米国のバイデン政権は25日、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏が殺害された事件にサウジアラビアのムハンマド皇太子が関与していたという内容の報告書に関する機密を解除、サウジアラビアに対する新たな制裁をもう間もなく発表すると報じられている。
参考:US intelligence report finds Saudi Crown Prince responsible for approving operation that killed Khashoggi
参考:U.S. to impose sanctions, visa bans on Saudis for journalist Khashoggi’s killing, officials say
果たしてバイデン大統領は人権問題のため中東地域のバランスを何処まで破壊する気なのか注目される
人権問題を重視するバイデン政権は25日、これまで機密扱いだったジャーナリストのジャマル・カショギ氏殺害事件に関する報告書を公開するため機密指定を解除、議会に提出したと報じられている。
この報告書は諜報機関によって作成されたがトランプ元大統領が機密に指定して公開を拒んできた曰く付きのシロモノで「ジャマル・カショギ氏殺害がサウジアラビアのムハンマド皇太子による承認に基づいて実行された」と報告書の中で言及されているらしいのだが、バイデン政権は問題の報告書を26日に公開してサウジアラビアに対する新たな制裁を発表するらしい。

出典:POMED / CC BY 2.0 殺害されたジャマル・カショギ氏
米メディアの報道を総合するとバイデン政権はサウジアラビアに対する防御的兵器以外の販売を禁止することを検討しており、国外で活動するジャーナリストや反体制派に対して人権侵害に相当する行為を組織的に行っている国に対する政策の一貫として「70人以上のサウジアラビア人(その家族も含む)にビザ制限も合わせて発表する」と匿名の政府関係者は語ったがムハンマド皇太子に対しては制裁を科さないと言っている。
まぁビザ制限に関しては政治的なポーズで実害が少ないかもしれないが、防御的兵器以外の武器販売を禁止されるとサウジアラビアや米防衛産業にとって非常に深刻な影響が出てくるかもしれない。

出典:public domain サウジアラビア空軍のF-15
過去5年間に米国が輸出した武器の半分は中東地域に送られ、そのうちの半分がサウジアラビアに届けられたという指摘があるほどサウジアラビアは米防衛産業にとって重要な顧客であり、これを自ら手放すというのだから米防衛産業にとっては簡単に容認できないだろう。
ただサウジアラビアは米防衛産業企業と共同で兵器の現地生産化を進めており「このような政策はバイデン政権による制裁の影響を受けない」とサウジ側は説明しているので、簡単に米防衛産業がサウジアラビアを手放すことはないと思われる。
どちらにしても製造が比較的簡単な弾薬や爆弾などは短期間で現地生産の準備が整うかもしれないが、高価で複雑な兵器=つまり戦闘機などの軍用機や装甲戦闘車輌は直ぐに現地生産化が難しいのでバイデン政権の方針に追従しないと発表した英国、イエメン内戦を問題視していないフランスやカナダ等の防衛産業にとってはまたとない機会が訪れたと言えるのかもしれない。
果たしてバイデン大統領は人権問題のため中東地域のバランスを何処まで破壊する気なのか注目される。
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※アイキャッチ画像の出典:Gage Skidmore / CC BY-SA 2.0
米防衛産業としてはゴルゴ雇いたい気分やろうな
20の倍数の年に選出された大統領は任期中にタヒぬ呪いが復活したら大変だ。
ましてやバイデン大統領は史上最高齢で就任した米国大統領(現在78歳)だからな…単に狙撃されて暗殺では無くて病死を装った暗殺も考えられるぞ
腐ったイデオロギーに染まり切った米民主党はこれからも中東秩序を乱す方向にしか動けないのですね。
イスラエルとサウジ、UAEの接近が嫌ならまずバカを治せと言いたい。
イデオロギー云々を持ち出すと、冷静な判断が出来なくなると思うけどな
その意味で考え直すと、今後の米国は脱石油政策へ向かうので、中東の産油国に対して「今後はもう、お前らの面倒見ないからな!」とのメッセージの意味で発したのが、今回のサウジ制裁の真意だと思う
そう考えると、犬猿の仲の筈だったイスラエル、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーンが接近している意味が見えて来る(つまり、もう米国がアテに出来ないので、慌てて野合を図っていると言う訳)
その上で更に付け加えると、今後の米国はモンロー主義に回帰して、他国の揉め事には極力介入しないと思う
日本も尖閣問題で米国から梯子を外される未来を想定しないと不味いと思うぞ
中東・北アフリカは、米民主党時代にカラー革命でズタズタにされた。
そういう意味では、恨み骨髄なところがあってもおかしくはない。
さすがはオバマ元大統領系の民主党政権だな
アメリカは、人材が枯渇しているのか?
