ウクライナ戦況

17日にクリミア大橋で2回の爆発音、橋桁が落下した可能性が高い

ロシア領クラスノダール地方とクリミア半島の間のケルチ海峡で17日に爆発音が鳴り響き、クリミア大橋が何らかの被害を受けたのは確実で「橋桁が落下した」という報告や、不鮮明ならがクリミア大橋が途切れている可能性を示す動画が登場した。

ヘルソン州やザポリージャ州に展開するロシア軍の兵站を左右するクリミア大橋

ロシア領クラスノダール地方とクリミア半島の間のケルチ海峡で17日に爆発音が鳴り響き、現地当局は「クリミア大橋を支える145番目(クラスノダール地方から数えて)の橋脚付近で異常が発生して通行が出来なくなった」と述べており、VKontakte上では17日の午前3時4分と午前3時20分にケルチの様々な地域で爆発音が聞こえ「車で橋を走行中だった2人が犠牲になった」と報告している。

Telegram上に投稿されたクリミア大橋の写真は暗くて橋の状況が良く分からないものの「橋の照明が途中で途切れている区間」があり、この区間の橋桁が落下したという報告もあるが視覚的には確認出来ていないものの、クリミア大橋の出入り口付近では大渋滞が発生しているらしい。

兎に角、クリミア大橋が何らかの損傷を被ったのは確実で鉄道橋まで被害が及んでいれば、クラスノダール地方経由によるクリミア半島へのアクセスはフェリー輸送のみになり、ヘルソン州やザポリージャ州に展開するロシア軍の兵站は大混乱に陥るはずだ。

出典:管理人作成

但し、前回の爆発と同様にクリミア大橋の鉄道橋が使用可能であれば効果は非常に限定的になり、仮に鉄道橋まで被害が及んでいたとしてもロストフ・ナ・ドヌー~マリウポリ~ベルジャンシク~メリトポリを結ぶアゾフ海沿いの陸橋が存在するため、ウクライナ南部地域のロシア軍に決定打を与えるためにはこれを遮断する必要がある。

追記:クラスノダール地方当局はクリミアへの旅行者に「ウクライナの占領地を通過する代替ルート(アゾフ海沿いの陸橋)の使用」を推奨、さらに不鮮明ならがクリミア大橋が途切れている可能性を示す動画が登場した。

追記:クリミア当局は「橋脚は無傷で橋桁の道路部分に損傷がある」と「停止している鉄道は17日午前9時までには再開されるとだろう」と述べているため、前回と同じようにクリミア大橋の鉄道橋部分には損傷がないのかもしれない。

追記:損傷を受けた橋桁付近の様子、写真に映る範囲で「橋桁が海に落下している」ということはなさそうだ。

関連記事:ウクライナが破壊を再三予告していたクリミア大橋で爆発が発生
関連記事:鉄道輸送に依存するロシア軍、クリミア大橋の損傷がもたらす影響

 

※アイキャッチ画像の出典:Rosavtodor.ru / CC BY 4.0

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コメント

    • 2023年 7月 17日

    またかよ、ロシア軍内部にスパイがいるとしか思えない
    橋くらい守れないのか?

    8
    • リック
    • 2023年 7月 17日

    穀物協定の期限日にクリミア大橋攻撃ですか
    また思い切りましたね

    15
    • おわふ
    • 2023年 7月 17日

    いいぞ、もっとやれ。

    31
    • たなか
    • 2023年 7月 17日

    まーた高性能タバコか
    火の不始末には気をつけないと…

    20
    • AH-X
    • 2023年 7月 17日

    ヒャッホー、やったー!
    という感じですね。巡航ミサイルによる攻撃でしょうが橋桁って結構頑丈なんですね。

    10
      • 航空太郎
      • 2023年 7月 17日

      橋は細い上に開放系だから、建物と違って爆発力の大半が外に逃げてしまう。そのくせ、車両通行を支えられるよう頑丈な鉄骨構造になってるから、板状の道路部分を破壊しても、枠組みは多少歪む程度で済むとかもざら。なのでピンポイントに直撃させる爆撃を何発も叩き込んで、橋脚をへし折るくらいしないと厳しい目標物だったりする。

