ロシアのロステックが今月20日に開幕する「MAKS国際航空ショー2021」で発表を予告している新型戦闘機について幾つか新しい情報が出てきたのでまとめておこうと思う。
機首下部にエアインテークが設けられていればクルセイダーやセイバードッグを彷彿とさせるので管理人世代にとっては感慨深い
まずロシアが第5世代戦闘機Su-57とは異なる新しい戦闘機を開発しているとメディアに明かしたのは2020年12月で、ロステックのCEOを務めるセルゲイ・チェメゾフ氏は当時「小型~中型サイズでシングルエンジンの第5世代戦闘機開発に取り組んでおり、この戦闘機は無人機に発展することを視野に入れたユニバーサルプラットフォームになる可能性を秘めている」と語り、今年3月には「新型戦闘機をMAKS国際航空ショーで発表する」と予告していたが、開発状況が不明でパネル説明や縮小モックアップの展示といったささやかな発表になるのではないかと管理人は予想していた。
しかしロステックはMAKS国際航空ショーを数日後に控えた13日に新型戦闘機に関するティザーサイトとPVを公開、さらに会場となるジュコーフスキー空港に実物大のモックアップ(プロトタイプの可能性も?)を運び入れている様子が確認されおり、ここまで派手に新型機を発表してくるとは誰も想像していなかっただろう。
とにかく我々は数日後に噂の新型機を目撃することになるのだが、これまでに分かっている新型機の情報は以下の通りだ。
- 小型or中型サイズの単発機で第5世代戦闘機
- 有人戦闘機だが将来的に無人戦闘機へ発展する可能性を秘めている
- この新型機開発はロシア政府ではなくロステック主導で海外輸出機
- この開発計画に海外の顧客は参加可能で技術移転が可能
- 同機はロシア空軍も購入する可能性もあるらしい
- アラブ首長国連邦、インド、ベトナム、アルゼンチンへの輸出を想定
- MiG-29やSu-25の更新需要を狙っているとの噂もある
さらに新型機の仕様については最大離陸重量18トン、最高速度マッハ2.0+、搭載されるエンジンは推力偏向タイプ(推力重量比は1を超えるらしい)、幅広い周波数帯域で高い低観測性を備え兵器携行量も多いと言われているが、本当に最大離陸重量18トンならF-35Aの約2/3程度なので航続距離や兵器携行量が劣ることになる。
New Russian plane 5th generation at Zhukov Airport pic.twitter.com/Egx8LyIfDD
— ZOKA (@200_zoka) July 15, 2021
ただF-35AはF135×1基で第4世代の双発機並な推力を発生させることができるモンスター戦闘機なので、MiG-29やSu-25の更新需要を狙った機体サイズと考えれば最大離陸重量18トンというサイズは必要十分なのかもしれない。
最後に新型機の機体デザインだが、新しくアップされた写真で水平尾翼がないことが確認されているため日本を含む各国が第6世代戦闘機で採用を予定している「主翼+V字尾翼(小さなカナードを備えている可能性も)」構成を先取りしているとも言えるが、エアインテークの位置だけは海外メディアでも主張が別れている。
Closer foto of New Russian plane pic.twitter.com/PlzUv8DR9h
— ZOKA (@200_zoka) July 16, 2021
幾つのかの角度から映された写真に基づき機体の両サイドにダイバータレス超音速インレット(DSI)タイプのエアインテークを備えていると主張するメディアと、ユーリー・ボリソフ副首相(国防・宇宙産業担当)のデスクの上に飾られていた謎の模型+撮影された新型機の写真の機首下部が膨らんでいることに基づき5角形状のエアインテークが機首下部に設けられていると主張するメディアに分かれているのだが、果たしてどちらが正解だろうか?