社会システムが、限界に来ているのかもしれない。
このままだと、中共も押さえられないかもしれないな。
世界は、乱世となるか?
優秀な人間であるほど政治家を目指さなくなっているのでしょう。はっきり言って現状では政治家になるより起業家や企業家になった方が遥かに実現できることは多いですからね。アメリカはその最たるものだと思います。
今世紀は前期が中華覇権の時代、後期は中華秩序 vs イスラム圏の骨肉の争いという流れになるだろう。
所謂米やEU等の「自由主義」の諸国は中華系とイスラム系それぞれの大量の移民によって、国家としての体をなさなくなるだろう。
自由主義諸国では意識の高いリベラル勢が振りかざすポリコレによって、移民問題は議論すら許されないまま体制の崩壊を迎えるだろう。
今なら日本はまだ間に合う。
国内のイスラム系移民を排除して新中華秩序へ舵を切れば、体力を温存し国を崩壊させる事無く無事に2050年を迎える事ができるであろう。
日本にとって問題なのはイスラム系移民より中国系移民です。「新中華秩序へ舵を切る」なんて悪手中の悪手で、中国と同盟を組もうものなら文化侵略を受けて日本が消滅しますよ。「日本」って言葉自体死語になる可能性さえあります。残るのは中国と価値観を同じとする華人系の独裁国家です。
ヨーロッパの現状見てるとどちらも同じだろ
それは売国奴と紙一重なんですが
実際イエメンの空爆はひどいしなんとかしなきゃならんのはわかるがアメリカ一人でスタンドプレーしてもねえ…
フーシ派どうすんの?
うまいことイエメン内戦を終わらせる戦略を立てる必要がある
エネルギーを自給できるようになった米国にとって以前ほどアラブ諸国の重要性は高くないでしょう。バイデン政権は引き続き価値観外交を進めると思います。ただ米国の防衛産業は困るでしょう。日本政府は飛び火してF3の開発に米企業をさらに深く加えろなどと言い出さないようにバイデン政権に釘を挿す必要はあるかもしれません。
バイデン大統領は気候変動がどうのこうの言ってカナダからパイプライン見直したりシェールにも環境規制掛けようとしたりしていてアメリカの自給に疑問符つける政策してるからこの一手は最悪だぞ
オバマ政権みたいにグリーンニューディール掲げているみたいだからね。工業止めて純粋な農業国になるんじゃない?
アメリカが農業国?
