コロンビ空軍の関係者は「次期練習機に韓国製ジェット練習機のT-50の派生型を選択した」と米DefenseNewsに明かした。
参考:Colombia chooses South Korea’s TA-50, FA-50 as next jet trainers, officials say
クフィルの穴埋めを期待しているなら次期練習機の調達機種は出来るだけ早く正式発表されるだろう
コロンビ空軍は空対空や空対地ミッションにも使用できるジェット練習機を20機調達する予定で、最終選考は韓国のT-50の派生型(TA-50とFA-50)とイタリアのM-346FAの間で争われていたが、コロンビ空軍の関係者は「次期練習機に韓国製ジェット練習機のT-50の派生型を選択した」と米DefenseNewsに明かしたらしい。
コロンビ空軍はイスラエル製戦闘機「クフィルC10/C12」の後継機問題が諸事情によって頓挫、後継機の調達が行われないまま2023年に退役が始まる予定で「次期練習機にはクフィルが抜けたコロンビア空軍のギャップを一時的に埋めることが期待されている」とも報じられており、指摘通り「クフィルの穴埋め」を期待しているなら次期練習機の調達機種は出来るだけ早く正式発表されるだろう。
因みに韓国航空宇宙産業(KAI)が開発したT-50はボーイングのT-7Aに敗れて米空軍採用を逃したが、米空軍と米海軍が導入を検討している高度な戦術訓練機にT-50を提案をするとロッキード・マーティンが名乗りを上げており、マレーシア空軍の軽戦闘機プログラム、スロバキア空軍のL-39更新プログラム、ペルー空軍の軽攻撃機プログラム、チリ空軍のF-5更新プログラム、セネガル空軍の軽攻撃機プログラムなどに売り込みが進んでいるが、最も注目すべきはウクライナ支援に関連したポーランドへの売り込み活動だ。
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ポーランドのMiG-29をウクライナに提供するには様々な問題を解決する必要ある
ポーランドが保有するMiG-29をウクライナに提供する計画が行き詰まったのは「見返りに米国から中古F-16を受け取るというアイデアが事前にリークされ政治的問題化したからだ」と米BreakingDefense(BD)は報じているが、ポーランドはウクライナにMiG-29を提供することを諦めていないらしい。
参考:Poland considering Italian, Korean alternatives to backfill MiG-29s
ポーランド政府は「自国の安全保障を犠牲してまでMiG-29を手放さない」と説明しており、ウクライナにMiG-29を提供するためにはギャップを埋めるためオプションが必要でポーランドの元には幾つかの提案が届けられているのだが、この問題は複雑な事情が絡んでいるので何が選ばれるのは今のところ謎だ。
まず第一の選択肢はMiG-29とSu-22の後継機選定(M-346FAとFA-50が競合/32機調達予定)を急ぐという案で、窒化ガリウム技術で製造された国産レーダーと照準ポッド「AN/AAQ-33」が統合されたFA-50が性能面でM-346FAを上回るという評価だが、もしEUがウクライナ支援のためポーランドの取り組みに資金提供を行うなら「M-346FAの方が有利=EUの資金なので欧州製に支払いを限定してくる可能性が高い」になる。
第二の選択肢はMiG-29を提供するためにはギャップを埋めるため「イタリアから中古のタイフーン・トランシェ1を受け取る」という案で、最も早くMiG-29をウクライナに提供できるかもしれないがポーランド空軍のロジスティクスが複雑(F-16、F-35、タイフーン)になりすぎるという問題が指摘されている。
第三の選択肢は中古のグリペンC/Dを32機リースで導入する案だが、第二案と同様にロジスティクスが複雑になるという問題を抱えることになる。
結局、米空軍が保有するバイパー仕様(V仕様とは別物)のF-16はコモディティ化されたF-35とは異なり「カスタム仕様」なので、同盟国に提供するためには機密に指定される部分を物理的に取り外す必要があり、新造のF-16Vは製造スケジュールが遅れているためポーランドに回す余裕はなく、ウクライナにMiG-29を提供するならポーランドは独自に解決策を見つけなければならない。
