コロンビア政府や空軍はイスラエルから導入した戦闘機「クフィルC10/C12」の後継機選定に取り組んでいたのだが、新しく財務相に就任したマヌエル氏が「政府は新型戦闘機導入計画に資金を絶対に供給しない」と発表して注目を集めている。
参考:Replacement of Colombian IAI Kfirs: cancellation rumors amid social unrest
参考:Colombia pospone –indefinidamente- el reemplazo de sus aviones Kfir
F-16V導入が宙に浮いてしまったコロンビア空軍はクフィルを当分維持する必要がある
コロンビア政府は緊張感が高まる隣国ベネズエラとの関係を懸念して空軍の近代化=イスラエルから導入した戦闘機「クフィルC10/C12」の後継機選定に取り組んでおり、この戦闘機需要に名乗りを挙げたのはロッキード・マーティン、エアバス、サーブ、イスラエル航空宇宙産業の4社だ。
ロッキード・マーティンはF-16シリーズの最新バージョンF-16Vを提案、エアバス(窓口はスペイン)はタイフーン・トランシェ3を提案したが後にトランシェ1のリースに提案内容を変更、サーブはグリペンの発展型でブラジルへの輸出に成功したグリペンEを提案、イスラエル航空宇宙産業はコロンビア空軍が運用中のクフィルが搭載するエンジンJ-79をF-414に換装してアップグレードする案を売り込んだと言われており、この中でもっと費用が安価だったのはクフィルのアップグレード案だっと報じられている。

出典:Public domain 米空軍と共同で訓練を行うコロンビア空軍のクフィル
ただコロンビア政府や空軍は対米関係を重視してロッキード・マーティン側と水面下でF-16V導入に関する交渉が行なわれ14機導入の線で話が進んでいたのだが、新しく財務相に就任したマヌエル氏が「コロンビア政府は新型戦闘機導入計画に資金を絶対に供給しない」と発表して突然F-16V導入計画が宙に浮いてしまった。
なぜこんなことになってしまったのかと言うと慢性的な財政赤字に苦しむコロンビア政府は新型コロナウイルスの影響で低迷する経済状況のなか実質的な増税と映る税制改革を推進、これに多数の国民が反対して大規模な抗議活動や一部の参加者が暴徒化して警察と衝突するなどドゥケ政権は極めて苦しい立場に立たされたため税制改革案を撤回、この責任を取る形でカラスキジャ財務相は辞任してしまう。
しかし国民の怒りは収まらずドゥケ大統領の辞任を要求する事態に発展してしまい、マヌエル財務相は以前から不要な出費だと批判を集めていた「クフィル後継機調達計画」を凍結することで国民を宥めようとしているのだ。

出典:Public domain コロンビア空軍のクフィル
ドゥケ政権はクフィル後継機調達計画を生贄に今回の窮地から脱することが出来るのかは不明だが、どちらにしてもコロンビア空軍はクフィルを当面維持する必要がありスペア入手が絶望的なJ-79の維持に苦労することになるだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Public domain コロンビア空軍のクフィル
余ってそうなF-16C/Dとかどこかから買えばいいじゃん(適当
確かに。中古のF-16ならアリゾナ州の砂漠に山積みだし、あり得る話でしょうね。
F-16C/Dの中古機導入は意外と聞かないですね…あっ、そうだ
イスラエル軍では初期のF-16C/Dが保管状態にあって、2018年にはクロアチアへF-16D“ブラキート”(ドーザルスパインが付いている奴)の中古機を12機輸出しようとして米国に止められた前科が有るから、どうしても欲しいならイスラエルから買えば良いんですよ
でも、クフィルも使い続けて欲しいなあ…今日ではここ以外ではエクアドルしか使っていないし、個人的に新谷かおる先生の『エリア88』を読んでファンになった機体なので
>でも、クフィルも使い続けて欲しいなあ…今日ではここ以外ではエクアドルしか使っていないし、個人的に新谷かおる先生の『エリア88』を読んでファンになった機体なので
同意です、理由も含めて。
そして、「クフィル後継機調達計画を凍結」だから、イスラエルの「クフィール改修案」は対象外ということで何とか通して欲しい。
米軍が導入した初期のblock25-30辺りは酷使されていて輸出に向かない状態で
ドローン改造で潰したA型の方が機体の程度は良好だったんですよね
F16はアルミ合金多用してて軽くて安いのはいいんだが、一方で耐久値が低いから機体寿命も短いんよ。
チタンとかは頑丈で長持ちなんだが、基本的にアルミとか炭素繊維とかをフレームに多用した中古ってのはリスク高くて避けられる。
どこもお金ないんだね。
軍事費なんてかけないですむなら他に回したほうがいいしな。外国の買うならなおのこと
クフィルってカッコいいよね。元のミラージュ5よりもずっとカッコいい。なんでだろう〜
カナードが良いアクセントななってるのかな。
自分も含めある程度の年代だと、エリア88の影響も大きいでしょうが。
市販のコンパクトカーとWRCのマシンくらいの差がある、と勝手な評価ですが。垂直尾翼前のエアインテイクも素敵。
こっそりクフィルの近代化。
J79の予備パーツね。
そう言えば今年になってJ79を積んだF-4の運用を終えた国がありましたな。
もちろんモデルが違うから色々と違うパーツも多いでしょうが、スクラップ扱いであれば欲しがるんじゃないかな。
米国経由でF-4E運用国に部品とりされてパーツ単位にされる方がありそう
確かに。中古のF-16ならアリゾナ州の砂漠に山積みだし、あり得る話でしょうね。
砂漠にはF-16だけでなくF-4も転がっているはずなので
そこからエンジンだけ抜いてくるのがもっと安いんじゃね
F-4は殆ど解体されてて標的機になってたのぐらいしかもうないよ
その砂漠に転がってるやつってエンジン抜かれてたような……?
この前のアルゼンチンのA-4といいすごく懐かしい名前を目にするな…
南米はエリパチ状態ってか?
レシプロ機同士の最後の空戦も南米だっけ?
ベネズエラごときに何をそんなに、と思ったら意外と充実した装備だった
ベネズエラは石油埋蔵量が世界一らしい・・
ソース:不明
ジャック ライアン先生から教わりました。
個人的にはコロンビアってゲリラ戦重視な印象で攻撃機や攻撃ヘリこそ活躍してそうな印象
スクランブル専用機として更新ならダマシダマシ継続利用ってのもそうだろうなと思う
クフィルC10って機首が太いのか。
某漫画の影響で、クフィールの機首は細いイメージしかなかった。
これはこれでカッコいい。
F-414に換装してアップグレードというからには、現在運用しているクフィールの機体寿命がまだあるという事なのでしょうが
換装するエンジンがF-404ではなくF-414とは夢のある話ですね。
これ新品導入はやめておくとしても、維持費が手頃な中古機を見繕って置き換えないと結局高騰する維持費で首が回らなくなるんじゃ…
しかし一番ありそうな米国のF-16C/D中古はすでに書かれてる通り状態がよろしくなさそうだしなぁ…
JF-17を新品で買うにもblock3はそんな安くないみたいだし
ロシアに2000万ドル以下で適当な中古が転がってたりしないもんかね
クフィルNGが飛行する姿は見てみたいな。
アメリカにレンタルされた時に、F21の番号で飛んでたという話は本当なんでしょうかね?
と言うか、米海軍と海兵隊へリースされた時のクフィル(C1を小改修した物)の制式記号が「F-21A」ですよ