米陸軍はバイデン政権が打ち出した国防予算7,150億ドルの下では空軍や海軍への予算配分が優先され、陸軍への配分は二の次になると予測して対策に乗り出している。
参考:US Army bracing for budget hit next year
本当に国防予算は前年度割れするため空軍や海軍に予算を奪われると陸軍の戦力構造は成長が止まるかもしれない
バイデン政権は2022年度予算教書(連邦政府予算案)の一部を先行発表、注目を集めていた国防予算案はトランプ前政権時代に示されていた7,220億ドルより70億ドル減、2021年度の国防予算より100億ドル増の7,150億ドル(約78兆円)で編成すると明らかにした。
単純に見ればトランプ前政権が示していたほどの増額は見込めないが今年の国防予算より100億ドル増額されているので表面的にみれば予算削減を避けられた格好だが、インフレの影響を相殺するには毎年1.5%~3%程度の伸び率(来年度で言えば106億ドル~212億ドル)を必要としているので実質的に国防予算は前年度割れしていると言っていい。
さらにバイデン政権は「国防総省の裏金」と呼ばれている海外緊急事態対応基金(OCO)を廃止して国防総省が執行できる資金を国防予算に一本化するため、この部分で何かしらのフォローがなければ国防総省が執行できる資金は本年度と比較して500億ドル(約5.5兆円)以上削減されることになる。
今のとことバイデン政権は国防予算の上限(7,150億ドル)のみしか明かしていないため各軍への予算配分方針やトランプ前政権が資金供給を認めていたプログラムの取り扱いもどうなるのか謎で、5月以降に発表される詳細な予算教書を見てみないと何とも言えないのだが、陸軍は来年度の国防予算配分で冷遇されると予想しているらしい。
陸軍はトランプ前政権の国防予算増額方針を受けて装備の更新や戦争に対する準備状況が大幅に改善、現役兵48万6,000人(州兵と予備役を合わせると約100万人)を2028年までに50万人以上に増強して40年毎に訪れる装備の近代化も強力に推進する方針を打ち出していたが、バイデン政権が打ち出した国防予算7,150億ドルの下では空軍の航空機戦力近代化や海軍の艦艇調達費用が優先され陸軍への予算配分は二の次になると予測して対策に乗り出している。
ただ陸軍は2019年から国家の国防方針や近代化計画に一致しない分野の支出を優先順位の高いプログラムに予算を付け替える「ナイトコート」という手法で予算の効率化を推進してきたので、陸軍の予算には余裕(自助努力で足りない予算を捻出できるだけの無駄がない状態)がなく大幅な予算削減に耐えられないとの見方が強く、米陸軍参謀総長のマッコンビル大将も「来年度の国防予算が本年度と同額もしくは削減されれば陸軍の総兵力の規模や戦力構造に大きな変化が起こらない」と指摘している。
つまり国防予算の実質的な増額がなければ表面上の規模や戦力構造が維持できても能力的な成長が望めなくなり維持する装備は劣化するだけなので、成長ラインを維持する敵勢力と比較すると相対的な差が縮まるか追い抜かれるとマッコンビル大将は言いたいのだが、本当に国防予算は前年度割れするため空軍や海軍に予算を奪われると戦力構造の成長が止まるかもしれない。
果たして陸軍は大幅な予算の削減に対してどの様な備えを打ち出してくるのだろうか?
関連記事:米陸軍参謀総長、国防予算が削減されれば能力的な成長は見込めないと警告
関連記事:表面上は横這い実質的には削減? バイデン政権が国防予算案の規模を7,150億ドルと発表
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※アイキャッチ画像の出典:US Army Photo by Mark Schauer ユマ性能試験場でテスト中のM1A2C
陸軍とは名ばかりの自動車化された歩兵部隊連合にでもなるという可能性かな?
「兵士からコックまで兵種に関係なく全ての人員がカウンタードローンに関するスキルを身につける必要がある」言うとるから、全員で1丁10万円の自動狙撃スコープ付けたライフルで空を見上げながら行軍する対空監視員になるんやで
早くスキマ侵入ドローンを見つける方法を整備しないと第二次大戦前に逆戻りだな
将来は陸軍のない国になります、派兵は海兵隊に任せ、本土防衛は州兵が担いますから
軍備のない国はあっても陸軍を廃止する国はないから革新的
我ながら迷案だな
海兵隊がミサイル部隊になるぐらいだし陸軍が空軍に組み入れられたって驚きゃしない
空軍陸戦隊か…
敵の拠点を空爆して輸送機からの空挺部隊で占拠して戦争終結!
ってゲリラとか相手にするならそれでいけそうではあるが
一発で決められずに泥沼になると継戦能力の貧弱さから無理が出てくるよなぁ…
ボトムズやパトレイバー劇中みたいにATやレイバーで対装甲目標でも潰せるようになれば
実現可能な案になるんだろうか?
