ロシア軍元大佐のイゴール・ガーキン氏は「ソレダルの大部分を占領したワグナーの攻撃は戦術的な成功だ」と明かしたが、敵は郊外の岩塩坑周辺に新たな防衛ラインを構築しているとも付け加えた。
参考:В ВСУ уверяют, что россияне еще не захватили Соледар
ウクライナ軍は岩塩坑を中心にワグナーと戦っている可能性が高いが、危機的な状況だという評価に大きな変わりは無い
ロシア軍元大佐のイゴール・ガーキン氏は11日「大ソレダルの大部分を占領したワグナーの攻撃は戦術的な成功だった。しかし敵は郊外の岩塩坑周辺に新たな防衛ラインを構築しているので制圧しなければならない」と明かし、ウクライナ東部司令部も「ロシア軍がソレダルを完全に占領していないことを保証する。岩塩坑を制圧した証拠として公開された写真も事実ではない」と述べており、これらの話を反映させるとソレダルの戦線は以下のようになる。
ウクライナ軍は「ワグナーがソレダル市中心部を確保している」という主張を否定(肯定もしていない)していない、ガーキン氏もウクライナ軍も「ワグナーの岩塩坑=Ⓐ制圧」を否定している、ワグナーの兵士がソレダルの西区画=ⒷⒸを進んでいるのを映像で確認、これらの情報を戦況マップに落とし込むと多分こんな感じ(相当大雑把)になるのかもしれない。
新たにロシア国防省が「空挺部隊がソレダルを南北から封鎖して市内中心部の掃討戦に加わった」と明かしているので、本当に岩塩坑=Ⓐ周辺をウクライナ軍が保持しているのならⒷⒸの動きも加味すると「孤立化が進んでいる」と解釈でき、危機的な状況が続いているのだろう。
The video shows Wagner mercenaries, likely a recon element, walking west of Salt mine no. 4 (pic 1 – 48.695320, 38.041687) towards the nearby school (pic 2 – 48.694992, 38.037825, pic 3 – 48.695411, 38.036575).#UkraineRussiaWar https://t.co/cLsgHC8rhY pic.twitter.com/brQDn2I46A
— MilitaryLand.net (@Militarylandnet) January 11, 2023
因みにソレダルの範囲を厳密に言うと「青線で囲んだ範囲」のことを指す。
※情報を追加して戦況マップを更新
関連記事:危機的な状況のソレダル、ロシア軍がウクライナ軍の補給ルートを遮断か
関連記事:露ワグナーが「ソレダル制圧」を発表、大釜にウクライナ軍を捉えた?
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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ウクライナ軍のチェレヴァティー東部管区報道官は11日、ロシア側によるウクライナ東部ドネツィク州ソレダールを制圧したとする発表を否定した。公共放送局が報じた。
チェレヴァティー氏は、「ロシア人たちは、ソレダールが彼らの支配下にあると述べているが、それは事実ではない。詳細は、参謀本部の報告を待ってくれ」と発言した。
その他、ウクライナ軍戦略コミュニケーション局(ストラトコム)は、テレグラム・チャンネルにて、ロシアの傭兵派遣企業「ワグナー(ヴァグネル)」広報室がソレダール制圧の「証拠」として公開した写真につきコメントした。
ストラトコムは、ソレダールの塩炭鉱の写真とワグナー公開の写真を比べて、「プリゴジンの居場所はどうやら事実に反するようで、彼はソレダール炭鉱にはいないようだ。囚人たちの多大な損耗を何とかして正当化しようとする、プリゴジンのPR担当者の国内聴衆向けの情報心理作戦の要素である」と指摘した
マリウポリ製鉄所、セベロドネツク、リシチャンシクを彷彿とさせる状況になり、陰鬱な気分になりますね。
後の戦いの為に、ワグネルの元軍人部隊を多く削る必要があるのは理解出来ますが、陣地放棄するまで死地で奮戦しているウクライナ側の兵士を考えると、秩序立てた撤退をして欲しい気持ちが勝ってしまいます。
塩とかってどこの海でも採れそうなものだが
ここの塩はミネラルとか豊富なのかね?
なんかの聖地とかかな?
塩を海水から取るときはあらかじめ海水を日光で蒸発させることで塩分濃度を上げて
次に濃くなった海水を釜で煮詰めて塩にするのがすごい大雑把な塩の取り方
初めから煮ると燃料代が掛かるからね、ロシアやウクライナみたいな高緯度地域は日光が弱いから
塩は貴重な存在で岩塩は割と便利、実際スウェーデンの伝説の魚の缶詰シュールストレミングは塩が貴重で塩を大量に使えなかったせいでニシンが腐って、世界一臭い缶詰になったとか。
我々にとって塩と言えば海塩ですが・・・
世界的に見れば岩塩の方がやや多いくらいなのです
どこで読んだか忘れましたが、ロシア軍がここで執念深く攻撃をかけてる理由は、ロシア軍というよりワグナーがこの岩塩鉱を財源にしたいからみたいですね。
ウクライナの鉱山を奪えば自分の権益に出来るのであればそらワグナーの上層部は頑張りますわ。
これが理由であればもう何か21世紀やのに18世紀ぐらいののノリで戦争やってますね。
豊臣秀吉とかの感覚で戦争やってますね
正直岩塩どうのは眉唾だと思いますが。
そんな価値しかない土地ならウクライナもこんな包囲の危機を招いてまで死守しないでしょう。
利益のために戦争してる組織と政治のために戦争してる組織(国)じゃ
争うための判断基準が違ってきても不思議はないと思います
それはワグナーがこの正面で攻勢をかける理由付けにはなるかもしれませんが、ウクライナが包囲を招く危険を冒してまで死守する理由付けにはなりませんよ。
それにPMCだろうとこの戦線の上級部隊の統制を受けていることには変わらず、それに従って攻撃しているから正規軍との協調があって砲撃の援護を受けられているはずです。
その辺は2022.12.20の記事でも取り上げられてたハズですが読んでませんか?
