国防総省とロッキード・マーティンは2023年~2025年の間に計375機のF-35を購入することで合意したが、急速なインフレの進行と発注減で調達コストの増加は避けられない状況となった。
参考:Pentagon and Lockheed reach deal to build 375 F-35 fighter jets
前回のBlockBuyと比較して103機減、スケールメリットの低下で調達コストの増加は避けられない
国防総省とロッキード・マーティンはF-35の調達コストを引き下げるため単年契約から3年契約=BlockBuyに移行、2020年~2022年の3年間で478機の購入契約を締結することで約8%のコスト削減に成功、F-35Aの調達コストは7,900万ドル(ロット1の調達コストは2億2,100万ドル)まで値下がりしたが、2023年~2025年の3年間をカバーする契約は製造現場のCOVID-19対策費用、Block4製造のため追加費用、各国からの受注減が重なり交渉が難航していた。
しかし国防総省は18日「2023年~2025年をカバーする新たなBlockBuyをロッキード・マーティンと締結することで合意した」と発表して注目を集めている。
具体的な契約額は発表されていないものの調達数は375機(前回のBlockBuyと比較して103機減=22%減)だと国防総省が発表しているため、スケールメリットの低下で調達コストの増加は避けられない状況となった。
最終的な数字が確定するのは「2023会計年度での発注数が確定後」になるらしいが、ロット15~ロット17で製造されるF-35はBlock4の要素が部分的に盛り込まれたバージョンになるため、ロット18~ロット21で製造されるBlock4の要素が完全に盛り込まれたF-35と比較すると費用対効果が悪く(導入しても欠けているBlock4の要素を後付する費用が発生するという意味)、米空軍もロット15~ロット17で発注するF-35Aの数を減らしている。
果たして7,900万ドルまで値下がりしたF-35Aの調達コストはどこまで値上がりするのだろうか?
因みに2026年~2029年をカバーする「ロット18~ロット21」ではF135の改良(Block4の能力を完全に引き出すには発電能力と熱管理能力を改善したエンジンが必須)が予定されているため、これも調達コストを押し上げる要因になるとP&Wは予想している。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air National Guard photo by Staff Sgt. Mercedee Wilds
純粋にコストダウンだけ考えるなら、一部を海外生産させて輸入すれば済むんだろうけどね
兵器に関しては国産すること自体にも意味がある分野だから、無理だろうな。技術情報保護の観点からも
F-35は海外分散生産が原因でコストアップしてる見本みたいなやつです
中露の第五世代機が全然出てこないから需要減もしかたない。やはり一番の敵は議会などではなく中露
だから、トランプ再登場に期待だね。
生産枠が空くのなら、日本の納入を前倒しして欲しいね。
正気か?
BLOCK4改修してない機体を納品されても困るんだが
段階的改修の欠点だね。