何言ってんすか
アメリカ国内の分断解消を掲げて大統領になったのに、世界に対してはイデオロギーの押し売りで分断どころか秩序を粉々に粉砕しかねない。大局が見えてない。
末期のソ連みたいに同盟国の支援で破産しなくていいように友好国仕分けでもする気なのでは?その為の1歩の様な気がしてきた。
ウィグルにおける迫害は文化の違いだと容認発言して、サウジでのジャーナリスト殺害事件は人権問題だとは何だろうか?シリア空爆も副大統領が知らなかったとか、あの老人はいったい何処へ行こうとしているのか・・・
ウイグル人権侵害で中国はすでに制裁されていますからね。
あと、バイデン大統領は「アメリカは国連やその他団体で、人権の代弁者として引き続き中国を非難し続ける」と言っていますから、ウィグルにおける迫害を容認していませんよ。
トランプ政権も最後の最後にジェノサイド宣言しましたが、宣言しただけで中身はありませんでしたし。
中国とサウジアラビアは人権侵害をしている国々なのに、中国だけ制裁してサウジアラビアを制裁しなかったら、「アメリカ側に付いたら人権侵害してもOK」というメッセージを世界に与えますしね。
中国へ制裁を課したのは前政権だしサウジへの人権問題を言い出したのも前政権です。
ジェノサイド認定も順番が逆で制裁に国際的な正当性を与える為に行ったもの。
大体にして一人のジャーナリストと数千、数万の人民を同等に扱うってどうなんでしょうね。
「歴史上、中国が諸外国の犠牲になったのは、常に国内が統一されていなかった時だ。そのため、習近平国家主席にとって最も重要な原則は、統一され、厳しく統制された中国がなければならないことだ。彼はこの理論に基づいて物事を進めている」
今の中国が何処の国の犠牲になっているのやら。
「文化的には、それぞれの国に異なる規範があり、その国の指導者はそれに従うことを期待されている」
拷問、抑圧、搾取が文化的規範?そんなもの相容れないし怖気が走る。
ですから、ウイグル人権侵害で中国はすでに色々と制裁されていますからね。
サウジアラビアも人権侵害やイエメンで虐殺を行っているので、制裁を免除される理由はないわけで。
また、バイデン大統領のスピーチ前半だけ切り取っても、スピーチ後半で「アメリカは国連やその他団体で、人権の代弁者として引き続き中国を非難し続ける」と言っていますから、ウィグルにおける迫害を容認していませんよ。
むしろ、トランプ氏のほうが貿易交渉締結のために、中国のウイグル弾圧を容認していましたね。
あと、日本政府は「ウイグル弾圧を『ジェノサイド』とは認めていない」との認識を示していますが、日本政府の認識も相容れないし怖気が走っていますか?
アメリカの語る人権とはお題目だから。
時と場合によって使い分ける
ウイグルの件は中国へのカードとして温存しておくが、サウジにはキツく当たることでイスラエルとの融和を進展させ反イランに利用するわけだ
共和党だの民主党だのイデオロギーだのの分析は、アメリカへの誤解だよ(笑)
常に自国の利益最優先がアメリカの一貫した姿勢だよ、バイデンとトランプの差違はカードを切る順番の違いに過ぎない
記事の写真見るといつも思うんだけど、
チ○ポジ直してるようにしか見えない・・・
人権などは名目で実際は上にも書いている人がいるが脱石油の為だろう
おそらく次も民主党政権だと思うが8年間で脱石油は相当進む。そのメッセージだと思う。
個人的には石油の8割を燃料として消費するのは非常にもったいと思ってるから脱石油は賛成だったりする
サウジ側が既に、国内メーカーと海外軍事産業との合弁事業を始めたので、この規制で泣くのは下請け企業で働く人たちでしょう。
まあ、最も狂気的左派思想や共産主義が蔓延りやすい大企業の知的労働層まで波及効果があると思いますのでバイデンというテロリストを選んだり、左派の選挙不正を見逃したことを困窮の中でたっぷり味わえば良いです。
中東で売れないなら買ってくれそうな日本に圧力掛かってきそう
F-3大丈夫かな
ネタニヤフは今週にも失脚しそうだし、イランは核合意、経済制裁解除の流れだから、これはサウジとイスラエルに「イランが強くなり過ぎる前にさっさと和解しろ」ってメッセージ。デスカレーションさせて、米軍が中東覇権放棄した後もイスラエルが生き残れるようにしとく土台作り。関心事は対ロシアで中東にうんざりな東欧系の米ユダヤもアメリカを巻き込もうとする好戦的な右派シオニストのイスラエルロビーと手を切りたがってる。元々石油財閥のロックフェラーもクリーンエネルギーにシフトして石油事業から手を引いてる時代で、サウジとの蜜月なんて終わってる。サウジ、イスラエルの方もアメリカの弱体化で米を牛耳って利用する利得がなくなってきてる。イギリスが埋め込んだ古い地政学と分割統治を終わらせて、中東戦争再発防止の目途を付けて、覇権運営コストを中露欧に分担させて、経済の発展だけ追求したいのが財閥の本音。米政府も軍産も財閥の使い走り。世界で一番偉いのは銀行。