米海軍は次期戦闘機「F/A-XX」開発をすすめるためF/A-18E/F BlockⅢの調達中止や開発予算を要求する前に、まずは具体的な計画を示せと議会は言っている。
※本記事は2020年6月17日に公開した記事の再掲載です。
参考:With the future of the US Navy’s carrier air wing murky, Congress demands a plan
鶏が先か、卵が先か、米海軍と議会が陥ったジレンマ
海軍は次期戦闘機「F/A-XX」の開発予算を捻出するため2021年から計78機調達を予定しているF/A-18E/F BlockⅢを24機調達で打ち切り、この資金をF/A-XX開発に回すと言い出して議会を困惑させている。
海軍が開発に取り組んでいる次期戦闘機「F/A-XX」は2030年頃の実用化を目指していると言われているが、海軍は現状でも戦闘機不足(現時点で49機不足している)に悩まされているのにF/A-18E/Fの調達を2021年で打ち切ればF/A-XXが完成するまでの10年間は今以上の戦闘機不足に陥るのは確実だと議会は心配しているのだ。
さらに付け加えればステルス戦闘機F-35C調達も当初の予定より遅れたため、2015年に打ち切る予定だったF/A-18E/Fの調達が現在でも続けられており、新規で開発される戦闘機の完成予定が如何に当てにならないかをよく物語っている。
以上のような理由からF/A-18E/F BlockⅢの調達資金をF/A-XX開発に回すという海軍の提案は議会としては容認できない。
しかし海軍からすれば、このような苦肉の策で資金を捻出しないといけない状況に追い込んだのは議会のせいだと思っているフシがある。
同時期に開発が進められている空軍の次期戦闘機F-Xは2020年に開発予算として10億ドル要求したが議会に10%削られただけで約9億ドルの開発資金を手に入れているのに対し、海軍はF/A-XX開発予算として2,070万ドルを要求したが議会に66%削られ710万ドルしか認められなかった。
要するに議会が開発資金を与えてくれないのなら、手持ちの予算から何かを削って開発予算を確保するしか手段がないのでF/A-18E/F BlockⅢの調達を打ち切ろうとしてるのだが、これを議会が否定するなら十分な開発予算をくれと言いたいのだろう。
しかし議会にしてみれば空軍に予算を与えて海軍に予算を与えないのには理由がある。
空軍のF-Xは具体的な構想(デジタル・センチュリーシリーズ)が示されているため議会としても資金提供に同意することが出来るが、海軍のF/A-XXは何ら計画が示されていないため資金を出せと言われても認める事ができないのだ。
さらに海軍は中国やロシアの極超音速兵器や長距離攻撃兵器から空母をどのように守るのかという議会の疑念にも答えを示していないため、そこに搭載する戦闘機の新規開発に資金を提供しにくいという側面もある。
このような理由にため、議会は海軍に資金を要求する前にF/A-XXの計画を持ってこいと言っているのだが海軍は予算不足を理由にF/A-XXの構想はまだ研究中だと言い張って譲らないのだ。
まさにこれは「鶏が先か、卵が先か」を地で行くジレンマだと言える。
果たして海軍は次期戦闘機F/A-XXの開発資金を手に入れる事ができるのか、それとも開発資金の確保に失敗して噂されている既存機の改造機=F-35CベースのF/A-XXになるのか、ここ1~2年で議会を説得出来るかにかかっているのかもしれない。
関連記事:新規開発?F-35Cの改良機?米海軍が選択を迫られる次世代戦闘機の行方
関連記事:米空軍、今年の夏に戦闘機開発の常識を覆すブレークスルーを議会で披露か
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Sophie A. Pinkham/Released
710万ドルの予算で完全新型機持ってこいといわれても困るは困るだろうな……。
ハイネマンをイタコで呼ぼう(白目)
>710万ドルの予算で・・・。
何度でも呼び出せて結果的に安上がり!
戦闘機自体は無理でも、「F/A-XXの構想研究費」としては十分な気がするけど、それすら足りないと言ってるのだよね。
米海軍さん、構想検討だけで幾ら費やすつもりなのかな?
まずそれやるには極超音速兵器の開発、もしくは最低限 信管がついてなくとも良いから
超音速ミサイルを開発することが、スタートする為の1条件なのだが、
710万ドルで開発しろと?そもそもそれ海軍がやる事なのか?と
デジタルセンチュリーの内の使えそうな一つを、回してもらうしかないな。
それがNGF!
