ザポリージャ方面では激しい戦闘が続いているものの前線位置に変化はなく、南ドネツク方面ではシャイタンカ川を渡河してノボマイオルスキーに取り付くことに成功、ここに定着できればウクライナ軍はノボドネツキーの背後を突くことができる。
ザポリージャ方面
9月4日~9日の間にザポリージャ方面で登場した視覚的証拠は「ロボーティネ南郊外」と「ベルベーヴ西郊外」に集中しており、この2方向で激しい戦闘が続いていることを示唆しているが、新たなウクライナ軍の前進を裏付けるものはなく前線の位置にも大きな変化は見られない。
最近登場した「第82空中強襲旅団のチャレンジャー2が破壊されたことを示す映像」は本物で、このチャレンジャー2はロボーティネの東=Ⓐで発見され、ロシア軍が対戦車ミサイル「コルネット」でチャレンジャー2を破壊する瞬間の映像も登場している。
コルネットは砲塔の下(車体?)に命中したため乗員は生き残ることが出来たという主張もあるが、鮮明な写真や映像がないのでコルネットが何処に命中したのかは不明だ。
The moment of the destruction of the Challenger 2 tank from the Kornet ATGM.
The enemy moved forward to attack with the forces of 2 tanks and 3 armored vehicles, came under artillery fire and stopped, and soon the British #Challenger2 received a Kornet missile under the turret… pic.twitter.com/sUyU3HeCXF
— Mats Nilsson (@mazzenilsson) September 6, 2023
カムヤムスキー南東地区で確認された視覚的証拠は「ロシア軍がⒷを砲撃している」というもので、グレーゾーンだった南東地区にウクライナ軍陣地が存在する=ロシア軍がM18の西側に後退し「ここをウクライナ軍が保持していると考える」のが妥当だろう。
フリアイポール方向でもウクライナ軍=Ⓒとロシア軍=Ⓓの砲撃が確認されており、この方向の前線位置と概ね合致している。
南ドネツク方面
9月2日~9日の間に南ドネツク方面で登場した視覚的証拠は「モクリ・ヤリー川方向」と「ノボマイオルスキー方向」に集中、モクリ・ヤリー川方向の視覚的証拠はスタロマイオルズキー付近とウロジャイネ付近で戦闘が続いていることを示唆しているが、興味深いのはノボマイオルスキーの集落内で戦闘が発生している点だ。
ロシア人情報源(Рыбарь)は5日「敵がヴェリカ・ノボシルカ地区の右翼で活発に活動している」と、その後も「ノボドネツキーとノボマイオルスキーを攻撃するためシャイタンカ川の渡河(川幅は非常に狭い)を試みたがロシア軍によって阻止された」と何度も主張していたが、9日に「敵はシャイタンカ川を渡河してノボマイオルスキー郊外の建物に取り付いた」と報告、視覚的にもロシア軍がノボマイオルスキー郊外の建物=Ⓐを砲撃している様子が確認されているため、ここに定着できればウクライナ軍はノボドネツキーを3方から攻撃できるようになる。
更に8月から9月にかけてウクライナ軍がペトリフカを集中的に攻撃していたことも判明、ノボドネツキーやノボマイオルスキーへの攻撃は本物かもしれないが、左翼攻撃の陽動という線も捨てきれない。
— EjShahid (@EjShahid) September 9, 2023
因みにロシア軍がパブリフカ郊外のⒷでウクライナ軍陣地を攻撃する様子も確認、これはヴーレダー周辺のウクライナ軍も活発に活動していることを示唆している。
関連記事:ザポリージャ州の戦い、ウクライナ軍がベルベーヴの防衛ラインを一部占拠
関連記事:南ドネツクの戦い、ウクライナ軍がモクリ・ヤリー川の西に戦力を移動か
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
どうも先月あたりから、FPV自爆無人機のロシアの使用量が確認できただけでウクライナの倍に達したようだ
しかし、戦況はウクライナ優勢
それ以外で勝ってるのだろう
トップの画像、BMPから顔が生えたコラ画像かとオモタ
ザポリージャ方面は正に火力ポケットになってて四方八方から攻撃を受ける突出部になってるね。
もう反攻作戦はここまでかな、泥濘期までのあと数週間でどうにかなるとは思えない。
流石にもう少しは行けるんじゃないですかね
ノヴォプロコピフカは落として、ソロドカ·バルカ落ちるかどうかってくらいと予想(適当)
ひょっとすると泥濘期は関係なく進軍するんじゃないだろうか
膠着させるとまた防衛ライン構築されるのが目に見えてるわけだし
地雷原突破の解決法が無いから、また突破するのにかなりの代償を支払うことになる
ウクライナ軍の突出部(ザポリージャ方面)、逆八になってますからね。
ウクライナ軍前線部隊や補給路も、四方から狙われやすくなっていると思います(ロシア軍の補給路もですが)