Concerning the new Russian fighter this might be interesting. Allegedly it is from a recent interview with Yuri Borisov. 😮
Does anyone know more about this/these model/s on the right side? 🤔
(Image via Evgeniy/Secret Projects Forum) pic.twitter.com/iGDVA6wJxi
— @Rupprecht_A (@RupprechtDeino) December 22, 2020
結局、このような楽しい空想は新型機を覆う黒の布のせいなのだが、もし機首下部にエアインテークが設けられていればクルセイダーやセイバードッグを彷彿とさせるので管理人世代にとっては感慨深いものがある。
個人的には半年ほど情報を追っかけてきたので答え合わせが非常に楽しみだ。
近日お披露目予定のロシア新型戦闘機、新しい情報を元に落書き予想図をアップデート。
追加情報あればまた更新するかも。 https://t.co/sjOTx0jvwF pic.twitter.com/onZ3ZRZeFC— Zephyr (@Zephyr164) July 16, 2021
お上手・・・とてもありそうな感じ
7/17 22:40追記
ロステックは新型戦闘機に搭載されている電子・光学式照準システムのセンサーを収めるハウジング部分を公開、しかし問題のハウジング部分には英国の45型駆逐艦(黒海での事件)を連想させる艦艇が映っており物議を醸すかもしれない。
Черные чехлы – это очень заманчиво, но детали всегда интереснее😉#ОАК #uac #Ростех #rostec #МАКС2021 #checkmate pic.twitter.com/OKv4dnyy9J
— Ростех (@RostecRussia) July 17, 2021
関連記事:ロシア、シングルエンジンの第5世代戦闘機開発はスホーイ設計局が担当か
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※アイキャッチ画像の出典:Rostec
はよ!はよ!待ちきれないぜw
わくわくですなぁ。
それはそうとロシアがこういう公表のやり方をするようになったとは隔世の感あり。
管理人さんの思いがw
やったね管理人さん
顎付き確定ポイ
リンク
チラリズムをわかっていらっしゃる
ロシア機のステルスってどうなんだろう?
今回のも完璧を求めてる訳ではなさそうだし、
Su-57はネジは剥き出しで塗装も自由度高そう。
ないよりマシぐらいの認識なのかな
うろ覚えですが水平尾翼無しだと、側面ステルスか向上する一方で、機動面ではデメリットあるのですよね?
今回は以前と異なりステルスも重視するスタイルで、正面ステルスにも相応の水準を目指しているのかも。
それ垂直尾翼じゃないかな。
実質V尾翼なんで、水平尾翼無いのは
大して問題にならないはずだけど。
機動面で不利になるのは、
(V尾翼を含む)垂直尾翼がない場合の
話だと思うよ。
直交した平面があるとリフレクター効果で概ね全反射するので﹙二回反射で元の方向に反射する﹚、単垂直尾翼が廃れたけど、
直交してなくても似た効果があるので、傾斜を持たせていても垂直尾翼&水平尾翼の組み合わせでは、側面に強いピークを形成するようです。
そのため、側面ステルス向上では無尾翼かV尾翼が望ましいと。
機動面では、仰る通りですかね。
私のコメントはご覧の通り、機動面の
「水平尾翼無くても問題ない」話しか
しとらんわけですが。
なので補足
戦闘機の場合,空戦機動で使用する尾翼はほとんどが水平尾翼であって垂直尾翼はあまり使わない.空戦機動で使う運動のほとんどはループ運動とロール運動でどちらも水平尾翼を使用する運動だからね.
垂直尾翼を必要とする運動はヨー運動だが,ヨー運動を用いるのは着陸進入での正確な進路調整以外だと,Su-27シリーズやF-22, F-35のデモ飛行で魅せるポストストール機動がヨー運動を使う.しかしポストストール機動は機体速度を大きく殺いでしまう(つまり機体の運動エネルギーが大きく低下してしまう)から,現実の格闘戦においてはヨー運動を用いるポストストール機動はほとんど実用的価値がない.
以上から,無ければ空戦機動性能に影響が大きいのは水平尾翼であって,垂直尾翼を排しても空戦性能はほとんど低下しない.
ベクタードノズルで機動性を補う方、日本のF-3も同様なシステムだったりするかも。
超音速領域では主翼の発生させる衝撃波で舵が利きにくくなるので、これからはベクタードノズルが増えると思う、ただし超高温のジェット噴流に耐える素材技術が必要になる。
あと、動翼を動かすと露出した断面がRCSの増大要素になるので﹙F-22の様に影響を最小限にするため整形しているケースもあるけど﹚、ベクターノズルで動翼の使用頻度が減るとRCSの実効値抑制的にも効果があるかと。
双尾翼がV字尾翼だとすると開き角が小さ過ぎるように見えるんですよね。
もしかしたら開き角が可変な全動翼なのかもと想像したり。
正面写真みると尾翼の外反角はほぼ30°かな?
同面積の水平尾翼の半分は仕事する訳だから十分じゃない?
