米国関連

空母への着艦に非対応な謎仕様? 米海軍の次期訓練機プログラムが始動

アレスティングワイヤーによる着艦に対応しなくてよいという謎仕様の米海軍の次期訓練機プログラムが動き出した。

参考:US Navy begins search for next jet trainer to replace T-45 Goshawk

海軍の次期訓練機は空母への着艦や発艦に対応しなくてOK?

米海軍は5月14日、約30年近く運用してきたジェット訓練機T-45「ゴスホーク」の後継機プログラムに着手した。

現在運用中のT-45は英国のBAeが開発したホークを米国のマクドネル・ダグラス(現ボーイング)が空母での運用に耐えられるよう設計し直した機体で、1990年代から200機以上生産され海軍パイロットの空母発着艦訓練などに使用されてきたのだが運用開始から30年近くが経過したため海軍が後継機探しを本格化させたという話だ。

しかし、要求される仕様や性能を見るとT-45の正統な後継機なのは非常に怪しい。

出典:Public Domain 空母アイゼンハワーに着艦するT-45

T-45の最大特徴は空母への着艦やカタパルトによる射出(発艦)にも対応している点なのだが、海軍は次期訓練機に空母への着艦や発艦に対応しなくてよいと明記しているのだ。一応、空母でのタッチアンドゴーに対応するよう要求はしているので限りなく着艦に近い訓練は行えるのだが、やはりアレスティングワイヤーによる着艦に対応しなくてよいというのは中々の謎仕様だ。

ただ海軍は次期訓練機にF/A-18E/Fが備えている「精密着艦モード」統合の可能性について言及しており、海外メディアは海軍の次期訓練機について2つの可能性を挙げている。

出典:Public Domain 空母から発艦するT-45

1つ目はアレスティングワイヤーで機体を拘束して停止させる実際の着艦は機体構造へのダメージが大きいので、次期訓練機はF/A-18E/Fが備えている「精密着艦モード」を利用して着艦訓練をタッチアンドゴー(着艦訓練はこれで十分という意味)に止めれば機体寿命が伸び訓練コストの削減に繋がるという可能性と、2つ目は現在運用中のT-45の機体寿命は2040年頃まで残っているため、次期訓練機に実際の着艦以外の訓練を担当させてT-45の機体寿命を伸ばし「空母への着艦専用機」として併用する可能性だ。

どちらの可能性も斬新過ぎるので何とも言えないが、今回海軍が明らかに仕様や性能はごく一部らしいので次期訓練機の全容が明らかになれば、なぜ空母への着艦や発艦に対応しなくてよいのかハッキリするだろう。

出典:ロッキード・マーティン T-50

因み、海外メディアは海軍の次期訓練機プログラムにはボーイングとサーブが提案して米空軍の次期訓練機に選ばれたT-7A、ロッキード・マーティンと韓国航空宇宙産業が共同で提案したT-50A(T-7X)、レオナルドが提案したT-100が参加してくるだろうと予想しており、中でも唯一の双発機であるT-100が有利かもしれないと言っている。

もし米空軍の次期訓練機選定「TXプログラム」に破れたT-50Aが再び海軍の次期訓練機プログラムに挑戦することになれば、韓国メディアが黙っていないだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain T-45 ゴスホーク

