日本関連

日本、本格的な「水陸両用部隊」を大戦以降「最大規模」の上陸演習へ派遣

豪州で実施されている実動訓練、Talisman Sabre(タリスマン・セイバー)へ、部隊を派遣している自衛隊について「劇的に参加規模を拡大した」とDefense Newsが報じている。

参考:Japan to dramatically scale up participation in Australian exercise

タリスマン・セイバーへ、本格的な水陸両用部隊を派遣した日本

陸上自衛隊と海上自衛隊は、オーストラリアのクイーンズランド州、ショールウォーターベイ演習場及び同周辺海域で、実施される「タリスマン・セイバー 19(以下、TS19)」に訓練部隊を派遣し、米海兵隊、米海軍と共同演習を行う。

タリスマン・セイバーとは、隔年で実施されている米豪軍事演習で、2005年に初めて実施されて以来、7回実施されており、今回のTS19で8回目だ。

出典:Public Domain タリスマン・セイバー 13 米海兵隊員とオーストラリア軍兵士

基本的には、米豪2ヶ国間の軍事演習だが、追加で第3国を招待することもあり、日本は2015年に40人の陸上自衛隊員が初めて参加し、2017年にも陸上自衛隊の第1空挺団、第3普通科大隊基幹の約60名が参加した。

日本は、今回開催されるTS19に、これまでの参加規模を遥かに上回る、史上最大規模の部隊を派遣している。

陸上自衛隊は、水陸機動団、第1ヘリコプター団から約330名が演習に参加し、水陸両用車のAAV-7や、CH-47、120mm迫撃砲、中距離多目的誘導弾等を持ち込み、初参加となる海上自衛隊は、護衛艦「いせ」、輸送艦「くにさき」が派遣されている。

今回派遣された部隊は、水陸両用作戦を自己完結できる編成で、これまでの派遣部隊とは全く次元が異なり、陸上自衛隊と海上自衛隊の、本演習への本気度が伺い知れる。

出典:海上自衛隊 ひゅうが型護衛艦「いせ」

豪州海軍の指揮官、Gerald Savvakis氏は地元メディアに対し「日本の、この演習への参加は相互運用性を向上させるための機会になる」と話した。

前回、TS17で行われた上陸演習は、第二次世界大戦以降、最大規模の上陸演習と言われるほど大掛かりなもので、米豪3万3000人以上が参加し、米海軍の強襲揚陸艦「ベロー・ウッド」、豪海軍の強襲揚陸艦「キャンベラ」を筆頭に、20隻の艦艇、200機以上の航空機が参加した。

自衛隊の公式Twitterには、既に、訓練の様子がアップされ始め、護衛艦「いせ」に、米海兵隊の攻撃ヘリ「AH-1Z」が着艦する様子など、非常にレアな写真が公開されている。

訓練が終了すれば、恐らくTS19の演習の様子をまとめた動画が公開されるはずなので、非常に楽しみだ。

TS19へは、日本だけでなく、米海兵隊も、例年以上の航空戦力と兵力を送り込むと言っているので、TS17に劣らない規模での上陸演習が行われるはずで、日本の水陸機動団にとって、国内では実施が難しい、大規模な水陸両用作戦について、貴重な経験を積むことが出来るだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊 ひゅうが型護衛艦「いせ」

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 6月 20日

    くにさきがブリスベンの岸壁に船尾をぶつけてへこんでましたね;;

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