オーストラリアのDefendTexは2日「Avibras買収に向けた協議を開始した」と発表、この買収が成立するとHIMARSと競合するAstrosIIの権利と既存の契約が豪企業に手に渡ることになる。AstrosIIはスペイン陸軍の導入候補に名前が挙がっている人気のMLRSだ。
参考:Australia’s DefendTex in talks to buy Brazil’s missile-maker Avibras
参考:Media Release 2nd April 2024 – Australian Company DefendTex enters into advanced discussions to acquire Avibras Indústria Aeroespacial, Brazil
参考:Australian Company DefendTex enters into advanced discussions to acquire Avibras Indústria Aeroespacial, Brazil.
ブラジル政府はDefendTexによるAvibras買収を許可するかもしれない
ブラジルのAvibrasは装甲車輌、多連装ロケットシステム、ロケット弾、巡航ミサイルなどを開発・製造する防衛企業で、HIMARSと競合するAstrosIIはブラジル陸軍と海兵隊、インドネシア陸軍、イラク陸軍、マレーシア陸軍、カタール陸軍、サウジアラビア陸軍が採用(計300輌以上)し、スペイン陸軍が調達する多連装ロケットシステムの候補にも名前が挙がっているが、同社は現在3億7,600万レアル(2023年4月時点)の負債を抱えている。

出典:Ministério da Defesa/CC BY 2.0
Avibrasは1日「ブラジルにおける製造部門や生産体制を維持し、出来るだけ早く操業を再開し、既存の契約に定められた供給を維持するため、経済的・財政的回復を目的にした投資の受け入れを協議している」と発表、オーストラリアのDefendTexも2日「Avibras買収に向けた協議を開始した」と正式に表明した。
この買収が成立するとオーストラリア産業界はAstrosIIやAV-TM300といった防衛装備品の権利と既存の契約を引き継ぐことになり、米Defense Newsの取材に応じたブラジル企業も「これはAvibrasが保有する技術遺産の国外流出に繋がる」「そのため今回の買収はブラジルの主権にとって深刻なリスクになるだろう」と述べたが、ブラジル政府が最も心配しているのはAvibrasの将来性と雇用問題だ。

出典:DefendTex
この買収交渉に関与している下院副議長は現地メディアに「最大の懸念はAvibrasが倒産して会社が閉鎖されることだ」と述べており、金額や条件が折り合えばDefendTexによるAvibras買収を許可する可能性がある。
因みにAvibrasは先月、RM-70やDANAで有名なチェコのEXCALIBURと防衛装備品の共同開発で合意した。
関連記事:スペイン陸軍が調達を検討中のMLRS、イスラエル、韓国、ブラジルが競合
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※アイキャッチ画像の出典:Avibras
それだけバックオーダー抱えるほど人気なのに赤字で操業停止っていったいどういうことなの?
売れてはいるけど投資した額は回収できてないそうで
似たような(?)話で。
以前に、エンゲーザ社がありましたね。
比較的に安価な装甲車で成功したのですが。
オゾリオ戦車で失敗し、なくなってしまいましたが。
2年前の段階で経営危機になってて経営再建の一環で人員の3分の1を一方的に解雇したんだけど残った従業員も反発してレイオフ(一時解雇)へ切り替えと未払い給料を払えとストライキと法廷闘争に
ごたごたやってる間に給料遅延と人員不足の悪循環が更に悪化して先月の時点で給料未払い(11ヶ月遅れ)で給料すら出ないのに働く労働者がいるはずもなく操業停止
身売りか国有化どちらかしないと詰み状態