米CNNは「ロシア軍はキーウ郊外に配備されたパトリオットシステムの信号を傍受して位置を特定し、キンジャールで攻撃を仕掛けてきたが迎撃されて失敗した」と報じており、これが事実なら非常に興味深い。
参考:Russia tried to destroy US-made Patriot system in Ukraine, officials say
レーダー破壊を目論んだ攻撃か、極超音速ミサイルに対する迎撃能力を検証するためのテストか
ウクライナのDEFENSE EXPRESSは「キーウで見つかったミサイルの残骸はX-47(キンジャール)のもので、パトリオットシステムの運用が既に開始されていたことを考えると4日夜に極超音速ミサイルの迎撃に成功した可能性が高い」と指摘したが、空軍のイグナト報道官は「4日夜にキーウ上空で弾道ミサイルは検出されていない」と述べてキンジャール迎撃を否定、しかしオレシチュク空軍司令官は6日「キンジャールの迎撃は事実で歴史的快挙だ」と発表。
⚡️Німецькому журналісту видання BILD Полу Ронцгеймеру @ronzheimer показали головну частину збитої над Києвом аеробалістичної ракети Х-47М2 “Кинжал” pic.twitter.com/FJQmA232My
— Мілітарний (@mil_in_ua) May 10, 2023
匿名の米国防当局者も「パトリオットシステムがロシア軍の極超音速ミサイルの迎撃に成功したという主張には信頼がおける」と述べ、米国防総省のパット・ライダー准将は9日「パトリオットによってロシアのミサイルを撃ち落としたのを確認した」と明かしたが、どうやら4日夜の攻撃はキーウ郊外に配備されたパトリオットシステムが標的だったらしい。
パトリオットシステムはレーダー、管制システム、発電機、ランチャーで構成され、システム全体は移動可能でも使用するには停車する必要あり、AN/MPQ-53もしくはAN/MPQ-65は遠く離れた目標を検出するため強力な電波を発射するため、敵は大まかにパトリオットがどこに配備されているのか知ることができ、対レーダーミサイルを使用すればシステムのレーダーを破壊することができる。
CNNは米国防当局の話を引用して「ロシア軍はレーダーの信号を傍受してパトリオットシステムが配備されている位置を特定、キンジャールを使用して攻撃を仕掛けたもののウクライナ軍は迎撃弾を様々な角度で発射して迎撃に成功した」と報じており、これが事実なら4日夜に「パトリオットシステムとキンジャールの直接対決」が行われたことになるため非常に興味深い。
つまり軍事施設や民間インフラを狙うキンジャールをパトリオットシステムが迎撃したのではなく、パトリオットシステムが配備されている地点(正確言えばレーダーのみ)に向かってくるキンジャールを迎撃したという意味で、この攻撃の意図がパトリオットシステムのレーダー破壊にあったのか、極超音速ミサイルに対する迎撃能力を検証するためのテストだったのかは不明だが、ロシアは「キンジャールはパトリオットに迎撃される可能性がある」という教訓を得たはずだ。
因みに運用方法の工夫や回避軌道を調整してくると違った結果になるかもしれないので、キンジャールが大したことはないと侮るのは早計だ。
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※アイキャッチ画像の出典:kremlin.ru / CC BY 4.0 キンジャールを搭載したMiG-31K
すげえ、さむしむ!で、S200を攻撃するために発射されたHARMを、S200で撃墜するファイナルステージみたいだ!
キンジャールがパトリオットのレーダー電波を目標にしているのなら、
同じ電波を出すダミーを大量にばら撒けばロシア軍が混乱するのでは
自分のレーダーが使えなくなる。
車・航空機・艦船など、同じ帯域のレーダーを多数が使っているケースはありますが、何れも使えています。
レーダー波とは異なりますが、同じ周波数の水晶発振器(ついでに同じ型番の量産品)を二つ比較しても、微妙な周波数差(個体差)でビートが発生します。
他者のレーダー波による反射波か、自身のレーダー波による反射波か、判断する術が在るのかも。
レーダー波にはあまり詳しくありませんが、パトリオットのレーダーと同じ波長帯(バンド)・出力の電波を放出するのならそれはもうパトリオットのレーダーなわけで、ダミーにはならなくないですか?