変更ノズルも装備してるみたいだし
記事中の想像図みたいにデルタ寄りの構成なのかもしれないし。
偏向ノズルね。
気をつけてるんだけどなぁ…
最大離陸重量18トンならMig-29より1-2トン低い程度なので
やや軽量かもしれないけど懐かしの前線戦闘機の系譜に連なるものとして十分なのでは
インテイクについてはロマンのためX-32みたいなの希望!
正面写真からすると、インテークは機首下ではなく
普通に両脇にDSIぽいかなぁ。
機首下の出っ張りはインテイクにしては下に向きすぎてるからIRSTの類か布が余っただけだと思う
正面からの写真で見える平行四辺形がインテイクじゃないかな
小さすぎる気もするけど左右合わせたらSU-57の片側と同じくらいの面積にはなりそう
あと前脚がダブルタイヤなのは興味深いですね
ダブルタイヤはMiG29からの流用だと思う
mig-41に似てるよ。でも、水平尾翼があるか。。。
リンク
Mig-41の絵も、正面からだと何処にインテークあるか解りにくいね。
競合する戦闘機はJF-17、テジャス、FA-50、KF-X、TF-Xだろうか
ローグレード戦闘機の市場競争が熱いな。アメリカの眼中には映っていないようだが
JF-17は非ステルス、かつテジャスとFA-50はF404単発の軽戦闘機
これはステルス機ともあってランクは上だろう
想定する顧客を見るに、F-16やユーロファイタークラスの価格帯になるのはありえないだろう
ステルス機といっても、F-35やJ-20クラスには遠く及ばない機体規模だし、グレードとしてJF-17、FA-50相当だろう
J-31を忘れてもらっては困るある。
ロシア機には絶対にかなわないんですけどね。
ロシアでは滑走路状況よくないし下面ではないと予想
そうですね
それに、インテイクが機首下面に有るとレーダーレドームが小さくなってしまうので、搭載出来るレーダーの大きさが制約されると言う問題点もあるので余計に有り得ないと思います
X-32…。
F-16のようにダクト開口後方に首脚が付くなら路面異物吸込みのリスクは低いんじゃないでしょか。
昨日アップされた側方画像は牽引車が写っていて、比較してわりと小型機と思えます。
機首部分は布カバーが首脚部で垂れ下がっている感じで、布カバー上からも窺えるチヤインラインとの関係もあってインテークの配置形状は微妙てところですか。
いずれ20日に明らかになるんですが妄想を楽しめるのは今のうちですね。
Mig-29と同クラスらしい。前線戦闘機としての機能も要求されてた29の完全な後継という訳ではないだろうけど、Su-27にとってのMig-29みたいに、Su-57にとってのcheckmateという感じになるんだろうか。
それはそうとこいつ元はミグの開発プロジェクトだったと思うんだけど、いつのまにスホイ系列に移管されたんだ。ミグは政府からハシゴ外されてるのか、あるいはMig-41のほうに専念しろと言われているのか
ユナイテッド・エアクラフト・コーポレーション内でのミグの扱いが気になります。
感じからするとMig-29ベースのF-22の単発機的な感じ。Su-57用のエンジンは短いのでこの大きさに収まったのでは。航続距離が犠牲になっていそう。
何かクマンバチみたいな印象を受ける飛行機やな
機首下インテーク、水平尾翼なし、傾斜尾翼、ステルス・・・
ついにX-32が日の目を見る日が来るとは(違)
予想イラストがまんまX-32で...最高!
レドームだと思ったら、ショックコーンだった
まさに21世紀のMiG。MiG-21!!!
下面インテイク、自分も惹かれるんだよね
F-8じゃなくA-7世代だけど
コクピットの前についてる出っ張りはIRSTだと思うけど
何でロシアがここまで遠距離のセミアクティブ赤外線ミサイルに拘るのか理解できない
R-77じゃ駄目なの?
MRAAMのレーダーだと、ステルスを捉えきれないから、かな?
いやロシアからすればクリミア併合の正当性を主張しているのだから重要でないとは言わないが?何か言う程のことか?
何処に対する返信なの?
普通、ステルス機の実大モックアップはRCS計測に使ったりして車輪は収納状態で製作されるんで移動は台車を使いますよね。
画像では首脚にサスも付いてるようで、もしかしたら公開されるのは試作初号機?