ウクライナ戦況

ウクライナ軍、28日実施のバイラクタルTB2による攻撃シーンを公開

ウクライナ軍のザルジュニー総司令官は28日、今度は首都近郊のIvankivでロシア軍の防空システム「ブーク」をバイラクタルTB2で破壊するシーンを公開した。

参考:Головнокомандувач ЗС України

何機のTB2がウクライナ軍に残されているのか謎だが、28日段階でも生きているのはほぼ確実

これまでウクライナ軍はトルコから調達したバイラクタルTB2(空軍12機/海軍3機)の動向や運用を伏せて来たが、ザルジュニー総司令官は27日からTB2による攻撃シーンをFacebook上で公開、3回目となる攻撃は首都近郊のIvankiv地域でロシア軍の防空システム「ブーク」を破壊するシーンだと説明している。

今回の動画はTB2の操作画面がハッキリと映っているため日時や緯度・経度が読み取れ、2月28日の午後3時48分頃に下記の地点で攻撃が実行された=28日段階でもウクライナ軍のTB2が動いているという意味なので非常に興味深い。

SNS上にはロシア軍が地対空ミサイルでTB2を撃墜したと主張(残骸等は映っていないので推定)する動画もアップされており、果たして何機のTB2がウクライナ軍に残されているのか謎だが、ロシア軍の対地攻撃で破壊されないよう運用拠点を頻繁に変更するなど生存性を高める工夫は当然取り入れられているのだろう。

因みにSNS上に公式発表されていないTB2による攻撃シーンもアップされているが、本物なのか偽物なのかは良くわからない。

追記:ウクライナ軍はTB2を使用してスームィ州のロシア軍を攻撃、敵戦車96輌と燃料補給車8両を破壊したと報じられている。これはTB2で敵の位置を割り出し榴弾砲や多連装ロケット砲で殲滅したという意味で、本来の任務=情報収集・監視・偵察(ISR)で良い仕事をしたと言える。

追記:公式発表以外のTB2攻撃シーンが含まれる動画、これが事実なら相当ロシアはTB2に苦しめられているはずで、後方を含む戦線全域に無人機を防ぐためのエアーカバーや電子妨害を構築するのは困難なのだろう。

関連記事:ウクライナ軍、バイラクタルTB2でロシア軍の防空システムを破壊
関連記事:ハリコフ侵入のロシア軍は返り討ちにあい、補給部隊はTB2で叩かれる

 

※アイキャッチ画像の出典:Головнокомандувач ЗС України

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コメント

    • かえる
    • 2022年 3月 01日

    画質悪すぎるぞ DLSS対応はよ(錯乱

    4
    • 名無し
    • 2022年 3月 01日

    制空権は完全に掌握したとはなんだったのか。
    トルコくんなんの犠牲も払わずバイラクタルシリーズの輸出でボロ儲けできそうですね。不謹慎だが羨ましいことだ。

    26
      • 長久命の長助
      • 2022年 3月 01日

      むしろ、無人機の実用性が高まったおかげで、制空権の考え方そのものを変えたの方が良いのかもしれない。

      有人機による散発的な制空権確保しても、無人機によって簡単にひっくり返されることを考えると、領域の支配状況をパーセント表記にした方がいいかも。

      11
      • あばばばば
      • 2022年 3月 01日

      燃料代もただじゃないし、四六時中戦闘機を飛ばしていたら、機械も人間も消耗しきってしまうから、一日二日は掌握できても、四日目となると綻びが出てくるのではないだろうか

      トルコ君は貨物船攻撃されてるし、モントルー条約でボスポラス海峡封鎖封鎖という話が出てきている(不確定?)ので、犠牲が無かったわけでもないし、今後体を張ることになるかもしれないから多少良い思いしないとね

      7
    • くらうん
    • 2022年 3月 01日

    場所的に5kmの軍用車列が確認されたところに近いな。
    航空阻止攻撃の前段階としてSAMを排除しているのかも。
    そうだとしたら宇軍が未だに組織的かつ有効な航空戦力を維持している証明だな。

    12
    • さてぃん
    • 2022年 3月 01日

    見せて鼓舞させたいんだろうけど、

    こういうのはある程度、行動や戦果を秘匿にしといたほうがいい気がする
    ロシアが本格的に対抗策を打ってくるのが目に見えてるのに

    織り込み済みならいいけど

    2
      • 名無し
      • 2022年 3月 01日

      ロシアだってウクライナの航空戦力把握した上で攻め込んでるわけで。
      対抗策で防空システムで補給部隊も守ったまま進軍したんじゃ遅いからこうなってるんじゃないんでしょうか。
      いや、ウクライナが嘘はついてなくても、迎撃されまくったなけなしの最後の一機の成果がこれの可能性だってもちろんありますが。

      14
    • tofu
    • 2022年 3月 01日

    この戦争の戦訓は日本にとって重要な示唆になりうるからがっつり研究して欲しいところ
    ほぼ一線級の正規軍同士がUCAVを運用してそれを迎撃するという戦争はこれが初だから、どの程度通用したのか、攻撃側の戦術、防御側の戦術、それらの有効性や対抗策などなど
    日本にとってはそこをしっかり見とくことが、安易に兵器導入論をぶち上げるより有用になるはず

    日露戦争における塹壕と機関銃と突撃戦術の関係性を軽視したためにWW1で多くの若者の血で代償を払うことになった歴史もあるし

    29
    • 無無
    • 2022年 3月 01日

    露助が制空権とれてるはずだが、その隙間を狙えるのがUAVという話なのか
    考えれば、しょせん戦場での兵器は消耗品と割りきれば、パイロットの要らない無人機は気軽に使える