電波行政的に、使用用途によって帯域は決められています(国によって多少異なるけど電波天文学用途みたいに各国共通な所もあります)。
レーダー波用途に割当てられてる周波数帯域もあり、パトリオットが使用しているのはレーダー波で多用されてる一つのC-Bandです。
周波数帯域だけではパトリオット以外もあり得ます。
あと、電波は距離の二乗に反比例して減衰します。
それ故に、遠くの高出力な発信源からの電波より、近くの低出力な発信源からの電波の方が受信強度が高くなる逆転現象も起きやすくなります。
周波数帯域と受信強度だけでは、相手を特定するのは難しいと思います。
数十km以上離れた複数箇所で同期処理した場合、多少話しは異なるでしょうが。
なるほど。
とすれば、パトリオットのレーダー波には一般のレーダー波と更に区別できる要素があったわけで、それをデコイに搭載するとすると、尚更パトリオットのレーダーそのものになってしまうんじゃないでしょうか・・。
レーダーは、当然ですが送信だけでは成り立ちません。
送信・受信・信号処理の三者が揃って機能します。
一方ダミーの場合、三者のうち送信だけを抜き出して安価に抑える事が可能です。
勿論、全て揃えて各々複数のユニットを備え冗長な系を構築するのでも良いですが、
そこはシステム全体を見ての損得勘定になるかと思います。
レーダーは発振制御装置、アンテナ、信号分析装置、その他電源や操作卓等から構成されてます。
デコイ専用機として使う場合ですが。
電波も常時最大出力を出すわけではなく、制御もある程度省略できるため、制御・電源系は簡略化。
送信専用かつ低出力なのでアンテナも安物で十分、分析系はまるごと不要です。
制御卓は減り、搭載車両は耐荷重や安定性の制限が緩くなり。
正規のレーダーよりも生産数も多いでしょうし、数分の1程度に安くなるんじゃないですかね。
パトリオットのレーダー波を模すデコイはすでに存在するのでしょうか。
今から作成するとなると、その為の期間とコストも考慮しなければならないので単純な発信装置と電源のみのユニットコストでは収まらないでしょうね。
かつて次期F-XでF-22のモンキーモデルの検討がされたとき、結局モンキーモデルの開発にもノウハウとコストがかかるため思いのほか安くならないという結論が出たのを覚えています。
本物のレーダー波との干渉も考慮しなければならなそう。
とはいえ本物を偽装するのに十分な効果が望めるのなら、間に合うかどうかは別として検討する価値はありそうですね。
ありがとうございました。
電波発振源のデコイっていうのは、技術的には簡単ですよ。
例えば、戦闘機に積まれるECMは、自機に向かってきた電波が跳ね返っていくのを真似て打ち返すことで距離を騙す物です。
一般的にはELINT機等が収集した情報を元に、事前プログラムした電波パターンから適切なものを選んで打ち返しています。
なのでこれを流用するだけでも、固定式レーダーのデコイは可能ですね。
もちろん、周波数帯等が一致する既存レーダーも、パルス幅やPRF等の変更でデコイになるでしょう。
レーダーで難しいのは、跳ね返ってきた信号を低ノイズで受信し、解析して航空機等の適切な目標のみを抽出することです。
単に電波パターンを真似して出すだけなら、既存機材流用で簡単にできますよ。
>電波発振源のデコイっていうのは、技術的には簡単ですよ。
>例えば、戦闘機に積まれるECMは、自機に向かってきた電波が跳ね返っていくのを真似て打ち返すことで距離を騙す物です。
余談ですが、アクティブタイプのデゴイだと、
対空ミサイルがセミアクティブレーダー誘導の場合は(射出型に比べて高出力を得やすい)曳航型のデゴイが優位だけれども、
対空ミサイルがアクティブ誘導の場合は射出型が必須のようです。
アクティブ誘導ミサイルに対して曳航型で対処した場合、下手すると一旦デゴイにミサイルを引きつけた後(比較的近くにいる)航空機本体へとミサイルを誘導してしまう逆効果のケースも在るので、航空機本体とデゴイとの距離を稼げる射出型が必要と。
両者の違いは、
セミアクティブ誘導だと発信源が後方にいて、(発信源~標的間の距離が支配的で)『ミサイル~標的間の距離』と反射波強度との間に相関が小さいのに対して、
