ゼレンスキー大統領は15日、ウクライナで実行している特別軍事作戦が既に破綻しており「今のところロシア人は現実を認めようとしないが、何れ目の前の事実を受け入れる瞬間がやってくるだろう」と語って注目を集めている。
参考:Зеленский: Оккупанты не хотят признать, что “спецоперация” уже обанкротилась
参考:Growing evidence of a military disaster on the Donets pierces a pro-Russian bubble.
同じ問題が3ヶ月間も続き何の進歩も見られないのであれば、何百万人ものロシア国民は作戦指導を行う指導者達に疑問を持ち始めるだろう
ロシア軍は3月末「特別軍事作戦の第一段階」と宣言して北部戦線から撤退、他の軍管区や海外駐屯地から装備や人員をかき集めて部隊を再編、アレクサンドル・ドボルニコフ上級大将(シリアの虐殺者)を総指揮官に指名して作戦の協調性も確保、ロジスティクスも見直して補給線を短く整理、かき集めた砲兵戦力で念入りにウクライナ軍陣地を耕してから第二段階と自称する「ドンバス解放」を開始したのに想定以上に作戦の進捗が遅く、プーチン大統領は戦勝記念日に手ぶらで参加するハメになり政治的にも軍事的にも行き詰まってしまった。

出典:Генеральний штаб ЗСУ
その象徴的な出来事はドネツ川の渡河失敗で、西側諸国の軍事アナリスト達はロシア軍の戦術的センスの欠如に驚きつつも「恐らく軍上層部がセベロドネツクやリシチャンシクの制圧を急ぐあまり無謀な渡河作戦を実行したのだろう」と指摘しているが、プーチンの無謀な作戦を擁護してきたロシア人も「これまで批判するのを避けてきたがドネツ川の失敗は忍耐の限界を越えた」と語って無能なロシア軍批判を始めている。
このロシア人は210万人ものフォロワーをもつミリタリーブロガーで「愚かな司令部のせいで戦術大隊が消滅した。ロシア軍には機能的な無人機や暗視装置といった機器が不足しており、ウクライナで戦う部隊ではこれらの機器が壊滅に足りない。実際の戦争で何の問題も発生しないなんてことはあり得ないと理解しているが、同じ問題が3ヶ月間も続き何の進歩も見られないのであれば、私を含む何百万人ものロシア国民は作戦指導を行う指導者達に疑問を持ち始めるだろう」と述べている。

出典:Генеральний штаб ЗСУ
さらに別のロシア人ブロガーも「司令部が兵力の大半を露出させたまま放置するなんて自軍に対する妨害工作に近い」「川辺に戦術大隊を配備した天才軍人の名前を明らかにして、彼が公の場で説明するまで軍事改革は不可能だ」と批判が噴出、米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は「多くのロシア人に影響力もつ彼らの批判はロシア軍指導者に対する国民の疑念を高めるかもしれない」と指摘しているのが興味深い。
ゼレンスキー大統領も15日「もう特別軍事作戦は破綻している。まだロシア人は現実を認めようとしないが、何れ目の前の事実を受け入れる瞬間がやってくるだろう」と語っており、少なくないロシア国民もウクライナとの戦争が失敗していることを薄々感づいているので、もうプロパガンダで真実を抑え込むのが難しい段階に入っているのだろう。
📽️Ukrainian jets near Izium, #Kharkiv Oblast, supporting the ongoing Ukrainian offensive towards the city #UkraineRussiaWar pic.twitter.com/GaTCrmLpMb
— MilitaryLand.net (@Militarylandnet) May 15, 2022
追記:イジューム方面で戦う地上部隊に航空支援を提供するためウクライナ空軍のSu-25が飛んでおり、何らかの反攻作戦が進んでいるのかもしれない。
関連記事:ロシア軍の渡河作戦は大失敗、生き残ったロシア人も川を泳いで逃げる
アイキャッチ画像の出典:President Of Ukraine
お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。 |
それを認めないとさらに犠牲を出すのがロシア流
ワタミ社長「『無理』というのはですね、嘘吐きの言葉なんです。途中で止めてしまうから無理になるんですよ」
村上龍「?」
ワタミ「途中で止めるから無理になるんです。途中で止めなければ無理じゃ無くなります」
