米国関連

来年の実戦配備に向けて準備を進める米空母フォード、不足する部品を2番艦から転用

2022年の実戦配備に向けて準備が進むジェラルド・R・フォード級空母の1番艦フォードのため「2番艦ケネディから部品が外され運び込まれている」と報じられている。

参考:USS Gerald R. Ford Needs Parts from Carrier Kennedy for Repairs; Navy Says ‘Cannibalization’ Won’t Delay JFK Schedule

一般人から見ると「130億ドル以上の資金を投入して4年以上も弄くり回していた艦にまだ不足する部品があるのか?」と感じてしまうが、、、

ジェラルド・R・フォード級空母の1番艦フォードは当初予定より4年遅れの実戦配備に向けて準備が進められており、第12空母打撃群(通称フォードCSG)で司令官を務めるハフマン少将も「予定された出港に向けて空母フォードの準備は順調に進んでいる」と明かしていたが、どうやら2022年の実戦配備に向けたフォードの準備は順調というよりも「これ以上遅れが許されないという厳しい状況を克服するため必死の作業が続いている」と言う方が正しいのかもしれない。

USNI Newsは15日、2022年の実戦配備に向け準備中の1番艦フォードは不足する部品を2番艦ケネディ(艤装中)から外して取り付けようとしていると報じており、ケネディから運び出された部品は「ポンプからリミットスイッチまで多岐に渡る」と報じている。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Adam Ferrero/Released 空母ジョン・F・ケネディが横たわる乾ドックに海水が流れ込み始めた様子

USNI Newsの取材に応じた海軍の担当者は「制御用のHMIスクリーン、様々なシステムに使用されているモーターコントローラー、電源ユニット、小型ポンプ、リミットスイッチ、バルブアクチュエータなどがケネディから取り外されフォードに運び込まれている」と認めており、このような措置はフォードで不足する部品の代替品確保が難しいと判断されたためで2024年に予定されているケネディの就役には影響を与えないと主張しているのが興味深い。

つまりフォード級空母のスペアパーツ供給体制が確立されるまで「一時的に不足する部品を複数の艦で共有する」という意味で、このような方法は調達プログラムの初期段階で珍しくないと海軍の担当者が説明しているが、もっと深読みをすれば「これ以上フォードの実戦配備が遅れれば流石に議会が黙っていないので2022年配備を確実にするためケネディの部品借用を行った」とも受け取れるため海軍の必死さがヒシヒシと伝わってくる。

まぁ一般人から見ると「130億ドル/約1.48兆円以上の資金を投入して4年以上も弄くり回していた艦にまだ不足する部品があるのか?」と感じてしまうが、果たして1番艦フォードは本当に2022年に実戦配備につけるのだろうか?

関連記事:米空母フォードが2022年に実戦配備、兵器運搬用エレベーターも11基全てが稼働予定

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Kristopher Ruiz

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    対艦弾道ミサイルの餌食になりやすいから
    金食い虫のフォード級の予定建造数を減らし
    軽空母を導入する話はどうなったんだ?

    3
      • 匿名
      • 2021年 11月 17日

      導入する話なんてない。そういうプランもあるねといった検討段階なだけ

      22
      • 匿名
      • 2021年 11月 17日

      今ある対艦弾道ミサイルは核弾頭だからそれの使用=核攻撃となり、報復核攻撃を招くリスクが大きすぎるとして中国軍は使わないだろうと見られている
      現在では精度と誘導性を高め、核弾頭じゃなくても効力のある通常弾頭型を開発中みたいなけど、そっちはまだ完成していないみたいだし

        • 匿名
        • 2021年 11月 17日

        そうじゃなくても、空母沈めたら確実に核ミサイルでの報復でしょう。
        10万トンの空母を100機の艦載機、5000人の将兵とともに海の藻屑にされたら、核を使わないわけにはいかない。
        最初は戦術核かもしれないけど、もう後は止まらず、北斗の拳の世界に一直線。ヒャッハー!
        てことで、やっぱり核兵器は偉大な抑止力だね、残念ながら。

        5
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    ニミッツ級の延命しかないか。

    2
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    とりあえず浮かべてしまって水兵を乗せてしまえば就役になるし、そこから作戦能力の獲得まではどっちみち数年かかるのは確定なんだから最低限艤装品だけ急いで揃えろやって話なんでしょうね

    8
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    もう無理だねこの国はw
    金融やITとかに全振りしてたツケを払わされてるんだろ 製造業めっちゃボロボロだし・・・
    下げ止まる気配がまったくないから本当に終わり

