米空軍は老朽化したF-15C/Dを更新するためF-15EX導入予算を獲得したが、議会はF-15EXの有効性を証明できるまで導入数を2機に制限している。
参考:The Air Force is issuing contracts for its new F-15EX fighter jet
米空軍とF-15EXを完全に信用していない議会は同機購入を2機に制限中
米空軍は1990年代に導入した「F-15E」と1970年~1980年にかけて導入した「F-15C/D」を運用中だが、蓄積した飛行時間と老朽化によりビンテージのF-15C/Dは機体構造の耐久性が限界を越え、最高速度を制限しなければ運用の継続が難しくなっている。さらに機体構造の定期的な検査や頻繁な故障のせいで1時間あたりの飛行コストはF-35Aよりも高価になっている。
補足:国防総省が公開した資料によれば、空軍機の1時間あたりの飛行コストはRQ-4B:4,716ドル、A-10C:6,863ドル、F-16C:9,054ドル、F-35A:16,952ドル、F-15E:17,408ドル、F-15C:22,489ドル、B-52H:35,788ドル、F-22A:40,385ドル、B-1B:42,305ドル、B-2A:60,082ドルだった。
そのためF-15C/Dを導入中のステルス戦闘機F-35Aではなく、カタール向けのF-15QA(F-15Eベースの改良機)を米空軍仕様に改良したF-15EXで更新する予定だ。
今更、新規にF-15を購入することについて懐疑的な意見が多く、トランプ政権下で国防副長官に就任した元ボーイング上級副社長のパトリック・シャナハン氏(その後に辞任)がF-15EX導入を働きかけた疑いで告発されたりと問題が多かったが、2020会計年度予算に8機のF-15EX導入予算を盛り込むことに成功した米空軍は最終的に144機のF-15EX導入を目論んでいる。
計画では2020年に8機、2021年から2024年までに毎年18機を導入して計80機を取得し、2024年以降にも64機のF-15EXを取得することを要求しており144機導入に必要なコストは約78億ドル(約8,500億円)と見積もっているが、議会は米空軍が主張するF-35とF-15EXを組み合わせを信用しておらず、空軍長官が報告書を提出するまでF-15EXの発注を2機に制限している。
要するに米空軍は2020会計年度予算案にF-15EX導入費用を滑り込ませるため、F-35AとF-15EXの組み合わせによる効果や空軍全体の戦力構成に関するプラン、F-15EX取得に関する計画やリスクに関する問題を議会に報告せず、無理やり議会に認めさせたため報告書を提出するまで承認した予算を全額使わせないと言っているのだ。
最も問題視されているのは、当初提出された2020会計年度予算案に第4世代戦闘機の購入は含まれておらず、当然登場したF-35AとF-15EXの組み合わせによる素晴らしい未来を裏付けるデータが欠落しており、F-15EXの有効性を証明し議会を説得できなければ144機導入という計画自体が吹っ飛ぶことになる。
米空軍からの発注を心待ちにしているボーイングは昨年4月、ミズーリ州セントルイスにあるF-15製造ライン拡張(月産1機→3機)に乗り出しており、仮にF-15EXが2機発注で終わるようなことになれば、22年ぶりに赤字に転落し今後数年は737MAX問題で厳しい状況が続くボーイングにとって悪夢としか言いようがない。
一応、イスラエルがF-35追加導入の代わりにF-15EXを選択する可能性が残っているが、本命の米空軍需要がなければF-15製造ラインの命運は尽きたのも同然だ。
果たして、米空軍はF-15EXの有効性を証明し議会を説得することが出来るだろうか?
※アイキャッチ画像の出典:ボーイング
どう見てもF-35とF-15の組み合わせ・・・前衛ステルス機が敵を探知捕捉して後衛非ステルス機がそれを撃つって戦術は破綻してるでしょ。
この戦術が成立するためには後衛の非ステルス機は敵を圧倒する長射程兵器を装備していなければならない。
射程が同等であれば遥か遠方から丸見えの後衛非ステルス機は自身の攻撃タイミングで当然敵からも射撃される。
これでは後衛は前衛ステルス機から敵の目を逸らす為の囮としてしか機能せず機体も乗員も事実上の使い捨てになってしまう。
大事なステルス機を守る為なら旧型の非ステルス機はいくら損耗してもかまわんと言うなら話は別だが・・・。
対地対艦攻撃を無人機やステルス爆撃機から長距離ミサイルに任せて残りはF35で空戦てのが理想な気がするが、なかなかアメリカ軍も混乱しているようだ。
F-15EXってのはF-15Eをベースとする複座型の多用途戦闘機型がF-15EXなんですかね?
https://trafficnews.jp/post/85525
・F-15EX取得に関する計画やリスクに関する問題を議会に報告せず、無理やり議会に認めさせたため報告書を提出するまで承認した予算を全額使わせないと言っているのだ。
これが真実ならストップがかかるのも当然ですね。
全体導入80機予定から→2機ではなくて、2020年当初は導入予定だったF-15EX 8機が2機になり、その運用効果を実証しないと予算通さないって事なんですね
今更F-15よりもF-35のビーストモードの拡張に金かけた方がマシって思うわね
直近ならともかく数十年後の軍事環境にF-15が144機残ってるとか負債でしかない
ボーイング救ってほとぼり冷めたら途上国に中古で売り払うつもりなんだろうか
やれやれ…焦ってF-15FX導入を強行する為に、議会に対してロクな説明をしないまま予算を通したのか。
そりゃ、予算関係の審議については日本の国会よりもシビアな米議会が怒るわい。
そもそも、F-15と言う半世紀前の設計の戦闘機を今更導入しようと言うのが無理筋だったのだから、米空軍は潔くF-15FXを諦めて、我が日本のF-3開発に相乗りした方が良いんじゃないの?
