ノースロップ・グラマンは21日、現在使用されている魚雷よりも圧倒的に小型化された新型魚雷のプロトタイプを発表した。
参考:Northrop Grumman Builds Very Lightweight Torpedo for US Navy
ノースロップ・グラマンは大型魚雷Mk.48に比べて1/16に軽量化した小型魚雷VLWTを発表
ノースロップ・グラマンが発表した新型魚雷のプロトタイプは全長2.15m、重量99.8kgという小型魚雷で、米海軍の原潜が攻撃用に使用しているMk.48(全長5.8m/重量1.6t)や対潜用短魚雷Mk.54(全長2.72m/重量275kg)よりも圧倒的に小型軽量化されているのが特徴で、同社はこのプロトタイプを「Very Lightweight Torpedo(VLWT)」と呼んでいる。
このVLWTは米海軍が今年10月に開始する予定の小型速攻兵器プログラム(CRAW)に提案兵器として提出するとノースロップ・グラマンは言っているため、恐らくVLWTの正体は魚雷迎撃用魚雷である可能性が非常に高い。
米海軍は今後予想される小型の水上/水中ドローンの登場に対応するため小型で軽量化された魚雷が必要と考えており、それを実現するのが小型速攻兵器プログラムだ。
ただ小型で軽量化された新しい魚雷はドローン攻撃だけではなく潜水艦の対魚雷防御として使用できることも要求されているため魚雷迎撃用(※1)にも使用できなければならず、ノースロップ・グラマンは米海軍が小型速攻兵器プログラムを立ち上げる前に、その問題を解決するVLWTを開発して見せたというわけだ。
※1補足:米海軍は高価値の水上艦(特に空母)を魚雷攻撃から守るため魚雷迎撃用魚雷を開発して一時的に空母搭載していたが技術的な問題で2019年2月全て撤去=開発中止の過去があるため、今回CRAWが実用化すれば水上艦の対魚雷防御システムとして採用されるかもしれない。
しかもノースロップ・グラマンはVLWTを実戦投入する準備は整っていると言っているため、もしかするとVLWTのプロトタイプは完成度が非常に高いのかもしれない。
どちらにしても世界中の海軍では水上/水中ドローンに対応するため小型魚雷開発が進められており水上艦用の魚雷迎撃用魚雷もドイツで実用化されつつあるが、潜水艦が使用する魚雷迎撃用魚雷の開発は恐らく世界初だろう。
果たして、どのような仕組みで高速で向かってくる魚雷に魚雷をぶつけるのか気になるが、もし実用化すれば水中での潜水艦同士の戦いは全く新しいものに生まれ変わるかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:ノースロップ・グラマン
99.8kgって俺より軽い……
水上艦はともかく潜水艦で使う場合どうやるんだろう
口径は分からないけど全長はMk.48の半分のサイズだから専用キャリアに前後2連装して発射管からキャリアごと打ち出す感じ?
直上からの短魚雷や後方からの長魚雷にはリアクションタイム足りないかな?
VLS内に多連装?開いてる内に着弾しそう
写真を見る限り直径は12in前後のようなので
長魚雷用の21in魚雷発射管からスイムアウトで射出するのかな?
でもVLWTって水上艦艇用の対潜短魚雷よりも小さくて軽いから
小改良で水上艦艇の短魚雷発射管からも運用できそう
不確実すぎる誘導方法のものに搭載量を割くくらいなら網でも張った方がマシなのでは…
弾道ミサイル防衛でも思うんだけど、近接信管で接触信管付きの爆薬仕込んだ壁か網展開できんものかといつも思うんだよね。点防御より面防御の方が当然良い訳だけど技術的にはどうなのだろうか。
弾道ミサイル迎撃システム開発初期の頃にそういうアイデアあったよ
採用されなかったから問題があったんだろうね
この分野はドイツが先進的過ぎる
流石U-ボートで世界を震撼させた国か
潜水艦からってコレどこから発射するんだ?
魚雷発射管に4~5発入のキャニスターでもインストールするのか?
迎撃目的で散布するならそういう方式になりそうですね。
迎撃用にこの魚雷を積んだ水中ドローンを同時展開してデコイにも運用するとか?
そうだろうね。
少なくともミリオタが思いつく程度のことは、専門家は全部検討したり試してるよ。
その結果いま存在してないってことは、まあそういうことだね。