ロシア人ミルブロガーは「ウクライナ軍が装甲車輌をドニエプル川右岸から左岸に移動させ始めている。この動きは今のところ車輌の渡河が可能かどうかをテストする規模を越えないものの、取るに足らない敵の努力を過小評価してはならない」と警告している。
参考:НгП раZVедка
参考:RYBAR
テストケースに過ぎないものの、ウクライナ軍が右岸から左岸に装甲車輌を移動させ始めている
ロシア人ミルブロガーの「НгП раZVедка」は6日、ヘルソン州のドニエプル川沿いについて「敵は装甲車輌を右岸から左岸に移動させ始めている。この動きは今のところ車輌の渡河が可能かどうかをテストする規模を越えないものの、取るに足らない敵の努力を過小評価してはならない。敵は約1ヶ月前に1個小隊でクリンキーに上陸したが、2週間後には中隊規模になり、現在は300人以上の兵士がクリンキーで活動している」と報告。
さらに「これだけ大胆に敵が行動できるは膨大な数のFPVドローンと電子戦装置のせいだ。川の中洲にはドローンを運用する拠点と電子戦装置が設置されており、この状況を歩兵の勇気だけで何とかするのは困難で敵の優位性を無力化することが必要だ。敵が左岸の支配拡大のため浮桟橋や船を準備していること、交戦状況下で水上・水中の障害物を克服する訓練を行っていると再三警告してきた。兎に角、中洲のドローン運用拠点と電子戦装置を無力化できれば歩兵で敵を殲滅することができる」と指摘し、RYBARもНгП раZVедкаの報告に関心を示している。
FPVドローンとはFirst Person View=一人称視点タイプの無人機のことで、ウクライナが量産を開始したKH-S7は「1kgの爆発物」を搭載して「7km先の目標(条件によっては9.5km先の目標まで届くらしい)」まで飛行できるが、戦場では電子妨害装置の影響を受けるため実際の有効範囲はカタログスペックよりも短くなるらしい。
要するにウクライナ軍はドニエプル川やコンカ川などが入り組んだ中洲に操縦者を前進させ、左岸での大規模なFPVドローン運用を可能にし、これを電子戦装置で保護しているため「ロシア軍の歩兵が容易に近づけない」という意味だ。
この状況下で「ウクライナ軍が右岸から左岸に装甲車輌を移動させ始めている」という言及も興味深く、НгП раZVедкаはドニエプル川を渡河する車輌(BTR-4?)の写真も公開しているが、この写真の真偽は不明なのでНгП раZVедкаの主張が事実かどうかは分からない。
仮にНгП раZVедкаの主張が事実だった場合、ウクライナ軍はドニエプル川左岸から何を狙っているのだろうか?
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※アイキャッチ画像の出典:Ministry of Defense of Ukraine
ウクライナ軍の最後の希望が、このドニエプル川上陸作戦なのでしょう。ザポリージャ、ヴェリカ・ノボシルカでの反攻作戦の失敗、バフムトの停滞、アウディーイウカの圧迫。 厭戦気分を吹き飛ばすにはたとえ成功の見込みが薄くとも渡河に賭けるしかない。 ウクライナ軍の本気ぶりを見るにそんな雰囲気が漂ってきます。今のところは地の利を活かして奮闘していますが、補給が脆弱な地がいかに不利であるかは去年のロシア軍が示しています。そういえば、ヘルソン市奪還もちょうどこのくらいの時期でしたね。
反転攻勢について失敗したと述べたザルジニーがこのような投機的な作戦を実施するとも考えづらいですし、反転攻勢の遅れや中東の問題で、距離を置き始めた米欧を繋ぎとめるための政治的な要請が強い気がしますね。
今後継続的に重装備を渡せる状況にあるのか、補給はどうなるのか、またヘルソン方面から何を狙っているのか、疑問はつきません。
私の発毛力も生え際戦線に移動しております
この動きは今のところ薄毛の克服が可能かどうかをテストする規模を越えないものの、取るに足らない発毛の努力を過小評価してはならない
>るに足らない発毛の努力
言い方酷くて草生える
なお毛は生えない模様
戦線の動きの話だと髪の毛のジョークが出てくるが、全く関係ない上につまらない。よく飽きないな。
戦線も生え際も動かないからね
生え際は日々後退してるんだよなあ…
スカルプミサイルが、造船所の攻撃に成功したときに投稿を期待したのに、不毛でした。
少しずつなら輸送可能なのかな?
