ウクライナ戦況

HIMARS×2輌分の火力を投射可能なM270MLRS、ウクライナへ到着

ウクライナのレズニコフ国防相は15日、HIMARS×2輌分の火力を投射できる多連装ロケットシステム「M270MLRS」が到着したと明かした。

参考:В Украину прибыли М270, будет хорошая компания HIMARS

M30/M31×6発もしくはATACMS×1発を収納できるコンテナを2基搭載できるMLRS

ウクライナの要請に応じて米国はHIMARSを12輌、英国とドイツはMLRSを3輌づつ提供すると約束、HIMARSの引き渡しは6月下旬に始まり既に8輌(残り4輌は輸送中)がウクライナに到着済みだが、レズニコフ国防相は「最初のMLRSがウクライナに到着した」と15日に明かした。

HIMARSはM30/M31×6発もしくはATACMS×1発を収納できるコンテナを1基搭載できるが、MLRSはコンテナを2基搭載できるため1輌あたりの火力投射量はHIMARSの倍=6輌のMLRSは12輌のHIMARSに相当する。

ウクライナに到着したMLRSが英国提供分かドイツ提供分かは不明だが、ロシア軍の兵站拠点や司令部を連日破壊して回る戦力が更に増えたことに違いはない。

出典:U.S. Marine Corps photo by Pfc. Sarah Pysher HIMARSのコンテナ交換作業

因みにノルウェーはウクライナに多連装ロケットシステムを送るため近代化前のMLRSを英国に3輌提供、これを受け取った英国は「近代化済みのMLRSをウクライナに追加で3輌提供する」と予想されているが、追加提供についての公式なアナウンスは行われていない。

関連記事:米国がHIMARS提供を正式発表、ドイツに続き英国もMLRS提供を表明

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain

ポーランド、米国から中古エイブラムス116輌を調達することで合意前のページ

英BAE、消耗型と再利用型の無人戦闘機に関するコンセプトを発表次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    ウクライナ大統領、ロシアに戦争終結、安全保障、主権、領土の回復を要求

    ゼレンスキー大統領は17日、ロシアと和平交渉について「我々はロシアに戦…

  2. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍、プーチンがドネツィク州を9月15日までに占領するよう命令

    ウクライナ軍参謀本部は「プーチン大統領がロシア軍にドネツィク州全域を9…

  3. ウクライナ戦況

    ウクライナ侵攻343日目の戦況、バフムート以外でもロシア軍が本格攻勢に出る兆し

    ウクライナメディアは「ロシア軍が全力で突破を試みるヴーレダーが占領され…

  4. ウクライナ戦況

    ウクライナ侵攻362日目の戦況、ロシア軍がバフムート包囲に向けて前進

    ロシア軍が猛攻を仕掛けるバフムートの状況は悪化しており、幹線道路を越え…

  5. ウクライナ戦況

    ドニエプル川の戦い、ウクライナ軍が何の制限も受けずドローンを運用?

    ロシア人ミルブロガーの「NGP RaZVedka」は10日、ドニエプル…

  6. ウクライナ戦況

    ザポリージャ州の戦い、ウクライナ軍がベルベーヴ方向への攻勢を開始か

    ウクライナ軍がロボーティネ集落の南端に到達したことを示す視覚的証拠が登…

コメント

    • 名無しさん
    • 2022年 7月 16日

    ようやく到着ですね。
    最初、支援の話が出たとき、これではあまりにも車両が少なすぎると懸念されたものですが、
    お互いに航空戦力のない中、一方的にアウトレンジから撃てる兵器は、少数でもかなり戦局に影響を与えられるようですね。
    とにかく、ウクライナの前線が、ロシアの砲撃の雨に曝されないようになりつつあるのはいいことです。

    42
    • ido
    • 2022年 7月 16日

    日本もMLRSなら提供できるのになぁ。できないのが悔しい。でも、高速滑空弾の開発が終わってないからってものあるのかな。

    5
      • バーナーキング
      • 2022年 7月 16日

      退役予定の内の数輌を米国に「早期返却」するだけでもいいのにね。

      14
        • ネコ歩き
        • 2022年 7月 16日

        陸自MLRSはライセンス生産では。現用M31ロケット弾はFMS調達で、両方とも返却する装備ではないはずですが。

        19
          • バーナーキング
          • 2022年 7月 16日

          ライ国にしろFMSにしろ自由に売却できる訳じゃなし、
          無期限有償貸与との境目は曖昧な気がするけど…。
          返却でなければ譲渡?委譲?まあ表現はお任せします。
          大事なのは(露と国内抵抗勢力に対して)「日本がウクライナに譲渡した訳じゃなくて米国に○○しただけだ」とすっとぼけられる事なので。
          …書いてて悲しくなるけどな。

          29
      • NATTO
      • 2022年 7月 16日

      駐屯地の飾りにされた車輌もありますね。
      あれは、ドンガラになってるだろうけど、もったいない。

      4
      • ミリオタの猫(やっぱり、アンツィオ…いや、ロシア軍は強い!)
      • 2022年 7月 16日

      もしも本当に提供の必要が有るのなら、米国から「提供せよ」と言って来るはずなので、それが無いと言う事が全てを物語っていると思います。
      米国的には、日本は台湾・中国方面の抑止を在日米軍と一緒にやってくれれば良いのでしょう。

