ウクライナでは動員対象者を軍に送り込む「軍事委員会」の不正が問題になり、ゼレンスキー大統領は「全ての軍事委員会をチェックしろ」と指示していたが、この調査報告を受けて11日「全地域(2つの特別市+24の州)の軍事委員を解任する」と発表した。
参考:Зеленский объявил об увольнении всех областных военкомов
参考:People who know exactly what war is should run the system of territorial recruitment centers – address by Volodymyr Zelenskyy
参考:“Звільняємо всіх”. Зеленський поставив завдання Залужному замінити обласних воєнкомів
参考:ДБР вже розслідує понад 110 кримінальних проваджень щодо зловживань воєнкомів
軍事委員から解任される軍人が階級と威厳を維持したいなら前線勤務を志願すべきだ
ウクライナのオデーサ州でボリソフ軍事委員長の不正=合法的に説明が出来ない計1億5,100万フリヴニャ(約6億円)による高級外車やスペインの不動産を購入、ホワイトチケット=動員免除書類の販売、戦時中の出国が制限されているにも関わらず「嘘の申告」で豪華な家族旅行に出かけていたことが発覚、これを受けてゼレンスキー大統領は「全ての軍事委員会をチェックしろ」と指示していた。
先月25日に調査の中間報告を受けたゼレンスキー大統領は「本当に残念な結果だった」と述べ、国家捜査局(SBI)は8日「軍事委員会関係者に対する捜査中の刑事訴訟が112件(+疑惑の報告15件)あり、既に15件の起訴状が裁判所に送付された」と明かし、不正はキーウ(特別市)、キーウ州、リヴィウ州、リウネ州、ザカルパッチャ州、チェルニウツィー州、ヴィーンヌィツャ州、チェルカースィ州、オデーサ州、ポルタヴァ州、ドニプロペトロウシク州、ザポリージャ州、ドネツク州の軍事委員会で見つかっている。
主な不正内容は動員免除書類の販売、出国許可書類の販売、動員対象者を不法越境させる組織の運営、犯罪者の隠匿、不正蓄財、覚醒剤の販売、不正を告発しようとした部下・市民への暴力や脅迫などで、国家捜査局、保安庁、内務省、検事総長、国家汚職防止庁、国家汚職防止局から報告を受けたゼレンスキー大統領は11日「全地域の軍事委員(恐らく軍事委員長を含む上級幹部全員)を解任することを決定した」と発表した。
動員業務を担当する軍事委員会は維持されるが、解任された軍事委員の後任は「前線で戦ったことのある軍人」「負傷して手足を失った軍人」「戦時中の不正や横領が反逆罪に相当すると理解している軍人」から選ばれる予定で、ゼレンスキー大統領は人事刷新の責任者にザルジニー総司令官を指名している。
因みにゼレンスキー大統領は「犯罪や違反の証拠がなく軍事委員から解任される軍人が階級と威厳を維持したいなら前線勤務を志願すべきだ。軍隊は刑事罰の代わりになるところではないが、肩章と利益を混同している軍人は間違いなく裁判にかけられる」と述べているので、全ての軍事委員の関係者が「何らかの不正を犯していた」と考えているのかもしれない。
追記:ゼレンスキー大統領は動員対象に合法的なホワイトチケット=動員免除・延期書類を作成することができる軍事医療委員会についても「この組織も正常に機能していない」と主張しており、この問題についても「2週間以内に何らかの決定を下す」と述べている。
追記:情報のソース(RBC-Ukrain)が怪しいと指摘があるので、この発表に関するウクライナ大統領府の発表、BBCの報道、国家捜査局の発表を参考リンクに追加(これぐらいは少し調べれば見つかると思いますよ。そもそもRBC-Ukrainの記事にもゼレンスキー大統領の公式Telegramへのリンクがあるので)
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※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE
この不正への戦いにゼレンスキーは勝てるのか。
戦争が始まる前は苦戦して成果が出せずに支持率低迷していたから無理な気もする。
これに勝てないと戦後NATOやEUに入り辛い。
EUに参加できなければ、これまでの戦争を含めて努力は、なんの為だったかという話にもなる。
まずは戦争に勝つことだけど、前途多難だなあ。
まあわかり易い話ではありますが、これは
✕ 不正対策
○ 徴兵逃れ対策
なのですね
兵が足りなくなってきたから、「今まで放置してきた」腐敗癒着を摘発せざるを得なくなった
今後はホワイトチケットの再審査が行われ、過去にホワイトチケットを入手した者も再取得しないと徴兵されるのでしょう