    9
    • バクー油田
    • 2022年 3月 01日

    マジでUAVは真珠湾攻撃レベルの戦場イノベーション
    もう戦車は戦艦と同じくドローンレベルの低高度の制空権が取れてからしか動かせない兵器に成り下がったな

    3
      • tofu
      • 2022年 3月 01日

      戦車の類を撃破してるのは大半がジャベリンのようなATGMやぞ
      お陰で?ウクライナではセイント・ジャベリンとまで呼ばれてるほど

      上の方で自分でしたコメントの焼き直しだけど、戦果がどうこうではなく双方の戦術研究としてはメチャクチャ大事だけど
      安易な◯◯万能論やその逆をぶち上げるのは時期尚早

      18
      • トブルク
      • 2022年 3月 01日

      TB2は通信の安定性や簡易な地対空兵器を避けるため、比較的高い高度を飛んでるよ。
      なので、ロシアの中長距離地対空ミサイルが機能していれば、簡単に迎撃されて飛べるわけないんだよね。
      今回の事例からは、ロシアの防空システムに重大な欠陥があるように見える。
      例えばS400なら400km先の西側の指揮管制機や給油機を落とせると言う話が眉唾に思えてくるよ。

      10
        • tofu
        • 2022年 3月 01日

        ソ連/ロシア兵器はスペックを盛って、西側はその逆を行くのが大体のセオリーだからまぁ…
        とはいえ、SAM狩りが実数はともかくとしてやれるってことは貴方の言う通り何かしらの欠陥があると言える気はする

        強いて言うなら、レーダーの前を横切るビーム機動をとる低速のUAVはSAMからの探知は難しいはずで、それをカバーするのが戦闘機なのに
        原因は不明ながらロシアの航空機の動きが酷く低調なせいで穴が空いてる状態という見方はできるかも
        これは完全な素人考えだけど

        5
        • きっど
        • 2022年 3月 01日

        そもそも、この撃破されたブークって稼働状態なのか?
        森に隠した(隠れているとは言っていない)状態で放棄されているか、少なくとも稼働中の様には見えない
        ロシア軍は燃料不足&士気崩壊中だから、せっかく前線まで持ってきた防空システムも稼働を維持出来ていないのではと
        もしくは、逆にウクライナ空軍の側がSEADを実施する程に航空優勢がウクライナ側に傾いていて、故にレーダーの電源を切って隠れているのか? だとしても、みすみすTB2如きに撃破されているのだからお粗末にも程が有るが

        2
    • 2022年 3月 01日

    ドロ-ンだけで勝てるわけではないが、相当なウェイトを占め敵地るな。
    自衛隊もドローン部隊を拡充せんといかんだろうな。

    12
    •  
    • 2022年 3月 01日

    こういう意見もある。鵜呑みにしてはいかんが

    馬渕睦夫 氏
    リンク

    4
      • 狸囃子
      • 2022年 3月 01日

      「ディープステート」云々とか言い出してる時点で問題外ですね
      お疲れ様

      7
    • 半蔵
    • 2022年 3月 01日

    陸続きの国にTB-2は何機あってもいいな
    フォークランド紛争のエグゾセみたくそこそこなのに実際の戦争で実績が上がるとアゼルバイジャンもそうだけどめちゃめちゃ評価が高くなるよね

    無人機とそれに積めるミサイルと積んだ状態で24時間以上徘徊出来るのと見通し電波が届くだけでもかなりやれることがわかる しかも落とされても軍人死なない

    これ海上を1500キロ程度衛星誘導で飛ばせて徘徊できて少しだけステルス形状気にして最悪ロストしても自立航行するプログラム組んで200機くらい開発導入したいな
    川崎さん三菱さんもうやってそうだけど早めにお願い

    24
      • 投石器
      • 2022年 3月 02日

      今の所それに近い機体開発が進んでるのは、三菱川崎辺りの巨大重工よりもフジインバックとテラ・ラボかな
      あくまで“近い”機体であって、TB2には遠く及ばない性能だけど

      2
    • おわふ
    • 2022年 3月 01日

    偵察機としての有効度が高そう
    榴弾砲や対艦ミサイルの力を発揮させる為に陸自が持ってもいいのでは?
    本格的な大型ドローンと違って野戦運用しやすいのが良い

    8
      • 匿名
      • 2022年 3月 01日

      総火演では、﹙スキャンイーグル使用の﹚UAV部隊や電子戦部隊が収集・分析した情報を元に、特火部隊とかが敵中枢を叩くシーンがあったかと思います。

      TB2の情報を元に榴弾砲や多連装ロケット砲を連動させるのは、上記の延長線上だろうから、陸自にも親和性あるかも。

      3
    • 匿名
    • 2022年 3月 01日

    こういった師団偵察無人機クラスだと味方の戦闘機もヘリも飛びかう制空状態だと低空レーダーも短距離SAMも機能せず逆に見つからないのか
    それとも電子戦ジャミングによほどの自信があると無人機警戒を怠るのか露軍の場合は現場の混乱もあって両方ありそうな気はする
    多分ホバリング中ヘリを上空から狙い撃つの公開されると思うし制空権とった上でPSAM避けて低空を全速で飛ぶハインドが何故か撃墜される事案の原因はこれだったとか言われそう

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