カナダのボンバルディアは最近、トルコ製無人航空機「バイラクタルTB2」に使用されているエンジンのトルコ輸出を停止したと報じられている。
参考:Bombardier suspends delivery of aircraft engines used on military drones
今頃になってトルコ製UAVに「Rotax 912」が無断転用されていると言い始めたボンバルディア
ナゴルノ・カラバフ紛争でも使用されいるトルコ製無人航空機「バイラクタルTB2」にロータックス(ボンバルディアの子会社)が製造している「Rotax 912」が使用されていることに気づいたとボンバルディアは説明、徹底的な調査を行うと共に使用方法が不明確な国へのエンジン輸出を停止すると発表した。
ロータックスがオーストリアで製造している「Rotax 912」は民間用途での使用に限定している4ストロークエンジンで、EUの軍民「二重用途物品」にも指定されていないためオーストリア政府は同製品に対して輸出規制を実施していない。

出典:public domain Rotax 912
要するにトルコは民間用途での使用に限定している「Rotax 912」を輸出規制に引っかからないという理由で軍事用途に使用される無人航空機に無断使用している疑いが高く、ボンバルディアの調査が終わるまでトルコへの「Rotax 912」輸出を自主的に停止するという意味だ。
バイラクタルTB2を製造するバイカルが作成した輸出用パンフレットでも同機のエンジンについて「100馬力のエンジン」としか記載されていないため、軍事用途に使用するバイラクタルTB2に「Rotax 912」を搭載するのは不味いという認識がバイカル側にもあったことが伺える。
ただ「Rotax 912がバイラクタルTB2に使用されていることに最近気がついた」というボンバルディアの主張には無理があり、流石にこれを信じるものはいないだろう。

出典:Bayhaluk / CC BY-SA 4.0 バイラクタルTB1
本格的な量産は2012年に開始された無人航空機バイラクタルTB1、その発展型で現在量産中のバイラクタルTB2にロータックスの「Rotax 912」が使用されているのは割と有名な話で、これを今更「気がついた」と表現するのは流石に、、、
恐らくボンバルディアもロータックスもトルコ向けに輸出されている「Rotax 912」が軍事用途のUAVに転用されている事実(主にシリア内戦やリビア内戦での使用)を知りながら意図的に黙認していたが、ナゴルノ・カラバフ紛争の影響でカナダ政府が同機に採用されているEO/IRセンサーの輸出停止に踏み切ったため、ボンバルディアも「Rotax 912」輸出を黙認し続けることが不可能になったのだろう。
カナダ製EO/IRセンサーに続き、Rotax 912入手の道を絶たれたトルコは短期的にバイラクタルTB2製造に大きな支障をきたすことになるが、EO/IRセンサーは国産化への切り替えが可能らしく、エンジンについてもウクライナの協力が得られるようになったため中長期的には問題を解消してくると管理人は見ている。
※アイキャッチ画像の出典:Savunma Sanayii Başkanlığı トルコの無人航空機「バイラクタルTB2」
カナダ側はボンバルディアのエンジンを供給停止にしても
ウクライナ製のエンジンに換装が可能という事を確認し
センサー類もトルコ国内で代替えが利くのを待って
禁輸処置をしたという優しさはないよね
まさか、それまでカナダはトルコ側からリベートを貰ってたとかしてたんじゃ
まあ、それが軍事ビジネスか
なんか俺も考えが汚くなってきたな、年のせいか?
カナダやアメリカのアルメニアロビーから圧力が掛かったか、あるいはイキってるトルコに対してアメリカ政府が圧力掛け始めたか。
裏ではUAV市場独占を狙ってイスラエルが暗躍してるのは間違いない
調べてみたら、今は世界のドローンの市場は中国製がシェア7~8割だそうな
西側が中国製ドローン排除に動いてるんで…
政府補助のダンピングでシェア伸ばしても結局こうなっちゃう
ウクライナの航空エンジンメーカー「モトール・シーチ」は中国に買収されかけていてウクライナ政府がこの買収を一時凍結状態にしてるんだよね
アメリカが中国に技術を渡すなって言ってきてるし色々大変な状況
そういや、バイデンの息子が親父(当時はオバマ政権の副大統領)のコネでウクライナのオリガルヒと癒着していたのを暴露されて、今アメリカで大炎上してるんだっけw
このウクライナ疑惑()の顛末と大統領選の結果次第で、下手すりゃウクライナもシリアのクルド人みたく梯子外されそ
ただの民生用の100馬力エンジンならRotax 912が入手不可になっても簡単に代用品探せるんだろうか
それにしてもこのクラスの無人航空機って100馬力程度のエンジンで空飛んでるんだな
初期の自爆無人機ハーピーは芝刈り機エンジンで飛んでた噂がある。
人間という意外と重たいペイロードを載せてないから。
それに人載せなければ空力学的にも最適な設計ができるし。
100馬力のエンジンを輸入に頼るって
エンジンって本当に作るの難しいんだな
中高度長時間滞空型の兵器なので、大事なのは出力よりも燃費や出力重量比じゃないでしょうか。
むしろ大した性能でもないから、ワザワザお金かけて生産設備を新設したり理維持するより、輸入した方が安いならそうする。唯一無二の製品でもないから、供給元の国も選べるしね。
1989年に販売開始した100馬力程度の4気筒4ストローク自然吸気エンジンをわざわざ輸入?
