下地は昔からあったのかも。
武者は犬ともいへ
畜生ともいへ
勝つ事が本にて候
宗滴
愚者の評は事実を学ばない者に向けるべきかも
ARヘルメットでデータ見ながら戦闘するってほんとにゲームの世界だなあ。
拡張された戦場認識力ってゲームの世界じゃ当たり前の内容だよね
自分の位置や向いている方角、味方の位置とかが画面やマップに表示されるし
「敵発見」って報告するとマップにポンと表示されて味方全員が知ることができる
対象を指定して航空支援や砲撃支援を要請すれば行われるし
ガチなゲームだとそういう便利な機能が無いリアル指向で不便だけど
CODとか他のFPSでもそうだけどドローン操作が上手い奴が味方にいるかいないかが勝敗を分かつもんな
継続的な位置バレがいかに戦場で致命的かということだな
船長やDrスポックが持ち歩いてたやつは、みんなもう持ってるから
次はサイヤ人やゴクウたちがつけてたやつを、みんな装着するんだな。
自分には反発する理由がよくわからなかったけど、フィクションで見慣れてるからだとわかったわ。
相手の戦闘力が桁違いに高いと分かれば、自軍の戦力を合わせて戦力差を少なくする?
ミリタリーSF小説に登場するパワードスーツが標準的に持ってる機能の実現ですね。
>拡張された戦場認識力
昼夜を問わず遮蔽物の陰を含めた目標や脅威及び近傍の見方兵士の位置をリアルタイムに把握できるのは一兵卒にとって極めて有効ですが、指揮官用はそれぞれのレベルで指揮下全体及び敵情の把握や的確な行動命令を即断するに資するサポート機能が必要になるのかなと。
将来の戦場は偵察監視型UAVやセンサードローンが飛び交うものになるんでしょうね。それらは実際の運用を通じて今後徐々に洗練されていくんだろうと思います。
軍民転換して普及して欲しいなヘルメット
民間向けだと危機管理面でもコスパ的にもちょっと性能の良いスマートグラスぐらいしかできなさそう
VRゲームARゲームとか医療分野への転換とか色々と応用が効くだろうね
むしろ、先ずはゲーム等の分野で洗練されてからの応用になるのではと
ゲーム用途で多数が世界に出回れば、軍用とは比較にならない数が出るからコストダウンにも効果的だし、軍でもPSのコントローラーが使われている様に、末端の兵士にとっても慣れ親しんでいて適応が早いだろうし
バイクのヘルメットに応用できたらいいね。
悪天候とか見通しの悪い所などに有効。
本当にどうすんの某国
カザフスタン以下とかいい加減笑えないんですけど
某国には関係のない話です
どうなんだろうね
カザフスタンって軍の総兵力が4万人程で陸軍が2万人の規模の国だから逆にこの手の新装備を行き渡らせるのに必要な労力は少なくて済むし効果の確認もしやすいと思うけど
何よりカザフスタンは陸軍国だろうし
今日の富士総合火力演習、↓の1:15:00辺りから始まる後段演習とか良かった
リンク
久々に見たけど、火力戦闘指揮装置FCCSのコンソール画とか写すんだ。
良いのかな?、ありがたいけど。
NEWSによる電子戦支援とか、UAVによる偵察とかやるのだね。
その情報の反映とかも。
今時当たり前かもしれないけど。
天気が良ければ、もっと見応えあったのかな?
ちなみに1:54:33頃からの、反撃に転じる際のFCCS画面展開が個人的に好きです。
NEWSやUAVからの情報が統合表示され、
射撃禁止地域の確認、
各火力中隊のステータス情報が上がり、
標的に対してどの火力を配当するか選択指示、
該当中隊が発射のステータスを上げてくる、
その目まぐるしい画面展開が。
陸自もC4Iシステムの構築は以前から努力しているし、
UAVの情報がそこに統合されるのは、当たり前といえば当たり前ですね。
富士総合火力演習は、演習場の観客がいるから状況説明のため音声伝達は無くならないだろうけど、
より実戦に近い形態の演習の場合は、今後どうなるのかな?
画面展開スピードからすると、それに合わせていちいち音声でも復唱していたら、ボカロなら兎も角人間だと間に合わない気がするし。
あまり評判は良くなさそうだけど、広多無ってその手のネットワークを構築するツールでしたね。
C4Iのネットワークが完備した後でも、1兵士が受けとる情報は、火力戦闘指揮システムに展開される情報に比べて少ないだろうけど、
仮に今回程度の情報密度で渡されたら、多分情報を追おうとして動きが止まりそう。
そもそも動けるのか?、という問題は棚にあげた上でだけど。
で、どこかの島国は?
よしPS5配備で練度を上げよう!
✕ UAV?そんなん脅威にならんっしょw
○ 陸の装備揃えてる場合じゃねえ……!!!
何度言わせる気だね
1人で書いてそう
手投げ式の近距離偵察用UAVかな、変わり種だと。
持ち歩く物が増えても、歩くのは自分の足。
此処までくると、アーマードトルーパーが欲しい。
可燃性の液体で駆動していて、転んだだけで爆発する軽合金の棺桶はちょっと遠慮します。
どちらかというとカルネージハートのような世界になりそう。
戦闘用のスポットみたいなのいたよね、犬型で尻から地雷撒くやつ。
日本やアメリカなどは、歩行などをパワーアシストするパワードスーツの開発してるね
ボトムズの世界になるのか?!
年々体重は増えていくばかり(中年の独り言)。
体重はあまり変わらないけど、体積とか断面積は着々と増えてる
ドローンに出前させればいい
動かないと、ますます太る
高機動パワードスーツの開発・性能向上を進めて、戦闘用途でも実用化・大量配備される時が、1日でも早く来ることを願う
高機動パワードスーツの研究
防衛装備庁
リンク
白黒の戦車の写真だけどMk VじゃなくてMk IXかと
写真のUAVについてるプロペラはそのまんま競技用ラジコングライダーの折れペラじゃないか、多分モーターも同様な物だろう。