アクティブ誘導だと発信源がミサイル本体なので、『ミサイル~標的間の距離』の二乗に反比例して反射波が増大し、途中からデゴイの欺瞞電波より航空機本体からのレーダー波の反射波が勝るようになり、セミアクティブ誘導と振る舞いが異なってくるみたい。
ついでに記すと、ECMでの対処が困難なのは、セミアクティブ誘導の様です。
セミアクティブ誘導の場合、母機からの電波情報は判るけど、ミサイルが受信する位相とかを予測する事が困難なのでECMが実質出来ないと言うか、下手にECMすると逆にミサイルを引き寄せる効果すらあり得るとか。
誘導の方式・デゴイの方式、それぞれに得意不得意が在るようです。
>送信専用かつ低出力なのでアンテナも安物で十分、
レーダーだとビームを絞る必要があるのに対して、
デゴイはなるべく広範囲に電波を飛ばす必要があるので、ビームは広めが嬉しいかと思います。
ビームが広めだと、必然的にアンテナゲインは低くなります。
アレーアンテナだと、素子数が少なくて済むと。
『送信専用』と言うより、上記な要因が強いような気がします >安価なアンテナでOK
いやいやレーダー側は当然自分が直前に発振した周波数も波形も事細かに把握しててどんな符牒でも好きに混ぜ込めるのに対して攻撃側は「相手が使ってる周波数帯」くらいしか把握してないんだから「デコイの発する電波と本命を識別する難易度」はレーダー側と攻撃側とでは全然比較にならんでしょう。
キンジャールやイスカンデルの誘導システムに対レーダーホーミング機能があるとは聞きません。誘導方式はGLONASS衛星測位システム誘導、遠隔コマンド誘導、慣性航法誘導、光学誘導とされています。
記事中に管理人さんも書いていますが、あらかじめパトリオットシステムが配備されている座標位置を特定して撃ち込んだものでしょう。
下手にちょっかいをかけたがために、かえって返り討ちになってしまいましたな。
>キンジャールを使用して攻撃を仕掛けたもののウクライナ軍は迎撃弾を様々な角度で発射して迎撃に成功した
キンジャールの回避運動を考慮して、キンジャール単発に対して多数の迎撃弾を打ち上げたのか。
通常の対地ミサイルに比べて、比較的少数で飽和攻撃を仕掛けられそう。
発射母機を発射前に撃墜したいですね。
ロシアのミサイル生産状況にもよりますが、S-300と混ぜて撃たれると、
早めに飽和攻撃が成立してしまいそうに思います。
とはいうものの、現状、方法がないですね。
長距離無人機で、ロシア機の発進前を叩くしかないのでしょうか。
防空側の発射数が多いならその内ジリ貧でキンジャールの餌食でしょうウクライナは喜べる話ではない
ロシア側も無限に撃てる訳ではないと思いますが防空側が複数発で防いでるのが分かったなら一斉投射で防空麻痺させて来そうですね
迎撃される可能性があるということは、目標を確実に撃破するためには飽和攻撃的に複数撃たなければならないということであり、貴重な兵器であるキンジャールを諸費させることはウクライナにはプラスではないでしょうか。
キンジャール数発に対して、パトリオットのレーダーユニットを相殺出来したら損な気がします。
キンジャールと言えども、ミサイルである以上、消耗品に過ぎないので。
ドイツの中古は全部処分したんかな
いや、韓国が導入したときですらそこそこな中古だったしな・・・
ミサイルは全部処分済みかなー
システム部分は残っているかもだが
今回のケースのように、基本的に自分に向かって飛んでくる標的を迎撃するのが一番迎撃難易度が低いようですが、これが自分に向かって飛んでくるわけではない別のターゲットを目指して飛んでいる極超音速ミサイルならどうなるのか。
横行目標を迎撃するのはさすがに厳しいでしょうかね。
しかし、レーダーにしろ電子戦にしろ使えば位置バレのリスクを負うため決して出し得ではないというのは勉強になりますね。
パトリオットでキンジャールを迎撃するのが初めてであるのなら、確実に迎撃するための保険とデータ取りを兼ねて様々な角度で複数発射するのは自然であるように思われます。
また飽和攻撃云々についてご指摘があり、たしかにロシアはs-300の対地版などミサイルの種類によっては今なお豊富に保有していますが、極超音速兵器とロシアが称するキンジャールは簡単に飽和攻撃を行えるほど数があるミサイルなのでしょうか?もし仮にそうであればこれまでそれを行ってこなかった理由が一体何なのか気になりますね。