ここで記事になったから正しいわけではありませんよ。
ここの素晴らしいところは情報機関の推測のであったり公式のプロパガンダであったりSNSの情報であったりをまとめて精査し出来るだけ中立的に事実を導こうとしている点です。
ワグナーの統制については推測ですし、岩塩についてもまた推測です、対してこの地域の軍事的価値は少なくとも当事者の両軍にとって事実です。
いや2022.12.20の記事だと北方のクレミンナ方面での攻勢に影響が出るからウクライナ側も保持せざるを得ないのではないかって推察が疲労されていて、
>ウクライナもこんな包囲の危機を招いてまで死守しないでしょう。
への返答になってるのじゃないかと思うのだが
ウクライナ側の注力は軍事的要請から、ロシア側の積極的な攻勢は傭兵団の利益確保動機からとう自体は、ありえる事態とだと思うがね
意味がわかりません。
あなたはこの地域の軍事的価値を認めているにもかかわらず、ロシアの攻撃はそれとは関係なく岩塩目的だと断じる。
その根拠はいったい何ですか?
それは軍事的価値がある場所だから両軍が激しく争奪しているだけ、という自然な説明を覆すに足る理由ですか?
そもそもプーチンが戦争を始めた理由が「ロシア帝国の復活」なのだから18世紀脳は今に始まったことじゃない。
ウクライナ軍がまだ頑張ってる岩塩鉱山は、鉱山博物館とかいう話もあり、ワグナー社が制圧した駅の下の地下坑道とは別の廃坑のようです。
ここで非常に気になるのは南のクラスナ・ホラや、パラスヴィーフカの方で、ウクライナ軍がソレダル市街の西側や、T0513道路沿いに地下壕を掘って頑張っても、パラスコヴィーフカの方を占領されると、ソレダル市街ばかりでなく、シヴェルスクの方も包囲されて孤立されるような形になってしまいます。
もっともいざというときは、広い道路を使わなくても、重装備を放棄して、徒歩で細い道や路外を歩いて退却するとか、ヘリコプターで退却するという方法もあるかもしれませんが、もちろん退却中にロシア軍から砲撃されたり、対空射撃を受ける危険もあります。またこの寒さですから、仮に路外を歩いて退却といっても容易ではないでしょうし、トルストイの小説の
「戦争と平和」
とか、ソフィア・ローレン主演のイタリア映画
「ひまわり」
のようになるかもしれません。朝鮮戦争のアメリカ海兵隊は真冬の撤退を成功させて称賛されましたが、もちろん容易ではありません。
陸上自衛隊は、第5普通科連隊が今でも青森県の八甲田山の雪中行軍をやったり、北海道では冬季レンジャーの訓練などもやったりしていますが、やはり今の戦争でもこういう状況は現実的にあり得るということを再確認する必要があります。
一方で各現地ウォッチャーのつぶやきを追うとスバトボ周辺やクレミンナはウクライナがじりじり押しているようで、更に何か匂わせている人も多い。
その匂わせが何なのかは深読みしないが、仮にクレミンナ~スバトボが奪還すればR66の補給ラインをようやく寸断できる。
一次情報をほとんど得ていない人間がこれ以上考えても仕方ないけど、これまでの宇軍の戦争史に残る奪還劇を考えると期待をしてしまう。
クレミンナ方面はクローズアップされないほうが好都合かもしれないですね。
その方面はウクライナ軍が仕掛けないしは、優位な状況揃いつつあるようですね…
戦況を政府より先に傭兵会社のトップが勝利宣言してる時点で色々とロシアの統制含めて暗い側面ですが。
何でウクライナはソレダルで対照的な戦術を選択したんだろ?
むしろもっと後方まで誘引して兵站線を延ばしたところで包囲殲滅を狙うのが良さそうなのに、後の先を選べない理由でもあるんかね?
素人考えですが。
今回のアルチェモフスクとクレミンナの攻防はシベルスク突出部の処理をめぐる戦いと言っていいと思います。
セベロドネツクでロシアの攻撃が効果を上げなかった時に言われていたことですが、ドネツ川は西岸の方が標高が高く有利で、西岸を押さえた側がこの戦線の趨勢を握ります。
あの時もイジューム・リマンからの攻撃をスラビャンスクは跳ね返しましたし、リシチャンシクの放棄を決めさせたのはセベロドネツク方面の攻撃ではなくポパスナ方面の突破でした。
今回、ウクライナ軍がクレミンナの攻撃を続けるためにはシベルスクの保持は絶対条件だと思います。
そしてそのシベルスクにとってアルチェモフスクからの補給線は文字通りの生命線で、もはや敵を誘引する余地が残されていないということなのでしょう。
逆に言えばそれだけウクライナが東部奪還にかける思いは本気なのだと思います。
ソレダルはワグネルがいったん包囲したあとに、
ロシア(スロヴィキン)が包囲を一部解くよう指示したのかもね。
古来から敵に逃げ道作った方が、死にものぐるいの抵抗も少ないし、
撤退した場合は追撃で追加ダメージを与えられる。
敵がまだ奪回の可能性があるかも?と期待をして追加の戦力を
投入してくれば、有利な地形から延々とすり潰せる。
スロヴィキンは昨年10月から一貫して堅実な戦略しかとっていない。
隙がないんだよね。
情報が錯綜してますね。ロシア側は掃討戦中と主張していますが、いずれにしてもロシア側・ウクライナ側双方で戦闘自体(戦闘の質の違うはあれ)は継続していると認めているようです。