F-21はお蔵入り? インド、海外製戦闘機調達を国産戦闘機「テジャス」に変更か前のページ

英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」で原因不明の水漏れで艦内が水浸しに次のページ

関連記事

  1. 米国関連

    意味不明、米国の国際空港で仏製空対空ミサイルが発見され大騒ぎ

    米国のフロリダ州レイクランド・リンダー国際空港で輸送用コンテナからフラ…

  2. 米国関連

    米海軍がアメリカ級強襲揚陸艦4番艦を発注、米空軍は秘密予算廃止を訴える

    米海軍は4月30日、アメリカ級強襲揚陸艦4番艦(LHA-9)をハンティ…

  3. 米国関連

    日本には影響なし、米議会が英国や韓国に米軍のF-35配備を禁じる法案を検討

    衝撃的な話が飛び込んできた。米国がファーウェイ製通信機器を使用している…

  4. 米国関連

    米海兵隊、岩国基地のF/A-18DをF-35Bに更新すれば対艦攻撃能力を喪失

    米国の経済誌「フォーブス」は28日、米海兵隊は日本の岩国基地に配備して…

  5. 米国関連

    安泰のロッキード・マーティン、F-16V受注急増で総生産数5000機超えも

    ロッキード・マーティンは9日、F-16の総生産数が5,000機を越える…

  6. 米国関連

    27時間燃え続ける米海軍のワスプ級強襲揚陸艦、懸命な消火活動が続く

    米海軍のワスプ級強襲揚陸艦6番艦「ボノム・リシャール(LHD-6)」は…

コメント

    • 名無し
    • 2020年 5月 17日

    英国面に落ちていない、かわいくて味のあるデザインだな。

    • 匿名
    • 2020年 5月 17日

    オミットするかはともかく、設計段階では盛り込んだ方が良いのでは?

    • 匿名
    • 2020年 5月 17日

    最近、何が目的かわからない計画が多いな。
    世界がおかしくなっているのか?
    今後は、空母もF-35Bを運用すると言う事か?
    または、有人機は不要になったかな?

    • 匿名
    • 2020年 5月 17日

    海野十三の浮かぶ飛行島という作品に登場するギミックで
    「それは御心配には及ばん。飛行甲板は、戦車の無限軌道式になっていて、猛烈なスピードでもって飛行機の飛びだす方向と逆に動くのです。」
    というのがあるが、まさかこれが実用化出来たとか?

    • 匿名
    • 2020年 5月 17日

    電磁カタパルトは蒸気と違って射出中に出力変えられるから機体の寿命が伸びるって話を何処かで読んだなあ

      • 匿名
      • 2020年 5月 17日

      射出中に出力変えられるからではなく、蒸気カタパルトだと機体ごとに蒸気圧を大まかに変える程度だったのが、電力調整で任務ごとの兵装単位で細かく加速度を設定できるのでダメージを最小にできる。
      ただ、それを設定するためのパラメータの取得がフォード級がまともに動かないからできないので、逆に負担をかけてしまったりしていた。

    • 匿名
    • 2020年 5月 17日

    空母へのアプローチだけ出来るようになっておけばいいって発想なのかな?
    その後はF/A-18使ってぶっつけ本番みたいな。

    • 匿名
    • 2020年 5月 18日

    韓国はT-50Aで、海軍練習機に挑戦するかな?
    その場合、塩害対策をする必要があると思うが、その能力があるのかな?

      • 匿名
      • 2020年 5月 19日

      設計変更を伴うので全てロッキードマーティンの仕事、韓国には一切ワークシェアリング与えない、でないと採用されない。

      • 匿名
      • 2020年 5月 20日

      結構本気で考えているかも。
      韓国は空母を持つかもしれないので。

    • 匿名
    • 2020年 5月 19日

    この条件以外にも、次期正規空母艦載機の研究予算不許可の話とかなかったかな?

    そう考えると、今後正規空母はSTOVL機をしばらく運用する方向に舵を切るのでないか。F-35Bを大量購入してさらなる量産効果で安くあげ、Cを減らすとか。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    空飛ぶスナイパー? ロシアの戦闘機「Su-57」は米軍の航空支配を効果的に破壊す…
  2. 軍事的報道

    国産防衛装備品の海外輸出が実現!フィリピンが日本製警戒管制レーダー「J/FPS-…
  3. 欧州関連

    再掲載|導入自体が間違い?タイフーンを導入したオーストリアの後悔
  4. 軍事的雑学

    ようやく本領発揮、世界最強の戦闘機F-22Aが「神の視点」を味方に提供
  5. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
PAGE TOP