この程度のエンジンなら国産で作ればいいだけな感じがするがそんな問題でもないのでは
まあドローンを安く仕上げるために古いエンジン使ってただけじゃないかな
メーカー的に100円ショップの商品ぐらいの感覚なんじゃないだろうか。
いまさら自前で国産するのがもったいない気持ち。
Battle Proof.とか枯れた技術とかそういった事情。
汎用エンジンの世界でロータックスは鉄板。
カナダも実の所はトルコ怒らせずアルメニアを喜ばせるバランス外交を志向してる様に見える。
難民問題にコロナとEUには余裕はなくトルコを破壊したら自分も燃える。
カナダはその辺を察して嫌がらせ程度の動きでトルコを牽制してる。
ジェットエンジンじゃなくレシプロだったのか
重量面で不利なのにレシプロ使用しているのは
コスト、騒音、燃料手配、整備性、調達性、どのあたりにメリットがあるのだろうか?
やっぱりコストじゃないですか?
使い捨てにするんだし。
参考にはならないでしょうけど、IHIが販売してる「携行型超小型ガスタービン発電機」は、400W=約0,5馬力で200万円だそうです。
まあ、このクラスのエンジって沢山あるからねえ
Rotax-912/915は信頼性/重量で優れてはいるんだろうけど
Rotaxはエンジンメーカーで、BMW(オートバイ、水平対向・Boxer以外のモデルの製造委託)、アプリリア、(もう無いけど、ハーレーをスピンアウトさせられた後の)ピューエルなどのエンジンも製造してる
このクラスの航空機エンジンの例(沢山)
リンク
ああそうか…日本ではこのクラスのエンジン専業メーカーって無いからピンと来ないけど、欧米では昔からあるものね
それで余談だけど、この間初飛行に成功した川崎の無人ヘリ「K-RACER」、あのエンジンは自社のバイク「Ninja H2R」のスーパーチャージドエンジンを流用しているんだってね…信頼性さえクリアすれば、あの手の小型機(有人無人問わず)は自動車やバイクのエンジンでも飛べるんだね(単に飛べるだけで、信頼性を確保するのは大変だが)
「何で無理してでも国産兵器を開発する必要があるのか?」
を考えさせられる良い事例ですね
安いから・性能が良いからと外国製の装備に飛び付くと
こういう要らぬ干渉を受けることになる
(まあ今回はどう見てもトルコに非があるけど)
でも、これって管理品でないってことだから、いくらでも迂回輸入はできそうなんだよなぁ。昔、クボタのラジコンヘリがキャッチオール規制に引っかかったことがあるが(中共向け)、結局起訴されなかったはずで、理由は軍用が使用したが大量破壊兵器に使用されたわけではないってことだったと思う。
これも理屈的にはそうなるだろうし、であれば手を出しそうな連中はいそうな気がする。
ハイテクに見せかけたローテク
設計思想や運用思想が最先端でも意外にローテクの集合体だったりしますからね。
このクラスのエンジンは代替可能な同級機が多数あるから禁輸措置とかほぼ無意味
更に民需で流通してるから迂回入手も国家がバックにあれば余裕でしょう
まあ普通に別機種に切り替えるかいっそ国産化すると思うけど、技術的ハードルは
低いしトルコなら問題なくいけるだろう
80-90年代の競技用2ストロークエンジンで有名だったロータックス社が今も健在でボンバルディア社の子会社になっていたとは驚きました。
今度はアメリカの仲介で、停戦合意の共同声明を発表したそうですね。
ロシア、フランス外相とも協議していたとのこと
そしてアゼル側「また」5分で破られた(ため息)
今でも特殊部隊とかはボーガンだの使うそうだか、暗視ゴーグルで確認してチタンや炭素繊維の矢を放つとかあるなら、もうローだのハイだの言ってる意味がない
ハイテクがローテクに新たな価値を産み出すということ