関連記事:ポーランド、スロバキアがウクライナにMiG-29を送れば領空保護を提供
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※アイキャッチ画像の出典:한국항공우주산업
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開発の違う国で製造された戦闘機を導入する事で、ロジスティクスが大変になるというのならば、エジプトやインドの空軍ひどい有様になっていそうだがそういう話は聞かないし、ポーランド空軍全体でみれば米ロ欧土入り混じっているので、今更という感じになるのではないだろうか
あと軽戦闘機はポーランド空軍が、すでにM-346を導入しているので、FA-50よりもM-346FAのほうが有利だろう
しかし、ウクライナ情勢のひっ迫を考えれば、とりあえずタイフーンかサーブを調達するのではないだろうか
エジプトやインドは特定国に安全保障を依存しないようにするため効率を犠牲にして戦闘機や戦車を複数の国から導入しているだけで、NATOや米国に安全保障を依存できるなら導入機種を絞った方が効率が良いに決まっている。
ポーランドを後者なんだからエジプトやインドを参考に持ち出すのはおかしいだろう。
インド空軍がひどい有様になっている可能性はある
特に2019年には4月時点で9機が事故で墜落していて日本でも話題になった
今事故が年数回ペースになっているのはちょうど老朽化した機体が更新されて事故率が下がっているだけかもしれない
インドはいくらなんでも機種多すぎですね。
欧州米国ロシア国産と出自が違うのは安全保障上の方針だからともかく、同規模・同用途の機種がかぶりまくりで更に増やそうとしているんだから、ちょっと正気を疑うレベル。
航空ファンとしては楽しいんだけども。
>ポーランド空軍のロジスティクスが複雑(F-16、F-35、タイフーン)になりすぎる
ポーランド空軍くらいの規模なら3機種運用くらい珍しいわけではないと思うが。
問題は米国系、欧州系と、文化圏の違う機体が混じる事だと思います
台湾が仏のミラージュを導入してパイロット装備から兵装に至るまで
それまでの米国系とは互換がなくて兵站で苦労して稼働率まで下げた
話しがあります。
確かに欧州系と米国系では互換性が低いのは確かにそうですが、Mig-29がNATO規格への改修が終わるまでは超絶カオス状態を経験しているポーランドなら、当時と比べれば楽なもんではと他人目線では思います。
FA-50導入案との相対的な意味でならさもありなん。
日本は3機種だけど、全部アメリカ系だからなあ。
日本の半分以下の戦闘機保有数で、米国系と欧州系を合わせて3機種は大変そう。
インドや産油国は資金に余裕がありますからね。
ポーランドには、同時運用はキツいのかも。
ただ、EU寄りの機種を導入しておくのは関係強化に役立つかも。
M-346はヤコブレフの流れを組んでるのですね。ロシアを原点にイタリアの設計でアメリカのエンジンを乗せてポーランドへ…
国際社会は複雑ですね。
ロシア製の部品を使ってないのかな?
M-346はイスラエルやポーランド、F/A-50もタイやフィリピンに採用されてるんでどっちを選んでも問題は無いと思いますね。
日本の練習機の後継はどうなるんだろ
とりあえず。F-35向けのパイロット育成については、とりあえずはアメリカとイタリアの委託になるんじゃあないですかね?
F-35向けだけと割り切るのならM-346をイタリアスクールに置くために20~40購入になりそう。(その分T-4の寿命が相対的に延びる)
T-7Aか、F-3の開発にイタリアが参加するかもしれないので、M-346ベースの日伊共同開発の可能性があるかもしれませんね。何にせよ早めに決めてほしい。
イタリアがF-3開発に参加する・・・かもという記事
リンク
管理人さんお手数おかけします
ポーランドのMIG-29の後継には論外では?>T-50やM-346
性能だけで見ればまだEF-2000か在庫がある前提で退役F-16を購入あたりが落としどころでは?
韓国型戦闘機は、東南アジアや南米あたりが適する市場でしょうか。
F/A-50だと、F-4とA-4を足して2で割るくらいの”期待”性能ですか…。
馬鹿にしないほうが良いよ。
住友とかコマツとか、全然笑えない。
それ以前の問題として中距離aamがオプションの次点でデフォルトパッケージがF-4未満だったりするぞ。