    12
      • 匿名
      • 2021年 11月 17日

      どうせ終わるなら、どこぞのモンスター国を巻き込んで終わってもらいたいものだが。

      14
        • 匿名
        • 2021年 11月 17日

        そんなことをしたら、日本にそのとばっちりが来るぞ。

        3
      • 匿名
      • 2021年 11月 18日

      より正確には貧富の格差をどうにかできなかったらだな。現代のアメリカのポリコレvsプーアホワイトは都市部vs地方部の裏返しである以上、ポリコレ側もプーアホワイト側も一緒の国家を形成する理由がない。カリフォルニア独立論なんてその代表だろう。ポリコレ側が地域格差問題に真正面から取り組まないと100年以内には分裂するだろうよ。最もポリコレのスポンサーが儲からないといってやらせないだろうがな。
      他にも軍事費の増大の理由ていうのが退役軍人の恩給というのも覇権国家の典型的な末期の姿だな。まともな社会保障のないアメリカにとって軍役に伴う恩給等の特典は貴重なものだし、これを減らしたら軍人なんて誰もならなくなって、軍事力はだだ下がりだ。減らすという選択肢は無い。いくらドルを刷れるといっても、すでにインフレ傾向なんだから限度がある。
      その意味では日本はどうやってその荒波から耐えるか、というのを決める必要があるのかもしれない。

      2
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    話題がそれるが、ミニッツ級を延命と小人化して
    ライフコストを抑えて空母の隻数を増やせば
    中国に対抗出来そうだけどな
    無理かな?

    1
      • 匿名
      • 2021年 11月 17日

      ニミッツ級より性能アップで省力化を目指したものがフォード級なので・・・

      22
      • 匿名
      • 2021年 11月 17日

      大型空母自体が中国の各種対艦攻撃手段であっけなく撃破/無力化される懸念があって、そのコスト的にいくら省人化を進めても対中で伸び伸びと運用できるものではないから厳しいと思われる。

      ミスだと思うけど一応↓
      ミニッツ→ニミッツ/小人化→省人化/
      ライフコスト→ライフサイクルコスト

      16
        • 匿名
        • 2021年 11月 17日

        各種対艦攻撃手段であっけなく撃破/無力化

        は、日本も中国空母相手に目指したい事ですね。日本の対艦ミサイル開発が順調に行く事を願います。

        13
      • 匿名
      • 2021年 11月 17日

      通常ならニミッツが5年後程、アイクが10年後ほどに退役じゃないかと思うが、もう1度RCOH(核燃料交換と大規模改修)すんの?空母が近寄れないという問題解決無しで増やして何か意味があるのか。運用次第じゃDESRONからの駆逐艦やSUBRONからの潜水艦、補助艦艇ももっと必要になるかもで米海軍回るのかね。

      そんな金あるなら中国からの攻撃防ぐミサイル開発や撃墜されにくい長距離攻撃用ミサイルの開発とかF/A-XX開発の加速、英海軍との空母調整とかに力入れるべきでは?

    • すえすえ
    • 2021年 11月 17日

    まぁ最近の半導体を含めた供給網の混乱もあるのでもしかしたら後ででいいやと思っていた部品が入手できなかったのかもしれない
    と擁護してみる。

    供給網の混乱は半導体だけじゃなくかなり広範囲に及んでいるから。。。

    新型艦とは言えさすがにそろそろ完成しろよw

    17
      • 匿名
      • 2021年 11月 17日

      私は産業用機械製造の仕事をしていますが、現在とにかく物が入らず仕事にならない状況が続いています。

      一時、単なる鉄板の入手が困難な時期があったのですが(こちらは回復)、今やネジもサイズによっては入手困難になりつつあります。
      電気関係では、リレーはおろか単なる押ボタンスイッチまで手に入りません。。。

      中国の爆買いが原因と言われていますが、しばらくはこのような状況が続くようです。
      (彼らは用途が決まっていなくても、使い回しの効く基礎的な部品を大量買いするようです。数年前にも同じようなことがありましたが、今回のほうが酷いですね)
      米国でも似たようなことがあるのかもしれません。

      19
        • 匿名
        • 2021年 11月 18日

        中国の電力不足が構造的な問題で続いてて、各地の工場の稼働率が激減してるのが影響でかそうですね
        短期的には電力不足を解決する方法がほとんど無いので半年1年と続く可能性が高そうです

        解消する方法的には中国から仕掛けて経済戦争してるオーストラリアと停戦することですが
        輸入禁止にしたオーストラリア産石炭はすでに、他の顧客に売れてしまってるので
        オーストラリアもわざわざ中国に売ったりしないでしょう