不正チケットの発行もなくなりはしないでしょうが、相場は高騰して富裕層以外は貯蓄崩しても購入し辛い値段になる事が予想されます
賄賂があんまり美味しいからと濫発し過ぎた
逆に拉致まがいの徴兵に関しては激化するんでしょうね
こっちを取り締まる動機はゼレンスキー政府には無いので
おっしゃる通りと思います。
不正対策なら、ゼレンスキーの側近や仲間もしているでしょう。この意味の不正は、財産を公開すれば、ゼレンスキーが一番でかいかも。
通常の場合、ゼレンスキーから距離置く奴や逆らう奴を汚職だと摘発するのです。汚職は皆がやっているわけですが。
しかし、今回の軍人委員の解任は、動員に対する民衆の不満のガス抜きか、動員免除を厳しくするのか、どちらかの目的でしょう。
そして、軍事委員の不正は最初からで今始まったことではないことと、軍事委員の裁判より最前線行きを、ゼレンスキーが示唆しているところからすれば、民衆の動員へのガス抜きが主たる目的だと思います。
ということは、動員に問題が出始めている可能性があるかもしれません。もしそうなら、大量の兵士の供給に頼っているウクライナ軍にとって、今後、大きな問題が出てくる可能性がある。もしそうなら、との仮定の上ですが。
海外のアドバイザーを入れた方がいいんじゃないかな。
こうしてEU加盟を目指し汚職撲滅に取り組んでいるわけだが
当然EUから人員を派遣してもらって協力しているよ
日本の警察も協力してましたね
ロシア人もウクライナ人も本質的には同じなんだよね。
戦争も終わらない気がする。
まあ気が済むまでやればいい。
どうせ止まんないし。
ここでザルジニー総司令官が出てくるのが面白いな
解任とかの話は何だったんや
思い切った決断ですが、業務の引き継ぎや引き継いだ後現場をうまく回せるのかちょっと心配です。
新たに着任する軍事委員が現場を知らない全くの門外漢ばかりだとしたら別な問題が噴出しそうですし。
それでもやらねばならないほど、上から下まで腐敗し切って居たという事なんでしょうね。
何らかの懲罰(減給とか、執行猶予付けるとか)では無理と判断するほどだったとなると、泣けてきますね。
多分、ゼレンスキー大統領は、元々は全然、政治畑、軍事畑の人じゃなかったから、権力的な腐敗とかと縁が無かったと思うんですよね。そういった意味では庶民的な目線を持っている方ですけど、それだけに腐敗の実態をみて、衝撃を受けたのかも。
実務が回るならいいんですが、確かに心配です。
戒厳令及び一月に大統領が署名した法律第8271号に引っ掛かりそうなので、一度でも表に出してしまえば刑の軽減という選択肢は法的にも兵士及び徴兵対象者の心象的にも無理な気がします。
調査の結果全員がアウトでしたが、ここは知らなかったということでひとつ。
戦時なのでいつかはそうなりますが、中央への権力集中に関してはクラフチュク元大統領を超えて同国史上最高になりましたね。
結果が出るのはまだ先ですが、単なる逆コースで終わるかどうかはとても気になるところです。
8月だヨ、全員解任!みたいな感じですか。そもそも本当にちゃんと調査してんのかどうかもよくわかりませんが。
犯罪や違反の証拠がなく軍事委員から解任される軍人って一体何でしょうか?
後任とか本当にいるんですかね?前線で戦ったことのある軍人や傷痍軍人だから不正をしないとも限りません。
そもそもこれだけ動員事務に不正があるというのならば、今のウクライナ軍の実兵力、兵士の人数、死傷者の人数もよくわからないのではないでしょうか?日本人義勇兵はずっと認識票も給料ももらえなかったわけです。
あとは、ゼレンスキ―大統領自身は自ら責任を取らなくてもいいのかということです。
ゼレンスキ―大統領が自身の進退を決めるのは戦争が終った後では。
戦争中に責任を取ってトップが辞職したら国損にしかなりませんし。
リンク
このRBCウクライナってサイトだいぶ偽装工作に使われてるようですが大丈夫なんですかね…
では、確実で間違いない情報源をご教示お願い致しますm(__)m
ウクライナの不正は表に出る
ロシアの不正は表に出ない
これよ。流石にここまで酷い予想は当たってほしくなかったけど、戦時中に表に出るだけまだマシ
見方によってはとても良い事です。ウクライナは痛い思いをしても体内の膿を切り出せる。ロシアは多かれ少なかれ膿を抱えたまま戦争を続ける事になる。どちらの方が勝つために必要かは誰でも分かります。
貴方が見てないだけでロシアの汚職の摘発も普通に報道されてるよ。
開戦数ヶ月で結構報道されていましたね、
最大手のバカが手付かずですが。
侵略されて国家存亡の危機にあり他国からも多大な支援を受けているウクライナで汚職が蔓延しているのが異常なのであってロシアは比較の対象ではない。
戦に負けてもロシアは撤退するだけだが、ウクライナは負けると国が無くなる。
表に出たって良くならないなら一緒だろ
いつまで腐り続けているんだよ
逆に旧ソ連時代から脈々と受け継がれてる汚職文化が1、2年で綺麗になるとか思ってる?
