米国関連

米空軍がRQ-4の運用終了を発表、Block30に続きBlock40も2027年に退役

米空軍はRQ-4 Block30に続きBlock40も退役させ「2027年9月までにRQ-4の運用を完全に終了する」と発表、もし議会が認めればRQ-4を運用する国はNATO、韓国、日本の3ヶ国=計12機だけになってしまう計算だ。

参考:Air Force’s RQ-4 Global Hawk drones headed for retirement in FY27

RQ-4の維持コストは2027年以降、Block40を運用するNATOとBlock30を運用する韓国と日本にのしかかって来る

米空軍は複数保有する情報収集・監視・偵察(ISR)戦力を整理して将来戦力への投資資金を捻出するためE-8×4機やRQ-4 Block30×20機の退役を提案、議会との交渉は難航を極めたが2022年度の国防権限法(毎年の国防予算の大枠を決める法律)で退役が認められ、ノースロップ・グラマンへのBlock30売却が6月から始まっており、新たなセンサーを搭載する改修作業を経てテストリソース管理センターで極超音速ミサイルのテスト業務に使用されるらしい。

出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Juan Torres

米空軍はBlock30の退役作業を2023年までに完了する予定だが、在庫に残る9機(本来は10機だったが昨年事故で1機喪失)のBlock40についても「2027年9月までに退役させてRQ-4の運用を完全に終了する」と発表、RQ-4が担ってきた任務は極秘裏に運用が開始されているRQ-180やMTIが組み込まれたレーダー搭載衛星(開発中)に引き継ぐつもりなのだろう。

RQ-4ベースの海上監視型=MQ-4C Tritonは米海軍(19機調達までは確定しているが以降の調達分は予算化されていない)とオーストラリア空軍(6機)が導入中だが、調達コストが非常に高価(1機1億ドル以上)で新たに採用する国もなく先行きが不透明だ。

出典:ノースロップ・グラマン

NATOはBlock40を5機、韓国はBlock30を4機、日本も韓国と同じBlock30を3機(引き渡し中)を導入したが、MQ-4Cとは搭載するアビオニクスが異なるため共通性が低くく、Block40とBlock30もセンサーパッケージ(Block40は地上や海上の移動目標を監視するため逆合成開口レーダを搭載)が異なるためRQ-4の維持コストは2027年以降、Block40を運用するNATOとBlock30を運用する韓国と日本にのしかかって来る。

勿論、2027年9月までに退役させてRQ-4の運用を完全に終了するという米空軍の計画を「議会が認めれば」の話だが、、、

関連記事:米空軍がRQ-4/Block30を手放す、米議会はF-22退役の提案を拒否

 

※アイキャッチ画像の出典:Air Force photo by Senior Airman Elora J. McCutcheon

中国がサウジアラビアとFC-31輸出交渉、技術移転と現地生産を提案前のページ

トーネード後継機問題、米国務省が推定84億ドルでドイツへのF-35A売却を承認次のページ

関連記事

  1. 米国関連

    米統合参謀本部議長、民間人の犠牲が増えるほどハマス根絶は困難になる

    テロリズムの専門家もパレスチナ自治政府のシュタイエ首相も「イスラエル軍…

  2. 米国関連

    F-22よりも価格が高い?米海兵隊が開発した「世界で最も高価」なヘリコプター

    B-2爆撃機や、エアフォースワンなど大型の軍用機以外で、最も高価な軍用…

  3. 米国関連

    世界初となる衛星打ち上げ用の無人航空機「Ravn X」を米企業が発表

    米企業「Aevum」は3日、小型ペイロードを地球低軌道上に低コストで打…

  4. 米国関連

    中国の偵察能力を飽和させる方法? 新マンハッタン計画は米海空軍協力の象徴

    米海軍の最新鋭「ジェラルド・R・フォード級空母」2番艦が12月7日、洗…

  5. 米国関連

    米国がバフムート放棄を提案、ゼレンスキー大統領が決断出来るかは微妙

    CNNは「バフムートを放棄して南部での反撃を優先させるべきだと米国がウ…

  6. 米国関連

    再掲載|宇宙を作戦領域とする「宇宙軍」の武器とは何なのか?