        • 匿名
        • 2021年 11月 18日

        今は産業用機械でも操作パネルやら内部制御用で制御基板を内蔵していない装置は
        まず無いでしょう、そうなると、そこで使っているチップ部品が1個入らないだけ
        でも全体が完成しません。

        ほぼ、ご同業で調達の仕事をしていますが、主に半導体・電子部品の調達ですが
        コロナ前は3ヶ月もあれば入った部品が納期回答が1年先とか笑えない状況です
        流通在庫も枯渇していて、市場在庫から買おうとしてもバカ高い価格をふっかけ
        られて呆れてしまいます
        20年調達の仕事をしていますが、ここまで酷いのは初めてす
        コロナが発端で、色々な複合要因でサプライチェーンの歯車が狂って、こう
        なっている感じです。
        指先に乗る様なチップ部品が1個足りないだけでも装置が完成しないんですから
        受注があっても製品が完成して納品出来なければ金になりませんので、大量の
        受注があっても資金繰りに行き詰まって倒産しそうな勢いです
        コロナで観光業や居酒屋さん達の苦境ばかりメディアで話題になりますが、もっと
        製造業の苦境にも目を向けて欲しいです。

        2
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    いや、結構ショックですわ。
    15年位前にマイケルムーアの映画「シッコ」なんか見て、アメリカやべぇ、でも米帝の5軍だけは民生と違う筈だ、と根拠なく思ってました。
    アメリカ合衆国、マジで落日の帝国と進んでますね。

    8
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    まぁ最近の製造業の混乱を見るに納品を待つより在り物剥いで持ってきた方が早いんだろうけど、来年実戦配備を目指してるのに予備部品の積み上げ全くしてない辺りが本当にとりあえず実戦配備しましたよ!っていうパフォーマンスに過ぎないんだろうなって感じるわ

    12
      • A
      • 2021年 11月 17日

      就役前に共食いですからね~。

      2
        • 匿名
        • 2021年 11月 17日

        フォードの方は、就役はとっくにしてるぞ(2017年)
        ケネディの方は進水して艤装中だが

        1
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    ズムウォルトみたいに調達中止して是正した方がいいんじゃないのか

    2
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    フォード級はケネディまでにして、新しい空母を作ろう。レイダーに合わせてヨークタウンって名前にすれば験を担げる(日本的にはどっちの名前も苦い記憶だが)

    1
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    フォード級は鋼鉄の船ではなく泥の船だ。
    調達計画が終わった後はニミッツ級11番艦が調達されるだろう。

    1
      • 匿名
      • 2021年 11月 18日

      さすがにニミッツ級の再調達はないでしょ。
      不具合を是正した改フォード級か全く新しい設計になるんじゃないの。

      1
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    90日掛かる空母の修理を2日で終わらせた米海軍の底力を信じるしか無い

    1
      • 匿名
      • 2021年 11月 18日

      もう無理よ。それに可能とする技術者がアメリカ国内にいない。
      一方の中国は山のような製造業があるからね。それこそ中国だったら2日で空母を修理できるでしょう。残念ながら。

      3
    • 匿名
    • 2021年 11月 17日

    ソ連も内側から見たらこうだったのかなぁ

    • 匿名
    • 2021年 11月 19日

    まさかジェラルド・R・フォード級が就役前に共食い整備とはなぁ
    どうにかなる事を祈るか

    • 匿名
    • 2021年 11月 19日

    ああ、これは多分電気材料の不足が原因だよ。
    保守業界はみんな困ってるけど、電気部材、特にリレー関係の納期がわからなくなってるからね。
    より具体的にはナイロンが不足してる。
    それに起因して制御盤自体が作れなくなってる。

    「制御用のHMIスクリーン、様々なシステムに使用されているモーターコントローラー、電源ユニット、小型ポンプ、リミットスイッチ、バルブアクチュエータなどがケネディから取り外されフォードに運び込まれている」

    記事の内容と照らし合わせても間違いないと思う。
    オムロンのリレーはいつ手に入るんだ…

    2
      • 匿名
      • 2021年 11月 20日

      去年かおととしにアメリカを襲った大寒波と停電のせいで、アメリカのナイロンの工場が軒並み停止したので、国際的にナイロンの供給が混乱しているとのこと。
      そのせいで端子台とかコネクタ手に入れづらくなっているというのは聞いていたけど、言われてみれば今回の案件は関係してそうだな。
      確かにそれなら、2番艦就役は予定なく行えるという説明も、混乱しているとはいえ基本的には汎用部品だから長期的には調達可能だから、そんなに間違ってないのかもしれない。

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