村上「いやいやいや、順序としては『無理だから→途中で止めてしまう』んですよね?」
ワタミ「いえ、途中で止めてしまうから無理になるんです」
村上「?」
ワタミ「止めさせないんです。鼻血を出そうがブッ倒れようが、とにかく一週間全力でやらせる」
村上「一週間」
ワタミ「そうすればその人はもう無理とは口が裂けても言えないでしょう」
村上「・・・んん??」
ワタミ「無理じゃなかったって事です。実際に一週間もやったのだから。『無理』という言葉は嘘だった」
村上「いや、一週間やったんじゃなくやらせたって事でしょ。鼻血が出ても倒れても」
ワタミ「しかし現実としてやったのですから無理じゃなかった。その後はもう『無理』なんて言葉は言わせません」
村上「それこそ僕には無理だなあ」
(『日経スペシャル カンブリア宮殿』より)
これ思い出しました。独裁者の思考はどこもこんな感じなんですかなと。
>少なくないロシア国民もウクライナとの戦争が失敗していることを薄々感づいている
どこかで見た。
今までのロシア軍は政治に動かされてたから、意味不明なことをしたと思っていたが、本当はロシア軍自身も無能集団に過ぎなかったのかもしれない。
まだロシア国民の認識としては「作戦の不手際で攻勢が失敗した」くらいのものなのではないでしょうか。
これを明確に「負け」と認識して貰わねば、終戦に向けたロシア国内での動きに繋がらない。
そしてロシア国民が事実を受け入れて、負けを認識するためには、やはり「ロシアの領土を失う」くらいのイベントが必要なのでしょう。
すなわち、ウクライナによるルガンスク・ドネツクおよびクリミアの奪還。
これがロシアの厭戦ムードに繋げられるか、プーチンがブチ切れてWMD使用に走るか、読めないところではありますが…
それでもロシアが止まらないようであれば、ロストフ、ベルゴロド、クルスクといった都市の占領までやらなきゃいけなくなるな
問題はそこまで言ってしまった場合、おそらくはブログなど発信源の閉鎖、最悪の場合反政府扇動活動しているとみなされて逮捕されかねないので、ロシア側の負けという風潮を作れる人間がロシア国内にいるのかどうかでしょうね
ロシア国外でいくらそういう風潮を作ったところで肝心のロシア国内に届き、広まらない現状でははたしてそうなる可能性がどれほどあるのか……
その内、ロシア軍将校はこのような演説をするに違いない。
……ロシア軍は食うものがなくても戦いをしなければならないのだ。兵器がない、やれ弾丸がない、食う物がないなどは戦いを放棄する理由にならぬ(以下略
訓示は一時間以上も続き、疲労と栄養失調で立っている事のできない将兵達は次々と倒れた。
コロナはあるけど、マラリアがないだけロシアはマシか
実戦でなんつう低空飛行してるんだ…
ただここまで低空飛行してると一周まわってやっぱり近接防空用対空砲の需要が出てくるのでは?
87式の後継もちゃんと作らんと不味いかもね
ロシア軍、実は数持ってきてない?
映像に見える輝点はフレアですかね。
携行SAMを警戒してでしょうか。それとも地上部隊に友軍であることを知らせるための信号?
スティンガーまみれなのに
ウクライナの航空機が友軍に撃墜されないのが不思議
スティンガーにもIFFはついていますよ
ちょっとでも高く飛ぶとS-300や400、あるいはパーンツィリS1の対空ミサイルが飛んでくるから低空飛行せざるを得ないんでしょうね
自分たちも同じ装備持ってるからどの程度の高度を飛んだら危険というのがわかってやってるんだと思います
MANPADS対策でフレアばら撒きながら攻撃と離脱は通常の攻撃手順なのでしょう
しかしここまで低く飛ぶと対空ミサイルよりも阻塞気球でも浮かべておいた方がいいのかも
なんだか第二次世界大戦に逆戻りしそう
対ドローン用に対空機関砲の重要性がクローズアップされていることから、なにがしかの自走対空砲が作られる可能性はありますね。
簡易な対空・対地機関砲の有効性は、今回のウクライナ侵攻でも証明されていますから。
87といえばJu87もここらへんよく飛んでましたので、よかったらそちらも…。
エアロバティック!?っていうぐらいのとんでもない低空飛行ですね…
海面スレスレで雷撃する一式陸攻の写真を思い出しました。
以前、ゼレンスキー大統領がイスラエルに対し、アイアンドームの提供を求めていたけれども。
ロシアがおかしくなる前に、ドニエプル川沿いに何箇所かBDM任務の部隊を
配置するべき時期が来たのではないかと思う。
イラン・イラク戦争の時も湾岸戦争の時も、終いにはSRBMで戦争をしていた。