勿論、F-2開発の時の様な無茶振りをすれば、日本は英BAEの方へ逃げるだろうから、それなりの「飴」を持って来る必要はあるけどね。
そして、話が通ったらボーイングに米空軍向けF-3の生産をさせれば、同社の救済になる(以上、壮大な冗談)。
FX・・・・?
レバレッジ効かせ過ぎだね。
匿名さん、全てF-35Bさん、投稿者です。
済みません、F-15EXの誤りでした。
以前、空自のF-X選定の際にあったF-15FX案と混同していました。
申し訳ないです。
そんなにF-15C/Dって消耗していたんだ。
なんとか、機体寿命を延伸できないものかな。
いっそ、ボーイングにF-35をライセンス生産させるとか。
ところで、まだ機体寿命のある自衛隊機は、大事に乗ってもらえているんだね。
Pre機を米軍に譲ってあげたらどうかな。
空自F-35B導入時に空自のF-15SJを米国に売却する、という話は以前から出てますね。
アメリカもF-14みたいに敵対国にF-15のパーツが流れることは防ぎたいはずなので、旧式機を回収する意味はありそうです。
F-16Vが生産されるならF-15EXだってメリットはあるだろうが、それならF-16Vで代替すればいいじゃん。いっそF16ボーイングで作れば?(笑)
ディープスロートとか搭載兵器のサイズではF-15にしかないアドバンテージはあるんだけどね、あと航続距離とか
Pre機なんて戦争じゃまともに役に立たないからw
でもやっぱりボーイングの救済事業にしか見えないよねぇ、次の開発の目処が立たないなら延命してもしょうがない気もするけど
F-15Eは戦闘”爆撃機”であり制空戦闘機として作られたF-15Cとは別物。
後続距離も運動性能もF-15Cが勝っている。
◎F-15C ≪制空戦闘機≫ 1970年代に制空権バトルに開発されたコンバット制空戦闘機
機体は軽く小回りロールあらゆる運動性能で他の追尾を許さない空中戦専用機。
実戦の撃墜率は「117対0」で完勝!88回の出撃で撃墜されたことは一度も無い。
撃墜した117機はMiG-21、MiG-23、MiG-25、MiG-29、Su-7、Su-17、Su-22、
Su-25、F-4E、ミラージュF1、IL-76、PC-9、Mi-8、Mi-24、SA342等全てに勝利!
まさに無敵の空のエースコンバット機である。
◆F-15E ≪戦闘爆撃機≫ 1989年、爆撃機F-111の後継として新規開発された爆撃機がE型。
爆撃が目的なので空戦能力より爆弾を重搭載して地上攻撃が目的とするマルチロール機。
機体が重く鈍重なので”空中戦”には向いておらず撃墜実績も無い。
「砂漠の嵐作戦」でF-15Cの護衛を受けながら地上攻撃に参加したが3機が撃墜
されてしまった。
F-15Eは戦闘”爆撃機”であり制空戦闘機として作られたF-15Cとは別物。
後続距離も運動性能もF-15Cが勝っている。
◎F-15C ≪制空戦闘機≫ 1970年代に制空権バトルに開発されたコンバット制空戦闘機
機体は軽く小回りロールあらゆる運動性能で他の追尾を許さない空中戦専用機。
実戦の撃墜率は「117対0」で完勝!88回の出撃で撃墜されたことは一度も無い。
撃墜した117機はMiG-21、MiG-23、MiG-25、MiG-29、Su-7、Su-17、Su-22、
Su-25、F-4E、ミラージュF1、IL-76、PC-9、Mi-8、Mi-24、SA342等全てに勝利!
まさに無敵の空のエースコンバット機である。
◆F-15E ≪戦闘爆撃機≫ 1989年、爆撃機F-111の後継として新規開発された爆撃機がE型。
爆撃が目的なので空戦能力より爆弾を重搭載して地上攻撃が目的とするマルチロール機。
機体が重く鈍重なので”空中戦”には向いておらず撃墜実績も無い。
「砂漠の嵐作戦」でF-15Cの護衛を受けながら地上攻撃に参加したが3機が撃墜
されてしまった。
F-15Eの実戦記録についてだけど、実は「砂漠の嵐作戦」で、Mi-24をレーザー誘導爆弾で撃墜した実績があるよ。
あと「砂漠の嵐作戦」で撃墜されたF-15Eは全て対空砲火(SAM、AAA)による物で、イラク空軍の戦闘機に撃墜されてはいないから、F-15Cの護衛は関係無い。
と言うか「砂漠の嵐作戦」の空中戦で撃墜された多国籍軍機は、1991年1月17日の開戦初日にイラク空軍のMIG-25に撃墜された米空母サラトガの第81戦闘攻撃飛行隊所属のF/A-18C 1機だけとされているけど。
ドライ出力/空虚重量
F100-PW-220×2/F15C=14600lb×2/28000lb=1.04
F100-PW-229×2/F15E=17800lb×2/31700lb=1.12
機内燃料
F15C:7836l
F15E:7643l+2737l×2=13117l
出力重量比も機内燃料搭載量もF15Eのほうが上回ってるのに、「後続距離も運動性能もF-15Cが勝っている」とか一体どこの世界の話なんですかね?
2019年のボーイングは737MAXのトラブルもあって20億ドルの赤字だそうで。
当面は少なくとも100億ドルを金融機関から調達してしのぐとの報道があるものの、
このままでは3〜4年程度で慢性的な赤字体質に陥るとの観測も出ているようです。
F-15EXの売り上げもそうですが、会社の存続を考えると
それ以外の軍事関連のビジネスもほとんどミスが許されない状況にあるのかもしれません。