ロシア航空機製作会社「MiG」の局長、イリヤ・タラセンコ氏は、MiG-31の後継機となる長距離迎撃機は、2019年中にも計画が承認されると話した。
参考:Облик перспективного перехватчика на смену МиГ-31 сформируют до конца года
MiG-41は、マッハ4.0以上で飛行し、宇宙空間まで到達するかもしれない?
ロシア航空機製作会社「MiG」の局長、イリヤ・タラセンコ氏はメディアの取材に対し、PAK DPを呼ばれている長距離迎撃機「MiG-41」について、2019年中にも計画が承認されるとし、この飛行機は、低認識技術(ステルス技術)を使用して作られ、必要十分な兵器を搭載でき、非常に大きな作戦半径を持つだろうと話した。
MiG-41は、無人(有人はオプション扱い)のステルス機で、マッハ4.0以上で飛行でき、宇宙空間での運用も行え、超音速偵察機から極超音速ミサイルまでの迎撃が可能と言われているが、余りにも飛躍しすぎた性能なので、本当に実現可能なのか非常に怪しい。

出典:Attribution: Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 MiG-31BM
現在、運用中の迎撃機MiG-31は、2028年までに機体寿命を迎えると言われているため、戦力の空白がなくMiG-41にバトンタッチするために残された時間は、たった9年だ。
恐らく、それを見越してMiG-41は、2020年代半ばにはロシア空軍へ届けることが可能だと、盛んに宣伝しているが、ロイヤル・ユナイテッド・サービス研究所の戦闘機専門家ジャスティン・ブロンク氏は「すぐに量産不可能なコンセプトの飛行機が量産されることはない」と話した。
さらに「現行のMiG-31BMは十分な性能を持っている。それにも関わらず、新しいアップグレード計画が検討されている」と指摘した。
これはロシア空軍にとって、MiG-41の完成を急ぐ必要性がないと言う意味だ。
35年以上前に運用が開始されたMiG-31は、段階的な能力向上を行い、現在でも、十分な性能を保持している。
最新型のBMバージョンになると、新たに搭載された新型アビオニクスのおかげで、空中の目標だけでなく地表の目標への攻撃が可能になり、ただの迎撃機からマルチロール機へ変化し、旧タイプに比べ戦闘効率が3倍向上したと言われており、新型レーダー「Zaslon-AM」は、最大320km離れた目標を探知でき、空対空ミサイルR-37なら300km離れた敵を攻撃可能になった。
動画で見る限り、後部座席のコックピットのみ、大型ディスプレイを装備しレイアウトに変更されているが、前部座席は1980年代を代表するかのような計器パネルが今も健在なのが印象的だ。
機体の形状は古臭く感じるが、MiG-31BMは、今でもロシアの空を飛び回っている。
話がそれたが、果たしてタラセンコ氏が言うようにMiG-41の開発に着手し、2020年代半ばにロシア空軍へ届けるが可能なのか?
もしかするとMiG-41は、マッハ4.0以上で飛行し、宇宙空間まで到達するかもしれないが、それは当分先の未来の話で、恐らく10年程度の開発期間では完成しないだろう。
ロシア空軍もそれを期待していないからこそ、MiG-31BMに新しいアップグレードを行おうと検討しているのだ。
ロシアでは、予算の問題で、言葉通り行かない(そもそも、そのつもりがない)事がある。
2015年、ロシアは新型戦車T-14を、2020年までに2,300輌生産すると言っていたが、結局、予算の問題で100輌しか生産されていない。
MiGはまず、ロシア空軍に対して、MiG-41の開発予算があるのかどうかを問い合わせるの先決だろう。
※アイキャッチ画像の出典:Attribution: Alex Beltyukov – RuSpotters Team / CC BY-SA 3.0 MiG-31BM
ロシアは捨てるものは躊躇無く捨てる割り切った設計がすごいと思う。
無人機でマッハ4って単なるミサイルだったりして。
最大マッハ6で飛ぶ予定の無人偵察機SR-72の迎撃用アピールっぽいですね。
MiG-31のルーツであるMiG-25はアメリカのマッハ3級爆撃機やSR-71偵察機への対抗で生まれた機体ですし
ん!そうなの?ミグ25が亡命してからF-15やF-14などの垂直尾翼二枚だての機体が作られるようになったから、先行してたのかと思ってましたが?
温かく見守りましょう
ロシア人は予定通りに進まないし、
それを気にしない