戦時中という鉄火場で不正のチャンスが溢れている時に大鉈振るえばそりゃ醜悪な面も出てくるだろうよ
問題は「本当に不正対策で大鉈振るっているのか」ですね
兵員不足対策でのホワイトチケット発行抑制の為であれば、拉致まがい誘拐の徴兵の方は手付かずになってしまいます
それどころか激化するでしょう
警察は腐敗してないんですかね? ゼレンスキーの周辺も怪しいですし。まあ長年の習慣はすぐに拭いきれるとは思えませんし戦争終わったら復興資金やなんやらでまた一波乱起こりそうですね。それでもロシアよりはだいぶマシですが。
まあ穿った見方をするとホワイトチケットを乱発する余裕が無くなってきた程、徴兵事情が厳しくなってきたのでは。腐敗は緊急時に一気に表面化する。一説では40万人死亡とかあったけど流石にそれは無いにしろ、ウクライナ側は相当の人的被害が出ているのでは。
毎日前線で大量の戦死者を出してるのに政府が隠してるから国民に危機意識がなく動員に応じなくなってるのだとアゾフの指揮官が訴えてましたね
>一説では40万人死亡とかあったけど
ダグラス・マグレガー氏などが広めている情報ですが根拠は全く無いですね。
40万人戦死でしたら負傷者は100万人を超えますので、ウクライナ軍はずっと前に崩壊しているかと。
今のウクライナ軍は兵力約60万人で他に50万人を訓練中という情報がありますので、今後の反攻用兵力の確保に勤しんでいると思われます。
>今のウクライナ軍は兵力約60万人で他に50万人を訓練中という情報がありますので、今後の反攻用兵力の確保に勤しんでいると思われます。
その動員の担当者が不正していたから全員解任したって記事ですよね。「今のウクライナ軍は兵力約60万人で他に50万人を訓練中という情報」が、全くあてにならなくなったということでは?
元は兵力25万予備役90万とかでしたっけ
115万が60万に減ってるとなると単純に55万が死傷者
単純に死亡と負傷を1:3とすると、14万弱が死亡42万弱が負傷
後はどれだけ開戦時の素人を後から突っ込んだかで+αが嵩む感じですかね
訓練中の50万がどれだけ戦力になるか…
大事な推論をありがとうございます。
昨年の夏の段階で、ゼレンスキーや有力閣僚らが、兵力が100万人を超えたとの発言がありました。
その後もわりに強引な動員は、ずっと継続しているので、動員は150万人から200万人近くかもしれませんよ。
全地域が、動員の不正問題あったとは、酷く腐敗した国ですね。
ウクライナ人の海外避難民のうち、不正出国した人間は、早急にウクライナ帰還すべきではないでしょうか。
兵役対象の成人男性が、海外避難民として報道されてる事に違和感を感じてたんですよね。
ウクライナ国内で殉死された方、今も国内で頑張ている方々が、報われることを願ってます。
(管理人様、いつも情報まとめありがとうございます)
日本の倫理観的には男だけ徴兵・出国禁止とか性差別な人権侵害も甚だしいと思いますので違和感とか全然感じないですね
不正出国は国を挙げての特定属性を対象にした人権侵害に対する緊急避難と言うべきではないでしょうか
全員ならこのシステムを作ってアガリを受け取っている人物が存在するはずだが誰も言及しないな。
こういう大規模な汚職とか不正というのは政治的意識とか倫理観が後進的だから発生するもので
意識改革が必要なのだが平時だと政策的に行って1世代、30年ぐらいかかる代物で日本も非常に苦労したものです
で、ウクライナがEUに加盟したければこの前時代的な意識を改革しなければならないのですが、
短期間で行おうとするなら強権的な手法をとるしかないわけですがそれをやると民主主義からかけ離れてしまうジレンマが生じます
ですが今のウクライナは戦時下なので多少強引にやっても西ヨーロッパは大目に見ることでしょう
ゼレンスキーの辣腕を拝見したいところです
くどいかもしれないけど、
何で、ゼレンスキーだけがシロという前提で思考するのだろう?神格化するのかな?と思う。