キンジャールはイスカンデルの空中発射版とはいえ比較的新しいミサイルなのでそんなに在庫をもってないんじゃないですかね。開戦当初と比べるとここのことろイスカンデルもめったに撃ってこないようですし。
今回はパトリオットのレーダー装置の位置がわかったので、首尾よく破壊できたら宣伝に使うつもりだったのではないでしょうか。逆にパトリオットの宣伝に使われてしまいましたが…
専門家はキンジャールでもイスカンデルでも迎撃難易度には差がないのでPAC-3で迎撃できるのは当然という意見が多いようですが、実際やってみないとわからないことも多いですからね。
あと、迎撃側が1目標に対して複数の迎撃弾を発射するのは割とふつうで、アイアンドームも1目標に対して2発撃つと言われていますね。
その代わり目標識別能力を高めてデコイには撃たないとか、弾道弾にはキネティック破壊、その他の飛行目標は破片などきめ細かく制御しているようで、目標選定に自由度がある攻撃側の方が有利なのは折り込み済みみたいです。
ところで以前に言われてた「キンジャールを極超音速ミサイルと呼ぶのは色々誤解を招くからやめるべきだ。」って言説には賛成出来ない。
そういう言説の趣旨はおそらく、「今現在、高度な戦略に関する専門家達の間で一番ホットな話題は、核弾頭を積んで大陸間の長距離を高速・低空で飛行する、ICBMを置き換えるタイプの極超音速ミサイルについての事。これが戦略に関する一番大事な話題なんだから極超音速ミサイルという単語はそれに対してのみ使うべきで、キンジャールみたいな戦術的な兵器に対しては使うべきでない。」というものだと思うが、言葉というのは専門家だけのものではない。文字から導かれる意味を専門家達の暗黙の了解でわざわざ狭める方が誤解を招く。
例えば「在日」という単語は朝鮮半島問題や移民問題の専門家達の間では「在日韓国・朝鮮人」の意味で使われてるが、だからといってそれらの分野以外のシーンでもそういう意味にしてしまったら、誤解が大量発生するのは必至。専門家達のみの場以外では、あくまでも「日本に居る」という意味であるべきだ。
それと同様に「極超音速ミサイル」という単語も安全保障の専門家達のみの場以外の一般のでは、単純に「(射程の長短とか核弾頭か通常弾頭とか関係なく単に)極超音速で飛ぶミサイル」という意味であるべきだと思う。
>単純に「(射程の長短とか核弾頭か通常弾頭とか関係なく単に)極超音速で飛ぶミサイル」という意味であるべき
それだと弾道ミサイルは軒並み「極超音速ミサイル」になっちゃうのでは。
せめて「【中間圏以下の高度を】極超音速で〜」とかにしないと言葉自体に意味がなくなっちゃう。
> それだと弾道ミサイルは軒並み「極超音速ミサイル」になっちゃうのでは。
その通りだけどそれの何が問題なの?
極超音速で飛ぶミサイルのうち、特定の性質を持ったもの、例えば低高度を飛ぶやつのみを対象にした名前が欲しいなら、まんまその性質を名前にくっつけて、「低高度極超音速ミサイル」と呼べばいいだけだと思うけど。
中間圏より上の大気が希薄な高度であれば特別な機体構造も推進装置も必要とせず容易に極超音速を出せるからですよ。
成層圏以下で極超音速を出すから価値があるのであって、そうでないものまで「極超音速兵器」と呼ぶのならそんな言葉に意味はありません。
貴方の主張は「F-15だってクレーンで吊れば空母に乗せられるんだから【艦載機】だ」ってのと同じくらい無意味、あるいは的外れなんです。
もう少し過去の知識人や専門家が積み上げて来た歴史的な命名や分類をリスペクトした方がいいと思いますよ。
もちろん過去の誤認識や無知によって生まれた不適当な用語は存在しない訳ではないですが(それこそ「成層圏」とか)。
超音速で飛んでる物体は、その事で兵器としての価値が上がってようがいまいが超音速で飛んでいるとしか言いようがない。「超音速」という言葉は別に軍事用語でもなんでもないんで、その意味を勝手に狭めるのはそれこそ工学者や物理学者に対する敬意を欠いてるし、また世間全体に対するエゴだよ。
大体、キンジャールに対してはどうなのさ?そもそもこっちは弾道ミサイルの事なんか持ち出してない(議論には付き合ってあげたけど)。こっちが最初に言ったのは「『キンジャールを極超音速ミサイルを呼ぶな。』という言説はおかしい。」という事。あんたの言い分なら低空を飛ぶキンジャールを極超音速ミサイルと呼ぶのは意味がある事になるんだから、そういう言説を擁護する事は出来ないと思うけど?