      17
        • すっとこどっこい
        • 2023年 7月 18日

        リマゲン鉄橋あたりならそうなんだけど、クリミア大橋はあまりにも脆弱。
        ちょっとした爆発で道路橋の橋桁は簡単にずれて崩落したり、鉄道橋の方は橋桁が橋脚に乗っている部分をピンポイントで爆撃すれば一発で落ちる。ソ連の建造物はアントノフスキー橋やノーバカホフカダムのように大量の爆薬を仕掛けない限りは破壊できなかったが、それに比べたら今のロシアの手の抜き方がひどい

    • gepard
    • 2023年 7月 17日

    現在出回っている画像などで判断する限り被害は限定的で、鉄道への影響がなければ記事の通りロシア軍の兵站に大きな影響を与える可能性は低い。
    この種の重要インフラへの攻撃は、修復を妨害するため継続して行えるかが重要である。

    18
      • gepard
      • 2023年 7月 17日

      リンク
      現地の夜が明けて更に鮮明な画像が出回り始めたようです。鉄道への影響はやはり少なそうで車道も片方は使用可能?
      水上UAVによるものだろうか。

      4
      • bbcorn
      • 2023年 7月 17日

      いつ落ちるかわからない橋を当てるにするほど ロシア人を馬鹿じゃないよ。

      4
    • 理想はこの翼では届かない
    • 2023年 7月 17日

    何故、今になって?
    6月上旬の反攻作戦開始時にやるならまだしも、一ヶ月以上経ってしかも限定的な影響しか出せないのではあまり意味がありません

    もしくは、戦略を変更してザポリージャ以西からの渡河(からのクリミア半島打通)を本気でやるつもりなのでしょうか?
    現状ではどうにもチグハグな感じがしてしょうがありません

    12
      • gepard
      • 2023年 7月 17日

      クリミアとへルソン地域を繋ぐ橋の攻撃の時も思いましたが、恐らく警戒が厳重ですり抜けた攻撃が今回成功したということではないでしょうか。
      スケジュール的な意味を考えるのであれば穀物合意の期日を狙ったものですかね。

      15
      • .
      • 2023年 7月 17日

      >何故、今になって?

      何故も何も、敵の大軍を通してから背後を遮断し孤立させるのは、戦術の常道じゃないかな。
      ウクライナのここまでの攻勢は、ロシアの大軍を誘い出す作戦だった可能性が高いね。

      ウクライナはまだ予備兵力残してるし、これでロシア側の補給が長期間滞り時間はウクライナの味方となる。
      南部とは特にクリミア経由の補給に大きく依存してるので、相当苦しいはず

      17
        • nachteule
        • 2023年 7月 17日

         クリミア大橋を遮断しようが制限受けるだけで孤立なんてするの?船の往来まで遮断出来ている訳でもない、空路を潰せているわけでもない。

         ぶっちゃけ橋落とされて戦争に負ける懸念があるなら橋を上手く落としてケルチ海峡塞ぐ頑丈な道路作る計画した方が良いわ。まだ18mと浅いし戦前の日本はもっとぶっ飛んだ工事してたしハードルも納期もキツくない。

        3
      • たら
      • 2023年 7月 17日

      何度も攻撃はしていた、試していたけど、ようやく成果が出たのではないでしょうか?

      7
    • くらうん
    • 2023年 7月 17日

    まだ未確認の情報が多いので何かしら断定的な事は言えませんが、数日で直る程度の損傷を加えただけならほとんど意味は無いでしょう。
    修復中の箇所に追加攻撃を加えて、更に資材と人員を巻き込む形にすれば大きな損失を与えられるかもしれないが、そうすると戦時国際法に抵触する可能性も高くなる。
    本当はより大きなダメージを与えるつもりが(巡航ミサイルと仮定して)迎撃などで少なくなってしまったのか、見積もりが甘かったのか(前にも攻撃してるのに?)、想定どおりのダメージなのか・だったらなぜやったのか、疑問が多いです。