    日本でも宇宙空間を作戦領域とする「宇宙作戦隊」が誕生したが、果たして宇…

コメント

    • ななし
    • 2022年 7月 29日

    いつも思うだけど、グローバルホークって「意外とデカい」感じあるよね。
    RQ-180も良いけど、同盟国用・輸出用として安価な物を用意しとかないと、ただでさえ高いのに、他国にシェア取られると思うけど。
    普通に随伴機、ミサイルキャリアに出来んのかねぇ。

    9
    • 戦略眼
    • 2022年 7月 29日

    完全にババひいたな。

    31
      • 無無
      • 2022年 7月 29日

      軍事環境のスピードが変化してるのに、調達の意志決定が間に合ってない
      良いものを長く愛用する古き良き時代から、安物の使い捨て感覚に意識を変更しないと目まぐるしい現実に取り残される
      今や朝令暮改は正義だよ

      15
        • バーナーキング
        • 2022年 7月 29日

        それどころかグロホは一回中止仕掛けたんだよな。
        あそこで損切りできてりゃなぁ…。

        17
    • ななし
    • 2022年 7月 29日

    自衛隊がいらないって言ってるのに当時の政治家が買ったんだよなぁホント税金の無駄遣い
    そんな金があるなら国産UAV開発に予算付けろよ

    51
    • ブルーピーコック
    • 2022年 7月 29日

    米空軍はRQ-4退役の理由付けのためにRQ-180を公開するのかな。

    公開したらしたでズムウォルト状態だったら目も当てられないが

    3
    • 成層圏
    • 2022年 7月 29日

    よく自衛隊が馬鹿だった的な批判があるが、将来のことは誰も分からないので仕方ない部分も多いと思う。
    それを言ったらアメリカ海軍は超大馬鹿だ。
    政治的に買わされた批判も、外交上仕方ない部分もあるだろう。
    過去に自動車や半導体で頭角を現した日本を欧米がボコボコにしたことは終生忘れてはない。
    上手く同盟国の虎の尾を踏まず、防衛力を上げることは大変難しい外交だと思う。特に敗戦国の日本は。

    47
      • あらら
      • 2022年 7月 29日

      全面的に賛成ですね
      そんな行動力と識見のある政治家居ないかなぁ

      11
      • STIH
      • 2022年 7月 29日

      >過去に自動車や半導体で頭角を現した日本を欧米がボコボコにしたことは終生忘れてはない。
      日本憎しで中国に入れ込んだ結果、中国の急膨張を招いたんだから、どうしようもない。しかしやっとその時代が終わったわけで、日本が東アジアで数少ない、話がわかる国だってことを、欧米の連中も理解したでしょう。これこそが安倍首相最大の功績だったと思ってます。
      しかし
      >特に敗戦国の日本は。
      敗戦国だから防衛力を上げるのが難しいのではなく、アメリカと中国•ロシアという大国に挟まれている立地こそが問題です。どんなに気をつけたって中露が弱体化すれば、次のターゲットが日本になるのは自明です。また単独の陣営を作る試みは太平洋戦争の結果を見れば不可能です。故に外交で難しい舵取りを迫られるのは、運命としか言えないと思います。

      16
    • ネコ歩き
    • 2022年 7月 29日

    運用維持が厳しい状況になれば、代替機の目処が立ち次第、防衛省も早期の用途廃止を計画したほうが良いんでしょうね。
    同様機種は防衛上不可欠な装備になるでしょうし、継続的運用研究のためにも代替機に引き継ぐまでは維持すべきとは思います。
    2030年頃に要素技術が揃う見込みの第4分類国内開発機でも良いが、米軍との相互運用性を確保できるコスパに優れた海外製品が登場すればそれも選択肢かと。

    16
    • 名無しさん
    • 2022年 7月 29日

    米製ドローン買って「駄目じゃん」と なったらなったで、時期主力戦闘機開発のパートナーに「この度はご縁が無く」とアメリカに言えるようになるのは小さくない気がする。

    4
    • かず
    • 2022年 7月 29日

    MQ-4C Tritonにも赤信号ならP-8を買った国はどうなんのかな

    17
      • 名無し2
      • 2022年 7月 29日

      防衛産業は全て詐欺商品でありジョークグッズです

      3
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  2. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  3. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  4. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  5. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
PAGE TOP