米海軍の第12空母打撃群(通称フォードCSG)で司令官を務めるハフマン少将は「予定された出港に向けて空母ジェラルド・R・フォードの準備は順調に進んでいる」と明かし、USNI Newsは当初予定より4年遅れで(2018年→2022年)空母フォードが初の実戦配備に就くと報じている。
参考:Strike Group Commander: USS Gerald R. Ford Set For First Deployment in 2022
4年の遅れを経て実戦配備に向かう予定の空母フォード、設計通りの能力を発揮して議会や納税者を納得させることは出来るだろうか?
ジェラルド・R・フォード級空母はニミッツ級空母と比較してフライトデッキや発電能力を拡張、アナログだった航空機発着艦支援システムを刷新、格納庫や弾薬庫から航空機や武器をフライトデッキに移動させる経路の合理化、本格的な省力化技術導入など斬新な技術やアイデアが幾つも詰め込まれ2018年に米海軍の次世代を担う空母として華々しくデビュー(本格配備)するはずだったのだが、1番艦フォードは米海軍へ2017年に引き渡されて以来数々の不具合=未完成の技術と格闘することになる。
一つづつ問題を挙げていくと切りがないので割愛するが予定通り計画が進まなかったフォード級空母の失敗についてマイク・ギルディ作戦部長は「23もの新しい技術を詰め込んだことは海軍にとって繰り返すことの出来ない過ちだった」と語っており、これは禄に検証も行わず複数の新技術を空母に統合してしまったという意味で「1隻に追加する新しい技術は2つまでにして事前の陸上テストを徹底することが望ましい」と言っていたが記憶に新しい。
そんな空母フォードが2022年(以前は2023年)に実戦配備に就くと発表されても懐疑的な見方が多かったのだが、米海軍の第12空母打撃群(通称フォードCSG)で司令官を務めるハフマン少将は「予定された出港に向けて空母フォードの準備は順調に進んでいる」と明かしたため、USNI Newsは当初予定より4年遅れで(2018年→2022年)空母フォードが初の実戦配備に就くと報じて注目を集めている。
今だに11基全ての兵器運搬用エレベーター(AWE)が稼働していないことについてハフマン少将は「メンテナンスフェーズが終了するまでに残り4基のAWEも全て稼働状態になる」と主張しており、これが事実なら「時間あたりの航空機出撃回数がニミッツ級空母より25%向上」というフォード級空母の性能が最大限発揮できるようになるため「2022年実戦配備」という話も頷けるが、これは11基全てのAWEが本当に稼働状態に入ったらの話だ。
まぁ遅延に遅延を重ねたため「実際に空母フォードが実戦配備されるまで信用できない」という主張もあるが、流石にこれ以上実戦配備が遅れれば議会が黙っていないので米海軍も空母フォードを意地でも2022年中(何月に出港するのかは不明)に出港させるだろう。
4年の遅れを経て実戦配備に向かう予定の空母フォードに掛かった費用は130億ドル/約1.48兆円を突破(28億ドルのコスト超過)しており、無事設計通りの能力を発揮して議会や納税者を納得させることは出来るだろうか?
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist Seaman Jackson Adkins
もし、やっぱりダメダメだったら、どうなるのだろう。
出る前に負けること考える馬鹿いるかよ!
いざ実戦で使えなかったら末端の兵士が一番苦労するというね。
下手すると自分の命で支払う羽目になるからね。兵器は古臭くても信頼性大事。
やっぱり緊張感がなくなっていたのかなぁ
全体的な予算確保するためとはいえ、ほぼ必要のない部分まで無理に理由つけてハイテク化しようとしたのがそもそもの間違いな気がする
従来のエレベーターなら構造は単純でメンテナンス性もコスパも良かったのに
先進的な技術を使いすぎて、使用不可能になるモノもあれば、
作った途端時代遅れと揶揄され、現役から外されるモノがある。
兵器の世界はこの辺のバランスが非常に難しい。
あとは斜め上の発想で作ったものが大活躍するパターンもある。(デ・ハビランド モスキートとか)
英国兵器が特に多いよね。
なんだろう、島国って変態(褒め言葉)が多いのかな?
それだけ事情が特殊なんでしょうね。
我が国は自衛隊専用のガラパゴス装備と非難されることのほうが多いですが、それも本質的には悪いことではないんでしょう。
ただ、防衛産業はそう言っていられるはずもなく、、、
モスキートが斜め上の発想?
木製のことですか?
別に金属製がスベテ優れていたわけでもなく、軍の要求をかなえるための仕様だっただけでしょう。
ソードフィッシュを大戦中期まで使い続けざるを得なかった用兵思想の硬直化の方が問題。
言い方が気に障ったのならごめんなさい。
「斜め上」は普通だったら誰も考えつかないよね、という独創的な発想に対する驚嘆の意味を込めて使いました。
デ・ハビランド側は木製であることに対して過去の実績から確固たる自信を持っていたのは理解してますし、開発過程で重量軽減の方策として防御用の機銃を取っ払うという発想もまた普通ではない(誉めてる)と思います。
一方の採用する側の航空省は一旦はそのコンセプトを拒否していることからも、その発想が如何に独創的であるかを物語っているといえるのではないでしょうか。
あと、ソードフィッシュについては用兵思想は語れませんが、こちらも負けず劣らず優れた名機だと思っています。
長文失礼しました。
新技術増し増しなのに、ESSMのランチャーが旋回式なのはなぜなんだろ
空母でVLSにするメリットがないからだと思う
役に立たねぇから取っ払うor新しいミサイルと対応するランチャーに取り替えるとかする可能性も考えたら外付けの方が楽チンだし、そもそも貴重な艦内スペースを本業外の装備で喰うのもよろしくないし
空母は船内のスペースが重要だから、甲板上の占有面積より船内の体積を食われるのを嫌ったんじゃないですかね?