極超音速はマッハ5以上。
一方、人工衛星とかの第一宇宙速度はマッハ23.5と上記の数倍になりますが、軌道がニュートン力学の範疇で予測でき、1959年の時点でもASATの実験で標的となった衛星を掠める事が可能でした。
今日ゲームチェンジャー扱いされてる極超音速兵器は、マッハ5程度の低速でも比較的低高度なので反応時間が少なく、
その上軌道も予測困難な事との相乗効果で、対処が困難とされているのだと解釈しています。
上記に比べて対応ご比較的容易な弾道弾は、その速度が極超音速だとしても、極超音速兵器の枠に入れる事には個人的に違和感があります。
一般人も工学者や物理学者も、人工衛星の事を「極超音速衛星」なんて呼ばないでしょ?
(一般人はどうか知りませんが)宇宙に関する最低限の知識のある工学者や物理学者に「極超音速で飛ぶ弾道弾は極超音速兵器と呼ぶべきだ」と力説しても同意してはくれないと思いますよ。
成層圏以下と熱圏では「極超音速」という言葉の重みが全然違うんです。
で、キンジャールについてはまさしくその「低空(つったって成層圏なので文字通り雲の上の話ですが)で極超音速飛行ができてないはずだ」というのが「キンジャールを極超音速と呼ぶべきではない」論の趣旨なんですよ。なので極超音速の定義、「熱圏を極超音速で通過する事」を極超音速と呼ぶかどうか答えは出ます。
※キンジャールは見る限りイスカンデル同様の「最低限の滑空性能を付与した弾道弾」に過ぎませんので、性能的にもイスカンデル同様L/D2にも満たないでしょう。最初のポップアップの際、上昇力と引き換えに速度を大幅に失い、おそらくM5以上は保てないと考えます。
とゆーか軽くググった限り極超音速は「M5以上で【低い高度を】【変則軌道を】飛ぶ事」等と必ず何かしらの補足付きで説明されていて、単に「M5以上で飛ぶこと」と説明されてるケースは見当たりません(個人ブログとかまではみてませんが)。
Wikipediaは色々おかしな部分が多いので引き合いに出したくはないのですが、例えば「スペースシャトルの再突入時なども広義には超音速(文脈上「極超音速」の間違いでしょう)に含まれる」となっています。つまり軌道周回中のスペースシャトル(当然再突入時より速度は速い)は極超音速には含まれないんです。
むしろ「熱圏の様な超高層大気での飛行を含めて極超音速と呼ぶ」としている資料等があるなら教えていただけませんか。
人工衛星に極超音速とつけないのは単にそういう分類が必要ないからでしょ。将来の宇宙開発で様々な飛行物体を飛行速度で分類する必要が出てきたら、その時には工/物理学者も一般人も、人工衛星を「極超音速飛行物体」と呼ぶ事に反対しないと思うよ?
>極超音速飛行ができてないはずだ」
>というのが「キンジャールを極超音速と
>呼ぶべきではない」論の趣旨なんですよ。
ええ?こっちの主張ちゃんと分かってる?極超音速飛行出来てないならそれを極超音速ミサイルと呼ぶべきでないというなら同意。ただけど世の中には「キンジャールは、たとえ極超音速で飛んでいても極超音速ミサイルと呼ぶべきでない」という人がいて(JSF氏とか最初の方のあんたとか)、それに異を唱えてんの。
> 軽くググった限り極超音速は・・で説明されていて、
だから何?反論になってないでしょそれ。
「Aという説を主張する人がいるが、それはこういう理由で賛成出来ない。」
「Aという説を主張する人は沢山いる」←反論になってないでしょ。
ていうか途中で主張変えるのおかしいでしょ。最初の方では明らかに「キンジャールは、たとえ極超音速で飛んでいても極超音速ミサイルと呼ぶべきでない」という趣旨の主張だったよね?
Wikipedia
広義には超音速(文脈上「極超音速」の間違いでしょう)に含まれる」となっています。
ちゃんと日本語読んでくれ・・
まず、()の中が間違い。「超音速」の部分は「超音速」で間違いない。
その上でWikiのその記述の意味は「超音速は1.3M以上、極超音速は5M以上。極超音速で飛んでる物体は当然1.3M以上で飛んでるから、その意味で超音速でもある」と言ってるんだよ。
というか引用デタラメだよな?ずるいと思わんの?周回中のスペースシャトルがどうたらなんて書いてないよな?
ま、とにかく元の話は人工衛星についてではなく、大気圏外を飛ぶ弾道ミサイルについてでもなく、キンジャールについてなんだから答えるならそっちに答えてな。