ロシア軍、第二線第三陣地の補強が、既に始まっているという説もあります(地雷も投下型がありますから)
ウクライナ軍、航空援護のない中で、第二線陣地を攻略するには甚大な被害がでそうですね。(第一線陣地攻略で既に、相応の被害や物資消耗があるはずです)
ウクライナ人の若者が、このような出血の多い戦いに積極投入を続けるのであれば、戦中戦後経済の面から疑問を感じます(最前線の年齢構成が気になります)
現代日本の縮図(若者を搾取)みたいになっていれば、時折嫌な気持ちになりますね。
ウクライナ人の若者、ソ連時代は生まれてないですし、ソ連崩壊後の政治選択権(投票)ないに等しいわけですから残酷なものですね。
戦後経済が存在するかどうかの瀬戸際で言ってもしょうがないね
そしてそこに何の関係もない日本を絡めてくるのは理解できない
上の世代の失敗で、まず若者が血を流している(負担している)わけですから、同じ図式ですね。
戦後経済は、紛争長期化で若年人口が少なくなればなるほど、絶望的になりますよ。
ウクライナ国外の避難民も、避難先の定住に、傾く割合が増えています(帰りたい人は帰ってますが)
民間企業は、人口減少(若年人口減少)している紛争地帯の発展途上国に、リスクとって投資しないですからね。(経済合理性がありません)
軍需企業は、ウクライナ進出に積極的でニュースになりますが、民生品を生産する企業の進出をあまり聞かないのが分かりやすいと思います。
baru氏に私は全面的に賛同で、ロシア(ツァーリ以来の自国民の犠牲を無視するような拡張主義を擁するクレムリンの国家)と陸で隣接している国というのは、その時が来てしまえば血を流さないことには、戦後経済丸ごと、それどころか愛しい社会すら存在ごと消されかねない宿命を背負っているとも言えていて、
ウクライナ人は多かれ少なかれその世界観の中で生きているというのが現地の人々の感覚から伝わってきます。
そんな中でたむごん氏の、ウクライナが文字通り存亡の危機の渦中、ある意味文字通り戦うか死ぬかの世界に居ることを無視した自国文化中心的な物の見方は、まさしく平和ボケそのものとしか呼びようがない。
その種の宿命に価値を見出さないのは個々の勝手ですが、現地の人を自身と同じ価値観と思い込んで代弁した気になっているのは僭越ながらいささか愚痴蒙昧すぎるのではないかと懸念いたします。
DDDDCさんの仰る面も理解できます。
現実を見れば、賄賂による徴兵忌避などにより、万単位の逮捕者(把握されているだけで)がでているのが実情です。
管理人様が、過去記事で詳しくまとめられているので、一部の地域や個人のレベルではない事が分かると思います。
下級男性のみ(上級国民と家族は国外旅行)、国家により逃げることを禁じられて徴兵令が出た、これは宿命というよりも命令ですね。
DDDDCさんと特に争う気もないのですが、ウクライナ人の全員が、戦いたいと思っていないという事を直視する事も大事だと思いますよ。
その上で、モチベーションを上げる事を考えるならば、ウクライナ兵や家族の待遇が改善しているのかを見る事が、大事ではないでしょうか(SNSで義勇兵が雑に扱われている事が表出していますね)
>その種の宿命に価値を見出さないのは個々の勝手ですが、現地の人を自身と同じ価値観と思い込んで代弁した気になっている…
ザポリージャにおけるにウクライナ軍の南下が止まったのは、やはり空挺軍の第76赤旗親衛空挺師団が移動して、ロボーティネの南にすでに展開していることが大きいでしょう。第82空中強襲師団のチャレンジャー2戦車を破壊したのもこの師団の対戦車部隊でしょうか?
新たな地雷の敷設、掘壕、障害物の設置などはもちろん工兵部隊が全力で行うでしょう。工兵以外の部隊も自力でいろいろやるはずです。
仰る通り、空挺師団(という名の重車両部隊)の配備が大きいのかもしれません(車両を持ってきたのか分かりませんが)
その穴埋めに、ベラルーシに配備していた部隊を、東部に移動させたという話があります。
第二線陣地が分厚くなれば、最前線の歩兵・工兵に、また甚大な被害が出る事になりますからね…。
何を理由にペースを落としたのか気になりますね(抵抗が激しくなったため・損害を抑えるため・攻勢限界点がきたなど)
ロシア軍が戦略予備軍を投入した効果を否定はしませんが、相変わらず「でしょう」「でしょうか?」「はずです」ですね。
現在進行中の場合、戦場は霧に包まれて外からは分かりにくいものですが、(比喩的な意味で)
この戦いでは、私もウクライナ軍の損失に注目しています。
損失が少なければ、ウクライナ軍は慎重に進軍しているのであり、もっともっと行けるし、ウクライナ軍の勝利かもしれません。
逆に損失が多ければ、ウクライナ軍の進撃が遅いのは人海戦術に限界がきつつあり、6月からの反攻作戦は失敗かもしれません。
とにかく、ウクライナ軍は狭い地域に、非常に多くの旅団を投入しています。予備を含めて。
それらの旅団の現有兵力、すなわち損失が何%くらいか、補充兵、兵士の供給は十分か。そういう点に気をつけて見ていけば、戦場の霧の先が多少は見えてくるのではないかと。
レヴァドネ方向へ軍隊を動かしていたのは陽動だったのか、それともこっちが陽動なのか?
ありがてぇ
まじで神マップ