      26
    • 無無
    • 2022年 7月 16日

    装輪式と装軌式とどちらが使い勝手が良いのか、ウクライナによる後日の評価が面白そう
    機動性と投射力のどちらに軍配が傾くか

    2
      • てつ
      • 2022年 7月 16日

      HIMARSなら幹線道路沿いを注視するだけである程度警戒できますが、不整地に進入できるMLRSを投入するとロシア側の警戒の負担を大きくでき、結果としてHIMARSの攻撃成功率と生残性の向上も相乗効果として期待できます。
      HIMARSやMLRSの捜索にUAVを投入すれば、ドンバスでの攻勢に投入できる数が減りますし、HIMARSやMLRSが居るであろうウクライナ勢力圏深くにSu-25やUAVを投入したらSAMで刈られてしまいますしね(NASAMSやIRST-T SLが到着すればなおさら)。
      弾薬を住宅地に分散したり後方に下がると即応性が低下するし、保管場所が増えると警備が粗くなって潜入部隊やレジスタンスの餌食になりやすくなる。
      ロシア側としては痛し痒しかな?
      後はこれを反攻作戦に繋げられればと思います。

      37
    • makumaku
    • 2022年 7月 16日

    攻撃後の速やかな退避のために、M270の移動には大型トレーラーを使用するのでは?
    いまのウクライナ軍にとってHIMARSとM270は虎の子なので1輌も失いたくないはず

    12
      • 無無
      • 2022年 7月 16日

      長期的移動にトレーラーは必須と思いますが、発射後の敵からの位置特定前に移動するにあたりトレーラーに搭載する時間がロスタイムに当たるのか、そしてトレーラー移動となると作戦中のM270の不整地走行範囲を限定しかねないのではと、戦場での運用を注視しています

      4
      • 58式素人
      • 2022年 7月 16日

      HIMARSがしているヒット&ランをするならば、M270は
      ひょっとして、低床トレーラーに乗せたまま(苦笑)かな。
      重たいと言われるけど、約25tで戦車よりはずっと軽いし。

      1
      • ネコ歩き
      • 2022年 7月 16日

      HIMARSとM270の路上最大速度はそれぞれ85km/hと64km/hです。
      射撃直後に退避するとして、加速時間を無視した移動距離はそれぞれ毎分1.4kmと1kmの計算になります。M270でも十分に退避可能と思いますがどうでしょう。
      仮に退避困難とすれば、PzH2000と99式自走155mm榴の路上最大速度はそれぞれ60km/hと49.6km/hですから、どちらも退避できないことになります。
      トレーラーに載せてる間に全力で走行退避するほうが生残性は高いと思いますよ。

      11
        • 58式素人
        • 2022年 7月 16日

        或いは、路外機動を諦めて、低床トレーラーに載せたまま
        牽引トラクターも付けたまま射撃でしょうか。
        それほど重くはない(約25t)ですし。
        ウクライナならそれくらいやりそうな気が。
        昔の漫画(笑)でパンター戦車(45t)を、鉄道貨車に載せたまま
        射撃をするシーンがありました。

        1
    • 折口
    • 2022年 7月 16日

    MLRSとHIMARS、シュートアンドスクートではどっちが良いんでしょうね。まぁ普通に考えればMLRS1両よりHIMARS2両もらうほうがありがたいのでしょうけど。
    MLRSは装軌ですから路外にもどんどん進出して隠蔽できるので、そういう面でメリットの活かしようもあるのだとは思います。一応軽装甲がされているので万が一対砲兵射撃に補足された際の生存性も高いでしょう。ミサイルに狙われたら終わりなのは一緒ですが。(米軍の運用などを見ているとMLRS本体は装軌でも補給車両がゴムタイヤのトラックだったりするので路外機動性とは?という感じではありますが)

    6
      • トーリスガーリン
      • 2022年 7月 16日

      正直瞬間的に発揮出来る火力の多寡より今はいかに迅速に多数の重要なポイントを攻撃できるかの方が重要な気がします
      とはいえユニット数が増えているのは事実なので喜ばしいことではありますね
      HIMARSの射撃動画では道路上からそのままぶっ放しているものがある一方給弾時は林や森といった隠蔽を重視した場所を選んでいるように見えるので、どちらかというといかに迅速に行動出来るかの方が重要なのかもしれません
      とはいえM270も路上では危険なほどノロマという事も無いのでウクライナ軍ならこっちもうまく使いこなすんじゃないかなって思います

      今更ですがウクライナ軍はよくもまぁドクトリン的にも体系的にも異なる西側兵器をほいほい使いこなすもんですよね

      4
    • Formula750
    • 2022年 7月 16日

    ロケットの予備を大量に送らないとすぐに使い切る予感

    2
      • perorin
      • 2022年 7月 16日

      FTの記事で、(無料会員でも読める)

      > 誘導多連装ロケット弾システムについては、米政府は保有する2万〜2万5000発のミサイルの約3分の1をウクライナに送った。
      リンク
      という話があるみたいなんだけど本当なんだろうか?

      2
        • ネコ歩き
        • 2022年 7月 16日

        米陸軍は今年3月から推進剤の誘爆性を低下させたM30A2とM31A2の調達を開始してます。
        置き換えの意味もあって備蓄M30A1とM31A1のウクライナ提供に問題はないんでしょう。

        3
          • perorin
          • 2022年 7月 16日

          ていうか本当に7000~8000発も撃ったら前線のロシア軍壊滅するような・・

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  2. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  3. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  4. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  5. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
PAGE TOP