ただ大規模に送るには橋をかけるか船を大量に動員しなければいけませんが、流石にそこまでやられるとロシア軍も徹底的に攻撃してくるでしょうし少数の装甲車両だけではそこまで突破力も無いでしょうね。
少しづつというか、自力渡河能力を持っている車両なら渡河可能、ということですね。まあ、BTR系列の偵察車両はまさにこういう目的で作られて渡河能力を持たせてあるわけですから。
ただ、問題は、MBT級の重量物や各種補給トラックなどをどうやって安全に渡すか、ですね。
ドニエプル川をはじめ、冬季に河川が凍結するため、冬季攻勢の前準備として考えれば理解はできます(逆に撤退しやすいという考え方もできます)。
戦車や装甲車などの重量車両が渡れるのか、補給が続くのかは気になりますね。
ウクライナ戦争は、正面戦線が極めて広いですよね(ガザ戦争を見ていて感じます)。
ウクライナ軍ロシア軍ともに、どのタイミングで東西のどの地点を重視してきたのか、戦後検証されるのではないでしょうか。
初歩的な質問だけどドニエプル川って凍結するの?
昨年のロシア軍撤退やその後の映像を見ても凍結してるようには見えないんだけど?
そもそも冬に凍結するような川に水力発電所なんて作るもんなん?
自分の書き方が悪かったですね。
ドニエプル川は凍結します。
ただ、上流~下流・流域の範囲が極めて広いですから、気温や場所によって大きく変わると思います。
沼拓地は、温度によっては凍結すると考えていいと思います。
問題は、今年は暖冬のようですから、期待しすぎるのも厳しいかもしれません…。
橋頭堡を確保した上で渡河。。。が出来ると良いんだけどね
右岸からの砲撃が届く範囲位は春になるまでに確保出来ると良いね
渡河する気があるなら、反攻作戦の主力が残っているときにやってほしかったな。
言いたくないけど、戦力の逐次投入を絵に描いたようなものでは。
ソフトバンクの孫社長は、課題解決のためのAプラン・Bプラン・Cプランがあるとき、
Aプランが上手くいかないから、Bプランをやってみるでは遅いから、
A・B・Cプランを同時にやってみて、手ごたえの感じたものに、リソースを集中させていくと。
そういう話を聞いたことがあります。
バフムートに執着せず、戦力を温存しておき、
南部攻勢と渡河作戦を同時に実施できていれば、また違った景色だったかもしれません。
まあ、歴史にifは禁物ですが。
WeWork…..
どちらかというとA方面・B方面・C方面すべてで相手の抵抗が強かったからの3点同時攻めのような気がします。
なのでバフムトで兵を温存してサボリージャ/へルソン方面を主軸に攻めても、おなじく温存されてたロシア軍と対峙することになり状況が今と大きく異なるということはないように思います
蛇足ですが、ロシア精鋭がバフムトにいるときにサボリージャで前進(ロボティネ奪還)できたものの、精鋭がバフムトから横滑り配置されて停滞したのだから、その精鋭がバフムトという縛り(ウクライナ軍が早々に明け渡していた場合)なく当初から動けた場合に今以上の領土奪還ができてたのかというと疑問がわきます。
困難なことには変わりないと、私も思います。
兵は拙速を聞くも、未だ巧みの久しきを見ざるなり。-孫氏
半年以上かけてすり減らすより、短期間で攻勢に用いた方が、マシではなかったかなと。
渡河後に南部戦線を側面からも攻撃できれば、川沿いに突破口を開けるかもしれない。
その後は、迂回する形で、アゾフ海の打
通も見えそうですし。
この際追加供与されるAMX-10RCも全投入すればもう少し押せるのでは。最後の輝きになるかもしれないけど。
バフムト方面ではドローンの有効射程が電波妨害や電波探知により500メートル程に低下したと聞いている
ロシア側のFPV自爆無人機の運用法は90秒以内に使用し、戦車クラスの目標には後方から5機を同一箇所に被弾と言った工夫も見られている
ウクライナ側も概ね3分が自爆ドローンの寿命のようだ
他国の軍がこれを見て以下に運用するか、あるいは諦めるのか興味深い
短いようですけど、「超精密な迫撃砲」と考えれば90秒でも充分なんですよね。
オペレーターはその短い時間で目標を発見し、当てる腕前が問われるわけです。
ロシアは積極的に橋や西岸の拠点を空爆してくるので
ドニエプル川西岸だと大河を盾にできるのでホークミサイルのような最前線だと目立ちそうな防空ミサイルでも安心して展開できるので、ここにホークを多数展開しておいて防空キルゾーンを構築すると面白いかも