さあ、楽しませてくれよ!(エリート兵並感)
F-111「手堅くやらないからこうなる」
F-35「兵器開発で要求てんこ盛りはいけませんねぇ」
インディペンデンス&フリーダム
「出港してから不具合多発とかマ?」
ズムウォルト
「使おうとしているだけ有難いと思いねぇ」
シェリダン
「まともに使えないとかwマジワロタwww」
シェリダンは今でも使ってるだろうがえー!
まあ専ら東側戦車を模した仮想敵として訓練用にだけど
某書の『行けない所はまずなかった。だが到着しても何もできない』という記述で(大笑いして)泣いた。シレイラさえ積まなければ・・・
え、なにアレまだ使ってんの!?
もう最終生産からも半世紀以上経ってるんだぜ…
と思ったら本邦も73式装甲車使ってるから人のこと言えないか。
しかもこっちは未だ現役。
コマンチ「呼んだ?」
P-3&C-130「俺ら生まれたときから完璧だもんね」
M2HMG&B-52「ワシらいつまで現役なんじゃろ…」
A380「………」
A400M「出資者は無理難題をおっしゃる」
そういやエアバス忘れてた。
だいたい謳い文句で「国際共同開発」「複数軍種統合」「革新機能満載」を標榜してるモノたちは大概炎上すると相場が決まっている。
そういう意味ではF-35はフラグ立てまくった上でよくぞここまで形になったものだよ…
F-35は今後の兵器開発で奇跡として真似しちゃ駄目てなると思う
既に次世代戦闘機開発が同じことにならんようにマネージメントしようとしてるし…
ブロームウントフォス BV 141「軍の要求を満たし、性能もよく、エンジンさえ良いのを乗っければよかったのに何故か軍の要求仕様と違う別の機体が正式採用された。理不尽すぎる・・・」
Fw 189「ほら生残性的に有利じゃないですか双発の方が(すっとぼけ」
機体形状的には両者いい勝負してると思う(左右非対称 vs 額縁)
新技術を1隻に付き2つまでとはいうものの
駆逐艦のような建造数になるわけじゃないし、機能が多い分更新される技術も多いわけだからな
地上試験不足だったのはともかく、一番艦で苦しむのは覚悟の上で不具合出し尽くすしかないんでない艦種では
同感
空母みたいに数も少なく建造頻度も低い艦種で新規技術の数をゴタゴタいうのに違和感ある
新技術の適用を円滑にするための方法論に集中するほうが建設的だと思うな
だよね。
3〜4隻のフライト単位で関連性の高い新技術を5個程度、型が変わる時に10個前後、とかなら分かるけど
各艦2個じゃニミッツ級10隻でも23個に足りないし、
同型艦なのにそれぞれ新技術がちまちま新採用されてて統一性がないんじゃ運用上厄介だし、
それはそれであんまり現実味を感じない。
対艦弾道ミサイルや極超音速ミサイル対策の為に
フォード級の建造数を減らして
軽空母を建造する構想はどうなったんだろう???
それらにについては移動目標への命中は難しいとふんでるじゃないかな。
対艦弾道弾はぶっちゃけSM 3 で迎撃できるし、極音速兵器は最終的な誘導に問題ある気がする。
極音速兵器はレーダー派さえ無力になるほどの速度と言われているけど、逆に言えば自ら追尾用レーダー波も使えないということで、超高速・超高温になるから光学・熱シーカーも使えるはずもなく、固定目標に対してプログラムされた通りに飛ぶことしかできない気がする
そういう理由で動く目標に対してはもちろん、固定目標に対しても大気や風の影響次第で命中率が大きく左右されそうだからミサイル(誘導兵器)というよりロケット弾(打ちっぱなし兵器)というイメージ
ニミッツ級が40年近くかけて11隻建造して時期ごとに若干の変更は入っていたので、フォード級も本来なら契約単位ごとに機能追加して段階を追ってやるべきだったんでしょうね。
とはいえ、電磁カタパルトは最初に対応しないと再設計が大変なので、ヒト・カネ・モノ、QCDが甘かったと言わざるを得ないです。
>1隻に追加する新しい技術は2つまでにして事前の陸上テストを徹底することが望ましい
これが、一番重要だと思う。
例えば、電磁カタパルトは、原理等はほぼ完成している(リニアモーターだし)。
ただ、運用ノウハウの構築は大変。
電磁カタパルト以外のリソースは有限・共有(電力・時間・人員等)なので、空母という限られたリソースでの取り合いとなる。
これが、陸上に作ってしまえば、リソースはほぼ無限となる。
アメリカも電磁カタパルトは地上設備作って検証していたような気がしますが。動画がyoutubeにあったような。
まあ、最終的には実際に空母に乗せないとわからないことは多そうですが。
そういう意味では中国も、来るべき電磁カタパルト搭載空母をどのくらいの時間スケールで運用可能にするかが試金石になりそうですが。
電磁カタパルトはその構造上、導電体である海水の飛沫などによる影響が気になるな
>海軍にとって繰り返すことの出来ない過ちだった
この表現いいですね。
失敗を認める潔さと、言い訳(もう二度と失敗しません)っぽい雰囲気を弱める。
使わせていただきます。w
某艦船雑誌にも書いてありましたが、とんでもなく酷い信頼性なのに
このエレベーターの話をどこまで信じたら良いんでしょうか‥‥。