考えてみれば、WW2のドイツ軍のV2も同じことだったと思える。
NATOがこっそりと配置できないだろうか。
飛んでくる物の弾頭が高性能爆薬だけとは限らない。
弾頭の種類(!!)によっては、後付けで人道支援(!?)になる。
日露戦争時もロシア的にはちょっと局所的に負けたくらいにしか感じてなかったらしいので、ロシア人的には「ちょっと上手くいってない」程度の認識なのかもしれないですけどね。
ロシア人の気質として、「取り合えず政府が何とかしてくれるまで耐える」のが国民性ってロシア人の某ブロガーさんが言ってましてね。
>Su-25が飛んでおり、何らかの反攻作戦が進んでいるのかもしれない
ハルキウから東進してきたウクライナ軍による、クビャンスクまたはその周辺の兵站路の分断作戦がいよいよ実行されるんでしょうかね。
実行に移された場合、イジュームに展開しているとされるロシア軍2万の兵力は完全に孤立することになる。
ウクライナ軍はイジューム周辺を空爆しているようですね。虎の子の航空戦力も投入しつつ、ウクライナ軍の大規模な反撃が始まるということでしょうか。ロシア軍ができなかった機動戦を見せて欲しいですね。
ウクライナの総反攻とロシア軍の組織的崩壊とどちらが早いか、そしてその後ウクライナはクリミア半島まで進むべきなのだろうか、そのときプーチンは核を使うだろうか
戦争の終わり方を模索する段階が近づいてる
ハルキウ市の北面で反抗作戦に参加していたウクライナ領土防衛隊の部隊が、5/15ウクライナ=ロシア国境に到達したそうです。
リンク
数日前に、ハルキウ方面から撤退中のDNR部隊が、国境でロシア軍から戻って戦えと脅されて越境させてもらえず、どうすることもできず無為に過ごしているというニュースがあり、気になっていたんですが、その後DNRでその兵士たちの妻たちや家族が、兵士たちを取り戻そうとデモをしたという話を聞きました。ロシア軍がうまくいっていないことを示唆するエピソードですね。
そこから更に東進して、ポルチャンスク攻略目前になっているらしいですよ
東部でドネツ川の渡河を試み続けていたロシアだったけど、逆にウクライナに渡河作戦をされる寸前になっているのが興味深い。
ロシアにとってのポルチャンスクは、ベルゴルド補給ルートの要衝で、
ウクライナにとっては、クビャンスク奪還のための前哨戦となるだろう
ロシアにも沢山の軍オタがいて、しかも愛国心なんか持ってたりすると
なまじ普通の人より戦況が理解できる分だけ、身悶えして苦しんでるだろうね・・
合掌(-人-;)
WG社の公認コミュニティコントリビューターがロシアに招待されたときの感想で、
ロシアという国は兵器が日本と比較にならないレベルで身近なところにあって、国のアイデンティに軍事力の占める割合がかなり大きいそうです。
だから軍オタという少数存在になっている日本とは逆で、軍事に無関心な人間の方が少数派なのがロシアなのではないかと思いますな。
どっちもどっちだと思うけどな
2ヶ月前から同じで、直ぐにでもロシア軍は崩壊する。とか言ってたのにな
ウクのNATO加盟やEU加盟も全然話題にならなくなったし
その割りにはマリウポリは攻略されてるし
米英の報道の仕方が、大戦時となんら変わらん
ロシア軍の第二なんたらの目標はもう達成目前なのにねw
川さえ渡ればロシア軍の勝利で、1Wave目を撃退しただけ・・・
反攻作戦なんて息巻いてるが、後で取り返すから大丈夫!!って領土失いまくってるいいわけにしかすぎない
早期にキーウを陥落する目標やゼレンスキー政権を崩壊させる目標はどこにいったのやら…。
ロシアの第二期攻勢の目標は東部を広く包囲してそこにいるウクライナの統合作戦部隊を殲滅することでした。
今はそれをいったん諦めてセベロドネツク周辺を小さく包囲することに切り替えていますが、それに成功したとしても当初の目標達成には遠いです。そうしているうちにハルキウ周辺をかなりウクライナに奪い返されています。
同感です。
と言うか、比較的冷静な書き込みが多いこのブログにも“露探”が二人も現れるとは思ってもいませんでした。
※“露探”についてはググって見てね。
随分おとなしくなりましたよ。以前はここのコメント欄に、世界最強の軍隊はロシア軍で次が中国、米軍は三番目と主張する人がいて目を剥いたものです
成功しなかった目標をノーカウントとするのでもない限り、ロシアの目標はしょっちゅう変更され、縮小化されていっているような気が
このミリタリーブロガーは逮捕されたりせんのかな
戦争反対を表明した教師は生徒に密告されて逮捕されるらしいが
戦争そのものには反対してないからセーフなのか?