NGFはもう水子になりましたよ、お爺さん
カタパルト空母を持つ予定の無い日本向けの開発で海軍型を作る訳ない。真面目なスタンスのブログであまり願望を垂れ流さないで…
一応結果を出した空軍と、失敗続きの海軍
の違いかな?
F/A-XXの正体はF/A-18E/Fのエンジンを強力な物に換装し新しい番号を付与して終わり、になったりして。
それならF/A-18E/Fブロック3の番号変えれば完成だな。実際ステルス性能が並な事以外海軍もスパホに不満なんてないだろと思うけど
20数年ぶり3度目のF-18ちゃん進化ですね
ウルトラスーパホーネットにでもなるのかしら?
いや、ハイパーホーネットになるだろ。
そしてその次はマスターホーネットになる。
ポケモンで草
最近の海軍のテイタラクを見たら、議会が簡単に金出さないのもしょうがないかなと。
議会(と言うかオバマ)が海軍の予算削減→しょうがないので人員削減→整備が滞るようになる
→予定が狂いそれを補う為さらによけいな費用がかかる→研究開発費削るしかないね
→議会「最近海軍ていたらくじゃね?」→議会が海軍の予算削減 ・・・
YF-○3「ワイが空母に載る可能性が微レ存!?」
素敵なハンドル名ですね。
LM製は遅延と費用高騰が続きましたから、その観点でだけですが次はNG製を期待しています。
NG製って、イニシャルがダメっぽい。
ならウリならのKFにするニカ?
どこかの〇〇最大手の中で似たようなケースがありましてね。
結局はつまらないメンツの話でしかなく、鶏か卵のどちらか片方を選んでとっとと進めろよという話でしかないんですよね。
個人的にはとっととF/A-18E/F BlockⅢを調達して、しかるべきタイミングでF/A-XX計画を進めればいいのでは?と思いますがね。
空軍と同じ6世代機を同タイミングで導入しなければならない、なんて理由はないですよね。
導入時期に差はあってもいいのでは?メンツが許さない?
いやー、面倒くさい連中だなと。
F-35Cの何がそんなに不満なんでしょうかね?
F-35との棲み分けや
仮想敵の空母攻撃能力向上を加味して
艦隊防空戦闘機が欲しい、とかかな?
今後のF-35の改良で達成されそうな内容ですね。
どんな戦闘機が欲しいのかサッパリ分からんので、予算も出ないよね。
全部F-35Cにすればいいじゃん
加速が良くて長射程ミサイルを使え、お供に無人機を引き連れられる迎撃機が欲しいんだよ
モスポールしてあるF-14を再整備すれば安上がりってことはない?
可変翼の整備にはロマンが必要なんですよ。海軍のロマン力はズムウォルトとフォードとLCSに撃沈されてしまいました…
F-14の加速が良い?
それ艦載できるF-3(研究中)じゃね?
とりあえず普通にF-35Cの推力増加の発展型にすれば良さそうだけどね。
海兵隊と空軍のお下がりみたいな機体なのでプライドが許さないのか?それともF-35Cが艦載機として致命的にダメなのか?
ライトニングって言う昔の空軍機の名前も良くないかも?
ズムウォルト級・フォード級・沿岸海域戦闘艦とやらかしが続きすぎてねぇ……
よく考えたらA-12から全然だね
LCSで失敗して、ズムウォルト級駆逐艦で失敗して、フォード級空母で失敗して、ヴァージニア級潜水艦で失敗して、無人戦闘攻撃機のX-47で失敗して、F-35Cも大幅遅延して、
新型兵器開発でことごとくやらかしてるのに、次の戦闘機開発は予定通り完成させるとか信じられるわけないし、予算が通らないのも残念でもないし当然。
>ヴァージニア級潜水艦で失敗して
失敗したのはシーウルフ級では?
今後マトモに新規戦闘機を開発できる国は中露二国のみになるだろうね
アメリカは黒人暴動でもうだめぽ
日本もいけるんじゃないかな
韓国は論外だけど
アメリカ海軍の場合はそもそも艦載機を載せるための船を
どうにかしなきゃならないって問題もあるからなあ…
そこは、ニミッツ級延命とアメリカ級量産で大丈夫。
韓国には縁の無い話