北米/南米関連

アルゼンチン空軍の次期戦闘機は三つ巴、インドが英国製部品を排除したテジャスMK.1Aを提案

インドのヒンドスタン航空機(HAL)はA-4ARの後継機選定を進めるアルゼンチンに英国製部品や装置を代替品に置き換えたテジャスMK.1Aを提案した。

参考:India ofrece sus aviones LCA Tejas Mk1A a Argentina con la posibilidad de reemplazar componentes

アルゼンチン空軍2022年の第1四半期までに提案された戦闘機の中からA-4ARの後継機を決定

アルゼンチンは老朽化した攻撃機「A-4AR ファイティングホーク」を更新するため韓国航空宇宙産業が開発した軽戦闘攻撃機「FA-50 ファイティングイーグル」を8機~10機程度調達することを予定していたが、同機に採用されていたマーチンベーカー製の射出座席などが英国の武器禁輸措置(フォークランド紛争以降に英国がアルゼンチンに課した禁輸措置は現在も有効)に抵触するため輸出許可が得られなかった。

出典:РСК «МиГ» MiG-35

そのためアルゼンチンはロシアにMiG-35導入(単座10機+複座2機)に関する見積もりを依頼したらしいのだが中国もJF-17を提案、アルゼンチン政府は2022年度の予算にJF-17BlockIIIを12機(単座10機+複座2機)調達するための資金として6億6,400万ドルを正式に計上したと今年9月に報じられていたが、この報道内容をアルゼンチン側は否定しているためA-4ARの後継機問題は今だ決着していない。

そんなロシアと中国の綱引きが続くアルゼンチンに名乗りを挙げたのがインドだ。

出典:Ministry of Defence / GODL-India テジャスMK.1

アルゼンチン空軍の関係者はインドのヒンドスタン航空機(HAL)からテジャスMK.1Aの提案を受け取ったと明かしており、HAL側は「もしアルゼンチンがテジャスMK.1Aを選択すれば給油プローブ、ノーズコーン、射出座席など約50個の英国製部品や装置を代替品に交換する」と主張、さらに上記の追加作業や認証作業を行ってもアルゼンチンが要求する契約時期には影響(恐らく最終的な契約を締結するまでに変更を加えたMK.1Aが用意できる=性能を実機で確認できるという意味)を与えないと説明しているのが興味深い。

因みにアルゼンチン空軍2022年の第1四半期までに提案された戦闘機の中からA-4ARの後継機を決定すると述べており、HAL側は「12月末までにカスタムされたテジャスMK.1Aの正式な価格をアルゼンチン空軍に伝える」と付け加えている。

関連記事:アルゼンチンがJF-17調達を決断、中国は米国の裏庭に主要な武器供給国として足場を確保か

 

※アイキャッチ画像の出典:Ministry of Defence / GODL-India テジャスMK.1

ドバイ航空ショーに参加したC-2関係者、アラブ首長国連邦との事前協議が実を結びつつある前のページ

財務省が指摘した問題、防衛費を議論するよりも先に防衛戦略の議論が必要次のページ

関連記事

  1. 北米/南米関連

    運用限界に達したコンドルAWACS更新用、チリ空軍が英国から中古E-3Dを3機取得

    チリ空軍は英空軍から退役した早期警戒管制機E-3D(セントリー AEW…

  2. 北米/南米関連

    原子力潜水艦を建造中のブラジル、不安要素はフランスとの関係悪化

    最近、韓国が原子力潜水艦建造に言及したので、7ヶ国目の原潜保有国を目指…

  3. 北米/南米関連

    ブラジルが空母「サン・パウロ」を約2億円で売りに出す、勿論スクラップとして

    ブラジル国防省は11日、空母「サン・パウロ」を最低入札価格127万ドル…

  4. 北米/南米関連

    カナダ、CF-18A/B後継機選定プログラムの勝者にF-35Aを選定

    カナダ政府は28日、CF-18A/B後継機選定プログラム(FFCP)の…

  5. 北米/南米関連

    カナダ、トルコ製無人航空機に採用されているEO/IRセンサーの輸出禁止を発表

    カナダ政府は今月12日、トルコの無人航空機「バイラクタルTB2」に採用…

  6. 北米/南米関連

    フランスによる横槍? ブラジル、空母「サン・パウロ」の売却プロセスを突然停止

    ブラジル国防省は退役した空母「サン・パウロ」をスクラップとして正式に売…

コメント

    • 匿名
    • 2021年 11月 19日

    A-4ARを最大限寿命を延ばしてロシアのチェックメイトを買うのが最善策ではないかな、これなら周辺国にオラオラできる。

    6
      • 匿名
      • 2021年 11月 19日

      流石に待てないし、パイロットや整備面でも対応出来なさそうな気がするが
      フォークランド領有の意志と反英勘定は健在としても、デフォルトしたばっかでオラオラする様な空気でもなかろうし
      それに、テジャス最大の利点はレッドチーム行き確定の回避だろうし
      つーかアメリカの例の制裁は、ホント悪い方にしか機能する未来が見えんな……

      12
      • 匿名
      • 2021年 11月 19日

      FA-50が候補だって考えると、チェックメイトは高いんでない?
      インドはロシアから射出座席を調達するんだろうけど、チェックメイトよりもさらに安いレンジ向けなら、ロシアも悪くない取引になるだろうし。

      3
    • 匿名
    • 2021年 11月 19日

    あれ中国のJF-17で決定になってなかったっけ、あれは別の国かな

    1
    • 匿名
    • 2021年 11月 19日

    素直にMiG-35が安全牌だと思うけどね。

    2
    • 匿名
    • 2021年 11月 20日

    テジャスはパーツ手配と各種部品のインテグレーション大丈夫かよってなるし、永年金欠国家にはMig-35でも重そうだしJF-17くらいしか選択肢無さそうな気もするけど…。練習機並みのコストで一応4.5世代機の戦闘機手に入るんだし。只、アメリカや隣国の顔伺って中国呑み込まれたくないってならテジャスも手なのか。

    1
    • 匿名
    • 2021年 11月 20日

    アルゼンチンのような貧国こそ、無人機での戦力充実が最適解だと思われるのだが。

      • 匿名
      • 2021年 11月 20日

      まだフォークランド領有の夢を断念したとは聞かないのでね……。最低でもフォークランドまで往復できる航続力は必要なのではなかろうかと
      事情さえ許せば、チェックメイトでF-35に対抗するというのすら選択肢に入るが、流石にA-4ARからの飛躍が過ぎるかと。堅実に、練習機型も取得しての超音速機運用能力を取り戻すのが先でしょうから

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 米国関連

    本当に笑えない、米空母ジェラルド・R・フォードを苦しめるエレベーターの呪い
  2. 欧州関連

    再掲載|導入自体が間違い?タイフーンを導入したオーストリアの後悔
  3. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  4. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
  5. 日本関連

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
PAGE TOP