    10
      • bbcorn
      • 2023年 7月 17日

      いつ落ちるかわからない橋を兵站に使うほどロシア人場馬鹿じゃない。

      3
        • くらうん
        • 2023年 7月 17日

        その論理で言うとストームシャドウはもちろん、GMLRS弾の射程にある場所には集積所や補給路は置かないことになりますが、実際はしていませんよね。
        クリミア橋も去年の攻撃以降(損害としてはこちらの方が大きそう)、さらにストームシャドウ供与以降はいつ落ちるかわからなかったわけですが。
        ある手法を採用するかは誰しもメリットとリスク、そして取れる代替案を比較検討して決めるものです。

        8
    • MTHMaker
    • 2023年 7月 17日

    橋桁ではなく橋脚を破壊したいですね。
    潜水型ドローンや魚雷艇をさらに小型化したような兵器を開発して水中部分を狙い撃ち出来ないものか。

    16
    • .
    • 2023年 7月 17日

    ここ最近のウクライナ軍は、ロシアの後方や兵站叩きに集中してる様子だったので
    まず初期攻勢でロシアの大軍を誘い出し、拘束した後に後方の遮断
    補給が絶え孤立した露軍の殲滅狙い。クリミア大橋への攻撃は決定打かな。

    ヘルソン攻勢の時はロシアの大軍を逃したけど、今度は完全に仕留める気ですね…

    8
    • 名無し
    • 2023年 7月 17日

    無謀だと思うがな
    散発的な攻撃を繰り返したところで大橋の切断には至らない。
    現状反抗作戦は最初の2週間で2割の損失率
    現状は砲撃戦に移行し損失は低下してるようだが、そもそも火力優勢のロシアに砲撃戦を挑めば先に弾切れに陥るのがウクライナなのは自明の理

    8
      • .
      • 2023年 7月 17日

      だが砲弾いくら量産しても前線に届かなくなれば…ね?

      大橋の損傷、どうも応急でどうにかなるレベルじゃなさそうで、復旧相当時間かかりそう
      ぶっちゃけ南部のロシア軍詰んでると思う
      ウクライナ側の初期攻勢の損失も恐らく勘定の内。後は獲物が弱るの待つだけ
      追加の支援やF16も届く。時間はウクライナの味方

      7
        • 名無し
        • 2023年 7月 17日

        この程度で軍事物資の供給が滞るわけないだろ
        供与された西側兵器の損失とF16の供給が決定打にならないことはここでも再三に渡って記事になってるのにまだそんな幻想を持っているのか

        15
      • 2023年 7月 17日

      ポポフ少将の話だと既にロシア軍が弾切れで地雷の盾があるにもかかわらず、打ち負けてジリジリ後退しているようですよ。
      プリゴジンも同じようなこと言ってたし。
      ロシア軍火力優勢の神話にすがるのも、もう潮時なのでは ?
      ハイマースでもう一年も弾薬庫削られ続けてきて、今年からはストームシャドウやスカルプで派手にやられてるんだから。

      8
        • 2023年 7月 17日

        現場の砲撃不足なんて去年のバフムートの戦いから両軍訴えてただろ
        そして砲弾の生産量でロシアが上回ってるのは事実だし

        8
          • タチコマァ
          • 2023年 7月 17日

          弾数が多くてもハイマースでまとめて吹き飛ぶし、弾の品質に問題はあるし命中精度も劣るとされてるからね……
          砲撃数が何倍もあるのに砲撃戦が拮抗、オンボロD-30を大量に投入しては破壊されているという事実を見逃してはならない

          5
        • Artillery
        • 2023年 7月 17日

        ポポフ少将の話を勝手に盛って話していませんか?
        彼は対砲レーダーの欠如と、それによって多数の死傷者が出ていることは話していますが、ロシア軍が弾切れだとかジリジリ後退しているだなんて話はしていませんよ。

        3
    • VIVA
    • 2023年 7月 17日

    管理人の作成している地図を見るたびに思うけど、アメリカのリークされた機密文章に書かれてたように反抗作戦は期待されているほど上手く進まないってのは信頼できる情報だったのね。ウクライナはもうダメかも知らんね。

    9
    • オワコンダイバー
    • 2023年 7月 17日

    市民のバカンスと命を奪っただけで戦略的には意味無さそうですね。

    6
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