以前にオデッサの軍事委員長が逮捕された時に、「他の軍事委員も同じだよ」と私はコメントしたけど、それはウクライナでは当然のことだから。
今回の軍事委員の中にもゼレンスキーの熱烈な支持者もいるだろうし、ゼレンスキーの側近や親しい人だけがウクライナで不正をしないことはあり得ない。ゼレンスキー本人も含めて。
むしろ、ゼレンスキーが完全にシロなら、彼のやりか方からして、資産公開とかやって宣伝しているよ。逆に、ゼレンスキーの蓄財が一番凄くても不思議ではない。
そういうのは承知で今回の解任の意味や理由を考えるのが普通ではないのかな。皆さんも仕事関係の分析ならそうでしよう。すごくナイーブに人を理想化するのは恋愛の時だけでしょう。
逆になんでクロであることを前提に話すのか疑問がありますね。
神格化とか関係なくて、何か証拠が出てきてから糺弾するのが普通の反応だと思います。
例としてベトナム戦争ではテト攻勢でアメリカ軍が必ずしも勝っていないと報道で知ってからアメリカ世論が変わっていきました。
何も無いのにいきなりクロ判定はしないでしょう。
クロだと思って欲しいなら、確実な証拠を提示すれば良いと思います。
仕事の話をしてましたが、仕事以外でも一般的には与信で判断しています。
どこの誰だかわからない1人の人間の発言より、編集者やデスクがチェックするマスコミの方を信じると思う。
生活用品なら名前の通ったブランド品を信じます。
一流企業が消費者を裏切ることはあるけど、野良のよく分からない者はアヤシイとレッテルを貼られてしまいます。
なかなか信じてもらえないので取引してもらうのは大変です。
一般の人がクロだと思い出すのは、何かクロである疑惑のタネが上がってからの話ではないでしょうか ?
ただし、誰かがクロだと思うことを止める気はありません。
汚職大国と呼ばれたウクライナの大統領が白って逆にあり得なさそうに思えるのだけど。
パンドラ文書に名前が乗ってた件と、ゼレンスキーの支援者であるコロモイスキーが不正蓄財で米につつかれてた件は今は無かったことになったのでしょうか
ゼレンスキーとコロモイスキーは早々にケンカ別れになったと聞いた。
そのケンカの理由はわからない。
単なる路線対立かもしれないしコロモイスキー自信が整理されるべきオリガルヒだからかもしれない。
米だけではなくウクライナ政府もコロモイスキーの家宅捜索をしている。
ゼレンスキーの公約がその汚職を何とかするだからコロモイスキーも敵に塩を送ったと見ることをできます。
ゼレンスキーを取り込んでうまくやっていけると踏んでいたと思われます。
だから今の段階では証拠とは言えないので無かったことではなくあったことです。
「ゼレンスキーをシロと決めつけているのは不思議だ」と思ったのですが、
「お前はクロと決めつけているじゃないか」と条件反射的に返されると口喧嘩になります。
オデッサの軍事委員の汚職で、「他の委員も同じだよ」と私はコメントしました。それと同じなんです。まあ、ゼレンスキーが自ら資産を公開すればいいのですけどね。
不思議というのは、「ゼレンスキーが1人で汚職と戦っている。清廉潔白な彼は汚職をなくそうとしている」という風な投稿群に対して、まるで魔法にかかっているみたいだと感じたからです。
誰も神格化なんてしていないと思うし、魔法にかかってもいません。
(また反対意見を言ったと言われるかもしれないですが、神格化とか魔法にかかったという物言いは相手を揶揄して無いですかね)
返信は疑問の答えの1つになるかもしれないと思います。
他の人は違うかもしれません。
わからないから本当はグレーなのかもしれないですがクロだと証拠がなければクロだと言い募る必要がないです。
清廉潔白かは分かりませんが汚職対策は彼の選挙公約の1つだったと思います。
それを言うことは素直で単純な反応だと思います。
徴兵事務所に傷痍軍人というのはミリタリーSFのテンプレみたい。
まあ明らかに軍人向けのご機嫌取りなんですが。