ゲーリング「先見の明があったやろ」
普通に陸軍のドローン部隊化を想像して書きました
それなら、第二次大戦中のドイツ空軍に実例があるから参考になるぞ
あの当時のドイツ空軍は空挺部隊(降下猟兵)に野戦師団、挙句の果てに空軍総司令官の名を冠した装甲部隊(第1降下装甲師団ヘルマン・ゲーリング)まで編成していた
この内、野戦師団については訓練不足と貧弱な戦力に低い士気の三拍子が揃っていて使い物にならなかったが、降下猟兵と第1降下装甲師団ヘルマン・ゲーリングに関してはドイツ軍でも指折りのエリート部隊として活躍している
ゲーリングすげぇ
アメリカ州兵に勝てる国がどれほどあるんだか…
ランボー1人にボコボコにされていましたね。
フィクション持ち出して何が言いたいの?
軍事費削減時は、部隊削減しても装備近代化の費用を確保するのが常道だと思う
歴史的にも
昨年の権限委任法で中国包囲網に5.5兆円の予算割り振りが義務付けられたから、まんま付け替えたように見える
まあよくアメリカの予算編成知らないんだけど
国防権限法ですよね。
行政から予算が上がってくるのは日本と同じなんでしょうけど(日本の半年前と違って1年半前の様だが)、立法(議会)が、中国の要人、民間とホワイトハウスが仲良くするの禁止する法律を作る。国防権限法の太平洋抑止イニシアチブで、中国に向けて、開戦したら後悔すると自覚できるレベルの大量のミサイル配備の予算確保する法律を作る。
確か、トランプも議会が予算の使い道決めるのって憲法違反なんじゃ?とぼやいていた様な。
大統領が何でも決めたらそれこそ独裁なんで、議会の承認はいずれ必要でやんしょ
しかしそれでもアメリカの大統領は大きな権限を持つから、何らかの制限や義務を設けるのが国防権限法ではないかな?
しかしこうやって安全保障政策が両党の統一意思として決められる仕組みは素晴らしい
日本には到底無理やね
州兵の人件費や装備調達費もペンタゴンの予算から出てるんかな?
法律と予算、両方とも連邦政府と州政府と関係してる。
陸自「君のところも予算減らされるのか」
米陸「そうなんだよ、世の中厳しいから仕方ないね」
陸自「うちもお金なくてね、トレペは自腹だし、宿舎も雨漏りして大変だよ~」
米陸「え?」
陸自「え?」
すまん、最後の陸自の「え?」の意味が分からん。
自腹が当たり前の自衛隊が米軍の待遇に驚いてる
安心しろ、何れ米軍も自腹で揃えないと行けない物が増える(米軍でも将校の服装とかは自腹だった様な気が)
何れにしても、世界各国の軍もこうなる未来か……
不名誉な部分で世界最新とはなぁ
日本は「課題」先進国とも言われていますからね。
予算の獲得合戦で陸軍は泣き落とし戦略に出た模様。
まぁ実際にインド太平洋方面重視で海空軍が優先されるから流れだからね。
陸自に比べればまだまだ恵まれてるけれどアメリカでさえ陸軍は冷遇される世の中になったのだな~
陸自も色々考え所だよな~
予備自や即応予備自の月の手当て無くして良いと思う。
戦車や留弾砲も早く目標まで減らして、電磁波や船を沈めるミサイルに投資してほしい。
正直陸自はもう廃止して消防庁の災害救助隊として再編すべきだね
日本は他国領土を侵略し敵地を掌握する必要ないから持つだけ無意味だわ
旧ソ連が崩壊した後から今までなんで陸自を維持していたのか全く理解できない
AbramsやBradleyが100年選手になりそうな予感が…
日本が防衛予算5.49兆円で過去最大になるとか騒いでるのに
国防総省の裏金のほうが高くてワロタwwww
それな(笑)
けど自衛隊もあと一兆円あればかなり弾薬や部品も行き渡るんだけどな~┐(´・c_・` ;)┌
国がこんな黒い財布持ってるなら、陰謀論も絶えないわな
州兵いらなくね?
予備かどっちかにした方がいいね。
海軍や空軍みたいに正面装備ないと致命的って感じしないんだよね。戦車や装軌の装甲車は今程はいるのかな?外敵に国内攻めこまれるにしろ外征にしろ、そんなに数があっても使わない割合の方が高そう、ならば多少の予備保持した上で減らすべきじゃないかな。
米国の国防予算の7割が人件費や年金といった固定費なんでしたっけ
全体を1割減らすといわいる正面装備費のおよそ3割削減になるわけで大変な事ですね